清水印刷紙工 UV印刷コラム

清水印刷紙工 UV印刷コラム
第5回:UVインキ・ニス
UV 印刷で使用する UV インキ・ニスにはその用途によって様々な種類が存在しております。弊社
で現在使用しているものは既存品から度重なるテストを経て改良を加えたものが多く、より高品位な
UV 印刷を具現化するために弊社所有の UV 印刷機・UV 装置に完全にマッチングさせております。
● UV インキ
● UV ニス
【ノーマル UVOP ニス】
【UV ハイブリットインキ】
過去には紙用 UV インキとプラスチック用 UV インキは
OP(Over Print)ニスとはインキ胴からコーティング
別の種類を使用しておりましたが、現在ではその一本化を実
する薄盛タイプのニスを意味し、塗膜が薄いために光沢アッ
現しております。
“ハイブリット”と聞くと油性インキとの
混合品で硬化の遅いインキであることを連想しがちですが、
UV 特性を最大限に活かして硬化・皮膜強度等の過去の弱点
を克服しております。このインキ皮膜は柔軟で割れにくく、
パッケージやマガジンカバーの仕事の多い弊社の中核を担っ
プは難しく、主に表面の耐摩擦強度向上のために使用します。
【マット UVOP ニス】
表面光沢を落とすためのニスで、マット材により表面に凹
凸を作り出して光を乱反射させ、艶消し効果を発揮させます。
【シリコン配合 UVOP ニス】
ております。付け加えて、一般の UV インキでは取得の困
インキのみならずプラスチックのような特殊原反にダイレ
難なエコマークを取得済みですので、環境対応面で一歩も二
クトに接着することも可能で、配合されたシリコンによるス
歩も先行く UV インキです。
ベリ効果によりインキ脱落や原反表面の保護に役立てること
【UV ゴールド及びシルバーインキ】
が出来ます。
今までは UV インキによるゴールド・シルバーインキは
【帯電防止 UVOP ニス】
発色で油性インキに大きく劣ると評価され続けてきました
一般に帯電しやすいプラスチックの表面に帯電防止剤を
が、この度の開発商品は目覚しく改善された逸品です。一般
配合したニスをコーティングすることで、表面の電気抵抗値
の紙への表刷り印刷のみならず、裏刷りで発色効果のわかり
を 10 の 11 ∼ 12 乗位に抑えこむことが可能です。通常の
にくいプラスチックでもその光輝発色は図抜けた輝きを放っ
条件よりも原反の摩擦後にはその威力を大いに発揮いたし
ております。
ます。
【UV 水なしインキ】
【UV クリアーニス】
国内では既に一社が水なし UV の商品化に成功しており
インキ胴を使用する OP ニスとは異なり、印刷機最後尾
ましたので、弊社では高精細(FM スクリーニング= 400
に付設されているコーターにより印刷と同時にインラインコー
線 /inch)でプラスチックへ印刷することで差別化を実践
ティングを行います。実に OP ニスの 5 倍以上の厚い塗膜
いたしました。ゴールド・シルバーや 6C 印刷システムで必
を形成することが出来ますので、フィルム貼り加工に劣らな
要なオレンジ・グリーンインキまでを揃えております。まだ
い超光沢を実現しながら、その耐摩擦強度においても互角に
インキの改善を要しますが、水を使わないことが環境に優し
渡り合うことが可能です。
(図 2)
いだけでなく、際立ったシャープな網点再現は印刷の常識を
覆すことになると感じさせるものに仕上がっております。
(図 1)
図1
油性インキ 一般 175 線 / inch
図2
UV水なし高精細 400線 /inch
http://www.shzpp.co.jp