スーパーラドアンテナ(SRA)の製作 2015 年 8 月 29 日 JS1KSU 1) 小菅 稔 スーパーラドアンテナとは スーパーラドアンテナは JA2PGU 尾硲(おさこ)氏により考案されました。それはコイルに生じ た磁界によって近接する非磁性導体に二次誘導電流を生じさせ、その移動によって電磁波を輻射するア ンテナだそうです。理論は非常に難しい為、興味のある方は氏のブログを参照ください。 http://blogs.yahoo.co.jp/t54979899 2) 構造 マッチングを図ではタップ式となっていますが今回はリンクコイル式で行います。 写真は 14MHz用の SRA、上のボビンは 50mm、下は 60mm 性能の良い SRA を作るコツ 3) シリンダ長は直径の 2 倍・・・・・・・・・・それより短いと良い性能が出ませんが長くても 変わりません。 メインコイル長は直径の 2 倍以内・・・・・・あまり長いコイルは良い性能が出ないそうです。 シリンダとコイルの隙間は直径の 10%以内・・・隙間が広いと漏れ磁束が発生し効率が悪いそうです。 (たとえば直径が 50mm の場合、隙間は 5mm 以内) 4) 調整 製作は簡単ですが調整には根気が必要です。アンテナアナライザは必要です。調整は二段階、まず共 振周波数を合わせ、次に SWR 調整を行います。 Ⅰ メインコイルを目的周波数より低めに巻きます。 (例えば 21MHzだと約 19 ターンになるので 20 ターンで作っておく。) Ⅱ アナライザで共振点を探すと 18~20MHz位になると思います。コイルの上側(シリンダ側)を 2~3cm切り詰めてみて周波数がどの位上がるかを見ます。その変化量でどの位巻き戻すかを見ま すが、慌ててはいけません。ゆっくり少しずつ行きましょう。 (アナライザはアースを取って下さい。単体だとボディエフェクトでメーターが安定しません。こ の時 SWR は気にしないで下さい。) Ⅲ Ⅱまでは室内調整ができますが、ここからは実際に使用する環境での調整になります。表に出すと 共振点は下がります。またアンテナに防水ケースを被せるとまた下がります。コイルを切りすぎて 目的周波数より上に行ってしまう事は間々あります。その時はシリンダ上部にアルミキッチンテー プを少し貼ってみます。容量を増やすことで共振点は下がります。 (アルミテープはボビンの内側に張っても OK です。) Ⅳ 最後に SWR 調整ですがこれはリンクコイルの上下で行います。直ぐに最良点が見つかると思いま す。もしリンクコイルを動かした事で共振点がずれたらアルミテープの増減で調整してください。 リンクコイルは動かないようにビニルテープで固定します。 5) 防水処理 実験的に使うのであれば裸のままで構いませんが、常設するには防水処理が必要です。裸のままと防 水処理をするとでは共振周波数が変わります。防水ケースが雨に濡れると共振周波数は下がります。な ので実際に使う帯域の少し高めに共振点を設定すると良いでしょう。例えば私は 21MHzの場合 21.280MHz辺りに合わせてあります。これで SWR1.5 以下は 21.230MHzから 21.330MHz位に収 まりますが、雨に濡れると 50KHz位下がります。いずれも希望する 250KHzから 260KHzは出られ る事になります。
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