平成 26 年度 2年目研修 教育実践記録 個々に合った学習スタイルで力を伸ばし、児童の自信につなげる ―個での学習と集団での学習の取り組みの工夫から― 1 テーマ設定の理由 今年度も特別支援学級の担任を受け持ち、昨年度とは異なる3名の1年生男児(T児・H児・M児)の指 導をすることになった。T児は知的に大きな遅れがあり自閉症傾向が強く、他者に危害を加えてしまうこと がある児童、H児は行動がマイペースで教師の指示が通りにくく、学習にも遅れが見られる児童、M児は保 育園での集団行動の経験がなく、持ち物や食べるものにこだわりが強い児童である。 3名の能力や学習の理解の程度、行動の様子は三者三様である。しかし、個人での学習と集団での学習で の取り組みの中で、3名が「できた」という思いをもち、自信につなげられる指導をしていきたいと考え、 4月にこのテーマを設定した。 実際に子どもたちとかかわってみると、子どもたちも入学当初は不安があったり小学校の生活リズムに慣 れていなかったりして、それぞれの児童に気になる行動や課題が見られた。特に、T児は、友達を噛む、叩 くなどの行動が多く見られ、どのように対応を進めていけばいいのか悩むことも多かった。 しかし、かかわる中で、課題だけではなく、彼らができそうなこと、得意そうなこと、好きなこともだん だんわかってきた。以下に、今年度の実践についてまとめていきたいと思う。 2 実践内容 学習では、私は主にT児とH児の2名の国語科と算数科を担当している。ここでは、特に国語科における 実践を中心にまとめていきたいと思う。また、交流学級における3名の変化についてもまとめていきたい。 そのため、①では、T児とH児の国語科での実践について、②では交流学級の中における様子と変化につい て述べていく。 ① 国語科の実践について 【1学期中の実践】 1学期間は、主にひらがなの読み書きを中心とした指導を行った。以下に、2名の児童の国語科における 実態と1学期間において期待する姿についてまとめる。 <国語科における実態について> T児 国語科における実態 1学期間において期待する姿 ・言葉については、「おはよう」「ばいばい」などの単語はオ ・鉛筆を進んで持ち、教師と一緒にひらがなを書く ウム返しをするが、はっきり言えない。言葉も少ない。 ・鉛筆を使って線や文字を書くことが難しい。 ことができる。 ・絵カードとひらがなカードを合致させることがで ・文字を読むことは難しいが、教員が言った言葉を真似して言 きる。 おうとすることがある。 H児 ・ひらがなを読むことが難しい。見本を見て書くことは可能。 1 ・ひらがなを丁寧に書き、覚えることができる。 ・発語は多く、会話もできる。教師の指示を聞いて理解するこ とが難しい。 ・絵カードとひらがなカードを合致させることがで きる。 ・ひらがな練習をがんばって書く。学習に対する意欲が高い。 以下に、国語の授業において使用した教材と、T児およびH児の様子や課題について述べていく。 教材1『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』 さいとうしのぶ著 リーブル社 ○2名とも使用 50音のひらがなが、歌とかわいいイラストで紹介されている。見開きで一文字分の内容になっており、左側が食べ物の名 前の歌、右側がイラストになっている。 教材2 絵本の挿絵に文字カードを置く ○2名とも使用 教材1の『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』の絵 本の中のイラストとひらがなの文字カードを一致させる練習。 絵本のイラストからひらがなの文字を選び、ひらがなの音と 形を一致して覚えられるようにと思い取り入れた。 教材3 文字カードと絵カードを一致させる ○2名とも使用 ホワイトボードに貼られた4枚の絵カードの名前を文字の見本を 見ながら、ひらがなの文字カードで表す練習。 プリントでひらがなを書く練習や教材2での学習を通して文字の一 つ一つの形を意識するだけでなく、文字カードを並べ、言葉のまと まりとしてひらがなを認識させることをねらいとした。絵カードで使用す る文字カードを別皿にわけ、文字の見本を見ながら、皿の中の文字カード を探して並べる。示された絵カードにつき、文字カードを何枚使用するの かわかりやすいように、文字カードを置くためのマスも用意した。絵カー ドの種類は、野菜や果物、動物のように、日によって変えた。絵カードと 文字カードを一致させた後は、声に出して読む練習をさせた。 <1学期の様子と2学期に向けての課題> T児 ひらがなの練習では、7月には、手本を見ながら自力で書こうとすることが増えた。 また、教材2や教材3を通して、文字の形を認識することは得意だということがわかった。T児は学習課 題にすぐ飽きてしまう傾向があり、教材3でも、すぐに課題を行うことができてしまった。そこで、T児の 好きなアニメのキャラクターを、絵カードの中に2枚混ぜて提示するようにした。すると、キャラクターの 絵に魅かれて、再び教材3で集中して取り組むことができるようになった。次は、一文字一文字をどのよう に読むのか、文字のまとまりとしてどのように読むのか、ということを理解させていく。 2 H児 ひらがなを書く練習では、字の形に気をつけて書こうとする様子が増え、きれいに書けた字は自信を持っ て、見せてくれるようになった。 教材2では、絵本のイラストと文字カードをマッチングさせることはできるが、文字を読むということに 苦手意識がある。ひらがなの50音順を音で覚えている様子であるので、音と形が一致できるようにしてい く。ひらがなが確実に読めるように今後も文字カードと絵カードの一致の練習を行う。また、文章を読むこ とにも慣れさせる。 【2学期中の実践】 1学期の実践の課題も受け、2学期は、T児は主にひらがなを単語のかたまりで読むこと、H児はひらが なの文章を読むことを中心とした指導を行った。そのため、使用する教材も、それぞれ異なるものにした。 以下に、2名の児童の国語科における実態と2学期間において期待する姿、また使用した教材について、分 けてまとめる。 T児について <国語科における実態について> 国語科における実態 2学期間において期待する姿 ・語彙は少ないが、何かを話しかけようとすることが多くなった。 ・ひらがなを単語のかたまりとして捉えることができる。 また、教員が言ったことを真似ることも多くなった。 ・絵カードとひらがなカードを合致させることができる。 ・鉛筆を使って、自らひらがなを模写することができる。 <T児に使用した教材> 教材3 文字カードと絵カードを一致させる(1学期に使用したもの) 1学期のときも使用したものを、2学期も継続した。2学期からは、虫や乗り物の名前にも挑戦させるようにした。 教材4 ひらがなで書かれた単語と絵カードを一致させる ホワイトボードに、ひらがなで動物や果物などの名前を教師が書き、その単語に合う 絵カードを選んで、ホワイトボードに置く練習。教材3では、文字の一文字一文字の形 を捉える練習には良かったが、なかなか言葉のまとまりとしてひらがなを認識すること が難しかった。そこで、教材3と並行して、文字のかたまりとして、単語を捉えられる ことをねらいとして行った。 <2学期の様子と今後の課題> 2学期から、教材3と並行して教材4も取り入れた。教材3は、文字を置くスピードもとても早くなった。 また、1学期から継続している絵カードの名前は、自ら読むことは難しいが、一文字一文字を指差して、教 師と一緒に読もうとする姿が見られる。 教材4では、絵カードによっては、文字のかたまりとして単語を捉えられていないために、教師の顔を伺 い、どれが正解なのか様子を見ながら絵カードを置いていた。しかし、果物の名前や野菜の名前など、なん となく文字のかたまりとして掴めてきているものもあるので、今後も繰り返し行いたい。さらには、語彙を 増やしていくために、新しい絵カードも用意して、練習をさせることが必要である。 3 H児について <国語科における実態について> 国語科における実態 2学期間において期待する姿 ・ひらがなを一字一字ゆっくりではあるが、読めるようになってきている。 ・ひらがなで書かれた短文を読むことができる。 ・1学期と比べると、学習に対する意欲が低くなっている(課題に対して ・漢字の学習に興味を持つ。 「いやだ」と言うことが多くなっている)。 <H児に使用した教材> 教材3 文字カードと絵カードを一致させる(1学期に使用したもの) 1学期のときも使用したものを、2学期も継続した。徐々にひらがなの形を捉えられるようになってきたので、11月頃か ら文字の見本は示さず、絵カードを見て、その単語のひらがなを皿の中の文字カードを探して並べさせた。示された絵カード につき、文字カードを何枚使用するのかわかりやすいように、文字カードを置くためのマスは引き続き使用した。 教材5 説明文に合うカードを選ぶ 学校や教師に慣れたことによる甘えや、学習内容がだんだん高度なものになっていることなど、原因は一つではないと思う が、10月頃から、H児の学習に対する意欲が低くなっているのが気になっていた。 そこで、H児が興味を持って、文章を読めるような課題にしようと考えた。H児が好きなキャラクターのカードとそのキャ ラクターについての説明カードを用意し、説明カードを読んで、絵カードを選ぶという課題である。説明文は「いろは あか で、しっぽが にほん、ねこの ようかいです。」のように、すべてひらがなの1文から2文で、簡単な文章にしている。こ の教材は、授業の最後の課題として出し、この課題ができるからそれまでの学習もがんばる、というモチベーションをあげる ために使うようにした。 この他にも、拗音や長音、漢数字、絵に合った単語を選択肢から選ぶプリントを間接指導の際に行わせた。 <2学期の様子と今後の課題> 拗音や漢字の学習などに取り組むときは、「えー、難しい」と言うことが多かった。しかし、教材5に取 り組み始めてからは、その課題をしたいという気持ちもあり、他のプリントも意欲的に学習することが増え た。教材5では、自分の好きなキャラクターの説明文を進んで読むことができた。 また、教材3では、ひらがなの見本なしで、文字カードを選択させる練習をした。ひらがなの形を捉えら れるようになり、H児自身がどの文字が入るのかわかっていて「これかな。先生どれでしょう?」と、教師 に対して問題を出すことが見られた。教師がわざと「これかな」と違う文字を置くと、「正解はこっちでし た!」と、正しい文字を置き、教師とのやり取りを楽しむことも見られるようになった。 ただ、文章を読んでいるとき、単語のかたまりを捉えるのではなく、一文字一文字たどたどしく読んでい る。単語のまとまりで捉えられるように、今後も練習をしていきたい。また、ひらがなが定着してきたので、 次はカタカナが少しずつ読めるように、指導をしていきたいと思う。 ② 交流学級の中における様子と変化について 1学期間は、私から、3名の児童にいろいろと支援をすることが多かった。たとえば、班活動で机の向き を変えるときや、班で集めものをするときに、私から「机の向き変えようね」と言って移動させたり、集め るものを渡したりしていた。2学期は、交流学級の児童が3名をさりげなく助けること、3名が手伝ってほ しいことを頼むこと、手伝ってもらったらお礼を言うことを意識しようと思った。そこで、班で机の向きを 4 変える際にも、あえて何も言わないようにした。児童によっては、「机変えてね」と声をかけて手伝ってく れる子もいた。しかし、気付かずにいる場合は、私から児童に声をかけて、班の形になるように仕向けた。 2学期の後半になると、多くの児童が3名に声をかけてくれるようになった。以下に3名の様子と変化につ いて述べる。 【T児の様子と変化について】 <1学期の様子> T児は、4月当初は環境の変化による不安からか、他者に対する危害行動が多く 見られた。この危害行動に対して、どのように対応していくかが課題となった。 最初は、T児が友達を押したり、噛んだりした時には「だめ」という注意と「ご めんなさい」と謝らせる指導をしていた。しかし、T児が、T児にとって嫌なこと をされた時や予想外のことをされた時に、「やめて」という言葉が言えないがため に、友達を叩いてしまう場合と、単純に友達とかかわりたくて押してしまう場合と、 写真 11 危害行動にも意味があるということが私自身わかるようになってきた。 そこで、してはいけないことはきちんと伝え、代わりの対応策をT児に伝えるようにするため、私の肩に 手のマークを付けるようにした(写真11)。友達を押した際には、手のマークにT児の手を持っていき、 「たたくのばつ、トントンまる」ということを繰り返し伝えてきた。7月には、学校生活にも慣れてきたの か、だんだんとT児も落ち着き始め、友達を噛むことは少なくなった。少しでもT児が手のマークを見て「ト ントン」と言えたり、肩をタッチしたりできたら、大いに褒めるようにした。 <2学期の様子> 2学期も、この手のマークを使用した。授業の際には、机上にマークを置き、わからない問題があるとき に、このマークを叩きながら「先生」と言うようにさせた。すると、だんだんと手のマークを使用しなくて も、授業中に「先生」と呼ぶことができるようになってきた。また、1学期のときと比べて、アイコンタク トが多くできるようになり、危害行動もほとんどなくなった。時折、友達の輪の中にいて、T児のテンショ ンが上がり過ぎてしまい、つい友達を押してしまうことはあるが、その際には、私の目を見て「バツ?」と 伝えてきて、T児本人からいけないことをした、ということを表すことも多くなった。 交流学級で言葉を発することも多くなり、生活科で校外学習に出掛けた際に、川やウサギを見て「水だね」 「かわいいね」と言っていた。その言葉を聞いて、交流学級の児童も「Hちゃん、しゃべった」「前より上 手になっている」と驚き、「すごいね」「これは○○だよ」と、他の児童がより一層話しかけてくれること が増えている。T児自身も、周りの児童が話しかけてくれること、かかわってくれることがうれしいのか、 他の児童に優しくタッチすることが増えている。 <交流学級の児童の変化> 今までのかかわりを通して、T児の行動を「どうしてかな」「○○したいんかな」と考えてかかわろうと してくれる交流学級の児童が増えてきたと感じる。1学期間は、T児の突発的な行動に対して、他の児童も 不安をもっていたのか、なかなか交流学級の児童がT児とかかわろうとすることはなかった。7月に学活の 時間に『制限時間の中で多くの友達と握手をしよう』というゲームを行った時には、T児と握手をするため に近付いてくれた児童が2名のみであった。しかし、12月に同じゲームを行った時には、8名程の児童が T児に近付いてくれた。T児も、他の児童が握手を求めると手を差しだし、友達の手をぎゅっと握っていた。 2学期に入り、T児の様子が大分落ち着くと、交流学級の児童がT児に話しかけてくれたり、T児が近づい ても温かく迎えてくれたりしてくれるようになった。 5 【H児とM児の様子と変化について】 H児やM児は、交流学級の中でわからないことがあると「教えて」と周りの児童に話しかけることができ るようになった。H児やM児が、交流学級の中で積極的に発表する場面も、1学期と比べると多くなり、周 りの児童はそれを受け止めてくれている様子である。 H児は、ひらがなが定着してきたこともあり、生活科などで自分の感想を書く際には、自ら文章を考えて 書こうとすることが見られるようになった。1学期や2学期の初めは、何を書くのか教師がいくつか文例を 出してH児はそれを選んで文章を写しており、教師主体で書かせていた。現在では、H児本人が何を書くの か少しずつ考え、ひらがなを思い出して書いている。中には思い出せない文字もあり、教師に尋ねてくるこ ともある。しかし、「自分で書く」と意欲を見せて書くことが増え、学習の成果が彼の自信につながってい ると感じる。 M児は、集団生活の経験が少ないため、1学期間は他の友達のよくない所を真似してしまったりすること が多く見られた。してはいけないことを根気強く伝えていくことで、2学期では、時間を守って行動したり、 友達に注意したりできるようになり、良くないことと良いことの判断が少しずつ身についている。 3 まとめ <この1年で学び、見えてきたこと> 今年度、3名とかかわってきて、3名とも学習面、生活面において大きな変化が見られた。学習面におい ては、それぞれの能力や身に付けさせたい力を考えて教材を制作し、実践をすることによって、子どもたち の成長を感じることができた。日によって児童の学習意欲も異なるため、日々の様子を見ながら、実践を進 め、試行錯誤していくことが大切であると改めて感じた。 また、生活面においても、徐々に集団の中で生活することに慣れ、良いこと悪いことを考えて行動できる ようになった。特にT児は、入学当初は危害行動が絶えず、私自身もどのように対応していいか迷うことが 多かった。T児の手を、マークのところにもっていき、「トントンだよ」と、何度も繰り返し指導をするこ とによって、現在は危害行動がほとんど見られなくなった。 この1年で、交流学級の中で3名が成長したことは多くある。交流学級の児童も、3名を温かく受け入れ てくれる雰囲気ができている。しかし、今年度を振り返って、私は、交流学級で、3名がどのように学んで いくのか、学びの内容や場の設定を考えていくことの難しさを感じた。彼らが周囲の環境の中でできそうな こと、本当に無理かと思われることを見極めてかかわっていくことが必要だと学んだ。T児の場合は、交流 学級で行う活動で、他の児童と同じことをすることが難しいことも多く見られるので、この見極めは大切だ と思った。また、交流学級の児童のことも考えて、3名が交流学級において学習する内容を考えていかなけ ればならないと学んだ。 <上記のように感じた理由> 1学期に、交流学級での図工の時間に画用紙に絵を描く活動をしたことがあった。しかし、T児はその活 動をしたがらず、拒否の姿勢をとっていた。そのため、私が違う活動(折り紙をちぎって貼り絵を行う)を 用意してさせた。その際、T児は、ちぎり絵の活動をしたものの、それを見た他の児童は「いいな」とH児 の様子を羨んでいた。私は、交流学級で学習させることが大切だと思い、その課題をさせたが、交流学級の 児童にとっては、T児だけなぜその活動をしているのかわからず、羨ましく感じていた。T児に与えた課題 は交流学級ですべきことだったのか、交流学級の児童はどのように感じるのか、よく考えるべきであったと 思った。 交流学級での活動は本人にできるのか考え、彼らにとってわかりやすいものにすること、難しければ交流 学級の児童にも配慮をして違う形で活動をさせていくことが大切であると感じた。特別支援学級の児童や交 6 流学級の児童が伸びる環境づくりをする中で、3名が周りの児童とかかわり合う場面を設けていかなくては ならないと考えた。 以上のことを受け、2学期は、交流学級の担任や支援の教員とより話をするようにし、交流学級で行う活 動について、交流学級の児童のことも考えて3名に合わせた活動を提示するようにした。 2学期に、図工の時間で、はさみを使って直線や曲線などの線が描かれた紙を切る活動をした際には、T 児は曲線を切ることが難しいので、私が用意した直線の紙を切らせた。この時、隣の席だった児童は、T児 がはさみで切っているところを見ると、「がんばって」と応援してくれた。切っているものは異なるが、同 じはさみを使った活動をすることができた。また、隣の児童がT児を気にかけてくれたことも嬉しく感じた。 交流学級での学びの方法を考えていくことが大事であると改めて学んだ。 <次年度に向けての課題> 今年度は、個での学習と集団での学習の取り組みの工夫から、個々に合った学習スタイルで力を伸ばして いくこと、児童の自信につなげることをテーマに、実践を行ってきた。個での学習を通して、彼らの力を少 しずつ伸ばすこと、来年度に向けてどのような力を付けさせていきたいのか、方向性が見えてきたことは、 今年度の成果であると思う。集団での学習では、3名が成長できた部分も見られたが、上記のような課題も 見つけることができた。今後は、個々における学習内容を考えることや、その教材研究に励むだけではなく、 集団で行う学習の中で、彼らに何を学ばせるのか、内容や場所は適切か、交流学級の児童はどのように感じ るかということをより意識していきたい。 そして、特別支援学級や交流学級の中での学習の仕方を考え、それぞれに合ったアプローチの仕方で実践 を進めていくことで、特別支援学級の児童と交流学級の児童が、お互いに認め合いながら授業ができる環境 をつくっていきたい。そのために、交流学級の担任とさらに相談をしながら、連携を深くとっていきたいと 思う。 7
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