平成27年度「JAXAオープンラボ公募」採択案件①(フィジビリティスタディフェーズ) 自励振動ヒートパイプ(OHP)による冷却装置の開発 共同研究実施体制 自励振動ヒートパイプ(OHP) 自励振動ヒートパイプは、左図のように 1本の蛇行した流路に作動流体を封入し 高温部と低温部の圧力差によって生じた 自励振動によって熱を輸送できるヒート パイプである。 自励振動ヒートパイプの特徴 ・熱伝導性が高い ・形状の自由度が高い ・広範囲での熱交換ができる JAXAが保有する OHPの長尺化技術 千代田空調機器が保有する 接合技術・製造技術 大型OHPモデル JAXA研究者: 宇宙科学研究所 (学際科学研究系/助教 福家 英之) 共同研究の背景及び概要 昨今、電子機器が小型化されることに伴い、機器内の発熱密度が上 昇し、機器内に熱が蓄積されることで、製品の寿命低下や性能低下に つながることが想定されることから、より効果的な熱処理(冷却)をする ための装置が求められています。 従来はこの熱を処理する装置として“ヒートシンク”が用いられてきまし たが、改善策への限界が来ていることから新たに“自励振動ヒートパイ プ(OHP)”が期待されています。 配管加工・ろう付け技術 © GAPS しかし、従来の一般的なOHP技術では、熱処理の要求性能を満たすこ とができないため、JAXAが現在宇宙探査機向けに研究している逆止弁 や長尺化に関するOHP技術を活用することで、要求仕様を満たすこと ができるようになると見込まれます。 本共同研究では、JAXAが現在研究している自励振動ヒートパイプ (OHP)技術と千代田空調機器(株)が有するろう付け、溶接等の接合技 術、逆止弁等の機能部品の製造技術を結合して、従来のヒートシンクに 替わるOHPによる熱処理(冷却)装置の開発を目指します。 逆止弁設計技術 © GAPS 飛翔実証したOHP 研究代表者: 千代田空調機器(株) (開発設計室/室長 尾崎 真司) 圧力容器・溶接技術 また、本共同研究を通じて、JAXAの宇宙向けOHPに対する知見の蓄 積やOHP開発を加速すること等が期待されます。 共同研究終了後の事業展開 ヒートシンクに替わる冷却装置の開発 千代田空調機器(株)の現在の販売網である空調分野をはじめとし、 他分野への市場展開も視野に入れ、製品化を目指します。
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