Document

計測基礎
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
2015.06.22
1
講義内容
電気計測とは?
測定法の分類
直接計測と間接計測
ゼロ位法・偏位法・補償法の特徴 : 利点欠点(7章7.1 7.2節)
ゼロ位法
電位差計
偏位法
可動コイル型計器
補償法
偏位法による抵抗測定
電圧降下法
2端子法・4端子法
ゼロ位法による抵抗測定
ホイートストーンブリッジ
ブリッジ回路の応用例 : ひずみ測定(11章)
マクスウェルブリッジ
ケルビンダブルブリッジ
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
2015.06.22
2
ゼロ位法による高・中抵抗測定
ホイートストンブリッジ
B
S
X
IX
未知抵抗X 可変抵抗M, N 既知抵抗S 検流計G
及び直流電源で構成される。
IS
A
C
IN
G
N
ISOURCE
M
IM
可変抵抗M, N を検流計を流れる電流がゼロにな
るように調整することで未知抵抗Xを測定する
D
キルヒホッフの第一法則
電気回路上の任意の電流の分岐点にお
いて電流の流入の和と流出の和は等しい
A点において
ISOURCE= IX + IN
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
キルヒホッフの第二法則
電気回路に任意の閉路をとり電圧の向
きを一方向に取ったとき、閉路に沿った
各素子の電圧 Vi の総和は 0 である。
閉回路ABCDにおいて
IXX + IXS - INM -INN = 0
2015.06.22
3
ゼロ位法による高・中抵抗測定
ホイートストンブリッジ
B
S
X
IX
IS
A
C
IN
G
N
M
IM
D
可変抵抗M, N を検流計を流れる電流がゼロになるように調整
電流 : IX = IS , IN = IM
電圧降下 : IXX = INN , IXS = INM
したがってブリッジが平衡状態にあるときは
N
X=
S
XM = SN つまり
M
標準抵抗S の正確さと可変抵抗N, M の比の正確さが重要
検流計を流れる電流がゼロなので検流計G の内部抵抗が
問題にならない (ゼロ位法)
直流電源を交流電源
検流計を交流検流計に変更
↓
インピーダンス測定
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
高・中抵抗測定(数10mW以上)に限られる
未知抵抗X の接触抵抗, 測定配線抵抗の問題
↓
ケルビンダブルブリッジ
2015.06.22
4
ゼロ位法によるインピーダンス測定
Rx
マクスウェルブリッジ
B
Lx
R2
A
R1
D
ブリッジが平衡状態にあるときは
C
R3
D
未知インダクタLx, 寄生抵抗Rx を測定する
R1R2 = (Rx + jwLx)
(
= (Rx + jwLx)
(
C
=
~
故に
実数部より R1R2 = R3 Rx
Rx = R1 R2 / R3
(
R3 / jwC
R3 + 1/jwC
R3
1+ jw R3 C
R3 (Rx + jwLx)
1+ jw R3 C
)
)
)
R1R2 (1+ jw R3 C) = R3 (Rx + jwLx)
嘘数部より jw R1R2 R3 C = jw R3 Lx
Lx = R1R2 C
未知インダクタLx, 寄生抵抗Rx が測定角周波数w の影響を受けない
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
2015.06.22
5
ケルビンダブルブリッジ
i’
l
B
X
i
n
F
i2
A
i1
m
i2
S
i
i1
G
点A, 点B にたいして
I = i + i1 i =i’ + i2
D 閉回路A→E →F →B →A
– Ni1 + ni2 + Xi = 0
閉回路F→E →D→C→F
– Mi1 + Si + mi2 = 0
閉回路B→F →C→B
– ni2 – mi2 + li’ = 0
これらの式から電流を消去すると
M
N
I
C
E
N
X=
M
ml
S+
m+n+l
(
N
M
-
n
m
)
N / M = n / m のときX は
N
X=
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
M
S
2015.06.22
6
配線・接触抵抗
ケルビンダブルブリッジでは
N / M = n / m が重要
Bd
N / M = n / m のときX は
N
X=
S
M
X
b
l
C
S
n
F
A
c
D
a
低抵抗測定
配線・接触抵抗が測定値に影響しない
配線・接触抵抗a, b
→抵抗N, nを大きく設定すれば無視できる
m
G
M
N
I
E
配線・接触抵抗c, d
→抵抗l, 電圧源の内部抵抗は
測定値に影響しない
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
2015.06.22
7
ブリッジ回路の応用例 : ひずみ測定
ひずみ
材料に引張力(または圧縮力)Pが加わると、これに対する応力 s が材
料内部に発生する。この応力に比例した引張ひずみ(圧縮ひずみ)が発
生し、長さLの材料は、L+DL(またはL-DL )に変形する。このときのLと
DLの割合をひずみe という。
e =
DL/2
L
DL/2
DL
L
ひずみゲージ(ストレインゲージ)
金属(抵抗体)はひずみにともない、その抵抗値Rが増減する。したがっ
て、ひずみが生じる測定対象物に電気絶縁物を介して接着しておけば、
測定対象物の伸縮に比例して金属(抵抗体)が伸縮し抵抗値が変化する。
金属(抵抗体)にひずみe が加えられたときRであった抵抗値がDRだけ
変化したとすれば、次の関係が成り立つ。
Ks : ケージ率(ひずみゲージの感度を表す係数)
DL
DR
= Ks ・
= Ks ・ e
Cu-Ni系, Ni-Cr系合金でほぼ2
L
R
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
2015.06.22
8
ブリッジ回路の応用例 : ひずみ測定
ひずみゲージの構造
ひずみゲージは、薄い電気絶縁物のベースの上に格子上の抵抗線またはフォ
トエッチング加工した金属抵抗体を形成し、引出し線を付けたもの。これを測定
対象物の表面に接着して測定する。
ひずみゲージは付加されるひずみ以外に温度による金属抵抗体の熱膨張、抵
抗変化および被測定物の熱膨張の影響を大きく受ける。
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
2015.06.22
9
ブリッジ回路の応用例 : ひずみ測定
ホイートストンブリッジによる
ひずみ測定
ひずみゲージの抵抗をR1、ブリッジ抵抗をR2, R3,
R4とし、ブリッジ電圧をEとすると出力電圧e0は
e0 =
B
R1
R2
A
e0 =
R3
D
(R1+R2)(R3+R4)
(R1+DR)R3-R2R4
(R1+DR+R2)(R3+R4)
・E
ここでR1=R2=R3=R4=Rとすると
e0 =
E
・E
ひずみによりR1がDRだけ変化したとすると
C e0
R4
R1R3-R2R4
R2+RDR-R2
(2R+DR)2R
・E
ここでR1>>DRなので
e0 =
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
DR
4R
・E =
1
4
2015.06.22
Ks e E
10
ブリッジ回路の応用例 : ひずみ測定(温度補償)
ダミーゲージ
R1
自己温度補償ゲージ
ひずみゲージの抵抗温度係数 : Cf
ひずみゲージの熱膨張係数 : af
被測定物の熱膨張係数 : aS
B
R2
A
C e0
温度変化DTによるひずみゲージの抵抗変化率
R3
R4
D
DR
R
= Cf DT + (aS - af)KDT
E
R1 : 被測定物に接着
R4 : 被測定物近傍に設置
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
2015.06.22
11
ゼロ位法によるインピーダンス測定
ヘイブリッジ
B
Lx
Rx
A
未知抵抗Rx
Rx =
R2
C
D
未知インダクタLx
Lx =
C
R1
D
~
R3
w2C2R1R2 R3
1 +w2C2R32
CR1R2
1 +w2C2R32
Rx , Lxが既知の場合、交流電源の
周波数 f (f = w/2p)を求めることができる
電子情報工学科 電気電子工学科目 計測基礎
2015.06.22
12