山形県立図書館所蔵の貴重資料について 平成 27 年 12 月 4 日 山 形 県 立 図 書 館 山形県立図書館では、平成 27 年度の郷土資料デジタル化事業(図書館機能向 上事業費)において、県立図書館が所蔵する郷土資料についてデジタル化を進 めるための事前調査を実施しています。 この調査において下記のとおり貴重な資料が発見されたことから、県民に広 く知っていただくためお知らせするものです。 記 1 調査の概要 ① 平成 27 年度の事業では、県立図書館が所蔵する和装本(1,328 点)のうち、 山形県関係の資料(郷土資料)の和装本(241 点)について、他館の所蔵状況 を調査し、他館に所蔵の無い資料を中心に約 130 点(約 200 冊)をデジタル 化の対象とするかどうか判断するための一次評価対象資料として選出しまし た。 ② 上記資料について、元最上義光歴史館事務局長・元上山市立図書館館長で 郷土史家の片桐繁雄氏と山形県立米沢女子短期大学准教授の新藤透氏に、そ れぞれ別個に目を通していただき、資料に関する簡単なコメントをいただい たうえで、デジタル化の優先順位をつけていただきました。 ③ 上記の意見をもとに、デジタル化の対象候補とする資料 67 点(132 冊)を 選定し、日本中世史が専門の山形大学人文学部教授松尾剛次氏から各資料の 内容に関するコメントを記述いただき、その資料としての貴重さの度合いに ついて教示いただいているところです。 2 最上義光に関する異本等を新たに発見 ① 「最上義光物語」(「最上記」、「義光物語」ともいう)は筆者不詳とされて いるが、本館所蔵の「義光物語全」の奥書部分には「八鍬孫九郎」を筆者と する記述がある。(なお、「最上源五郎様御時代御家中并寺社方在町分限帳」 (『山形市史』史料編1所収)に「八鍬長門」という名の記載がある。) ② 本館所蔵の「最上義光物語全」は、その「序」の記述から、流布本の「最 上義光物語」の系統とは別の系統と考えられ、より原本に近い系統ではない かと推測される。 ③ 本館所蔵の「最上物語一~六」は、 「最上義光物語」の異本のひとつだが、 流布本より記述が詳しく、従来知られていない「最上義光物語」といえる。 ④ 本館所蔵の「最上盛衰記」の中の話は、基本的に流布本の「最上義光物語」 に基づいているが、同書には、流布本にはない独自な話が記載され、さらに 関連する系譜、過去帳なども記載されている。 3 その他の貴重資料 明治時代に山形を訪れた某氏(中央の役人)の奥羽紀行記(書名「奥羽御巡 幸記」 )が見つかった。当時の山形の人物・風物詩が記述されていて興味深い。 その他、 「景勝公御武功記」、 「米澤遺事全」、 「山形故實録」、 「戊辰戦争始末」 など、貴重な郷土関連文書も発見された。 4 貴重資料の特別展示 この度発見された貴重資料の一部を特別展示します。 ① 期間 平成 27 年 12 月 5 日(土)~13 日(日)(7 日(月)を除く) ② 時間 9:00~19:00 ③ 場所 県立図書館1階 県人文庫(展示ケース内) ④ 展示資料 「義光物語 全」 「最上物語 一~六」 「最上盛衰記 上・中・下」 「景勝公御 武功記」「戊辰戦争始末」
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