入院状況に基づくナースコールデータ 分析支援ツール

背景
第35回医療情報学連合大会
COI開示
• ナースコール履歴データに基づく業務分析
入院状況に基づくナースコールデータ
分析支援ツール
高木理1 杉本厚子2 鳥飼幸太1 坂詰康孝3 鈴木亮二1 辻村真一1
引田美恵子2 細野貴広2 齋藤勇一郎1
1群馬大学 医学部附属病院 システム統合センター
2群馬大学 医学部附属病院 看護部
3株式会社ケアコム第2地域統括G 兼 設計開発G
2015年11月3日
私が発表する今回の演題について開示すべきCOIはありません。
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– ナースコール数に基づく看護師負担の分析
• 上原,森川,玉木,岡田,田木,森口,“ナースコールログとタイムスタディ
データ分析による看護支援”,第30回医療情報学連合大会抄録集.
– 転倒転落に関連したナースコール前の患者の行動傾向の分析
• 福岡,真島,青木,前川,“患者の転倒・転落事故防止に向けたナース
コールデータ解析の検討”,第31回医療情報学連合大会抄録集.
– 医療安全の観点から見たナースコールの応答時間の分析
• Tzeng, Titler, Ronis and Yin, "The contribution of staff call light response time to fall and injurious fall rates: an exploratory study in four US hospitals using archived hospital data", BMC Health Services Research 2012, 12:84.
• Treng HM and Yin CY, “Relationship between call light use and response time and inpatient falls in acute care settings”, Journal of clinical nursing 2
18:23 2009 Dec pg 3333‐41.
目的
分析支援ツールの基本機能
① 以下によって特徴付けられる分析対象,ナースコールおよび時
系列に対して,時間の経過に伴うナースコール数を計算可能.
– 分析対象の特徴付け
• 病床移動や手術等の入院患者のイベントに関する
患者の状況を把握しつつ,ナースコールの履歴
データを分析することを支援するツールを開発した.
• 本分析支援ツールを用いて,群馬大学医学部附属
病院の二つの診療科病棟におけるナースコール
数を分析した.
A)
B)
患者の基本的な情報による特徴付け
– 年齢
– 性別
– 主病名
– ナースコールの種類による特徴付け
• 通常/緊急/センサー類の脱落
– 時経列の特徴付け
A)
入院中の患者に対する診療上のイベントに基づく特徴付け
– 入院(退院)/病床移動/手術
B)
3
エリアによる特徴付け
– 病棟(診療科)
– 病室
– 病床
時間粒度による特徴付け
② 患者毎の病床移動,手術及びナースコール数の変化を視覚化
(グラフ化)が可能.
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分析支援ツールの評価
分析支援ツールのアーキテクチャ図
病院情報システム(HIS)
医療DB
ネットワークによる接続
& データの匿名化
ナースコールデータ
分析支援ツール
ナースコール数に
関する統計データ
Microsoft Excelが
使えるパソコン
ナースコール
システム
ナースコール
データ
(csvファイル)
病床
(ナースコール端末)
ナースステーション
ナースコール数を病床毎・日毎に集計し,
入院患者毎にグループ化するための
ナースコールデータとHISに蓄積された診療
VBAコード
プロセス上のデータを紐付けることによって,
各患者が診療プロセス上のどのような状態
のときにナースコールを鳴らしているのかを
分析する.
• 群馬大学医学部附属病院のナースコールデータを,
本分析支援ツールを用いて分析.
– 2つの病棟(A病棟,B病棟)におけるナースコール
データを分析
– 分析対象となったナースコールデータ
• コール数:2158回⁄A病棟
• 収集期間:約2週間
1259回⁄B病棟
ナースコール数を病床毎・日毎に集
計し,入院患者毎にグループ化した
状態を表すエクセル表
5
入院日からの経過日数毎の患者数およびナースコール数
B病棟
A病棟
6
手術日前後の日毎の患者数およびナースコール数
A病棟
B病棟
■一人当たりのナースコール数
■ナースコール数
■患者数
■一人当たりのナースコール数
■ナースコール数
■患者数
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まとめ
患者毎のナースコール数のグラフ表示(一部)
ベッドのID
調査初日
2日目
3日目
4日目
5日目
• 診療プロセルに基づくナースコール履歴データの
分析.
6日目
– 入院中の診療イベントからの経過時間に基づくナース
コール数を集計および視覚化を行う分析支援ツールの
開発を行った.
– 本分析支援ツールを用いて,2つの病棟におけるナー
スコール履歴データを分析した.
• 手術の前後におけるナースコール数の増加を数値的に確認.
• 個人レベルでのナースコール数の増減をグラフ化.
患者毎の手術直後のナースコール数(A病棟:A1~A53)
調査期間内における手術件数:56件
手術当日とその翌日に5回以上コールした手術件数:19
手術当日とその翌日に10回以上コールした手術件数:9
• 課題と展望
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– 分析可能な診療イベントの記録は,病院情報システム
の構造に依存する
– 病院情報システムに記録されたテキストデータの活用
– 労務コストの均質化と業務改善に向けた現場導入 10