2015 年 10 月 1 日 吹田市長 後藤 圭二様 2016 年度予算要望及び施策改善を求める要望書 吹田民主商工会 会長 工藤 芳昭 永田 虎次 吹田商工協同組合 理事長 貴職に於かれましてはご清栄のこととお喜び申し上げます。7 月市議会に於ける所信表明 では貴職の住民の皆さんに対する温かな思いや、 「4 年間で 8 年分の仕事を」とされた内容 の意味を感じることができました。市職員の皆さん、議会の皆さん、住民の皆さんの協力 と合意を得て、着実に改善へのレールを敷いていかれることをご期待申し上げます。 さて、私ども中小業者は、アベノミクスの恩恵は見えず、仕事は減り、社会保障も削減 されるなか「自己責任」だけが強調される状況下に置かれています。地域経済の振興はグ ローバル経済戦略からは実現しません。経済の目的は「企業の利益」や「株主の利益」が 一番ではなく、そこで働く労働者や地域住民の暮らしの安定にこそあります。循環型地域 経済の実現や安全で安心なまちづくりは中小企業や中小業者が大切にされる経済システム でこそ推進できるものです。そして、それは平和な社会であってこそ達成できるものです。 本年も、次期予算に対する要望書、施策改善に対する要望書を提出させていただきます。 どうか、真摯にご検討いただきます様にお願い申し上げます。尚、希望する関係部局だけ ではなく、市長との懇談機会を設けていただくことを併せてお願い申し上げます。 記 ● 循環型地域経済の振興策について Ⅰ 中小業者の仕事起しを積極的に支援するための施策要望 1. 現行官公需制度の見直しについて (1)公共工事は福祉充実、環境保全、防災事業に重点を置いていただくこと (2)市内中小業者の多くが登録業者になる意欲を有していないなど、吹田市官公需の受 注に対する期待感を喪失している実態があります。市は中小零細業者を育成する観 点を大切にして、制度見直しに取り組んでいただくこと。 (3)地元事業者優先発注を促進するため以下のような見直しを行っていただくこと ① 分離・分割は工事分野だけではなく物品分野、役務分野においても重視していた 1 だくこと ② 発注に当たっては地域循環型経営(材料等の地元調達、地元下請け、地元住民の 雇用)を実践する企業を重視していただくこと。既に発注されている工事等につ いても受注企業に、その旨を要望していただくこと ③ 発注に当たっては商店街や市場、近隣センター出店の商業者を優先し重視してい ただくこと (商店街・市場を公共財と位置づけシャッター化を防ぐ対策ともな ります。特に、近隣センターの生鮮食料品店を守る必要があります。 ) ④ 地元中小企業・中小業者優先を明確にするため、吹田市内に事業所がある登録者 を加点する等具体的な優先手立てを講じていただくこと ⑤ 随意契約においても地元中小企業・中小業者優先を重視していただくこと ⑥ 発注金額は受注した事業所の正当な利益につながるものにしていただくこと ⑦ 市内中小業者が登録しやすい制度に改善していただくこと ・ 大阪府と同様に登録は年間通してできるようにしていただくこと ・ 申請者に滞納税金がある場合は請負代金から納税できるようにするなど納税要 件を緩和していただくこと (4)公契約条例を制定して正当な下請け単価や労働者の賃金を保障していただくこと (5)市業務が、民営化や指定管理者制度に移行する際は、そこで働く労働者や下請け等 の待遇が、現状よりも大きく下回ることは住民サービスの低下につながる要因とな ります。指定管理者制度の場合、使用者が替わる度に待遇が低下するのではないか と心配されています。市は随時実態調査を行うとともに、労働者や下請け等の待遇 にも十分配慮していただくこと。 (6)市役所の全部局で修繕を含む官公需の発注状況を点検し地元優先を貫いていただく こと (7)吹田市など公的機関から補助金を受けて運営している団体等についても、工事や物 品等の購入に当たっては、目標金額を定めるなどの手立てをとって市内業者優先を 徹底していただくこと 2. 建設業の振興施策の策定について (1)昨年度の当会の要望書に対して、建設業の振興がまち産業活性部の所管であるとの ご回答をいただきました。したがって、まち産業活性部は、部の担当ラインを明確 にしていただくとともに、建設業の振興策を定め予算措置をとっていただくこと (2)官公需の地元発注割合の向上策や建設産業の育成方向を定めていただくこと 3.環境まちづくりを地域経済振興に生かす取り組みについて (1)市が率先して省エネに取り組まれることに賛同します。その取り組みの内容や成果 等が市民に深く広まるようより一層の工夫をしていただくこと 2 (2)再生可能(自然)エネルギーの普及を環境保全の観点は勿論のこと循環型地域経済 を推進する新産業の育成策として位置付けて以下の事項を推進していただくこと ① 「市自らが省エネ機器の使用や再生可能エネルギーを活用する」ことに賛成です。 市の施設すべてに普及する実施計画を立てていただくこと ② 吹田市直営または、吹田市が出資する法人が事業主体となり再生可能(自然)エ ネルギーを活用する発電事業を計画していただくこと ③ 住民や事業者が主体となって、再生可能(自然)エネルギー事業が展開できるよ うに自治体として支援していただくこと ④ 地域の自然、地理的条件、産業などの調査を行い、再生可能(自然)エネルギー 事業の潜在力を把握していただくこと ⑤ 滋賀県湖南市の「湖南市地域自然エネルギー基本条例」に習い、吹田市において も「地域の資源を地域の人たちが有効に活用しながら地域経済の循環に貢献でき る」条例を制定していただくこと Ⅱ 産業基盤の安定及び強化に向けた施策要望 1. 製造業、卸売業について (1)事業所実態調査で明らかになった「知的財産権」の内容や「自社ブランド製品、オ リジナル製品」の内容、「新製品、新技術等の研究開発」の内容等の実態把握を再度 行ない、支援施策の検討を行っていただくこと (2)事業所実態調査で明らかになった、「環境への取組の位置付け」の項で「ビジネスチ ャンス」 「事業戦略の一つ」と回答してきた企業の実態把握を再度行ない、支援施策 の検討を行っていただくこと (3)現在活用されている「訪問企業情報」の内容に実態調査結果や「知的財産権」や「自 社ブランド商品やオリジナル商品名」等も記録して「企業台帳」として整備して、 具体的な支援に活かしていただくこと。企業台帳の内容を豊かなものにするために、 墨田区など他市からも学んでいただくこと (4)「東大阪市住工共生のまちづくり条例」等を参考にして、吹田市内の製造業と周辺住 民が「共生」できる環境整備を進めるための条例化を検討していただくこと (5)事業所実態調査によると、 「市外」への移転予定が 13 社、地域「未定」が 4 社あり ます。詳細を把握して対策を講じていただくこと。近年、市内経済に影響を与える 企業の市外移転が続いています。恒常的な対策を講じていただくこと。 2.商店街・市場の振興について (1)商店街や市場は「公共財」です。周辺住民や働く人々とから支持される地域とする ため、以下の取組を行っていただくこと ① 定期的に買い物調査を実施して、周辺住民の要望の把握に努めること 3 ② 地域ごとに商業者と住民(居住者、労働者、学生など)が話し合う協議会を設 置すること。まちづくり会社を設立して振興の中心とすること ③ 空き店舗等を活用して子育て支援や高齢者支援の空間を確保すること (2)吹田市や府、国の支援制度等を活用できる自立した組織を育成していただくこと (3)商店リニューアル助成制度を創設していただくこと * 制度の概要・・・ 2013 年に群馬県高崎市が創設。店舗の改装や備品の購入な どについて 100 万円を上限に半額を補助する制度。シャッター通りを解消する有効な 方法はないかとヒヤリング調査をもとに創設。㋐ 地域業者の仕事を起す ㋑ 内需 の循環を図る(助成は地域振興券)㋒ 業者を元気にすると歓迎されている。 3.若者の雇用と定住の促進について (1)市内企業への就職先の紹介、新婚家庭の公営住宅への入居や民間住宅への家賃補助、 保育の環境整備、子育て中の女性の労働環境の改善など、具体的な若者支援策を打 ち出していただくこと (2)定期的に新規開業や雇用状態の実態調査を行い施策推進に活かしていただくこと (3)非正規職員が 5 割近くまで拡大した市職員の実態を早期に改善して正規採用化して いただくこと。また正規職員と非正規職員の待遇を段階的に改善していただき、市 役所が地域の労働環境のモデルとなるようにしていただくこと。 (4)吹田市内で創業する方々を支援する融資制度を創設していただくこと (5)地元大学や高校との連携強化を図るとともに、「協議体」 (企業の代表者、労働組合 代表、高校や大学関係者、自治体などで構成)を設置するなど、若者の雇用と定住 を促進するための体制を整備していただくこと 4.地域経済振興の担い手づくりの育成について (1)自らの経営力量を高め、地域振興に対する知見や連帯感を育てるため、次世代のリ ーダーを育てる「若手経営者養成講座」を創設していただくこと (2)経験や技術を次世代に継承していくため「吹田版マイスター制度」 (仮称)を創設し たり、吹田市が認定する講師や技術指導員の登録制度を創設したりして、熟練した 高齢事業主や労働者が社会的に活躍できる環境整備をしていただくこと (3)地域経済や中小企業に関心のある職員や現場からの知識の蓄積を得意とする職員を 配置し地域産業政策に精通した専門的な知識をもつ職員集団を計画的に育成してい ただくこと (4)地域経済振興室の全ての職員が年間で数回は事業所訪問を行い、吹田の地域経済の 実態を共有化していただくとともに、施策化に活かしていただくこと (5)市や府、国等の補助金制度の活用が現状よりも数多く進むように、商工会議所だけ ではなく、その他の経済団体や民間協力組織等への説明機会や連携状況を強めてい 4 ただくこと。 (6) 「中小企業サポートセンター」 (仮称)を創設していただくこと。運営は市直轄若し くは外郭団体としていただくこと。 Ⅲ 大企業や大型店、金融機関による「地域貢献への誘導」について (1)市は吹田市産業振興条例の趣旨に沿い、市内大企業者や大(中)型店に対して、地 元雇用の促進や下請け、原材料、サービス等の現地調達を促進することで地域経済 の循環に貢献するように働きかけていただくこと (2)吹田市内に進出してきた大型店や中型店が、自らが定めた「事業計画書」や「市長 意見に対する回答」で示した地域貢献の取組状況について公表していただくこと (3)2010 年以降、大規模小売店や中規模小売店の市内地域への進出が目立っています。 背景に 2011 年の「環境まちづくり影響評価条例」の改正で「審査期間を 2 年半から 1 年半に短縮」したことが影響しているのではないかと推測されます。再度、審査期 間を 2 年半に戻していただくこと (4)市は地域金融機関に対して高利商品の販売や勧誘をやめるとともに、サラ金との提 携や出資をやめるように働きかけていただくこと。また、地域貢献活動として、地 域内中小企業への融資目標額、実際の融資額、融資拒否や減額の理由、吹田市施策 への協力状況、地域内事業所への情報提供の活動実績などの公表を求めていただく こと。そして、市として地域貢献している金融機関を応援していただくこと Ⅳ 吹田市産業振興条例を推進する市役所の体制づくりについて (1)地域経済振興予算を一般会計の 2%まで計画的に引き上げていただくこと * 2011 年度一般会計に占める商工費の割合は墨田区 2,4%、尼崎市 2,0%、大田区 1,4%、東大阪市 0,7%、八尾市 0,6%となっています。 (2)地域経済振興担当職員を大幅に増員していただくこと (3)市で働く全職員が吹田市産業振興条例の意義と役割を理解し、各人の部署の業務を 通して地域経済振興施策を提案できるように、研修等を充実していただくこと (4)吹田市産業振興条例第 1 条の「目的」が実現できるように全庁体制で取り組んでい ただくこと ● 社会保障制度の拡充を Ⅰ 国民健康保険制度、医療制度、健康増進施策について (1)2015 年度から投入される低所得者対策のための資金(全国で 1700 億円)を活用し て国民健康保険料の引き下げを行っていただくこと (2)資格証明書、短期保険証の発行をやめ、正規の保険証を加入者全員に交付していた だくこと。保険証の留置き期間が1カ月以内になるように短縮努力を引き続き行って 5 いただくこと。 (3)保険料等の相談にあたり日頃の親身で温かい姿勢に感謝申し上げます。今後とも地 域住民の声に真摯に耳を傾け、 「国保は社会保障」の立場で相談に応じていただくこと (4)国保制度の構造的な問題を抜きにして滞納者が「悪い」とならないようにしなけれ ばなりません。滞納者に対する財産調査は、慎重にも慎重を重ね、事前に本人に通知 するなど行政と地域住民の対立や行政に対する不信とならないように十分配慮してい ただくこと。調査結果を正確に記録して随時公表できるようにしていただくこと。本 人の申し出通りの結果であれば早期に執行停止の措置をとっていただくこと (5)医療保険制度改革関連法は国会で採択されたものの、国会は制度の骨格のみを示し て、詳細は政令で定めることになっています。国に対し以下を要望していただくこと ① 入院時食事療養費の予算措置による現行の負担額の継続、後期高齢者の保険料軽 減特例の継続、 「低所得者」の範囲拡大、難病患者の負担軽減を求めていただくこと ② 国民健康保険に対する更なる財政支援を求めていただくこと ③ 「患者申し出診療制度」については、保険適用まで待てない場合に限って例外的、 限定的なものし、混合診療原則禁止を堅持するように求めていただくこと (6)国民健康保険運営協議会委員会公募委員の増員を行っていただくこと (7)体育と保健を一体化した取り組みに賛同し以下の点で要望します。 ① 健康診断受診者の国民健康保険料を軽減していただくこと ② 長時間、過密労働下に置かれた中小業者の健康問題についても対策を立てていた だくこと ③ 健康診断で「要再検査」になりながら検査を受けない住民や治療にかかろうとし ない住民への後押しの施策を検討していただくこと Ⅱ 介護保険制度について (1)特別養護老人ホームへの入所が「要介護3」以上になることで在宅生活困難な「軽 度」高齢者の行き場がなくなるような事態にならないよう配慮していただくこと (2)「総合事業」に移行しても、ホームヘルプ・デイサービスを必要としている全ての要 支援者が、サービスを利用できるように市の責任で推進していただくこと (3)介護報酬改定が 2,27%の大幅マイナス改定になったことで、介護職員の待遇改善が 進まなかったり、進んだとしても非正規職員が増えたりして労働環境全体の悪化や 人手不足につながること、また廃業に追い込まれる介護事業所が増加するのではな いかと心配されています。市は介護行政の後退につながることのないように独自に 支援していただくこと (4)国に対して、 「報酬切り下げ撤回」、「国の責任による介護労働者の賃金改善」を強く 求めていただくこと (5)介護保険料を引き下げていただくこと。低所得者の保険料軽減のために公費を投入 6 していただくこと (6)保険料滞納者に対する処分は滞納者の実情を十分把握し資力がないにもかかわらず 処分の対象になることがないようにしていただくこと Ⅲ 生活保護制度について (1)日頃の温かい相談活動に感謝申し上げます。当市でも毎年のように生活保護制度の 利用者が増加しています。他の自治体では生活保護の相談者を追い返したために、 不幸な事件につながる事態も発生しています。相談者の実情をよく聴き安心して相 談できるよう引き続き努めていただくこと (2)「住宅扶助」の引下げによる住居移転は、生活保護利用者の実情を十分配慮しながら 本人の同意のもとに進め強要しないようにしていただくこと (3)職員の方々が、増加する生活保護受給者に余裕を持って対応できるように、職員数 を増員していただくこと ● 住民税について (1)個人市民税や固定資産税の減免基準を緩和していただくこと (2)現行の統計資料では個人事業者の税収金額や事業者用の固定資産税・都市計画税の 税収状況がわかりません。地域産業の実態把握の指標として活用するために該当者数 と税収金額がわかるように集計していただくこと (3)税金滞納者に対する温かい相談姿勢に感謝申し上げます。相談にあたっては滞納者 の実情を良く聴き取り、滞納者が納得して納付できるよう支援していただくこと (4)財産調査や差押、差押財産の換価にあたっては、滞納者に正しく知らせることを重 視していただくこと。生活等の困窮が明らかな場合は執行停止にしたり、生活保護等 の相談に導いたりしていただくこと。 (5) 「大阪府域地方税徴収機構」の参加実績をまとめ適当な時期に公表していただくこと。 また、市の参加目的である「徴税スキルの向上」が取得できた時点で撤退していただ くこと (6)以下の点について 2014 年度の実績を公表していただくこと ● ① 住民税、固定資産税の減免実施状況(人数、理由、金額) ② 財産調査の実施状況(件数、内容) ③ 差押の状況(内容、件数、金額) ④ 滞納処分の執行停止状況(税目、件数、金額) 共通番号制度(マイナンバー制度)について (1) 「個人番号カード」の取得は任意となっています。その旨を住民に正しく伝え、吹田 市が取得の促進をすることがないように気をつけていただくこと 7 (2) 「通知カード」や「個人番号カード」を紛失したり、盗難にあったりした場合のリス クや、紛失や盗難の際の手続きについても詳しく広報していただくこと (3)制度の内容を理解していない住民が、各種手続きにおいて「通知カード」や「個人 番号カード」がなくても困らないようにするため、自らを証明できる書類等があれ ば、該当手続きを行っていただくこと (4)吹田市の条例によって、吹田市独自でマイナンバーの活用範囲を拡大することがな いようにしていただくこと (5)共通番号は、 「漏れる」ことを大前提で対応する必要があります。担当する市職員の 人数を限定させ、正規職員を配置し、自覚を高め、漏えいが疑われる場合の通報や 対処の仕組み、責任の所在を明確にしていただくこと (6)不安をもつ住民が定期的に自らのマイナンバーを変更することを認めていただくこ と (7)個人情報の管理が適正に行われているかどうかを定期的に検証して、不安をもつ住 民の依頼があれば随時回答できるようにしていただくこと ● 市長の政治決断を求める事項、および政治姿勢に係わる要望 1 市長の政治決断を求める事項について (1)以下の事項は 2010 年 12 月市議会で全会一致、若しくは賛成多数で採択されたもの です。地域経済振興策として数多くの自治体でも実施されているものです。吹田市 においても推進していただくことを要望します。 ① 官公需の地元発注割合を件数だけではなく金額の面でも大幅に高めるとともに、 分離・分割発注を徹底することでより多くの地元中小企業・中小業者に仕事が回 わるように改善していただくこと。80%近くまで回復した「工事」の更なる改善、 低迷したままの「物品」や「役務」の改善を行っていただくこと。 ② 小規模工事希望者登録制度を創設していただくこと <制度の概要> 地元建設業者の受注機会の拡大を図るための制度。自治体が発 注する小規模な工事や修繕について、あらかじめ受注・施行を希望する業者に登 録してもらうことにより、入札参加資格にとらわれることなく、地元業者を積極 的に選定対象にすることが目的。2010 年 3 月末現在、全国 439 自治体で実施。 当会は、一定金額以下の物品購入もこの制度にいれることを要望している。 ③ 住宅リフォーム助成制度を創設していただくこと <制度の概要> 地域住民が住宅をリフォームする際に、地元業者が工事を行うこ とを条件に、自治体が一定の補助金を出す住宅改修助成制度。少額の助成でも工事 契約高への直接波及効果は 10 倍、さらに生産、所得、雇用の誘発など 16,6 倍の経 済波及効果(秋田県の産業連関分析・入谷貴夫宮崎大学教授)を生み出した。京都 府与謝野町が京都大学に委託した 2009 年から 2011 年の 3 年間の調査では、直接 8 の対象工事額は自治体補助金の約 15 倍、1次、2次の経済波及効果は、投入した 補助額の 23,84 倍にもなっている。住民、業者、地域経済にとって「三方よし」の 政策。現在約 628 の自治体が実施中。 (2)所信表明にある「地元の企業のビジネスチャンスをさらに拡大する」ための施策と して、所信表明された千里南公園内のパークカフェや学校の改修、学校体育館の改修、 トイレの改修、「彩団地プロジェクト」、タクシーの利用等の実施に当たっては、地元 の零細な業者が数多く受注、若しくは下請で参加できるよう特別の配慮を行っていた だくこと (3)吹田市が定めている6つの地域ごとに支所を設置していただくこと。その支所に、 福祉・医療担当、環境担当、防災担当、地域経済振興担当等の職員を配置して、地域 住民や事業所により近いところで横断的な行政運営を行っていただくこと 2 市長の政治姿勢に係わる要望 (1)日本国憲法を擁護し発展させるために尽力していただくこと (2)地域経済の振興、持続的な発展を目指す上で以下の立場を明確にしていただくこと ① 消費税を価格に転嫁できない中小業者が多数存在します。そのような消費税は中 小業者にとって営業破壊税です。内需を冷やす消費税増税に反対していただくこと ② TPPが推進されると農業だけではなく官公需や知的財産権等にも多大な影響を 与え、地域経済への打撃は計り知れません。44 道府県、2144 市町村が反対決議して いるTPPの推進に反対していただくこと ③ 脱原発、再生可能(自然)エネルギーの普及は地域経済振興のみならず人類的な 課題です。目先の経済的な利益ではなく豊かで明るい未来社会を築くために原発推 進政策に反対し、再生可能(自然)エネルギーの普及に賛同していただくこと ④ 社会保障政策の拡充は地域の内需を温め、地域に仕事を起す施策です。社会保障 の拡充を地域経済振興策として位置付け積極的に推進していただくこと 9
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