地上最強生物“クマムシ”とぼくの363日間

全国都道府県教育長協議会会長賞
地上最強生物“クマムシ”とぼくの363日間
東京都渋谷区 長谷戸小学校 5 年 田中
★きっかけ
碧
⇨凍った状態でも生存できることが確認できた。
下水をきれいにする微生物のことを知り,かわ
実験②:高温
いい姿をしたクマムシに注目した。ナゾの生物に
◎ビニール袋にコケを入れ,熱湯に2分間入れる。
ついてもっと知りたいと思った。
その後水を加えて,数時間後に観察する。 ★研究の目標
→クマムシが数匹死んでいた。体が変色。
・多くの種類のクマムシを見つけ,生態を観察する。
・どれだけ身近に生息しているか調べる。
・いろいろな実験を通して,
“地球最強”
と呼ばれる
⇨通常の状態だとクマムシは高温に弱いことがわ
かった。(コケを採取して2日間袋に入れたまま
だったので,湿気がこもり,クマムシが乾眠から
覚めてしまい,それが原因だったかもしれない。
)
理由を確かめる。
■クマムシ大図鑑
実験③:乾燥
◎採取したコケを 50 日間かけて乾燥させる。水
を加えて,数時間後に観察する。
→ヨコヅナ・オニ・トゲが数匹活動していた。
全体的に活性が高い。
⇨乾燥にたえる能力が高いことがわかった。
▲オニクマムシ
▲ヨコヅナクマムシ
実験④:紫外線
◎乾燥したコケに,ふと
んダニ掃除機のUVラ
イトを4分間当てて,
数時間後に観察する。
(10 秒でダニが退治できるいりょくらしい。)
▲トゲクマムシ
▲シロクマムシ
→ヨコヅナが2匹,オニが1匹生存。それ以外
はほぼ全滅だった。
右の写真は,乾眠中で
⇨乾眠状態のクマムシは,非常に強いことが確認
タル
(樽)
状のクマムシ。
できた。
通常は 85%ある体の水
■淡水,海辺のクマムシを探して
分を 0.05%まで減らして
◎千葉県高滝湖,グッピーやメダカ,フナの水そ
「最強」
となる。
■長谷戸小学校のクマムシ調査
うなどの水を観察。また,千葉県富津の海岸の
◎校門やプールの前,そばの公園の木などを調べ
砂を採取して観察。→いろいろな生き物はいる
る。→調べた6つのスポットすべてからクマム
シが見つかる。(※ 地図は省略)
が,クマムシは見つからなかった。
これからの課題
■クマムシのここがすごい!
! 大実験
・淡水や海のクマムシを見つけたい。
実験①:低温
・失敗した熱湯実験を成功させたい。
◎夜,乾燥したコケをふう
・乾眠→復活→乾眠の様子を細かく観察したい。
・卵がふ化する様子を観察したい。
とうに入れ,冷凍庫に入
最後に
れる。次の朝,コケに水
地球最強と注目されているクマムシだが,観察
を加え,夕方観察する。
→ヨコヅナとトゲが元気
に活動していた。
▲ワムシを捕食している
クマムシも発見
を通して意外と弱い面もあることがわかった。調
べれば調べるほど不思議な魅力をもっている。