豊平地域プール整備基本計画(改定版) 平成 25 年 10

豊平地域プール整備基本計画(改定版)
平成 25 年 10 月
北広島町・北広島町教育委員会
目次
はじめに ...................................................................................................................................... 1
○地域プール整備の必要性と目的、及び期待される効果 ............................................................. 1
計画策定における基本的な考え方 ........................................................................................ 2
Ⅰ
1 上位計画における位置づけ ..................................................................................................... 2
1-1 基本方針 ........................................................................................................................... 2
1-2 具体的施策 ....................................................................................................................... 3
1-3 整備の目標 ....................................................................................................................... 4
1-4 北広島町における豊平地域プールの位置づけ................................................................... 5
2 豊平地域プール整備事業のコンセプト .................................................................................... 6
2-1 学校プール施設としての利活用 ~水に親しむ~............................................................ 6
2-2 健康増進施設としての利活用
~水で健康づくり~ ........................................................ 6
2-3 レクリエーション施設としての利活用 ~水で楽しむ~ ................................................. 6
2-4 防災機能を備えた社会体育施設としての利活用
~水を活かす~ ................................... 6
計画策定のための条件整理と現況把握 ................................................................................. 7
Ⅱ
1 計画地の位置づけ.................................................................................................................... 7
1-1 北広島町における豊平地区の位置づけ ............................................................................. 7
1-2 北広島町内プール整備計画 ............................................................................................... 8
2 豊平総合運動公園の各施設とその利用状況 ........................................................................... 10
2-1 施設利用者数の分析
(運動公園施設)........................................................................ 11
2-2 施設利用者数の分析
(どんぐり村施設) .................................................................... 12
2-3 豊平地域の児童・生徒数 ................................................................................................ 13
2-4 利用者数想定 .................................................................................................................. 13
3 プールへの水供給検討 .......................................................................................................... 14
3-1 検討条件 ......................................................................................................................... 14
3-2 プール 1 日当りの使用給水量検討 .................................................................................. 14
3-3 現況把握 ......................................................................................................................... 15
3-4 運動公園施設+新設プールの 1 日使用給水量の算出 ...................................................... 15
4 関連法規、基準 ..................................................................................................................... 18
施設基本計画案 .................................................................................................................. 19
Ⅲ
1 プールの設置場所.................................................................................................................. 19
1-1 運動公園内におけるプール配置場所検討........................................................................ 19
2 プールの概要......................................................................................................................... 19
2-1 プールの利活用について ................................................................................................ 19
2-2 プールの種類 .................................................................................................................. 19
2-3 諸室規模算定 .................................................................................................................. 21
3 施設全体配置計画.................................................................................................................. 22
3-1 配置計画図 ..................................................................................................................... 23
4 ゾーニング計画 ..................................................................................................................... 24
5 施設平面計画......................................................................................................................... 25
6 立面・断面計画 ..................................................................................................................... 26
7 施設設備計画......................................................................................................................... 28
8 建設スケジュール.................................................................................................................. 29
はじめに
これまで町内のプールは学校施設の 1 つとして教育を目的、各小学校単位で整備されてきた。
昨今、水泳を一般のスポーツとして、また健康づくりの観点からのニーズが高まっているが、
既設の学校プールにおいては大人の利用はほとんど見受けられない状況であり、既にセンター
プールとして位置づけられる海洋センターを備える芸北・大朝地域において若干の一般利用が
みられる程度である。
将来的には各地域 1 ヶ所のセンタープールを整備し、健康づくり・体力づくりのプログラム
を策定、子どものためだけのプールから、より町民が利用しやすく、健康増進や体力向上につ
ながる施設として全てのプールを位置づける必要がある。
先行して整備が進む北広島町民千代田プール(仮称)を”町民”温水プールとして位置付け、
今回整備する豊平地域プールと共に町の健康づくりの拠点となる施設整備を目指す。
○地域プール整備の必要性と目的、及び期待される効果
・北広島町豊平地域には現在豊平南、豊平西、豊平東小学校にプールがあり、学校プールとし
て使用している。いずれも昭和 60 年頃整備され、老朽化が激しく、利用に支障をきたして
いるものもあり、安全面が懸念されており整備が望まれている。
・そこで、H25 年の小学校統合を契機に、小学校プールとしての役割と、既に取壊しが終わっ
ている豊平中学校プールの代用としての役割、さらに、地域住民の一般利用の役割を含めた
「豊平地域プール」を運動公園内に新設する。
・地域プールを整備することで、幼年期から老年期にかけて幅広い世代が「水中運動」を通じ
て気軽に健康づくり、体力向上が図れることを目的としている。
・地域プール建設で期待される効果としては、「子どもの泳力強化」、「子供の体力向上」、
「健康増進効果」、「運動公園及び道の駅利用者の増加」、「プール経費の削減」等が考え
られる。
1
Ⅰ
1
計画策定における基本的な考え方
上位計画における位置づけ
本町においては、平成 19 年 3 月に上位計画である「北広島町長期総合計画」(平成 19~28 年)
を策定しており、今回の整備計画に関連する項目について抜粋・整理をする。
1-1 基本方針
「学校教育の充実」、「健康づくりの推進」、「スポーツ・レクリエーション活動の振興」
「災害に強いまちづくり」の各項目についての基本方針を次の通り掲げている。
「学校教育の充実」の基本方針を、次の通り定めている。
3 豊かな心と健やかな体の育成
生命を大切にしたり、美しいものに感動したり、他人を思いやったりする等の豊かな心と心
身ともに健やかな子どもの育成を図ります。
8
学校施設の整備と学校の規模の適正化
校舎・屋内運動場の耐震補強や建替えの検討をする等、安全・安心で快適な環境づくりに取
組むとともに、義務教育振興プランの中で学校の適正規模等の方針を明らかにし、その具体
的化に向けて取り組みます。
「健康づくりの推進」の基本方針を、次の通り定めている。
2 成人・老人保健対策の充実
若い時期からの健康的な生活への意識づけとして、仕事と健康のバランスのとれた生活習慣
を身につけ、生き生きとした生活を送り健康であると思える人が増えるよう、健康増進計画
を基本に、様々な健康情報の提供を行い、職域や地域における健康づくりの取組を促進する
とともに、高齢者の生活機能の向上をめざした支援体制づくりに努めます。
「スポーツ・レクリエーション活動の振興」の基本方針を、次の通り定めている。
1 スポーツ・レクリエーション活動の推進
住民が自由に選択し、主体的にスポーツ・レクリエーション活動を行うことができるよう、
スポーツ・レクリエーション活動の推進体制の強化を図るとともに、総合型地域スポーツク
ラブの育成による活動機会の拡充、クラブの育成、ニュースポーツの普及などに取り組みま
す。
2
スポーツ・レクリエーション施設等の整備・充実と有効活用
既存施設のスポーツ・レクリエーション施設等の役割分担と個性化や、特色ある活動の場の
確保・創出に努めるとともに、施設等のネットワーク化を図り、有効活用を進めます。
「災害に強いまちづくり」の基本方針を、次の通り定めている。
1 防災体制の強化
災害に強い防災環境をつくるため、地域における防災意識を高め、地域住民の手による自
主防災組織の育成を推進するとともに、広域的な連携などによってさまざまな状況に対応
できる、より強固な防災体制づくりや災害に強い地域構造の形成に取り組みます。
2
1-2 具体的施策
各項目について基本方針に基づいて具体的施策を次の通り掲げている。
「学校教育の充実」の基本方針に基づき、具体的対策を次の通り定めている。
3 豊かな心と健やかな体の育成
(3)体力・運動能力の向上
○児童生徒の健やかな体を育成するため、定期的な調査により児童生徒の体力・運動 能力
を検証し、学校における体育の授業の改善はもとより、教育活動全体を通した 体力づく
りの推進体制の充実に取り組むとともに、家庭・地域と連携して児童生徒 の体力・運動
能力の向上を図ります。
8 学校施設の整備
(1)学校施設の整備
○児童生徒数の推移や学校の適正規模・適正配置、また、耐震化優先度調査の結果を考慮
しながら、安全性に配慮した学校施設の整備・充実を進めます。
「健康づくりの推進」の基本方針に基づき、具体的対策を次の通り定めている。
2 成人・老人保健対策の充実
(2)生活習慣改善支援の充実
○生活習慣の改善及び、講堂変容をめざした効果的な支援を推進します。
○年代に応じた健康課題に沿って、住民の主体的参画により健康課題を共有しながら、他
機関との連携をとり、年代に応じた健康学習や情報発信を行います。
「スポーツ・レクリエーション活動の振興」の基本方針に基づき、具体的対策を次の通り定めて
いる。
1 スポーツ・レクリエーション活動の推進
(4)スポーツ・レクリエーション活動の機会の拡充
①生涯にわたるスポーツ・レクリエーション機会の提供
○豊かなスポーツライフを送るために、幼年期から老年期にわたり、すべての住民が楽し
くスポーツに親しむことのできる環境づくりを進めます。
2 スポーツ・レクリエーション施設等の整備・充実
(1)既存のスポーツ施設等の整備・充実
○運動公園などにおいては、住民及びスポーツ団体の意向を把握しながら、施設や設備の
整備・充実を図ります。
「災害に強いまちづくり」の基本方針に基づき、具体的対策を次の通り定めている。
1 防災体制の強化
(2)災害に強い地域構造の形成
⑤避難空間やルート等の確保・充実
○地震や火災時等における避難場所の適正配置や防災・安全性の確保、食糧の備蓄などを
図ります。
3
1-3 整備の目標
上位計画である「北広島町長期総合計画」の基本方針、具体的施策に基づき、事業整備の目標
を以下のように定める。
小・中学生が水中運動をとおし、体力運動能力の向上を図り、幼年期から老年期にわたり
地域住民が、すべての住民が楽しくスポーツに親しみ、健康増進が図れ、防災意識の高い施設整
備を図る。
・数あるスポーツの中でも、健康づくりに対して特に効果が大きく取り組みやすい「水中運動」
の特性効果を活かして健康づくりや疾病予防を積極的に推進する。
体育館と合わせて厚生労働省の健康増進施設(指定運動療法施設)の認定を受け、地域内の医
療機関との連携も検討し、より一層効果普及に努める。
また、スポーツ振興の目標については「北広島町スポーツ振興計画」内にも以下のように定め
られている。
1 基本目標
①スポーツ実行率の向上
②スポーツ好きな子どもの育成
③総合型クラブの設立・育成及び運営に関するネットワークの構築
④利用・活用しやすいスポーツ施設の整備と活用
・プールの利用・活用を進め、前述した「北広島町スポーツ振興計画」で謳うスポーツ実施率の
向上を目指す。
さらに、学校プールとしての利用を考慮し、「小学校学習指導要領 体育編」によると水泳系の
項目については以下のように定められている。
1 体育教科の目標
心と体を一体としてとらえ、 適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、生涯
にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てるとともに健康の保持増進と体力の向上を
図り、 楽しく明るい生活を営む態度を育てる。
2 各運動領域の内容 -水泳系水泳系の領域として、低学年を「水遊び」、中学年を「浮く・泳ぐ運動」、高学年を「水泳」
で構成している。
・低学年→「水遊び」---「水に慣れる遊び」、「浮く・もぐる遊び」
・中学年→「浮く・泳ぐ運動」---「浮く運動」、「泳ぐ運動」
→それぞれの児童の能力にふさわしい課題に挑み、活動を通しての水の特性につい
て知り、水に慣れ親しむことで、課題を達成する喜びを味わうことができる運動。
・高学年→「水泳」---「クロール」、「平泳ぎ」
→心地よく泳いだり泳ぐ距離を延ばしたりすることに楽しさや喜びを味わうこと
ができる運動。
・プールでの授業を通じて、水に親しみ、スポーツや健康に対しての意識の向上を目指す。
4
1-4 北広島町における豊平地域プールの位置づけ
北広島町内における豊平地域プールの位置づけについては、同町が推進する「北広島町民千
代田プール整備基本計画」の中で策定されている。
・北広島町民温水プール(仮称)は、屋内温水プールであり、通年で利用できる温水ならではの
健康メニューを展開した、
「北広島町全体のセンタープール」としての役割が期待されている。
町民温水プールにおいては、水泳スクールをはじめ、水中歩行、アクアビクス、トレーニング
教室等の体力づくりとしての利用と、病気予防・介護予防等を推進する健康づくりのための利
用を想定した総合的なプールとし、各地区センタープールを補完、水中健康づくりの拠点とし
位置付ける。
・豊平地域プールにおいては、屋内冷水プールとして整備され、子どもから大人まで幅広く利
用できる「地域のセンタープール」としての役割が期待されている。
豊平・芸北・大朝地域がオフシーズンには年中利用可能な千代田プールにて活動をできるよう
に整備し、町民温水プールにて習った活動内容を各地域のプールにて実践していく等、連携と
役割分担を明確にしたプールの運営・管理が求められる。
各地域同士の交流と連携を密にとった体制づくり、施設整備を行うことで、町全体としてのプ
ール利用者の増加、健康づくりの促進が総合的・計画的に実践できることにつながる。
○健康づくり、生涯スポーツ
いつでも使える”みんなのプール”・・・千代田地域センタープール温水化
○子どものためだけのプールを、幅広く”大人”へも・・・各地域センタープール整備
北広島町内のプールの位置づけ
5
2
豊平地域プール整備事業のコンセプト
前章にて整理した整備の目標を実現し、豊平地域プールの北広島町内における役割を果たすた
めの整備事業コンセプトを以下のように定める。
水に親しむ
学校プールとして、児童・生徒が水に親しめるプール施設。
水で健康づくり
幼年期から老年期にわたり、夏季に水泳を通して、健康増進を図ることができる
プール施設。
水で楽しむ
夏季の身近なレクリエーションの場として、家族づれにも利用しやすいプール
施設。
水を活かす
水を活用した防災対策を視野に入れた、災害に対して強いプール施設。
2-1 学校プール施設としての利活用 ~水に親しむ~
現在学校プールとして使用している豊平南、豊平西、豊平東小学校の統合、豊平中学校の
プール休止にともなって、児童・生徒が安全に水に親しみ、水泳を通じて心身を鍛えること
ができる施設整備を図る。
2-2 健康増進施設としての利活用 ~水で健康づくり~
町民が気軽に利用でき、水中運動の特性効果を活かして、健康・体力づくりを積極的に推
進できる施設整備を図る。
2-3 レクリエーション施設としての利活用 ~水で楽しむ~
夏季の身近なレクリエーションの場として、家族づれにも利用しやすい施設として整備す
る。また、豊平運動公園、道の駅豊平どんぐり村の利用者の増加を促せるよう配慮する。
2-4 防災機能を備えた社会体育施設としての利活用
~水を活かす~
プール水を生活用水として利用を検討する、備蓄倉庫を配備する等、防災を意識した施設
整備を図る。北広島町内の避難指定場所となっている体育館を中心とし、運動公園全体で町
民の安全を守ることができる社会体育施設となるよう、補助事業(防災公園広域避難地)も
視野に入れた施設構想を図る。
6
Ⅱ 計画策定のための条件整理と現況把握
1
計画地の位置づけ
北広島町は、広島県の北西部に位置し、中国地方の広がりの中でみると、その中央に位置する
地域である。
1-1 北広島町における豊平地区の位置づけ
豊平地区は、山々に抱かれながら平地部、集落地等が点在的に立地し、高原状・盆地状の地
域、丘陵地、河川沿いの山間地、棚田集落など、多様な地形条件となっている。水系は太田川
水系に分類され、瀬戸内海の海につながる。
図 北広島町の人口の推移
町の人口推移は減尐傾向が続いており、
平成 22 年現在は 19,970 人となっている。また、
年尐人口比率、生産年齢人口比率は減尐傾向にあ
り、反対に老年人口比率は増加傾向にあることか
ら尐子高齢化が進んでいる。
豊平地区の人口推移も減尐傾向にあり、平成 17
年には 4,122 人で、千代田地区の約半数の人口と
なっている。
大朝B&G
芸北B&G
千代田運動公園
計画場所
図
北広島町HPより
7
1-2 北広島町内プール整備計画
現在北広島町内には以下の水泳プール施設がある。
地
芸
域
施設名称
北 八幡小学校水泳プール
雄鹿原小学校水泳プール
雲月小学校水泳プール
美和東いこいの広場プール
芸北B&Gプール
大 朝 新庄小学校水泳プール
大朝B&Gプール
千代田 壬生小学校水泳プール
南方地区水泳プール
本地地区水泳プール
川迫地区水泳プール
八重小学校水泳プール
八重西地区水泳プール
蔵迫地区水泳プール
川西地区水泳場
畑地区水泳場
千代田プール
豊 平 豊平南小学校水泳プール
豊平西小学校水泳プール
豊平東小学校水泳プール
設置場所
設置年度
管理者
八幡小学校
S56 教育委員会
雄鹿原小学校
S55 教育委員会
雲月小学校水泳
S57 教育委員会
美和東文化センター
H12 教育委員会
芸北運動公園
H 2 (一財)どんぐり財団
新庄小学校
S47 教育委員会
大朝運動公園
S62 大朝まちづくり有限会社
壬生小学校
S48 教育委員会
南方小学校
S40 教育委員会
本地小学校
S49 教育委員会
川迫小学校
S49 教育委員会
八重小学校
S62 教育委員会
寺原
S49 教育委員会
蔵迫
S51 教育委員会
川西ふれあいセンター S47 教育委員会
畑
S47 教育委員会
有田
H26 教育委員会
豊平南小学校
S59 教育委員会
豊平西小学校
S59 教育委員会
豊平東小学校
S60 教育委員会
備
閉鎖中
考
閉鎖中
閉鎖中
閉鎖中
※H26 年度取壊し
老朽化する学校プールの問題を含めて、当面は既存のプールを活用するが、将来的には各地域
に 1 ヶ所のセンタープールを配置し、学校プールとしてはもちろん、健康増進・社会体育施設
としての複合的利用を視野に入れ整備する。
地
芸
域
現 状
当 面
将 来(センター化)
北 芸北運動公園プール
芸北運動公園プール
既存プール活用
(芸北海洋センタープール)
雄鹿原小学校プール
雲月小学校プール
美和東いこいの広場プール
大 朝 大朝運動公園プール
既存プール活用
大朝運動公園プール
新庄小学校プール
(大朝海洋センタープール)
千代田 千代田プール
北広島町民
壬生地区プール
温水プール(仮称)
北広島町民温水プール(仮称)
南方地区プール
(H26)
本地地区プール
既存プール活用
川迫地区プール
八重小学校プール
川西地区プール
豊 平 豊平南小学校水泳プール
豊平地域プール(H28)
豊平西小学校水泳プール 既存プール活用
豊平東小学校水泳プール
※既存プール活用:大規模修繕が必要となるまでを基本とする。
備
考
上屋付きプール
上屋付きプール
温水プール
(屋内)
冷水プール
(屋内)
8
・北広島町内のセンタープールの概要
北広島町民温水プール(仮称)
利用期間 年中
所 在 地
規 模
広島県山県郡北広島町壬生字西谷 500 千代田運動公園内
屋内温水、25Mプール×6 コース、補助プール 5×10m
水 深
コース数
水深:1.1~1.2M
利用者数
年間約 20,600 人程度(見込)日平均利用者数:60 人/日程度(見込)
利用状況
-
コース数:6 コース
芸北B&G海洋センター
利用期間
6 月中旬~8 月
所 在 地
広島県山県郡北広島町細見 141-16 芸北運動公園内
規 模
上屋付き冷水、大プール:25Mプール×6 コース、補助プール:6×10m
水 深
コース数
大プール:1.1~1.2M、小プール:0.5~0.6M、コース数:6 コース
利用者数
年間約 1,600 人程度 日平均利用者数:30 人/日程度(H.24)
利用状況
水泳教室、水泳のみの利用
大朝B&G海洋センター
利用期間
6 月中旬~9 月中旬
所 在 地
広島県山県郡北広島町大朝 1363,1370 大朝運動公園内
規 模
上屋付き冷水、大プール:25Mプール×6 コース、補助プール:6×10m
水 深
コース数
大プール:1.1~1.2M、小プール:0.5~0.6M、コース数:6 コース
利用者数
年間約 3,900 人程度 日平均利用者数:40 人/日程度(H.24)
利用状況
水泳教室、水泳・歩行運動での利用
9
2
豊平総合運動公園の各施設とその利用状況
プールの建設場所である豊平総合運動公園内には以下の施設がある。
・とよひらウイング(アリーナ)H8.5 設置
(事務室、医務室、会議室 2 室、男女更衣室、シャワー室、男女トイレ 3 箇所、
多目的トイレ、トレーニングルーム、放送室、控室、役員室、湯沸室)
・どんぐりスタジアム(野球場)H8.4 設置
・多目的広場(ソフトボール、グランドゴルフ、サッカー等)H8.5 設置
・テニスコート H.4.4 設置
・ゲートボールコート H.4.4 設置
・野外ステージ (各種イベント)H2.1 設置
・フットサルコート
・豊平歴史民俗資料館(農機具の展示)H7.4 設置
・駐車場(567 台分)
また、運動公園に隣接して 道の駅 豊平どんぐり村がある。以下が施設内容となる。
・どんぐり荘(宿泊・飲食施設)
・どんぐり庵(飲食施設)
・さんさん市(販売施設)
・絵画館(槙の館)H.4.4 設置
・むさし(飲食施設)
現況配置図
10
次に各施設の利用状況を示す。
2-1 施設利用者数の分析 (運動公園施設)
11
2-2 施設利用者数の分析 (どんぐり村施設)
12
2-3 豊平地域の児童・生徒数
平成 24 年度 北広島町豊平地域 小中学校児童生徒数
小・中区分
学校名
1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 合計 学級数
豊平南小学校
10
9
13
15
14
16
77
7
小学校
豊平西小学校
6
2
10
8
7
8
41
6
豊平東小学校
3
3
4
2
9
6
27
5
小学校合計
19
14
26
25
30
30
145
-
中学校
豊平中学校
20
16
32
-
-
-
68
5
小・中学校
213
-
※児童・生徒数及び学級数には特別支援学級を含む
備考
2-4 利用者数想定
・プール利用期間:6 月下旬~9 月下旬
・プール利用時間:10:00~22:00
17:00~22:00(学校プール利用日)
・日平均利用者数:60 人/日※(男:30 人
女:30 人)人口比
・学校プールでの最大同時利用人数:約 32 人(複数学年利用の場合、60 人程度を想定)
・一般プールでの最大同時利用人数:約 53 人(日最大利用者数×60%)
(参考)学校プールでの利用者予測
a)年間利用者数(NT)=利用者圏域の人口×参加率(10%)×平均参加回数(3.5 回/人・年))
(学校プール)
×計画施設の圏域内のシェア
= 213 人(小・中学生)×90%×5 回/人・年×100%
= 959 人
※プール授業を 999 割の児童が参加し、年 555 回参加すると想定
d)日平均利用者数
=NT÷開設日数
= 959 人÷20 日(学校プールとしての利用日数)
= 48 人
出典:都市公園技術標準解説書/プールの計画 需要予測より
(参考)一般プールでの利用者予測
a)年間利用者数(NT)=利用者圏域の人口×参加率(10%)×平均参加回数(3.5 回/人・年))) ×
計画施設の圏域内のシェア
= 4,122 人(豊平地区)×10%×3.5 回/人・年×100%
= 1,443 人
b)日最大利用者数(Nd)=NT×集中率(6%)
= 1,443 人×6%
= 87 人
d)日平均利用者数
=NT÷開設日数
= 1,443 人÷78 日(90 日-12 日:週 1 日の休館日を想定)
= 19 人 (学校プール利用日:19 人/2=10 人)
出典:都市公園技術標準解説書/プールの計画 需要予測より
※学校プール平均利用者数 48 人+一般プール平均利用者数 10 人=58≒60 人で設定
13
3
プールへの水供給検討
3-1 検討条件
・プール利用期間:6 月下旬~9 月下旬
・プール利用時間:10:00~22:00
・プール利用人数:60 人/日
3-2 プール 1 日当りの使用給水量検討
○プールの補給水量
・プール保有水量の 5%程度とする。
・プール保有水量の算出
・25mプール 5 コ-ス 約 360 ㎥、補助プール 約 25 ㎥
→計 385 ㎥×0.05≒19.3 ㎥
○ろ過機逆洗に要する給水量
・循環水量(㎥/h)=プール容積(㎥)×循環回数(回/日)/24 時間
=385 ㎥ × 5 回/日 /24h
≒81 ㎥/h
=1.35 ㎥/min
・逆洗時間 3 分間程度とすると 1 日当たりの給水量は,
1.35×3≒4.1 ㎥(1 日 1 回の逆洗を想定)
(参考)標準的なターン数
種別
ターン数
学校プール(屋外)
4~6
学校プール(屋内)
5~7
出典: 衛生工学会/給排水衛生設備設計編
空気調和 衛生工学便覧
器 具
水栓
設置個数 1 回当りの使用水量 1 時間当りの使用回数 1 時間当りの使用水量
洋風便器 フラッシュ弁
1
11L
6回
66L/h
洋風便器
洗浄タンク
3
8L
6回
144L/h
小便器
フラッシュ弁
2
4L
12 回
96L/h
洗面器
13A
2
10L
20 回
400L/h
掃除用流し
20A
2
10L
0.5 回
10L/h
シャワー
13A
12
24L
12 回
3,456L/h
洗眼器
13A
10
3L
20 回
600L/h
散水栓
20A
4
40L
0.5 回
80L/h
合計
4,852L/h
○付帯施設 1 日の給水量
→4,852L/H×12 時間×0.5≒29,200L/日
・プール 1 日当たりの予測使用水量
→19.3 ㎥/日 +4.1 ㎥/日 +29.2 ㎥/日 ≒ 53.0 ㎥/日
14
3-3 現況把握
・運動公園施設別給水使用量の確認
平成 21 年 8 月
平成 21 年 9 月
平成 22 年 6 月
平成 22 年 7 月
平成 22 年 8 月
平成 22 年 9 月
平成 23 年 6 月
平成 23 年 7 月
平成 23 年 8 月
平成 23 年 9 月
3,827.20 ㎥/月--------過去 3 年間での最大月
3,002.90 ㎥/月
2,148.20 ㎥/月
2,342.20 ㎥/月
3,425.60 ㎥/月
2,941.00 ㎥/月
1,657.20 ㎥/月
2,004.90 ㎥/月
2,457.50 ㎥/月
2,091.60 ㎥/月
・既存施設 1 日給水量の確認
平成 21 年 8 月 3,827.20 ㎥/月が最大使用水量であり、安全側をみてこの給水量を使用する。
・施設利用時間:10:00~18:00 と仮定する。
・既存施設の 1 日使用給水量は
→ 3,827.20 ㎥/月 ÷ 31 日 ≒ 124 ㎥/日
3-4 運動公園施設+新設プールの 1 日使用給水量の算出
・既設施設の 1 日の使用給水量 : 124 ㎥/日
・新設プールの 1 日の使用給水量 : 53 ㎥/日
○既設受水槽容量の確認
3.0×10.0×3.0H(有効 78.0 ㎥)
3.0× 5.0×3.0H(有効 40.0 ㎥)
合計:177 ㎥/日
合計:118 ㎥
・運動公園施設+新設プールの 1 日の使用水量→ 177 ㎥
・受水槽容量は 1 日の使用水量の半日分以上とする
・118 ㎥ > 89 ㎥ ・・・OK
・既存受水槽の容量でOK(※新設プール分のみ別途受水槽を設ける場合は、
3.0× 7.0×3.0H のサイズの受水槽を設置)
○既設井戸ポンプ容量の確認
・既設井戸ポンプ揚水量:200L/min (平成 24 年度揚水試験結果)
・既設井戸ポンプ揚水 1 時間当たりの揚水量:200L/min×60=12.0 ㎥/H
・既設井戸ポンプ揚水量 20 時間当りの揚水量:200L/min×60×20=240.0 ㎥/日
→ 240.0 ㎥ > 177 ㎥ ・・・OK
15
○既設可変流量ポンプ揚水量の確認
・既設可変流量ポンプ仕様
80φ×500~800L/min×87~69m×15kw
・既存施設の 1 日の使用給水量
:124 ㎥/日
・時間平均予測給水量
:124 ㎥ ÷ 8 時間 =15.5 ㎥/h
・時間最大予測給水量 :15.5 ㎥ × 2 = 31.0 ㎥/h
・・・520L/min
・プール 1 日の使用給水量 :53 ㎥/日
・時間平均予測給水量
:53 ㎥ ÷ 12 時間 =4.4 ㎥/h
・時間最大予測給水量 :4.4 ㎥ × 2 = 8.8 ㎥/h
・・・150L/min
・時間最大予測給水量の計 :520L/min + 150L/min
= 670L/min < 800L/min ・・・OK
○既設可変流量ポンプ揚水量の確認
・設計時の可変流量ポンプ(既設)は 80φ×1050L/min×61×15kw の能力があり
揚程は 61mあれば良いのであれば、800L/min 時に 69mあり問題ないと思われる。
○新設プールまでの配管口径の確認
・既存施設の 1 日使用給水量
・平成 21 年 8 月
3,827.20 ㎥/月が最大使用水量であり、この給水量を使用する。
・野球場(上)
717.0 ㎥/月
・野球場(トイレ前)
50.0 ㎥/月
・ウイング(体育館)
84.0 ㎥/月
・さわやかトイレ 119.0 ㎥/月
合計:32.3 ㎥/日
・時間平均予想給水量 :32.3 ㎥ ÷ 8 時間 = 4.0 ㎥/h
・時間最大予想給水量 :4.0 ㎥ × 2 = 8.0 ㎥/h
・瞬時最大予想給水量 :8.0 ㎥ × 2 = 16.0 ㎥/h
・・・267L/min
・新設プールの 1 日の使用給水量
・プール補給水時間平均予想給水量
・プール補給水時間予想給水量
19.3 ㎥/日 ÷ 12 時間 = 1.6 ㎥/h
1.6 ㎥/h × 2 = 3.2 ㎥/h ・・・54L/min
・付帯施設時間平均予想給水量
・付帯施設瞬時最大予想給水量
4,852L/h × 2 =9,700L/h
9,700L/h × 2 =19,400L/h
・・・323L/min
合計:644L/min
・配管口径 100Aの時給水量 644L/min 流れた場合:
→流速 1.37m/s、動水勾配 30 ‰
・配管口径 75Aの時給水量 323L/min 流れた場合:
→流速 1.22m/s、動水勾配 24 ‰
16
○プール開始時、プール給水送水時間の検討
・運動公園施設別給水使用量の確認
・平成 22 年 6 月 2、148.20 ㎥/月が過去 3 年間における 6 月の最大使用量であり、この給水
量を使用する。
・施設利用時間 :10:00~18:00 と仮定する
・既存施設の 1 日使用給水量は
→ 2、148.20 ㎥/月 ÷ 30 日 ≒ 72 ㎥/日
・時間平均予想給水量 :72 ㎥ ÷ 8 時間 = 9.0 ㎥/h
・時間最大予想給水量 : 9.0 ㎥ × 2 = 18.0 ㎥/h
・瞬時最大予想給水量 : 18.0 ㎥ × 2 = 36.0 ㎥/h ・・・600L/min
・可変流量ポンプの揚水量は 800L/min あるので、200L/min の余裕がある。
200L/min を利用し、プールに送水した場合、
385.0 ㎥ ÷ 12.0 ㎥/h (200L/min ×60) = 32 時間程度でプールを満水にできる。
○その他
・既設の受水槽は老朽化が激しく漏水もみられるので、今回のプール工事にあわせて受水槽
を整備する必要がある。
17
4
関連法規、基準
整備にあたっては以下の法規、条例、基準等に則するものとする。
-法令・都市計画法
・建築基準法
・学校保健安全法
・消防法
・水道法
・水質汚濁防止法
・エネルギーの使用の合理化に関する法律
・高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律
-条例・広島県福祉のまちづくり条例
・広島県建築基準法施行条例
-基準・遊泳用プールの衛生基準について(平成 19 年 厚生労働省健康局)
・プールの安全標準指針(平成 19 年 文部科学省・国土交通省)
・学校環境衛生の基準(平成 21 年 文部科学省)
-参考・都市公園技術標準解説書(平成 22 年 社団法人 日本公園緑地協会)
-その他・市街化区域:都市計画区域外 → 建築基準法の集団規定については規制外
・特定地区公園(カントリーパーク)内 → 都市公園法による規制外
18
Ⅲ 施設基本計画案
1
プールの設置場所
プールの設置場所は以下の理由により、豊平運動公園内に設置する。
・体育館等の運動公園施設と有効利用ができ利便性、利用効果が高い。
・指定管理者による効率的な一体管理、多彩な運営が可能。
・位置的に統合後の学校プール(中学校を含む)として利便性が高い。
敷地面積: 203、652.825 ㎡
1-1 運動公園内におけるプール配置場所検討
既設建物の撤去を要しないプール配置候補場所としてA、B、C案の3案を検討する。
A案 – 南側駐車場
B案 - 多目的グランド内
C案 - ちびっこ広場内
(3 施設全体配置計画参照)
・3案を比較検討し、総合的に判断した結果、A案の南側駐車場にプールを配置する。
2
プールの概要
・プールは屋内冷水プールとする。建物の構造は鉄骨造又は木造平屋建とする。
建物の大きさは利用人数、水面積、類似施設を参考とし、概ね 1、200 ㎡程度とする。
(プール+プールサイド面積:約 900 ㎡+管理部門面積:約 300 ㎡)
2-1 プールの利活用について
①学校プール(体育授業・夏季休業時・学校内記録会)---25Mプール
②一般利用(水中歩行・各種スイミングスクール)---地域プール
2-2 プールの種類
本体プール 25m×5 コース
水深 110~120 ㎝程度
水面積:300 ㎡程度
補助プール 10m×5m
水深 30~40 ㎝程度
水面積:50 ㎡程度
附属設備
障がい者用スロープ
小学生、中学生、一般利用
※小学生低学年は敷板により水位を調整
主に幼児の利用
プールに入り易いよう設置
19
・プールコース数について
プールのコース数は同地域の千代田地域プールは 6 コース、大朝、芸北地域も 6 コースであ
るが、千代田は同地域の中心的なプールであり、通年を通しての利用を想定していることを
考慮すると 6 コースは適当であると言える。芸北・大朝に関しては上屋付きの屋外プールで
あり、近年の利用者は減尐傾向にあり、コース数が適正かどうかは疑問が残るところである。
今回整備する豊平プールに関しては、主な利用者である 3 つの小学校の現在のプールがすべ
て 5 コースであり、さらに屋内冷水の期間限定の利用であることから、学校プールとして一
般的な 5 コースで設定する。
コース幅については学校プールでは 1.8m以上が一般的であるが、一般での利用も考慮して
ゆとりのある 2.0mで設定する。
・プール水深について
プールの水深は深すぎても危険であり、浅すぎても事故が起こりがちとなる。
プールの使用目的、対象利用者を考慮して設定する必要がある。
一般的なプールの種類と水深の関係を以下に示す。
種
類
水 深 (m )
幼児用プール
0.15~0.40程度
児童用プール(小学校)
0.60~1.00程度
レクリエーションプール
0.80~1.20程度
運動・競技用プール
-
コミュニティプール
1.10~1.30程度
備
考
屋外プールにあっては0.50~0.60程度
公認プールの水深基準による
出典:都市公園技術標準解説書
今回の計画では公認プールの認定は取得しないが、参考資料として以下に示す。
(参考)
種
類
水 深 ( m )
備
考
50m一般プール
1.35m以上
7 コース以上
50m国際プール
2.00m以上
10 コース以上
競泳プール
25m一般プール
1.0m以上
5 コース以上
25m国際プール
2.0m以上
10 コース
公称 50mプール 0.8m以上(小中学校)
標準プール
公称 25mプール 1.0m以上(上記以外) 5 コース以上
出典:日本水泳連盟 / プール公認規則
本計画でのプール利用は小学生・中学生が主たる利用者であるが、一般の利用も想定している地
域プールであるため、利用者の年齢差にかなりの開きがある。
そこで、一般プールは水深 1.1~1.2mで設定し、学校の授業で使用する場合は、敷板(プールフ
ロア)によって水深を 30~40 ㎝程度嵩上げする方式を採用する。
幼児の利用については補助プールを設置し、一般的な 30~40 ㎝の水深に設定する。
多くの世代にとって利用しやすいフレキシビリティを備えた計画とする。
20
・プール材質について
鉄筋コンクリート、スチール、ステンレス(塗装・無塗装)、アルミ、FRP等。
それぞれの特徴を以下に示す。
FRP製
耐 久 性
加 工 性
ステンレス製
スチール製
鉄筋コンクリート製
アルミニウム製
耐食性に富む。
他の金属に比べ、耐食性耐震性に最も優れてい 不同沈下によるクラッ 酸化被膜による
結合部がボルト締め に優れている。
る。
クを防止できれば、躯体耐食性が強い。
やFRP積層のため、全溶接工法のため、耐震亀裂、漏水の心配が尐なの耐久性は大変優れて
他に比べ、
性、耐久性に優れてい く、耐久性が高い
いる。
防錆に難あり。
耐震性にやや難があ る。
アルカリ性に弱い。
る
防錆に難あり。
防錆に難あり。
側板、上部ブロック、変形プールも自由に加 変形プールも自由に加 鉄筋、型枠、コンクリー変形プールも自由に加
底板の全てを
工できる。
工できる。
ト打設など全て現場加 工できる。
工場製作
工場加工率 50%。
工場加工率 50%。
工のため、
工場加工率 50%。
製品の標準化が困難で
作業性は良好
溶接ひずみが多い。
溶接ひずみが尐ない。 工数がかかる。
溶接ひずみが多い。
維持管理費が比較的 3~5 年毎に塗替えが必 3~5 年毎に塗替えが必 モルタルのクラックや 3~5 年毎に塗替えが必
安価。
要。
要。
剥離に注意が必要。
要。
維持管理性
美観・衛生面で他よりも
清掃が容易。
清掃が容易。
清掃が容易。
劣る。
清掃が容易。
現場工期
(25m、6 コース)
価 格 比
(25m、6 コース)
14 日
20 日(塗装とも)
20 日(塗装とも)
45 日(塗装なし)
20 日(塗装とも)
120
125
100
80
114
出典: 衛生工学会/給排水衛生設備設計編 空気調和 衛生工学便覧
2-3 諸室規模算定
管理棟内には以下の付帯施設を設ける。
・プールサイド --- プールサイドと水面積の構成比:1.5~4.0(都市公園技術標準解説書)
最低ライン:水面積 350 ㎡(300 ㎡+50 ㎡)×1.5= 525 ㎡
最大ライン:水面積 350 ㎡(300 ㎡+50 ㎡)×4.0= 1,400 ㎡
・更衣室 --- 男女別に設ける。0.5 ㎡/人程度。3、4 個程度脱衣ブースを設置する
その他車椅子利用者、高齢者に配慮し多目的更衣室を設ける。
・便所
--- 男・女・多目的便所を設ける。
・シャワー室 --- 男女別に設ける。自動シャワー方式。シャワーブースを設置する。
・50~60 人毎に大 1、小 1(男)
・30~40 人毎に 1(女)
・事務室 --- 監視室を兹ねる。事務員 2 名が利用する。
・医務室 --- 救急の手当て、休息のために設ける。
救命具、緊急医薬品、ベッド、AED等を備える。
・器具庫 --- 着脱式スタート台、敷板等プール備品を収納。
・機械室 --- 循環ろ過装置等施設運営上必要な機器を配備。
21
3
施設全体配置計画
22
3-1 配置計画図
23
4
ゾーニング計画
・アプローチゾーン
プールの入口となるゾーンであり、施設の顔となるエントランス空間として整備する。
・管理ゾーン・・・・・・・・・約 300 ㎡
プールの入園管理の他、更衣室やトイレ、機械室を配置するゾーンであり、分かりやすく、入
りやすいように計画地の南側に配置する。隣接する体育館管理ゾーンとの関係性を考慮し、北
側に配置する。
・プールゾーン・・・・・・・・・・約 900 ㎡
南側に配置することにより明るく開放的なプール空間とする。
効率的なろ過や幼児の安全性を確保するため、一般プールと幼児用プールを分けて配置する。
幼児用プールは人の目が届きやすく、トイレの利用も速やかに行えるように管理棟側に配置す
る。
ゾーニングイメージ
-施設配慮事項-
・安全・衛生管理
プール施設における安全管理、救護・救命用具の整備、監視体制の整備、緊急時の処置など、
ハード、ソフト両面に配慮した施設とする。
・環境配慮
太陽光などの自然エネルギーを利用し、積極的に木材を利用する等環境にやさしい施設となる
よう配慮する。
・維持管理
経済的で効率的な維持管理ができる施設となるよう配慮する。
・ユニバーサルデザイン
幅広い世代、障がいのある人も含め、誰もが使いやすい施設となるよう配慮する。
24
5
施設平面計画
25
6
立面・断面計画
26
27
7 施設設備計画
・循環浄化設備 --- ろ過方式、水質、消毒方式について
・ろ過方式には 砂式、珪藻土式、カートリッジ式がある。それぞれの特徴を以下に示す。
砂
式
珪 藻 土 式
カートリッジ式
原 理
鋼製の密閉容器に散水集管と 集毛器、珪藻土溶解槽、ポンプろ 鋼製又は FRP 製の密閉容器内に
下部支持層の上に数層の濾材が 過機及びこれらをつなぐ回り配管 所定の精度を持たせた中空円筒状
充填してある。
などで構成される。
のエレメントを内臓してある。
通常、上から下へ濾過し、操作 ろ過機タンクの中には、珪藻土を 外部から内部へ一方向のみ濾過
構 成
弁の切り換えにより、下から上に 付着させる濾材が水量に応じて収 を行いエレメントが目詰まりしたら交換
逆洗する
容されていて、広いろ過面積を形成 し、機能回復する。
している。
よって、逆洗浄は不要。
天然砂、人工砂(アンスラサイト、ゼ 珪藻土は国産、外国産とも種類が 糸巻型カートリッジは、筒状の芯材に
オライト、シャモット等)の粒状濾材を使 多く プール水のろ過助剤用として 濾材となるポリプロ繊維製エレメントを螺
ろ 材
用し、ろ過助材としてポリ塩化アル 精製されたものを処理能力に応じ 旋状に巻きつけたものを使用する。
ろ過助剤
ミニウムを使用。
て適量使用する。
ろ過助材は不要。
水質変動にも強く水質が安定
ろ過精度は高くなる。
カートリッジの糸巻きを密にすれば、
ろ過精度
している
ろ過精度は高くなるが、短時間で目
詰まりがしやすくなる。
汚濁物資の蓄積によりろ過抵 種類により定められた洗浄圧力 逆洗浄の必要はないが、カートリッジ
抗が生じた場合、ろ過とは逆方向 に達した時点で、濾材に付着した汚 の交換を頻繁に行う必要がある。
の下から上へ 水を通して洗浄 染物質と 珪藻土を洗浄する。洗浄
逆洗排水
し、散水装置から汚濁水を機外に 後は新しい珪藻土をプレコートする。
排出させる。
複雑であるが珪藻土方式より 複雑
容易
運転操作
は容易。
砂式に比べて小
砂式に比べて小
設置スペース 大
1.0
1.5
砂、珪藻土に比べて大
運転維持費
出典: 水泳プール浄化装置工業連盟 / 水泳プール浄化装置の基準書
・水質については以下の基準によるものとする。
管 理 項 目
水素イオン濃度(ph)
濁 度
過マンガン酸カリウム消費量
遊離残留塩素濃度
大腸菌
一般細菌
総トリハロメタン
プールの原水
厚生労働省基準
5.8~8.6
2.0 以下
12mg/l 以下
0.4mg/l 以上であること
1.0mg/l 以下が望ましい
不検出
200CFU/ml 以下
暫定値として概ね 0.2mg/l 以下が望まし
い
-
文部科学省基準
-
2.0 以下
12mg/l 以下
0.4mg/l 以上であること
1.0mg/l 以下が望ましい
大腸菌群不検出
200 コロニー/ml 以下
0.2mg/l 以下が望ましい
飲料水の基準に適合することが望ましい
出典:・遊泳用プールの衛生基準について(平成 19 年 厚生労働省健康局)
・学校環境衛生の基準(平成 21 年 文部科学省)
28
・消毒剤には 次亜塩素酸ナトリウム、塩素化イソシアヌール酸、次亜塩素酸カルシウム、二酸化塩
素、塩化ナトリウム等がある。それぞれの特徴を以下に示す。
種
類
性
状
特
徴
熱、光などに不安定で、放置すると徐々に有効塩
次亜塩素酸ナトリウム液
アルカリ性の液体
素を失う。
吸湿性が小さく、長期の保存に適する。 酸化力が
次亜塩素酸カルシウム
中性の固体
強い。
殺菌力の保持能力に優れる。 補給水が尐ないプー
塩素化イソシアヌール酸
酸性の固体
ル水を酸性にする。
殺菌力作用が強い。
二 酸 化 塩 素
液体(使用時に調整)
※学校プールでの使用は認められていない
電気分解することで電解次亜塩素酸とし消毒剤と
塩化ナトリウム
液体(使用時に調整) して使用。 塩素臭が尐なく、人体への刺激も尐な
(電解次亜塩素酸)
い。
・給水設備---プールの水質基準を満足する。水源は地下水とする。
貯水槽を増設し、体育館前の 75VD を経由しプールへ供給する。
緊急時のバイパスとしてテニスコート前の給水管とのループ化も想定した整備とす
る。
プール補給水/逆洗水/トイレ・シャワー等の付帯設備給水の給水を考慮した計画
とする。
・雤水・汚水排水設備 --- 一般汚水、プール逆洗水は汚水管へ接続後、敷地内汚水処理施設へ。
オーバーフロー水及び雤水は雤水管へ、接続後調整池へ。
・電気設備---既設の受変電設備より高圧分岐とする。
省エネルギーを意識した設備計画とする。
・その他 --- 環境に配慮した新エネルギー導入も視野に入れ、イニシャルコスト・ランニング
コストのバランスを見据えた設備計画とする。
特に太陽光発電システムの導入については、温室効果ガス削減等、環境にやさし
いプール施設としてアピールできるメリットがあるが、初期投資等の課題もあり、
導入箇所、ランニングコスト等を充分考慮した上の検討をする必要がある。
建屋については導入が可能な構造としておく。
また、地域の木材を構造材、内外装材として積極的に利用する等、地産地消を考
慮した施設とできるよう検討が必要である。
8
建設総事業費
約 240,000 千円
内訳 設計監理
約 30,000 千円
本体工事(造成・建築・機械・電気) 約 210,000 千円
9
建設スケジュール
平成 24 年度:基本計画策定
平成 25 年度:測量調査 実施設計
平成 26 年度:敷地造成 本体工事
平成 27 年度:供用開始(6 月)
29