日本の難民認定率 - 移民・難民からまなぶ会

日本の難民認定率
図 1 日本における難民申請者と認定率
%
人
5000
5000
70
63
60
4000
申請者数
認定率
50
3000
40
30
2000
20
1000
530
10
0.3
0
0
82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
図 2 難民申請者数と認定率
年
2005~14 年
%
人
5000
10
5000
10
認定率
申請者数
4000
8
3000
6
2000
4
1000
2
0.3
0
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
0
年
法務省の入管統計より作成
認定率は以下の計算式で算出しています。
難民認定率(%)= 認定者数÷(認定者数+不認定者数) ×100
難民認定制度がはじまったのは、1982 年からです。最初は 63%とたかかったのですが、
翌年には半減し、89 年以降は 5%台を推移しています。一時は 10%となったものの、2011
年には 1 %となり、12 年以降はついに 0%台となりました(図 1、2)。
なお、図 1 は『難民からまなぶ世界と日本』
(解放出版社 2015 年)に使用されています。
80~2000 年中盤にかけては難民の氷河期といわれるほど、申請者数も認定者数もすくな
かったです。06 年から難民申請者が増えた理由に、つぎの 3 点があげられます。
* 05 年の入管法改定の施行で難民認定される期待をいだいた。
* 04 年秋からはじまった‘不法’滞在者(非正規滞在者)半減政策で取り締まり
が強化され、非正規滞在者が追いつめられた。
* ビルマやスリランカなど本国の政治状況が悪化した。
2010 年から、短期旅行ビザ・留学ビザ・実習生ビザなどの有効期間中に難民申請すると、
特定活動というビザがあたえられるようになりました。難民認定の結果がでるまで、特定
活動ビザは有効となります。非正規滞在者や難民申請者のあいだで、それが周知されてき
ました。11 年から難民申請者が急増しているのは、そのためです。
一次審査よりも異議申し立ての難民認定率が上まわっていますが、これは異常な状態で
す。参与員制度導入後は、一時的に認定率があがったものの、2014 年では異議申し立ての
難民認定率は 0.4%で、参与員制度導入前よりも低くなっています。難民から期待された参
与員制度も、効果にとぼしい結果におわっています。むしろ、入管にとって期待(予想)
どおりだったのかもしれません(図 3)。
図3
日本の難民認定率
一次審査と異議申し立て
4 年区切り
%
40
32
30
20
16
10
9
7
一次審査
5
0
0
82~85
0
86~89
0
90~93
2
1
94~97
5
4
3
異議申し立て
2
0.5
2
98~01
02~05
06~09
10~13
年
法務省の入管統計より作成