水谷大二郎 小濱健吾 貝戸清之 - 大阪大学 大学院 社会基盤マネジメント

平成27年度 土木学会全国大会 第70回年次学術講演会@岡山大学
9月16日(水)9:00-10:20 アセットマネジメント(1) VI-218
大阪大学大学院 博士後期課程 ○水谷 大二郎
大阪大学大学院 特任准教授 ○小濱 健吾
大阪大学大学院 准教授 ○貝戸 清之
研究背景
社会基盤施設のアセットマネジメントサイクルの一部
劣化予測
劣化評価
資産評価
維持管理施策の
意思決定
予算制約
予算制約状況下での社会基盤施設の価値評価,劣化評価
ある舗装のIRIの劣化事象
新設
【使用可能状態】
経年
劣化進展
【リスク状態】
生存時間解析による分析:ハザードモデルなど
青木一也,山本浩司,小林潔司:劣化予測のためのハザードモデルの推
計,土木学会論文集,2005.
津田尚胤,貝戸清之,青木一也,小林潔司:橋梁劣化予測のためのマルコ
フ推移確率の推定,土木学会論文集,No.801/I-73,pp.69-82,2005.
期待寿命,リスク状態生起確率
複数の舗装のIRIの劣化事象
経年
新設
【使用可能状態】
劣化進展
【リスク状態】
経年
新設
【使用可能状態】
劣化未進展
【使用可能状態】
経年
新設
【使用可能状態】
劣化進展
【リスク状態】
計数過程:ポワソン過程など
貝戸清之,小林潔司,加藤俊昌,生田紀子:道路施設の巡回頻度と障
害物発生リスク,土木学会論文集F,Vol.63,No.1,pp.16-34,2007.
リスク事象の期待発生個数
予算制約状況下での複数の舗装のIRI
更新
劣化進展
【リスク状態】
劣化未進展
【使用可能状態】
劣化進展
【リスク状態】
更新直後
【使用可能状態】
経過
観察
予算
制約
劣化未進展
【使用可能状態】
劣化進展
【リスク状態】
予算制約や人員制約により,
更新待ち状態
更新待ち時間が発生
舗装更新待ち行列モデル
C個の更新窓口
(個数は予算制約に依存)
劣化進展
【リスク状態】
更新直後
【使用可能状態】
劣化進展
【リスク状態】
劣化進展
【リスク状態】
待ち行列モデル
として表現
・・・
更新待ち行列
ある舗装の到着,待ち,更新過程
経年
新設
【使用可能状態】
劣化進展
【リスク状態】
予算制約
更新待ち時間
更新
劣化進展
【リスク状態】
更新直後
【使用可能状態】
劣化過程を表現するハザードモデルと予算制約条件を用いて
舗装更新待ち時間を定量化
→ 予算制約状況下でのリスク管理指標
適用事例
使用データ
IRI点検データ
健全度
IRI (mm/m)
評価単位長
10m
1
IRI<1.0
2
1.0≤
1.0≤IRI<1.5
3
1.5≤
1.5≤IRI<2.0
4
2.0≤
2.0≤IRI<2.5
マルコフ劣化ハザードモデルによる
5
2.5≤
2.5≤IRI<3.0
統計的劣化予測
6
3.0≤
3.0≤IRI<3.5
7
3.5≤
3.5≤IRI
サンプル数 192,087サンプル
1,000区間を対象としたシミュレーションにより,
劣化,待ち,更新過程を表現
マルコフ劣化ハザードモデルの予測結果
舗装更新待ち時間分布
結論
ハザードモデルの考え方に基づき,
予算制約状況下での
舗装更新待ち時間を定量化するための方法論の開発
予算制約により,
理想とするリスク管理水準を満たすことが
困難な場合のリスク管理指標として,
更新待ち時間を考慮できないか