Stella Matutina

春季号
Stella Matutina
暁星中学高等学校
平成 27 年6月5日
Stella Matutina ラテン語で「暁星」の意味。頭文字の S.M.はセーター、鞄に記されています。
新入生への歓迎の言葉
入学おめでとう
4 月 7 日、2015 年度の中学校新入生 174 名は、聖堂でのミサ
に続き講堂で入学式に臨みました。
翌 8 日の始業式では在校生と対面して歓迎の言葉を受け、9
日からの 3 日間にわたるオリエンテーションで学園生活のスタ
ートを切りました。
オリエンテーション
スクールチャプレン・
清水神父様のお話し
入学式
学校長告辞を
受ける新入生
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。在校
生を代表してお祝いを述べさせていただきます。本日、
176 名の新入生が暁星中学高等学校ファミリーに加わ
ることになりました。今日、君達は僕達と同じ船に乗っ
て、学園生活という航海にでます。船長は勝部校長先生、
この船のルールは「神を愛し人を愛す」です。今日は、
航海日誌のプロローグです。明日からはサッカーに燃え
る、かるたにチャレンジする、成績の自己ベストを更新
する、生徒会の仕事をする、など、176 通りに航海日誌
は綴られるのです。
僕が高 1 の授業で学んだことですが、
今や「ソーシャルスキル」の時代です。人と人との繋が
りは、個人にとっての財産であり、資本です。僕達は君
達と繋がりたいと思っています。そして君達の役に立ち
たい、一緒に考えたいと思っています。君 1 人でどうに
もならないことがあった時、僕達はいつもそばにいます。
6 年後の卒業の日に思い出がびっしり書き込まれた航海
日誌を手に暁星を巣立つことが出来ますよう応援してい
ます。快適な船の旅をお楽しみください。
在校生代表 福本 孔明
新入生の感想
新学年が始まり、2 か月近くがたちました。新入生もクラブ
も始まり、新しい生活にも慣れてきた頃かと思います。入学式
での在校生からの歓迎の言葉を紹介いたします。また、入学式、
それに続くオリエンテーションなど、入学当時の感想を 1 年生
に書いてもらいました。
行
5月
4 月 10 日に新中学 1 年生のオリエンテーションがあ
り、勝部校長先生が大変為になる貴重なお話をしてくだ
さいました。
「①時間を上手に使う。②未来をよく考えて
行動する。③自律した心を持つ ④エトワール手帳を有
効に活用する」 というものでした。将来の自分の夢を
考えれば“おのずと、1 分 1 秒も無駄にせずに、エトワ
ール手帳でスケジュールを管理し、先生、先輩を見習っ
て、同級生と協力し合い自律を心掛けて生活しなければ
事
予
6月
定
7月
9
土
授業参観日
1
月
避難訓練
6
月
期末試験(~9)
12
火
高3学年ミサ
2
火
運動会
10
金
自宅学習(~13)
17
日
昇天祭※
5
金
初金
14
火
答案返却
24
26
日
火
聖霊降臨の主日※
中間試験(~29)
11
15
木
月
歯科検診
高2修学旅行(~19)
15
18
水
土
自宅学習(~17)
終業式
16
火
中3学年ミサ
19
日
中1校外学習(~22)
20
土
高2自宅学習
後援会総会・茶話会
21
火
英語ホームステイ(~8/10)
6月
1
月
教育実習(~20)
仏語ホームステイ(~8/ )
※学校での行事は特にありません。
いけないことが分かりました。ナポレオンの名言に”人
はその制服どおりの人間になる“というのがあります。
この伝統ある暁星中学校の生徒として、これからの 6 年
間を大切に過ごしていきたいです。僕は 7 つ星の制服が
似合う人間になりたいです。
1A 徳山 大貴
僕達中 1 は、4 月 7 日に入学式を迎え、とうとう中学
生になりました。そして、9 日から、学校生活において
大切なことを学ぶオリエンテーションが始まりました。
オリエンテーションでは、集団行動についてや麹町警
察署の方からのお話、浅井弁護士のお話など、学校生活
を送るうえで留意すべき点について伺うことができ良い
学びとなりました。その中で、僕が最も心に留めておき
たいと思った話は、勝部校長先生の『時間の使い方』の
お話です。そのお話にも出てきたエトワール手帳を利用
して自律的な生活を送るということは、これまでにはな
かった自己管理の方法であるので、手帳を有効に活用し
ながら、有意義な学校生活を送っていきたいと思います。
1B 稲毛 瑛右
中学 1 年生から 1 階の教員室
前の廊下にロッカーを設置しま
した。緊急時の通信機器(携帯、
スマホ等)を登校時から下校時
まで保管します。また財布貴重
品の保管にも使って下さい。
マリア会総本部
学校視察
去る 5 月 7 日、学園の創立母体であるマリア会総本部
から、霊性局長アンドレ神父、教育局長マニャック修道
士、財務局長マリック修道士が学園視察のため来校さ
れた。
当日は、1 時間目に中学高等学校講堂において在校
生に対する講話があり、生徒から歓迎の言葉が述べら
れた。その後、一行は小学校、幼稚園を見学をした。午
後には教職員へ向けて「マリア会教育の特徴」について
の研修があった。
小学校で松本先生の宗
教を見学する。
左から マリア会のマ
リック氏、デープ氏、
アンドレ氏、小暮先生
(本校仏語講師)、マニ
ャック氏
新しい中学生活がいよいよ始まりました。張りつめた
ミサの空気が、きっちりとした学校に入学したことを実
感させました。また、小学校の時とは違い、先生が「人
に言われなくても大事なことは手帳に書きなさい」など
自律を促すように指導してくださったことが印象的でし
た。オリエンテーションの時にクラスメイトと話したら、
初対面にも関わらず受け入れてくれる人が多く嬉しかっ
たです。部活や授業、文化祭などの学校生活がとても楽
しみです。
1D 山科 亮平
新入生オリエンテーション
・スクールチャプレンの話
・学校長の話
・管轄警察署のスクールサポーターの話
・スクールカウンセラーの話
・弁護士の話
・聖歌指導
・集団行動
・防災の話
・校内生活
先輩の弁護士からお話しを聞く
教育局長
マニャック・氏のお話し
皆さんに質問します。この学校で誰がマリア会員だ
か知っていますか。
(生徒は質問の意図が分からず答え
が出ない)ここにいる理事長先生もマリア会員です。
私も皆さんと同じくマリア会学校の生徒の一人でし
た。生徒の時、マリア会の先生方の仕事ぶりを見て、
先生になろうと決心しました。それで、数学、物理、
の教員になり、母校に戻り校長まで務めました。皆さ
んに、もう一つ質問があります。
「皆さんの中で、この
学校に教員として戻ってきたい人はいますか」
(4 人が
手を挙げる)これは良い経験です。皆さんは、この学
校に満足していますか。
この学校に満足しているなら、
後輩に分けてあげられるよう考えてください。世界中
にマリア会はあります。代表してわたくしが皆さんに
ご挨拶いたします。マリア会学校は 36 か国にあり、
93校、大学3校、生徒数は11万人になります。皆
さんは、このようなマリア会のネットワークの中にい
ます。インターネットでマリア会の学校の仲間と出会
うことだってできます。皆さんは、ここの生徒でいま
すが、世界の人みんながこのような幸運に恵まれてい
るわけではありません。この幸運を利用して、成長し
ていくのが、他者に対する責任です。先生方と共に見
守られながら学校生活を送っています。これを将来の
生徒たちも送れるよう考えてください。他人にも伝え
ていけるよう考えてください。この学校生活での大き
な成功、幸運をお祈りいたします。
Chers pères marianistes.
Bienvenue au Japon et bienvenue à notre école ,l'étoile du
matin.
Je suis très honoré d'avoir été invité à prendre la parole lors
de votre visite.
Il y a 127ans,cinq marianistes sont venus pour enseigner à
des jeunes de ce pays où à l'époque le catholicisme n'était pas
connu du tout.
Mais aujourd'hui, grâce à votre initiative éducative et
spirituelle, nous sommes très heureux de faire nos études
dans les conditions les plus chaleureuses.
Père Chaminade a défendu sa foi et ses convictions
religieuses contre des persécutions et difficultés qui était
nombreuses.
Suivant sa vie courageuse pour notre modèle, nous tenons à
faire nos plus grands efforts pour nous épanouir aux côtés de
nos professeurs toujours soucieux de notre avenir.
Enfin je vous souhaite le plus agréable séjour au Japon parmi
nous qui sommes vos amis marianistes.
【要約】
親愛なるマリア会の神父様方
ようこそ日本へ、ようこそ私たちの学校、暁星へ。
127 年前、マリア会の五人の神父様がまだカトリックが
広まっていない日本に若者の教育のために来てください
ました。
そのおかげで私たちはこの暁星で学ぶことができてとて
も幸せです。
シャミナード神父は数多くの迫害、困難にも負けずに神
への信仰と信念を貫きました。私たちもそのシャミナー
ド神父の精神に倣い、先生方が与えてくださったこの環
境で努力していきたいと思っています。
最後に、日本での滞在が私たちマリア二スト家族ととも
にあり、快適なものとなりますようにお祈りしています。
6A 田中
聖
歓迎の言葉を
述べる田中君
『がん・血管・脳における
最新医療の現場から』
去る 5 月 9 日(土)午後、学園講堂で暁星医会が企画し
た公開講座が行われた。暁星医会とは暁星出身者で医学
の道に進んだ卒業生の会である。当日は、
「人生ありきの
治療・命の尊さをともに考える―最新医療の現場から」
のテーマで『がん・血管・脳における最新医療の現場か
ら』題して、生徒・保護者、同窓生、学校関係者を対象
に、4人の医師が講演をした。
「暁星医会」って何だろう?そんな素朴な疑問から講
演を聞こうと思い足を運んだ。医者に憧れを抱く自分に
とって「医者とは、弱い立場に立たされた患者を心の底
から助けてくれる正義の味方」だと想像したくなる。し
かし、
「患者に対する医療提供は、38 兆 6000 億円と
いう医療費によって、縮小を迫られている」という現実
を大木先生(血管外
科)が語られるのを
聞き、正義の味方が
虚像になるのではな
いかという恐怖心を
抱いた。が、医療費
が多くかけられない
現実の中で大先輩が
テーマ:人生ありきの治療・命の尊さをともに考える
講演会:がん・血管・脳における最新医療の現場から
〇肺がん治療の最前線
東京医科大学 呼吸器甲状腺外科 主任教授
池田徳彦(暁星 79 年卒)
〇血管外科医療の最前線
東京慈恵会医科大学 外科統括教授
大木隆生(暁星 81 年卒)
〇脳神経外科治療の最前線
東京女子医科大学 脳神経外科/先端工学外科講
師・ガンマナイフ治療室長
林 基弘(暁星 84 年卒)
〇人生ありきの治療、
患者の「したいこと」を優先:命の価値とは
講演「患者として、医師として想うこと」
演者:林 基弘
(同窓会 HP より)
ベストを尽くす姿に感動した。
林先生は、フランスに留学され、放射線の一つである
ガンマ線を用いて、まるで、ナイフのようにガンマナイ
フで脳の病巣を切り取る。先生はフランスに残らず、日
本で苦しんでいる患者さんのために奮闘されている。そ
んな先生の心に感動した。自分も将来、日本に貢献し、
社会的弱者や苦しみを抱えておられる方のために働こう
と思った。
池田先生は、術前術中シュミレーションシステムを医
療用フィルムメーカーと共同で開発された。特に私は、
手術支援ロボット「ダビンチ」を使い人間が抑えきれな
い微妙な震えを無くし、患者さんのために安全な手術を
している話に感動しました。
最後にお忙しい中、僕たち生徒のために時間を割いて
くださった先生方に心よりお礼申し上げます。
4A 榛澤 貴春
被災地ボランティア報告
「震災はまだ終わっていないのだな」僕はこう思った。
活動場所へと車で移動している時、津波によって大き
な被害を受けた沿岸部の様子を目にすることができた。
頑丈そうな道路が津波に持っていかれその断面があらわ
となっていた。津波の力の凄まじさがとても強く感じら
れた。
建物などはほとんどなく、むき出しの土がただ盛られ
ているだけだった。僕は最近アスファルト等で舗装され
ていない土の地面を見る機会が無かったのでその光景は
特に印象的だった。もう震災から四年も経っているので
テレビで被災地のことを紹介されることも少なくなり何
だか自分の中で被害はもう終わっている、復興が進んで
いるという勝手な想像をしていたが実際に目にした風景
は想像とはだいぶ違っていた。
仮設住宅に住んでいるおばあちゃんたちの集会のお手
伝いをした。仮設住宅は隣の家と壁一枚で接しているた
め、音が筒抜けで大変らしい。もし自分がそんな環境で
暮らすとしたら耐えられないと思う。
だが、おばあちゃんたちは僕が想像していた「被災者」
とは違い、とても明るく楽しんでいらっしゃった。その
ことに驚いた。
僕は今回のボランティアで沢山の人に「ありがとう」
と言われた。それが本当にうれしかった。ボランティア
は見返りや利益を求めて行うものではないと思うが、そ
の感謝の言葉は、僕にとって仕事に対する十分に大きな
見返りだった。
ボランティアでの生活は自分で考え、自分から行動し
なければならなかった。だからこの経験は自分を成長さ
せてくれたと感じている。
実はボランティアに参加するか否かでとても迷ったの
だが、結果的に良い決断をしたなと強く思う。
5D 小原 大智
ボランティアに参加して
今年で震災から四年目になり、私は初めて被災地を訪
れました。学校でたまたま見たプリントで被災地ボラン
ティア募集していたので、これは被災地を知ることがで
きる良い機会だと思い参加しました。
五日間の日程の中で移動の都合上、活動できたのは三
日間でしたがさまざまなことを学ぶことが出来ました。
仮設に住んでいる人たちのコミュニティー形成の手伝い
をする「お茶っこ」や、ボランティアセンターの引っ越
し、定置網の修繕と様々なジャンルのことをさせていた
だきました。ベースから活動場所までの移動中では、あ
の日津波を受けたせいであろう壊れた堤防や道路、最後
まで避難を呼びかけていた災害対策庁舎など、どれも東
京にいるだけでは決してわかることのできない今の被災
地の状況をほんの少しだけ知ることが出来たと思います。
ベースのスタッフの一人が「一、二回ボランティアに
来たからといって、被災地を知ったつもりにならないで
ほしい。」と仰っていました。わたしはそれがとても印象
に残りました。私は、今回訪れましたが、現在の風景ぐ
らいしかわかることが出来ませんでした。本当に知りた
いなら何度も訪れなければならないなと痛感しました。
最終日、東京に帰ってきたとき、先生が、
「四年が経って
もやることは沢山あるが、ボランティアの数が減ってき
ているそうだ。
」と教えてくれました。帰ってきてから他
学校の友達に「そこまでやることあったのか?」や「四
年もたったから、もう津波で壊された物とか無いでしょ。」
と言われ、被災地の現状があまり多くの人に知られてい
ないということに気づきました。ニュース等でも以前に
比べたら全然被災地について放送されることがありませ
ん。より多くの人たちに今の状況を知ってもらうには、
行った人たちが伝えていかなければならないと思い、私
もちゃんと伝えられるように、何度も訪れる必要がある
と感じました。
4D 吉野 雄大