2015 年 6 月 17 日 官製談合の真相究明と再発防止に関する陳情書

2015 年 6 月 17 日
官製談合の真相究明と再発防止に関する陳情書
うるま市議会議長
大屋 政善
様
陳情者
学び行動するうるま市民ネット
共同代表
崎原盛秀
伊波義安
1.陳情の要旨
うるま市政の信頼を回復するため、去る 6 月 8 日那覇地裁で有罪判決が下った教育委員会発注工
事に絡む官製談合事件について、 議会独自に真相究明を行い、再発防止策を提示すること。
2.陳情の理由
うるま市教育委員会発注工事 2 件について、うるま市職員 1 名、会社役員 1 名が起訴され、去る
6 月 8 日那覇地裁で官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害により有罪となりました。しか
し、事件の全容はまだ解明されておらず、市民の行政不信は深刻です。
起訴理由によると、2012年8月に実施した伊波小学校増改築工事の入札と2014年8月に実施した高
江洲幼稚園増改築工事の入札をめぐって、市側の被告が事前に企業側の被告に最低制限価格を漏ら
しています。議会における市長答弁によれば、最低制限価格の決裁の現場に被告職員は立ち会って
おり、執務中の市長と1メートルも離れてない立ち位置にありました。裁判における被告の供述で
は、決裁権者が決裁する現場で価格情報を読み取り記憶したことになっています。また判決では、
両被告の間で情報流出は「常習としてされたもの」、「公の入札の公正に関する認識の甘さや根深
い癒着の構造を如実に示すもの」と事件を特徴付けています。
裁判では、捜査対象の期間中に市側被告が企業側被告に漏らした価格情報は、十数件に及んでい
たこと、被告二人の関係づくりに役所の上司が仲介したこと、被告職員が価格情報を漏らした企業
は他に2〜3社あったこと、被告二人の会食は月一回程度で1〜2万円の費用はほとんど企業側被告
の支払いであったこと、被告職員は一年ほど前、上司から2回ぐらい業者との会食を注意されたこ
と等々が明らかとなっています。
この問題に関し3月議会の質疑応答並びに裁判を経てもなお、市民にとって未解明な点を以下の
通り指摘します。議会として真相究明をお願いします。
(1) 流出した情報が十数件に上り、市長を含め複数の権者が決裁した工事が該当します。これらの
決裁権者は、なぜ被告職員を価格情報が見える位置に立ち会わせたのでしょうか。被告が上司
から注意されたのが1年前(副市長の答弁では1年半前)と仮定しても、その後も測量・コンサル
関係の入札以外に20件以上の工事発注に立ち合い、数件の情報を漏らしていると推定されま
す。なぜ、癒着の疑いを持たれた職員の立ち会いを継続して許したのでしょう。
(2) 癒着情報は数年前からあったと考えられますが、当該職員が担当した過去の入札結果をどうし
て調査しなかったのでしょうか。上司が注意した時、会食を共にしていた企業についてなぜ聞
き出さなかったのでしょうか。うるま市職員倫理規定第4条(1)(10)の禁止事項に該当するにも
かかわらず、同第10条に拠る「実情調査」と「事情聴取」が行われてないのでしょうか。あま
りにも杜撰で、信じがたいものです。過去の入札結果を調査すれば、情報の流出も、流出先も
歴然とするのではありませんか。市幹部が癒着情報は「噂レベル」のものと結論付けるには、
実情調査と事情聴取が必要だったのです。
(3) 管理者は癒着情報があったら、調査をし、人事権を行使して疑惑のある職員を異動させるべき
ではなかったでしょうか。疑惑を晴らすこともせず、同じ部署に留め不正を継続させた背景に
何があったのでしょうか。自浄作用が働かないから、警察が捜査に着手したのではありません
か。
(4) 裁判では、被告二人を引き合わせた上司の実名が上げられ、上部の関与が印象付けられまし
た。上司は被告職員から会社側被告への価格情報教示を示唆したと思われます。判決で「根深
い癒着の構造」と指摘したのは、官民癒着構造の広がりと強固さを暗示したのではないでしょ
うか。
(5) 被告二人の月一回程度の会食費用は1〜2万円程度で、ほとんど企業側から支払われていたと言
います。危険な情報提供への見返りとしては、あまりにも小さく意外な感がありますが、背後
でははるかに大きな金が動いたのではないでしょうか。被告職員の懲戒免職は談合組織の尻尾
切りに過ぎません。これで幕引きしたら、ほとぼりが冷めた頃、再び不正が繰り返されると懸
念されます。
(6) 被告職員が漏らした価格情報を入手して工事を落札した企業は、かなりの数に上ると思われま
す。これらの企業は何のペナルティーも受けないのでしょうか。
(7) 被告職員は6月11日に処分が決定されました。被告の処分決定後、十数件に及ぶ事件全体の解明
はどうなるのでしょうか。処分決定までに、教育委員会の上司たちは本人から事情聴取したの
でしょうか。
(8) 裁判の判決前に、教育委員会は報告書を添えて分限懲戒審査委員会に処分の審査を委託してい
ます。また、判決文の閲覧前に処分を決定しています。被告の違法行為は具体的にどう認定で
きたのでしょうか。決裁の内容を盗み取った被告と、情報を覗かれても情報流出を見抜けなか
った決裁権者の罪の重みにアンバランスを感じます。
次に、議会は官製談合防止策を提言していただきたいと思います。
市長の議会答弁で、本市の高い失業率、市民所得の低さから地元企業優先の発注を行っていると
ありました。しかし、建設業界が他の業界と比較して失業率や所得レベルで特に問題なのでしょう
か。地元優先ゆえに官製談合や企業談合が発生しやすいとしたら、公正な競争、公正な価格実現を
害し、結果として市民の利益を損ねてしまいます。入札の不調、不落、同額入札の要因は、予定価
格事前公表の可否、最低制限価格の設定範囲も関係しますが、連合を招きやすい地元優先政策が多
いに関わっています。これでは、市長のいう企業の健全育成は、なかなか実現できそうにありませ
ん。
3月議会で、数人の議員が提起していましたが、適正な条件を付けて市外業者の参入を認め、市
民の利益との調和を図るべきではないでしょうか。一定額以上の工事について、現在の最低制限価
格の価格帯を下に広げ、指名業者の何割かを市外から参入させたほうがいいと思います。
透明性を確保するため、最低制限価格に選ばれなかった残り2候補については名護市同様、落札
者決定後に公表し疑惑を払拭すべきと思います。。
今回の事件で、制度より、それを運用する人の問題が露呈しました。入札関連の価格等情報管理
を徹底するため、「うるま市職員倫理規定」と「建設工事等の入札・契約業務に関する不当な情報
提供要求等対応要領」の厳格な運用を求めます。
国も地方も財政事情が厳しくなっていく中で、常に全職員の服務規律を確保し、建設工事等の入
札・契約業務の公正性、透明性の向上を図ることが強く求められています。
最後に議会が行政のチェック機能を果たすため、うるま市の全ての発注部門について過去の入札
結果を検証していただきたいと思います。議会のご努力を期待します。