ライオンズ誌日本語版委員会主催 WinKunTam 国際会長テーマーに関する募集原稿入選作品 2011年12月堂掲載作品 「I BELIEVE ~ 信じる」 ライオンズ国際協会 335C 地区 京都モーニングライオンズクラブ 会長 村上紘一郎 会社勤めに邁進してきた私はライオンズクラブのことを耳にする機会が幾度かはあったが、 定年を迎え、何か社会の為、人のためにお役に立ちたいとの気持ちが昂ぶり、ある方のご 推薦を頂き、入会し、11年目を迎えた。この間、私はライオニズムという奉仕活動が、お 互いを思いやる心が希薄になっている現代社会において、唯一世の中に光明を与える奉仕 と思うようになった。 しかし、過去 10 年間、毎年の国際会長のご方針は世界挙げて会員増強を力説され、会員増 強が最大の目的のように見えてならなかった。 創設者メルビン・ジョーンズのあの情熱はなぜ伝わってこないのでしょうか?ある書物に、 アジアで初の国際会長 L.村上薫が残した一説が常によみがえる。彼は、メルビン・ジョー ンズ氏ご生存中にシカゴの本部に同氏を訪れ、十数分間面談したことが文章に残されてい た。このときメルビン・ジョーンズ氏はすでに 80 歳を越されたご高齢であった。彼がメル ビン・ジョーンズ氏に「あなたのお創りになったクラブが今日本でどんどんと誕生してい ます。この地球上の各国で同じ現象が起こっています。さぞかしご満悦でしょう。」と申し 上げたらしい。がそのときの返答を L.村上薫には忘れることが出来ない言葉となり、脳裏 に焼きつけられた。その言葉は「ただ単に数のみが増えることは、私には何の満足も与え ません。私の求めることはこれらの紳士が善意の人であるということであります。各地域 でよりすぐられた立派な人であることが何よりも大切なのです。極言すれば烏合の衆では いくら数が増えても零に等しいのです。質の充実こそ私が最も心を痛めていることなので す。そのためたとえ一時的に会員が減少しても、あえて意に致しません。」何と透徹した信 念であろう。何と自信に満ち溢れた発言であろう。この言葉を L.村上薫はライオニズム高 揚の座右の銘として活動をし、そして、国際会長まで登り詰めたのであった。 1952 年に日本へライオンズの種がまかれてから 50 有余年、発展に発展を続け、その会員 は一時 17 万名強を数えた時もあったが、昨今では 10 万名を切ろうかという現状である。 確かに時代の流れはあるものの、メルビン・ジョーンズ氏の透徹した信念を思い起こし、 本当に奉仕というものを実践できるクラブを運営することに邁進しようではありません か?日本に種をまかれた初期のライオニズムの精神に再度回帰できれば、数の上でも、又 ライオンズと呼ばれるふさわしい人材が集まり、ライオンズ本来の真の奉仕活動が展開さ れると小生は心より信じてやみません。 現在日本において、10 万人余の会員がすべてこの創設者の情熱を現在社会にマッチしたも のに置き換え、世界最大の奉仕団体の一員であることに誇りを持ち、市民の皆様に支持さ れる奉仕活動を実行すれば、何もバッジを胸につけた会員が頭を下げて入会をお願いする ことなく、ライオンズクラブをよく理解され、市民の皆様が入会を希望され、我々と共に 行動を起こされることと硬く信じております。 ここで、もう一つ重大な課題があります。それは、何故会員が去るのか?を深く分析する 必要があります。昨年は、全世界において,20 万人の新入会員をクラブに迎え入れたが、 しかし残念ながら、一度は胸にバッジをつけた同じ数の同志がクラブを去った。ライオン ズクラブはその目的を“奉仕をする”にあります。果たして退会された会員は奉仕とは何 かを学ばれたのでしょうか?奉仕は人間のみが心の奥に深く持つ人間らしい心です。 入会当時大変熱心だった新入会員はライオにズム精神や会員制度を教えられるだけで、仕 事も責任も与えられないで放りっぱなしにされ、仕方なく自然に変わって行き、入会当時 の熱心さも消えたのではないでしょうか?ライオンズクラブにはその奉仕について学び、 自己研鑽する場が多くあります。現在多くの有意義な経験を積まれた先輩会員は率先して、 このことを知らしめ、全力を挙げて、退会防止に力を注ごうではありませんか。 最後に今一度、創設者メルビン・ジョーンズが可能性を信じたことから世界的組織が生ま れたことを固く信じ、勇気と決意を持って行動しようではありませんか。
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