挨拶は心の架け橋 H27-4-27 全校集会校長講話 先週の全校集会で、森本先生から挨拶の大切さについて話をしていただきました。また、1 年生の皆さんには入学式で、挨拶はコミュニケーションの第一歩であることをお話したので、 挨拶が大切であることを皆さんも十分に理解しているのではないかと思います。 それではなぜ挨拶は大切なのでしょうか。今から1分間時間を取るので、周りの人と話して みてください。 (・・・)どのような話になりましたか? 挨拶をするのは、人間だけではないということを皆さんは知っていると思います。犬を飼っ ている人がいたら分かると思いますが、犬の散歩で犬どうしが出会うと、色々な形で挨拶をし ます。敵対していないときの挨拶は、お互いがにおいをかぐことです。また、ある種類の鳥の くちばしを触れ合う行動も挨拶であると考えられています。動物が挨拶をするのは、同じ仲間 同士の攻撃を避け無駄なエネルギーを使わないようにしたり、友好関係を作るとともにそれを 維持していくなどの意味があるそうです。 解剖学者の養老孟司さんは、 「バカの壁」という本の中で、 「人は何かを知り何かを忘れ、生 まれ変わり続けている。 」と述べています。一晩寝ると次の日には、生まれ変わって別の人にな っているかもしれないということです。そう考えると、朝、学校で友人に出会ったとき挨拶を するのは、昨日とは違う友人がもしかしたらそこにいるかもしれない、今日のあなたはどんな あなたですかと確認をし、改めて人間関係を作ろうとしているのかもしれません。もちろん私 たち人間は、そこで攻撃を仕掛けたりはしません。しかし、本当に相手に対して攻撃を仕掛け ていないと言い切れるでしょうか。相手が挨拶をしているのに、挨拶をしないというのは、私 は今日のあなたを認めていませんよと言い、攻撃していることに他ならないと思います。だか らこそ挨拶は、とても大切なのです。 もう一つ、挨拶には大切な意味があると思います。それは、友人のことを理解するきっかけ になるということです。朝、挨拶をしたとき、昨日とは違う雰囲気だということに気付くと、 どうしてなのだろうと考えます。もしかしたら、今日は体調がわるいのだろうかとか、すごく 悩んでいることがあったのだろうかとか、逆に何かいいことがあったのかといったことです。 よく、大人が「今日はいい天気ですね。 」という、意味のないような会話をしているのを耳にし ますが、これも実は挨拶代わりで、今日の相手のことを分かろうとするきっかけを作っている のです。 入学式では、挨拶という漢字について話をしました。覚えていますか。挨拶という漢字を訓 読みにすると、挨拶の挨という文字は「おす」とか「ひらく」と読め、挨拶の拶という文字は 「せまる」と読めるということです。つまり、挨拶には、相手の心を押し開き、そして相手の 心に近付くという意味がある、挨拶はコミュニケーションの第一歩、心と心の架け橋であると いうことです。 皆さんにお願いしたいことは、よりよい人間関係を作り、よりよい学校生活を送るために「気 持ちのよい挨拶」をしてほしいということです。実は、自分自身も「気持ちのよい挨拶」がど のようなものか、正解を持っていません。皆さんにも、 「気持ちのよい挨拶」がどのようなもの かを考えていただき、それを実行し、気持ちのよい挨拶ができる日本一の弓削高校を作ってほ しいと思います。
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