日本の活力再生 - ARGENT

始めに
日本は今後20年間で新たに超大国になる可能性を秘めています。
この考えは一見強引なものに思えるかもしれませんが、
このArgent Softwareのホワイトペーパーでは、そ
れが実現可能であるという根拠、そして早急に着手すべき重要なステップについて説明しています。
チャールズ・ダーウィンはこう言いました。
「最も強い種が生き残るのではなく、最も賢い種が生き延びるの
でもない。唯一生き残るのは、変化できる種である。」
これは国に対しても同様に言えることです。
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日本の活力再生 Argent Softwareにおける3段階の計画
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課題
現在、
日本が直面している課題については、すでに過剰と言えるくらい論説されています。
それでも課題をここでリストアップし、順番に対処していくことが出来るようにするのは意義のあることで
す。
課題 1 – 少子高齢化
日本の人口は急速に高齢化しています。最近のマッキンゼーの調査によると、
日本の貯蓄率は50歳以上で
減少傾向にあり、50歳以上の日本人が貯蓄の取り崩しを始めていることを示しています。つまり、従来高か
った日本の貯蓄率(1990年のピーク時には44%)が現在わずか2%にまで低下しているという事実がありま
す。貯蓄率低下の影響により銀行預金が減少し、新規投資も減少していくことになります。高価な輸入石油
を節約し、逃げ場のない状態で、投資においては高く有益な投資回収率(ROI)が必要となっています。
そして60歳以上になると、20歳の時よりもより多くの健康保険の医療費がかかります。高齢化が進展するに
つれ、医療費はますます増大していくのです。
課題 2 – 人口の減少
高齢化と共に日本の人口は減少しています。現在、
日本の総人口はおおよそ1億2700万人ですが、国立社
会保障・人口問題研究所 によると日本の総人口は2032年にはおおよそ1億1800万人に減少すると予測さ
れています。そして、高齢者の割合は2032年には現在の総人口の30%から40%に拡大すると予測されてい
ます。
この結果として生産性をさらに向上させる必要があり、
より多くの仕事をより少ない人間の手で行わ
ざるを得なくなるでしょう。
課題3 – 輸出市場の縮小
日本はかつて
「アジアの虎」の先駆者的存在でした。1975年までには、
日本の自動車メーカーはデトロイト
を完全に打ちのめし、
自動車は製造業大国としての日本の力を示す一例となりました。
(ここで思い起こす
べきことは、1975年当時の中国は自滅的な「文化大革命」の真っ最中にあったということです。)
しかし、円高が続く中で日本の輸出力は減退しています。(1975年初頭で円は1ドル301円で取引されていま
した。)
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課題4 – ガラパゴス化
これからの20年間で日本が直面するであろう課題の中で、最も深刻なのはガラパゴス化です。
これは現在の日本経済停滞の中心となっているもので、最も憂慮すべきものです。
しかしながら、
この課題
は簡単に対処できるものです。それは単に考え方の問題であり、考え方それ自体は簡単に変えることの出
来るものだからです。
(日本において銃器の安全を図る場合、考え方としては銃器を単に違法とすれば済み
ます。1587年を舞台とする映画『七人の侍』
では、侍のうち4人は火縄銃で射殺されています。)
高齢化を防ぐことは、素晴らしい考えですが現実的ではありません。一方で考え方を変える事は全く難しい
事ではないのです。
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解決策
これまでに、現在日本が直面している課題をリストアップしてきましたが、Argent Softwareのホワイトペー
パーでは3つの単純かつ具体的なステップを提案します。
これらの3つのステップは、いずれも日本が現在の低迷から脱却するうえで不可欠となるものです。
解決策1 – 太陽光と風力発電
風力発電機の構造は、3つの羽がついているだけで、写真で見ると子供でも作れそうなほど単純なものに
見えます。
しかし実際には、
アメリカのスペースシャトルのように極めて複雑かつ洗練されたもので、
さらに
風力発電機を安定稼働させるのは極めて困難で、ギアボックスだけでも厳密な精度と洗練されたソフトウ
ェアを必要とします。
つまり小さな写真では、
この地上建造物の複雑さを把握することはできません。風力発電機の近くに立つこ
とで、初めてその問題の大きさが理解できるのです。ほとんどの発電機はビル10階建ての高さ(30メートル)
で、一部ビル15階建ての高さ(45メートル)のものもあります。
信じ難いことですが、風力発電機の最大の製造国の1つはインドです。風力発電機は世界で最も複雑な技
術を必要とし、最良の製造技術が要求され、その多くはインドで製造されています。
この事実をよく考えて
みましょう。
言うまでもなく、インドで製造された風力発電機の多くには故障の問題があります。
この問題はいまだ改善
されておらず、75%以上のインド製発電機が故障に悩まされている状況です。時には中国の高速鉄道事故
のような致命的な結果をもたらす場合もあります。
(日本の新幹線は過去49年間の運行で致命的な事故は
起きていません。中国の新幹線のコピーは249名の人命が失われるまで38日間運行されていました。)
世界中でどの国が最も高い水準の製造業を持ち、
どの国が最も優秀な従業員を持ち、
どの国が最も、“もの
づくり”にプライドを持っているでしょうか?それはインドでもなく、明らかに中国でもありません。
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日本は風力発電機に対して早急に2本柱のアプローチを取る必要があります。最初の目標は2032年までに
日本のエネルギーを自立したものにすることです。
これはJALとANAが常に航空燃料を必要とするので完
全には実現しませんが、
日本製の風力発電機による電力により、新幹線を運行させ家庭に冷暖房用の電力
を供給することが出来るはずです。
2つ目の目標は、
日本の高度な知財を積極的に輸出することです。風力発電機は高度なハイテク分野の技
術が必要とされる製品です。最新鋭の日本製風力発電機の市場は無限に広がっています。そして高度な知
財の価格は値崩れしません。
また過剰供給にはなり得ないでしょう。
顧客が日本製風力発電機をレンタルすることで支出を減らし、発電した電力に応じた金額を支払うという
革新的な財政構造が生み出されるのです。
現在までに開発が進んでおり、既に知財的価値の低い技術領域としてはソーラーパネルがあり、その価格
は急落しています。石油輸入に依存しないように、
日本企業はできるだけ多くのソーラーパネルを、大規模
に展開するべく加勢する必要があるでしょう。
また日本政府は「日本の電力を自由で安全なものに」
というよ
うなキャンペーンなどを展開し、広報や表彰でこれを支援するべきでしょう。
日本製造業の秘密
数年前、アメリカの自動車メーカーがデトロイトと大阪の工場で同一の車種を製造
しました。
アメリカの顧客は、
日本製が輸送費等で割高であるにもかかわらず皆日本
製の車を求めました。
アメリカの技術者はその理由が理解できませんでした。なぜな
ら、
自動車自体は「まったく同一」だったからです。そこでアメリカの技術者は2つの車
を解体してみました。違いはギアボックスにありました。
アメリカ製自動車のギアボッ
クスは全て仕様書通りで、もしシャフトが30ミリ長・公差がプラスマイナス1ミリなら
ばその通りの出来でした。
しかし、
日本製のギアボックスは同じシャフトでも、公差の
精度が10倍高いもので、30ミリ長で公差がプラスマイナス1/10ミリだったのです。
し
かも、誰も日本の技術者にそうするように指示しておらず、自発的にこの高い水準を
作り出したのです。
これこそが日本の製造技術は常に世界最高峰であり、
自動車や風力発電機の輸出製造業大国であるべき理由なのです。
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解決策 2 – クラウド
クラウドは、データとアプリケーションを個別のパソコンから遠隔のサーバファームへ移動します。そこでユ
ーザはパソコンや端末のWebブラウザを使って、
クラウドのデータやアプリケーションにアクセスします。
ス
ターバックスからでも地下鉄からでも、何時でも何処でも利用できます。
これは単なる流行ではなく、将来
のあり方を示しています。
クラウドは日本の矛盾の1つを解決してくれます。
日本のソフトウェア・エンジニアは世界的に見ても最高水
準にありますが、
日本のソフトウェアは世界的には最も高価です。
この問題の解決策としては、
日本のソフ
トウェア・エンジニアを利益率の高い分野に配置することですが、それがまさにクラウドの分野だと言えま
す。
現在のところ、
日本でのクラウド技術の採用は極めて遅れています。Amazonクラウドサービスは、
シアトル
ではなく、北海道などに置かれるべきものです。
そしてこのためには、2つの重要な課題がもたらしている問題に対処する必要があります。それはまずガラ
パゴス化、そして次に英語力という課題です。
ガラパゴス化の議論には次のようなものが散見されます。
日本は製造業大国であり、全ての製造工程は日
本語で行われています。優れた日本の労働者を使い、
日本語だけで十分であると。
この議論は、1975年当時
に、全ての日本の自動車メーカーが、
日本国内で自動車を製造していた頃には妥当なものでした。
また当
時は、中国は「文化大革命」に苦しんでいる時代でした。
しかし、今日ではこうした議論は妥当ではなくなっ
ています。
優れた教育水準と、
日本のソフトウェア・エンジニアの技術を生かすために必要なことは、
ガラパゴス化と
は逆の事を実施することです。それは、外向きの視点と英語力の強化です。
日本企業や日本国民が外国語の習得に抵抗を感じる大きな理由は、それが日本のものでなく外国のもの
であるということです。そして、外国語によって日本らしさが失われてしまうという誤信があります。
しかし、
実際は違います。
日本は30年前には世界経済を牛耳る存在でした。
アメリカが乱暴なやり方で、不当なプラ
ザ合意を日本に強要するまでは。
しかし、
日本の優れた技術者と日本が本来もっている優秀な労働力によ
り、再び同じことが出来るはずです。
クラウドの大きな利点は、
コストが少なくて済み、
日本の知財を安全に輸出でき、それでいて日本の技術者
が日本を離れる必要がないという点です。
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場所としてはどこがふさわしいでしょうか?多量の熱を発生するサーバファームを冷却するのに適した、冷
たい海水と風に恵まれた北海道が最適でしょう。
日本のソフトウェアの優位性
Argentは世界各国にエンジニアを擁するグローバル企業です。すべてのエンジニア
に小型のポータブル・プリンタを支給しています。Argentはこれまでに7社のメーカ
ーのプリンタを使用し、それらはアメリカ、韓国、そして日本のメーカーを含むプリン
タでした。現在Argentが世界中で使用対象としているプリンタはキヤノン製のみで
す。その理由は、キヤノンのソフトウェアが他のベンダーのソフトウェアよりも大変優
れているからです。
もちろん、
プリンタ機自体も最も優れたものといえ、最も低騒音で
信頼性が高い等さまざまな点で優れています。
(アメリカ製プリンタは、
まるで大型旅
客機747が離陸するかのような音を出します。)
重要な差別化をもたらしたのはキヤノンのソフトウェアの優位性です。キヤノンのソ
フトウェアは大きな画像を印刷した後の紙が乾くまでの時間という点で特に優れて
おり、
この機能はキヤノンだけが突出しています。
解決策3 – ソフトウェア・オートメーション
全ての国に共通していえることですが、企業や政府のIT部門はひどく非効率的なものです。他の部署では
10年前に自動化された業務が、いまだに手作業で行われています。
この理由は、CFO(最高財務責任者)が
IT部門を特別扱いすることにあります。
これは誤った姿勢でありIT部門もただの1部署に過ぎず、他の部署と
同様に疑いの目をもって注意深くチェックされるべきです。
よくある事ですが、人件費の高いエンジニアが、
プログラムで自動化されるべき単調な作業を手動で行い、
時間を無駄にしています。そして日本企業の場合は、更に気を配る必要があります。何故なら先ほど述べた
ように、
日本のソフトウェア・エンジニアは世界的に見て優秀であるものの、人件費もまた高いものだから
です。
Argent Automationは、オーストラリアにある大手公共交通機関の年間コストを、米ドル換算で15万ドル
削減しています。Argent Automationの導入以前は、600台に及ぶ監視カメラの確認に4名の正社員を使っ
て自動車で巡回していました。正社員が4名も必要だったのです。Argent Automationに米ドル換算で2万
3,000ドルを一度投資した後は、
こうした業務がすべて自動化され、
これにより4名の社員をより生産性の高
い業務に配置することが可能となりました。
これはArgent Automation導入による成功例のほんの一例に
過ぎません。
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結論
今後20年間で日本の活力を再生するため、Argent Softwareが提唱する、3段階のステップを提示します。
1: 現在の電力の発電機を日本全国にわたり、積極的に日本製の風力発電機に転換していくこと。
これによりハイテク分野の仕事が日本に戻り、
日本独自の“ものづくり”の力を生かすことが出来ます。
日本がエネルギー需要を、海外からの石油輸入に依存する限り、安心とは言えません。
細長い列島である日本の地理は風力発電に理想的といえます。沖合の風力は陸上の4倍あるため、風力発
電機を沖合に設置するとよいでしょう。
2: 視点を内向きから外向きへ変える
日本は諸外国との関係において、変遷を繰り返してきました。
日本はユニークであり、
日本が日本らしくあり
続けることで、
日本と世界の相互利益を生み出してきたのです。
また引き続き低い移民率と、
日本らしさを
純粋に保つ事を重視してきました。
しかし、
これは日本がその他の世界を無視して良いということではありません。むしろ日本は、英語教育に
関して、全く新しいアプローチを導入する必要があるのです。
3: 日本の高度な知財を輸出するため、英語力を強化する
最も費用対効果が高く、素早く効率的に日本国内で実現できる方法は、小さな外国語のテーマパークを作
ることです。
ディズニーランドのようにレストラン、
カフェ、バー、インターネットカフェなどを置き、全てが英
語表記で英語のみ話されるようにすることです。
これは、社員を外国語テーマパークに送りたい企業によっ
て、資金提供されることになります。
これらの外国語テーマパークの設置は、衰退の激しい地方の建設業を
潤すことになるでしょう。
東京や他の主要都市からバスなどで、外国語テーマパークへのアクセスを設けます。
(もちろん、バス内で
の案内も全て英語のみです。)英語を話す外国人留学生を高くない賃金で雇い、
シフト制でカフェなどに配
置し、英語を話してもらいます。
こうしたテーマパークで世界的に見ても安全、清潔、礼儀正しさといった、
日本の基準を英語で提供します。
企業社員は年間で1~2週間程度外国語テーマパークに通います。
日本の学生には、大幅な学割や特典な
どで外国語テーマパークへのアクセスを促します。
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Argent Softwareについて
Argent Softwareは世界的な非上場の大手ソフトウェア開発会社の一つで、
クラウド技術の最先端企業であ
り、企業や政府機関がオートメーションにより生産性を高めることを世界中で支援しています。
Argent Softwareは世界各国に拠点を擁し、本社をニューヨーク金融街の中心地ウォールストリート100番
地に置き、2,500以上もの世界中の顧客にサービスを提供しています。
主な顧客には、キヤノン、ホンダ、
カワサキ、三菱、
ソニー、
スズキ、そしてトヨタが含まれています。
Argent Softwareの詳細についてはwww.Argsoft.co.jpをご覧ください。
注:ArgSoft Sales and Support Limited, (Japan Branch)が作成したこのホワイト ペーパーは情報提供のみを目的としています。明示または黙示に関わら
ず、これらの情報についてArgSoft Sales and Support Limited, (Japan Branch)はいかなる責任も負わないものとします。この情報は予告なく変更される
ことがあります。ArgSoft Sales and Support Limited, (Japan Branch)は本書内に含まれる技術または編集上の誤り、または脱落に対して責任を負いませ
ん。また、このドキュメントに含まれるマテリアルの提供、実行、使用が原因で発生する付随的損害、間接的損害、結果的損害に対しても責任を追わな
いものとします。ここに記載されている意見はArgSoft Sales and Support Limited, (Japan Branch)の見解です。記載されている社名および商品名は、登
録各社の商標および登録商標です。
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