当院回復期リハビリテーション病棟における現状と課題 ~FIM値を用いた

当院回復期リハビリテーション病棟における現状と課題
~FIM値を用いた全国との比較~
[はじめに]
当院では、平成 26 年 4 月より回復期リハビリテーション病棟(以下リハ病棟と略す)
を運用し同年 7 月より施設基準を取得、平成 27 年 3 月にて 12 ヵ月を経過した。当院
リハ病棟がどの程度退院支援できたかを調査し現状と課題を報告する。
[対象]
平成 26 年 4 月 1 日~平成 27 年 3 月 31 日までに入棟し退棟した脳血管系疾患患者 38
名とする。
[方法]
リハビリテーション総合実施計画書及び電子カルテを用いて後方視的に調査し FIM 値
合計、運動項目、認知項目での改善値を算出する。改善値にはウイルコクスンの順位和
検定を用いて統計学的有意差を算出する。有意水準は5%未満とした。また当院の現状
を把握するために FIM 改善値、入退棟時 FIM 値、自宅復帰率、入棟日数、平均単位数
を算出し全国平均と比較する。
[結果]
FIM 値合計は 78.7±27.7 から 96.4±27.0、運動項目は 53.2±22.1 から 68.0±20.9、
認知項目 25.5±7.5 から 28.4±7.2 と各平均値は入棟時に比べ退棟時に有意に改善を認
めた。FIM 改善値、全国 17.6±18.2、当院 17.7±14.0、入棟時 FIM 値、全国 67.5±
31.5、当院 78.7±27.7、退棟時 FIM 値、全国 85.2±34.1、当院 96.4±27.0。自宅復帰
率、全国 82%、当院 100%。入棟日数、全国 89.2±50.0 日、当院 81.9±38.9 日。平均
単位数、全国 6.32±1.9、当院 6.00±1.0 という結果となった。
[まとめ]
当院リハ病棟と全国平均とを比較した結果平均単位数は下回ったものの、高い自宅復帰
率を示した。この要因としてリハビリテーション専門医(以下リハ医と略す)による入
棟前診察にて自宅復帰の意向を本人、家族に確認、他職種を交えたカンファレンスを実
施し早期に自宅復帰に向けたゴール設定を共有している。機能面についてはリハスタッ
フが病棟看護師と情報交換を密に行うことで FIM 向上につながったと思われる。今後
の課題としては、必要十分なリハ量を提供できる体制を整えより良い退院支援を目指し
たいと考える。
結果
浜田医療
 以下
病棟 略
当初
平成 年 月
運用 平成
回復期
年 月
FIM認知項目値
病棟
1年 経過
質 高 退院支援 向 情報共有 連携向上 努
1年 振 返
報告
病棟
調査 現状 課題
程度退院支援
浜田医療
FIM認知項目値
入棟
時 比 退棟時 有意
改善
病棟紹介
全国平均
浜田医療
比較
病床数 365床
標榜診療科27科
県西部唯一 救命救急
地域
診療拠点病院
浜田医療
次
全国
年齢
72.7±13.4
72.4
自宅復帰率
100 %
82%
入棟日数
81.9±38.9
89.2±50
平均単位数
6.00±1.0
6.32±1.9
病棟
病床数 30
施設基準 入院料 3
診療 月~土 祝日
看護基準 15
人員体制
専門医 以下
医 略
栄養士1名 薬剤師1名 臨床心理士1名
PT6名 専従2名 OT6名 専従1名 ST2名
1名 看護師18名 MSW1名
6名
合計17.7±14
運動14.7±10.8
認知3.0±4.8
FIM利得
方法
全国平均 比較 自宅復帰率 18%上回
均単位数 0.32下回
FIM利得0.1上回
以下 項目
改善点 算出
FIM値合計 運動項目値 認知項目値
以下 項目
平均値 算出 全国平均 比較
年齢 自宅復帰率 入棟日数 1日当
平均単位数 FIM利得
改善値
wilcoxon
有意水準
未満
平成27年回復期
総合実施計画書及 電子
用
後方視的 調査
順位和検定 用
統計学有意差 算出
病棟
現状 課題 関
退院支援
早期 方向性
決定
調査報告書比較
支援
病棟 入棟 退
名
院内紹介率 97.4
退院調整
入棟日数 7.3日短
平
流
入棟早期 多職種
入棟
方向性 統一 図
医
本人 家人
図
毎月
患者属性
平成 年 月 日 平成 年 月 日
棟
脳血管患者 名 男性 名 女性
死亡 転院
者 除外
合計17.6±18
運動14.9±15.4
認知2.7±4.7
実施
計画書
実施
説明 支援 行
病棟全体 朝
有 連携 図
看護状況
実施 現状 目標等
家人 後方支援
向
介助方法等 指導 退院調整
計画書作成
説明 同意 方向性
確認
介護保険等
伝達
情報共
看護見学 実施 実際 動作確認
実施 退院支援 図
情報共有 連携面取 組
急性期
結果
回復期
提供
情報共有 連携
情報共有
看護師 MSW
法 ADL連携方法等 対
取 組
FIM値合計
看護師 MSW
全体
中心
運用方
検討
定期的 症例検討会 FIM勉強会 開催
図
FIM値合計
入棟時
比 退棟時 有意 改善
現状 課題
運用当初
情報共有 連携向上 取 組
結果 FIM値向上 早期退院
及 高 自宅復帰率 達成
質 高 退院支援
一定 成果
出
考
P<0.05
結果
FIM運動項目値
FIM利得 関
全国平均 比較
上回
後
量 提供 情報共有 連携向上 図 必要
FIM運動項目値
入棟
時 比 時退棟時 有意
改善
 年 振 返
退院支援
今後
病棟
程度退院支援出来
一定 成果 出来
質 高 退院支援
取 組
今
調査
考