「文系修士留学」

海外大学院留学説明会
九州大学 2015.1.9
自己紹介
2006年:高校卒業
大学受験
鈴木崇之
TUFTS UNIVERSITY修士課程修了(都市計画専攻)
2006年:東京大学理科I類入学・都市工学科卒業
サークル
「文系修士留学」
アルバイト
授業
2010年:東京大学大学院入学
論文執筆
就活
決断と修了後について
就職?
進学?
起業
インターン
留学
世界一周
もっと幅のある人生を歩みたい!
(余談)苦い思い出
大学2年時に世界一周を試みるも、
学生課に猛反対され、断念…
自己紹介
2010年(大学院1年)当時思ったこと:
日本の街を元気にしたい。
それが実現するような仕組みづくりをアメリカで学びたい!
(基本的な思いは今も変わっていません)
 2011年9月
Tufts 大学大学院 都市+環境政策専攻 入学
 2012年10月 Boston Career Forumにて就活。1社から内定
(本題)「文系修士留学」について
 2013年5月
上記大学院 修了
 2013年9月
政府系金融機関に勤務
「文系修士留学」を決断する
What
(何の分野でするか)
Why
(なぜするか)
When
(いつするか)
1
「文系修士留学」の “WHY”
「文系修士留学」の”WHAT”
視野を広げたい
Master’s Program の例:
 法律系:Law School(LLM)
英語力向上させたい
新しいことに
挑戦したい
 ビジネス系:Business School(MBA)
学びたいテーマがある
 公共政策系:Public Policy
 これこそ十人十色。
 デザイン系:Media and communication, Architecture
 それぞれの熱い思いがあって良い(特に修士の場合)。
思いを受け入れる側に上手に伝えなければ
ならない(アピール)。
• 卒業後、就職することを前提としている(学んだことを社会に生かす)
• 大学院から学ぶ分野が多い→多様なバックグラウンド
社会を変えられる人が欲しい
「文系修士留学」の “WHEN”
大事なのは、情報収集能力
何の分野で
社会人経験前(学部卒業後など)
準備期間
修了後
自由度
経済的に
短い
社会人経験後(会社派遣)
長い(社会人経験生かせる)
入学時平均年齢は26~28歳
就職先が決まらないリスク
•
高い
低いことも有り
不安?
計画できる
論文・文献
人・事例
身近な留学経験者、海外在住者
社費留学 or 貯金十分
自費+学内外の奨学金
•
• 両者を十分吟味の上、決断する必要あり
知っておきたいこと①
MASTER’S DEGREEの特徴
PhD.
 実務主体
 研究主体
研究とのバランスはプログラム
による
 実務家養成目的
 研究者養成目的
 多くの場合、学費負担なし
日本の修士
 授業はディスカッション重視
 Pre-博士課程的な位置づけ
 教育に重点
 講義→試験で評価
教授との距離近め
 2年間で講義10~15コマ(3~4コマ/学期)

1学期目にはその分野の基礎的講義

一つ一つの講義は重い

 教授との距離遠い
各大学HPで公表されて
います。
1講義1週間のReading:50~100ページ
 演習(スタジオ)

 学費負担あり

海外大学院は、
主体的かつ貪欲に行動できる(⇐社会を変えられる)人を求めている
知っておきたいこと②
CURRICULUM
米国のMaster’s

いつ
興味のある分野+”Graduate school”で検索
GradSchools.comでどんなプログラムがあるか
見てみる
体験授業 MOOCs(Coursera, edX)
•
•
帰る場所がある
後が無い分、必死
なぜ
インターネット
実際のクライアントを持ち、実際の現場に近い形
 修士論文・Research paper

必修かどうかはプログラム次第(書けないプログ
ラムは稀)
大学院毎に特色は分かれるので、要確認
2
知っておきたいこと③
MASTER’S PROGRAM 奨学金
Master’s 留学
知っておきたいこと③
MASTER’S PROGRAM 奨学金
年間費用
 国内奨学金(給付型推奨)
学費:
生活費等:
計:

フルブライト、船井、本庄、村田、吉田、伊藤、中島、文科省(?)など
250~400万円
150万~250万円
400万~650万円

分野、大学所在地、進学先で指定している場合あり
 海外奨学金
(参考)
九州大学大学院
学費:
70万円
年間費用
生活費等:
150万~250万円
計:
220万~320万円

基本は進学先で探す

Need-basedとMerit-based

RAやTA(アルバイト)

合格前または後に確認
(参考)筆者の場合2年間で
国内(平和中島):480万
大学院(Tufts):150万
自己負担:170万
計:約800万

そこに通っている学生にコンタクト

Admissions officeでも対応してくれる(返事遅いことが多いが…)
奨学金ないとキツイ…
知っておきたいこと④
修了後の就職について
日本で就職するために、出来ること
留学しても、就職先が決まらなかったらどうしよう
せっかく留学したのに、いい会社に就
職できなければもったいない
留学
or
「普通の就活」
 留学決定~出発の期間

興味のある会社の訪問、メールのやりとり

研究室、学科等のネットワークを活用
 留学中

夏休みに企業訪問

スカイプ・電話でOB訪問

インターンへの応募・・・アピールするチャンス
 留学をする以上、「普通の就活」をすることは困難
•
実際の就職にどの程度つながるかは不明
→日本での就職先は限られる
•
だが、情報を集めて損はない
 しかし、人生何事もリスクは伴う。
•
とにかく貪欲に、
出来ることはやっておく!
 就職できないことを恐れるならば、留学はするべきではない。
日本で就職するために、出来ること
 Boston Career Forum
米国で就職する方法
様々考えられるが、いくつか例を
 大学・研究機関

海外で数少ない「就活」ができる場

世界中から日英バイリンガル大学生が集まる

RA、Research Fellowなど

日系・外資系企業100社以上が集まる

将来PhD進学を考えている場合は有効

2日間で内定も
 民間企業

金融機関、コンサル、メーカーなど
 Non-Profit

国際機関、地域のNGO

コネがかなりモノをいう
日本のような「総合職」採用がされることは極めて稀。留学中にスキルを身
に付け、計画的にネットワークづくりを行うことが重要。
3
最後に
留学は冒険?
アメリカで、90歳以上の老人に質問:
「90年の人生を振り返って後悔していることは?」
「もっと
学問的知識・スキル
しておけばよかった」
(回答者の9割)
大学
証書・コンペ賞
生きるスキル
 「お決まりのルート」を行かなければいけないことは
決してありません。
大学院
就活
 5年後の自分を想像してみて、後悔のない選択をして
欲しいと思います。
人とのつながり
英語力
多様な世代・人種・バックグラウンドの
多様な考え方、生き方
ご静聴ありがとうございました
ご質問等はお気軽に
[email protected]
鈴木崇之
4
自己紹介
略歴
海外留学後の職探し
− 理系編 −
主に自然科学分野・アカデミアの話
UC Berkeley, Physics
Ph.D. candidate
渡辺 悠樹 (わたなべ はるき)
• 都立西高 →1浪→ 東大理I・物理学科卒
• 2010年4月 東大 物理専攻修士課程 進学 → 退屈!
• 2010年8月 留学説明会に参加
もっとexciting&challengingで、自分が成長できる環境へ!
• 2011年8月 UC Berkeleyの大学院へ
• 2012年3月 東大 物理専攻 修士号取得
• 2015年6月 Ph.D.取得予定(4年で卒業)
• 2015年夏からMITでポスドク(任期3年)
本庄国際奨学財団の奨学金を2年目から3年間受給
Plan of the talk
理系の職探し
の
一般的な説明
私の場合
どのように大学
院を過ごしたか
海外留学後に
どんな将来が待っている?
学位留学をするということは…
もちろん無数の可能性がありますが、基本的に
• アカデミアに残る(研究者を目指す)
• それ以外の一般職に就く
• 日本の「ふつうの人生」のレールから外れる
– 学部3,4年 or 修士1,2年で就活…
– 20代後半には仕事も安定し、そろそろ結婚…?
• 日本のアカデミアに戻りづらくなる(かも)
– 日本のアカデミックポジションはほぼ「コネ」で決まる
(公募すら出ないor公募が出てても結局は出来レースということもザラ)
国内 or 海外 ??
– 「ふつう」は日本で博士取得後に(海外)ポスドク
1
留学前に心しておくべきこと
1. 学位留学は基本的に荊(イバラ)の道である
「留学しただけでなんかすごい」という甘い期待は捨てるべき
もう誰も守ってくれない・背水の陣の覚悟
2. 将来日本のアカデミアに戻りたいなら
その準備を怠るべからず
日本の有名研究室出身者の数 > ポストの数
3. アカデミアに残るなら留学中に十分な
研究業績を上げることが絶対必要
…と色々negativeなことを言いましたが
日米どちらの大学院も経験した私の比較では、
• アメリカでは教授たちが、自分自身で本気で研究
に取り組んでいる
• 同期が非常に優秀で、互いに競争があり、exciting
• 有名研究室出身のポスドクに囲まれて、議論する
のが楽しい
• ビジターもセミナーも多く、最新の情報がどんどん
入ってくる
などなど研究環境は最高で、4年間存分に楽しみま
した。
理系アカデミアのキャリアパス
(自然科学の例)
学部卒
4 年
※分野によって大きく違う!
一般企業に就職した経験が
活きる分野もある。
就職
Ph.D.(修士+博士)取得
4 – 6 年
就職
ポスドク(国内・海外)
?? 年
助教
?? 年
← 日本には全くポスドクをしないで
博士課程在学中に助教になる人も
アカデミアは基本的に厳しい!
• 高齢ポスドク問題
オススメ:
円城 塔「ポスドクからポストポスドクへ」
※ネットで検索すれば無料で読めます
物理専攻; 東北大卒→東大で博士→34歳までポスドク→小説家
2013年「道化師の蝶」で芥川賞
就職
?
30代半ばで諦めると
普通の仕事はあるのか?
准教授
??
Option
・理化学研究所などの研究員
・企業の研究職
•
•
•
•
研究職はいわゆる「夢追い人」
30代半ばになっても安定しないかも
任期付き・その先があるかわからない …なかったらどこへ?
准教授レベルになるまでは給料も(比較的)少ない
教授
日本でのポスドクの例
海外からも応募可 ※PhD取得時期を早める
海外でのポスドク
• 学振(日本学術振興会)ポスドク
• Top schoolのFellowship (※日本からだと敷居が高い)
(年430万、任期3年)
Prestigious position with Independence and Freedom!
– Harvard (Junior fellow)
– MIT (Pappalardo fellow, Moore fellow $67K ≃ 800万)
– UC Berkeley (Simons fellow, Moore fellow)
–…
• 理化学研究所のポスドク・基礎科学特別研究員
(年580万、任期3年)
• 京都大学白眉プロジェクト・特任助教
(年~600万、任期5年)
• その他、研究所・研究室や研究費ごとのポスドク
研究分野のメーリングリストや学会のHPなどで海外でもチェック可能
• 研究室、grantごとのポスドク
各研究室のHP, AcademicJobsOnlineなどでcheck
• 海外学振(日本からお金をもって行く)
2
ポスドク出願 1
11月上旬 12月上旬
5月末
1月上旬
学振PD
応募書類
締め切り
4月末
7月中旬
7月末
書類審査
結果
面接
該当者は
1次選考
最終結果
面接
結果開示
(面接免除も)
9月中旬
理研
基礎特研
応募書類
締め切り
最終結果
10月中旬
‐12月上旬
アメリカ
Fellowship
10月末 12月中旬
1月初頭
‐12月末 ‐12月末
ポスドク出願 2
必要書類
• Recommendation letter ←最重要
通常2,3通。場合によっては「最低」3通。4通必要なところも。
その分野の大物からの強いrecommendationが必要。
PhD中にいろんな人と研究をして関係を築く。
• Research statement (essay)
今までの研究のoverview + 応募先でどんな研究をしたいか
応募書類
締め切り
interview offer
offer
への返答
12月中旬〜2,3月ごろまで様々!
アメリカ
普通のPD
ポスドク出願 3
インタビュー当日!
朝から晩までひたすら面会とセミナー
日本のいわゆる「面接」とはまったく違う!
KITP (UC Santa Barbara)
Harvard
Fellowshipは短い(1,2ページ) / 通常のポスドクはより詳細に書く傾向あり。
• CVやlist of publicationsなど
※GPAは通常提出すらしない。
ポスドク出願 4
• 日本よりflexible
– 来週空いてる?明後日の飛行機取れる?
– 1日中、ランチもfacultyと一緒なので、丸裸にされる
• Applicant側にも…
– HarvardのinterviewでBostonへ行くけど、ついにMIT
でinterviewしてくれない?
– Harvardからofferもらって、待遇はこれくらいだけど、
MITの方はどうなってるの?
一般職(聞いた話)
日本に戻る場合
• Boston Career Forum (毎年11月)
私の大学院生活@UC Berkeley
– 190社にも及ぶ日本からの参加企業(大手多数)
– 事前に登録をしておいて当日面接・内定も!
– LA, SF, Sydney, London, Tokyo, Osakaでも。
• 1 semester休学して日本で就職活動
– 就活するチャンスがない、ということはない。
– 公務員などの年齢制限には注意!
アメリカに残る場合(よく知らない)
• 現地のAgentに頼る
• やはりBoston Career Forum
3
研究
• 研究を頑張り主筆論文14本書きました!
→ 推薦状を書いてくれた3人全員と共同研究経験
下準備
• 授業は全て1年目に取り終えた・いくつか学部の単位振り替え
• Qualifying examを2年目初めには突破
• Teachingの量を減らすために日本からの奨学金に応募・受給
(補足:州立大学でのteaching)
UCBは州立大学で、学部生が多くてteachingの量
がとても多い(週20h = 50%)
• 週4回、1回あたり2h(計週8h)、実際に生徒の前
で講義をするor生徒の実験の監督
• 週2hのoffice hour。
• 残りの10hは準備や宿題の採点など
• これを卒業までずっとやらないといけない人も。
私立では普通もっと楽。週8h以下だったり、数
semesterだけteaching dutyだったり。
その広報活動 1
• 日本国内・アメリカでの学会発表・招待講演
はもちろん
その広報活動 2
• 春夏の休暇で帰国する際には各大学で
研究内容をセミナーして回りました!
(4年間で少なくとも30回ほど)
• 物理学会誌に解説記事を寄稿したり
今年の冬の帰国→
今年の夏の帰国↓
その広報活動 3
• メディアでの報道
これらの結果
日本では…
• 海外にいるにもかかわらず日本で少し有名になれた。
• 私の分野の有名な教授2人から、「もし日本に帰ってくるなら
是非うちで…」と内々にポスドクのオファーを頂いた。
• この築いてきたものは、今後も活きるはず!
アメリカでも…
• 「中村誠太郎賞」を
歴代最年少で受賞
• 強い推薦状をもらうことができた
• 応募する前からHarvardやKITPから声がかかったり、Caltech
やStanfordからも問い合わせが。
• 結局MITのfellowshipのオファーを受けました。
4
例えば…
• 留学が決まった段階で、それまで5年ほど
付き合った彼氏・彼女がいたとします。
最後に
「海外留学」と「恋愛・結婚」
• あなたならどうしますか?
5年は続かない。大抵別れる
1. 遠距離恋愛を続ける
付いてくる奥さん・旦那さん
2. 結婚して一緒に来てもらう
のキャリアはどうする?
3. 待っててもらうのは悪いので別れる
確かに女性にとっての20代後半を棒に振らせるのは裁判モノ
私の場合は…
•
•
•
•
•
留学前にプロポーズ・婚約
奥さんは日本に残り、就活・就職(つまり別居婚)
2013年の夏休暇中に日本で挙式
奥さんの扶養家族(超ひも理論)
2015年4月に第一子誕生予定 ←別居婚の限界
まとめ
• 「Ph.D.の4‐6年間をどう過ごすか」がその後の
キャリアパスの鍵!
• 研究さえしっかりできていれば、ポスドクの仕事
は自然にofferがくる。アカデミアに残るならとに
かく研究を頑張ろう!
• 帰国の度に積極的に日本の大学でセミナーをし
たり研究室を訪問して、少なくとも「忘れられな
い」ようにしよう!
質問・その他: [email protected]
5
九州大学
分子システムデバイス国際リーダー教育センター 准教授
牧野 恵美
キャリア
創造力の時代における
海外留学
消える職業
現代ビジネス2014.11.08 週刊現代 オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職
業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった
「人間が行う仕事の
約半分が機械に奪われる」
1
大転換点
パラダイム シフト
Paradigm
Shift
創造力の時代
ハコもの?
人?
2
Peter F. Drucker & Masatoshi Ito Graduate School of Management
知識 = 経済資源
転職の契機
Productivity
&
Innovation
Career
Transition
3
会議通訳
http://bit.ly/makinombablog
Columbia University
J‐School
専門職への入り口
Initiation to a Profession
Georgetown
University 4
Creativity
20歳 教養
Organizational Behavior
23歳 専門職の修行
38歳 転職のきっかけ
Knowledge Creation
継続的な学び
Continuous Learning
教養
Liberal Arts
専門性
Expertise
創造力
Creativity
想像力
Imagination
5
ありがとうございました
感性
Sense
Thank you very much!
牧野 恵美
makino@molecular‐device.kyushu‐u.ac.jp
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