クレーショック材の施工後検証 (株)タック 1.関電淀川工事現場 工事概要 シールド機外径 φ7,760mm 曲線半径 R=30mS字(CL=20m) 土被り 30∼40m 土質 砂礫 粘性土層 工法 泥水工法 補助工法 なし 急曲線施工 クレーショック注入 曲線内側前胴部 裏込注入工 同時注入管より施工 注入率 20∼25L/min 150%程度 注入圧=泥水圧程度 注入圧=泥水圧+1.0kg/cm2 程度 施工実績 クレーショック注入によって周辺地山のマシンの胴締めがなかったためか、マシ ン推力が粘性土部で直線部の 90%、砂礫部では 80%となっていた。 曲線施工は非常に容易で、施工スピードが低下しなかった。 路面沈下については土被りが 30m程度あったが、地表面変状は認められなかった。 2.神戸湊町工事現場 工事概要 シールド機外径 φ3,490mm 曲線半径 R=30m(S字) 土被り 10m程度 土質 砂礫 計3ヵ所 粘性土層 補助工法 なし 急曲線施工 泥土圧工法 気泡注入、場所によっては粘土系加泥を補足 クレーショック注入 曲線内側前胴部 15∼20L/min 注入圧=チャンバー 圧より若干低かった 裏込注入工 同時注入管より施工 注入率 150%程度 注入圧=土圧+1.0kg/cm2 程度 施工実績 急曲線部の薬液注入工は施工しなかったが、クレーショック注入と同時裏込注入 の併用効果によって、地表面沈下を殆ど起こさずスムースな曲線施工が行えた。 マシン推力については直線部と大きな変化はなかった。 1 粘性土層ではシールド機側部から注入したクレーショックがスクリューから出て くることが確認されたが、砂礫部ではスクリュー排土でのクレーショック目視確認 はできなかった。 クレーショック注入圧は、理論的に考えればチャンバー圧相当となるはずである が、現実的にはチャンバー圧(平均 1.5kg/cm2)に対して少し低い 1.2kg/cm2 程度で あった。注入量としては理論コピーカッター量以上の注入量を確保していたが、低 い注入圧の原因は分からない。次回は注入圧保持を管理基準として対処したい。 施工後検証 シールド到達後、急曲線部分の裏込注入確認を行った。クレーショック注入はシ ールド機側部から施工されたものの、うまく裏込材に押し出されてチャンバー内に 取り込まれたのか、注入されたクレーショックが地山中に残存しているのかどうか を確認することにした。 確認方法は下記の方法を採用した。 ① セグメント注入口を利用する。 ② 900 リング近くのR=30mの場所で、曲線内側と外側で6ヵ所行う。 ③ 50mm 以下のコア抜きドリルを用いて注入口からコア抜きを行う。 ④ コア抜き取り後、モルタルを注入して止水する。 コア抜き部 曲線内側 セグメント注入口 2吋バルブ コア抜きドリル 2 <確認事項> ① 裏込注入材が約 10cm 近くの厚さで確認された。 粘土と砂の層 裏込材 セグメント 砂礫層 ② 裏込注入の外側に黒い粘土と砂が混じった層が形成されていた。この層は止水 性を持っていた。写真は裏込層を抜いて粘土層で穴を停止した所で、水は出て きているが、地下水と砂礫は出てきてない。 ③ 黒い粘土と砂が混じった層を突き破ると、地下水と砂礫が勢いよく吹き出た。 ④ クレーショック材は、コピー切削による土砂と混じったか、裏込注入材の注入 3 圧で地山に押しつけられたかは判明しないが、単独の状態では確認されず、土 砂と混じった圧密層として確認された。上記の層の確認は、下記の要領で確認 黒い砂と粘土の混じった層 された。コア抜きドリルで固い層(裏込層)を抜いた瞬間にドリルの押し込み を停止し、ドリルを抜き出したところ、注入口ボールバルブから水が少し出て くるものの、ヤマは来なかった。再度ドリルを貫入させた所、地下水と2∼3 cm 程度の玉石を含んだ土砂が吹き出てきた。この現象はそれぞれの注入口で確 認されたので、2∼3cm 程度のクレーショックと土砂の混じった層が裏込層の 外周に形成されていたと判断できる。 ⑤ 曲線外側でも内側でも概ね同じ形であったため、「クレーショック材は単独で は残置してない」「同時裏込注入によって 確実な裏込注入層が形成されてい る」ということが確認された。 4
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