西海市地域農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題 西海市では、地形的に大半のほ場が中山間地に位置しており、いちご、アスパラガス、 花き類の施設園芸や、露地ではブロッコリー、かぼちゃ、茹で干し大根等の多様な品目 の産地が形成されている。しかし、水田地帯では排水不良などを理由にそれらの面積拡 大が進んでいない。 水稲栽培では面積の約 80%が「ヒノヒカリ」で近年の夏季の高温等により品質が低迷 しており、品質向上の取り組みが必要となっている。また、ほ場条件が平坦地だけでな く中山間でも多いため、水稲の経営規模も 40a と県平均 60a(2010 農林業センサス)よ り、少なく零細な飯米農家が多く見られる。そのため、後継者のいない農家等は高齢化、 兼業化の進展に伴い、水稲農家を断念しており、地域の担い手不足もあり、水稲の栽培 面積減少が年々見られるようになっている。 2 作物ごとの取組方針 市内の約 939ha(不作付地を含む)の水田について、適地適作を基本として、産地交付 金を有効に活用しながら、作物生産の維持・拡大を図ることとする。 (1)主食用米 地域の主力品種である「ヒノヒカリ」一極集中から近年、需用が高まりつつある高温 耐性品種「にこまる」や、新品種の「おてんとそだち」の導入による、収量品質の向上 に合わせ、労力及び危険分散化を進める。 また、産業用無人ヘリコプターを使用した共同防除組織等の活動支援や個人の水稲農 作業受託者を含めた地域担い手の掘り起こし等にも取り組み、水田の遊休地化防止を図 る。 (2)非主食用米 主食用米の需要減が見込まれる中、水田の遊休地対策としては飼料用米を転作作物の ひとつとして位置づける。飼料用米の生産拡大については、今後、国からの産地交付金 を活用した導入支援を図る。また、地元、畜産農家との連携を強化し、生産体制の検証 を進める。 (3)そば 新規の省力化転作品目と位置付け、栽培希望者を中心に栽培支援を行う。 (4)野菜、花き 農業経営の柱のひとつである野菜の中で、水田の遊休地対策と高度利用化の推進とし てJAの推進品目の野菜を中心に有望品目を選定し(馬鈴薯、カボチャ、ブロッコリー、 スイカ、大根、甘藷、キャベツ)産地交付金を活用することで現状 11.8haから平成 28 年目標 18.9haまで拡大する。その他の野菜、花についても、水田の遊休地対策として 直売所等に出荷している小面積栽培への取り組みを支援する (4)不作付地の解消 現行の不作付地(539.8ha)について、今後 5 年間で約 2%を飼料用米及び地域振興作 物により解消を図る。 3 作物ごとの作付予定面積 作物 平成 25 年度の作付面積 平成 27 年度の作付予定面積 平成 28 年度の目標作付面積 (ha) (ha) (ha) 主食用米 363.3 370.0 360.0 加工用米 0 0 0 備蓄米 0 0 0 米粉用米 0 0 0 飼料用米 0 3.0 5.5 WCS用稲 0 0 0 0.1 0.2 0.5 0 0.2 0.5 3.0 4.0 5.0 11.2 9.0 12.0 そば 0 0.1 0.1 なたね 0 0 0 30.2 28.8 35.0 馬鈴薯 0.3 0.4 0.5 カボチャ 5.1 5.3 8.2 ブロッコリー 0.9 1.4 1.4 スイカ 4.0 4.0 6.4 大根 0.5 0.5 0.8 甘藷 0.9 1.0 1.4 キャベツ 0.1 0.2 0.2 花き 2.6 2.6 3.0 410.4 417.9 421.6 麦 大豆 飼料作物 基幹 二毛作 その他地域振興作物 野菜 うち 合計 4 平成 28 年度に向けた取組及び目標 取組 対象作物 番号 取組 分類 ※ 指標 平成 25 年度 平成 27 年度 平成 28 年度 (現状値) (予定) (目標値) 11.8 12.8 18.9 馬鈴薯、カボ チャ、ブロッ 1 コリー、スイ 推進品目の作付 カ、大根、甘 面積拡大 ア 栽培面積 藷、キャベツ ※「分類」欄については、要綱(別紙 16)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。 (複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組の記号をいずれか 1 つ記入して下さい。) ア 農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組 イ 生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組 ウ 地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物 を生産する取組
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