27年度会報

IZUMIKAI
2015
No. 31
◆発行日◆ 2015年 9 月 1 日
東洋大学理工学部建築学科同窓会会報「泉会」
題字:故 平山嵩先生
http: //www. izumikai. info
建築学科・泉会共催の就職セミナーを開催
例年では1
2月に開催される就職セミナーですが、今
年は就職活動の時期の変更により3月7日に行われま
した。
□パネルデイスカッション(4号館2階;4
2
1教室)
パネラー:伊代田卓身(4
0期)、見波里美(4
7期)
、
鹿倉三裕(41期)、押田光司(3
0期)
、酒井真吾(4
9期)
以上の卒業生の方々が登壇し、設計事務所、ゼネコン、
メーカー、それぞれの業界の現状から将来性に至るま
で自ら肌で感じた実感を話して頂きました。在学生か
パネルディスカッション
らも質疑がだされ、将来に役立つセミナーになったと
思われます。
司会:勝瀬先生
□会社説明会(4号館4階、第1・第3会議室、セミナー室)
今年は企業57社の参加を頂き学生も約1
0
0名が参加
し盛大に行われました。昨年はメーカーや検査機関、
不動産関係のブースが混雑していましたが、今年は
20
2
0年に開催される東京オリンピックの影響もあるの
でしょうか、ゼネコンのブースに人が多く、時代の流
会社説明会
れに敏感に反応しているように思われました。
□懇親会(学生食堂)
各企業、教員、在学生、卒業生、など多くの参加者
を頂き盛大に行われました。時間の限られた説明会で
聞けなかった事などを企業の人達に熱心に質問してい
る学生が多く見受けられました。ご参加いただきまし
た企業の方々には大変感謝申しあげます。
懇親会
目次 会長挨拶 ……………………………………… 2
「泉会本部」からのお知らせ ………………… 3
同窓生だより ………………………………… 18
OB 非常勤活動 ……………………………… 20
寄附講座 ……………………………………… 15
支部だより …………………………………… 16
学生だより …………………………………… 24
役員組織図 …………………………………… 26
会長挨拶
寺 山 誠(13期)
泉会会員の皆様には、日頃よりご支援、ご協力を賜り大変ありがと
うございます。今年の4月より前会長の中山秀明さんの後任として泉
会の会長を仰せつかりました13期の寺山誠と申します。2年間の副会
長を経験させていただき、泉会の活動等に参加することができ多くの
先生や卒業生の方々とお会いすることができ大変感謝しております。
この経験を生かし、会員の皆様のご意見を尊重しながら今後の泉会の
活動がより充実したものとなりますように、微力ながら努力してまい
る所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、泉会の活動はおもに在校生の支援によるところが多く、前中
山会長がおやりになっていたことを継承しながら、新たな活動も取り
入れていきたいと考えております。建築士取得のための模擬試験の実
施や卒業生に講師をお願いし、建築関連の仕事に係ることをお話しし
ていただく寄附講座、様々な企業を招き就職への一助となるよう就職
セミナーの実施、
「泉会杯」争奪ソフトボール大会、
「泉会卒業設計賞」、
「泉会卒業論文賞」を設け、在校生の意識の向上や努力目標になるよ
う実施してまいります。
また、新たに先生方と卒業生による親睦会も企画していきたいと考
えております。泉会の活動は、学内の先生方とOBの方々との連携が
必要です。今後も会員の皆様のご意見、ご要望をお聞きし「一期一会」
を大切にしてまいります。ご理解、ご協力の程よろしくお願い申し上
げます。
新役員紹介
副会長 田 中 伸 明(30期)
この度、泉会副会長を仰せつかりました3
0期の田中伸明と申しま
す。東 洋 大 学 卒 業 後、故 郷・群 馬 県 中 之 条 町 に 戻 り、平 成1
0年 に
ATELIER Nという設計事務所を開設し、17年が経とうとしておりま
す。事務所開設当時は、結婚していたこともあり、いろいろなアルバ
イトをしながらの設計活動でしたが、ようやく本業の建築設計だけで
細々ではありますが、暮らしていけるようになりました。生まれ育っ
た群馬で地域に根ざした建築家として住宅中心に設計活動を行ってい
ます。また、平成25年より非常勤講師として再び大学に通わせていた
だいています。
泉会の活動がOBの方はもちろん、何より学生にとって有用になる
よう微力ながら頑張りたいと思いますので、ご指導、ご協力をお願い
致します。
ー2ー
「泉会本部」からのお知らせ
◆
平成
26年度年間活動報告
月
理工学部
(建築学科)
「泉会」
関連行事
4 新入生オリエンテーション4/1∼5、
3年進級ガイダンス:10:00∼5
21教室
4年進級ガイダンス:10:30∼5
22教室
1年生オリエンテーション:13:00∼2201教室
入学式:4/6
授業開始:4/7
「泉会」寄附講座開始:水曜日15回
(4月∼7月)
泉会行事、会場、業務活動等
・新入生オリエンテーション会長祝辞(4/3) 1
4
:
00∼22
01教室
◇拡大三役会 4/3
(木)
於:川越校舎(スケジュール・会報関係)
準会員費集金及び記念品(三角スケール)贈呈(役員・学内幹事)
3、4年進級ガイダンスにて2級建築士模擬試験実施
●「泉会」寄附講座開始
・会報編集委員会
・平成2
6年度活動計画 他
・連合育成会役員選出(代議員5名、各種常任委員5名、選管委員1名)
5
*4年生終身会費納入のお願い(各研究室、ゼミ長会議等)
・幹事会案内状メールでの発信
・1年生対象の茶話会日程:5月1
4日(学科及び泉会主催)場所:食堂
◇三役会:5月27日
(火):1
8
:
0
0∼ 池袋
6 学祖祭 6/6
○幹事会6月7日
(土):13
:
0
0∼ 川越キャンパス
・川越キャンパス連合育成会代議員会:6月7日
(土):15
:
00∼
○「泉会」総会・支部交流会 6/2
1
(土)1
3
:
0
0∼ 川越キャンパス
連合育成会大会幹事期同期会9、19、29、3
9期、連合育成会合同交流会
・神奈川支部総会
7
・建築学科まちかど講評会:優秀者表彰(準会員支援)
・新入生歓迎第1回建築パーティー(準会員支援)
:7/2
6
(土)
8 夏休み 8/11∼9/20
・徳島支部総会
9
10
9月卒業式・学位記授与式:9/20
(土)
秋学期授業開始 9/22(月)
研究室対抗ソフトボール大会
11 こもれび祭 11/3、4
・第1
7回「泉会杯」争奪研究室対抗ソフトボール大会(準会員支援)
10月30日
(水)
:優勝:松下研究室
・連合育成会イベントへの参加
12 冬休み 12/24∼1/3
1 授業再開 1/6
春休み 2/9∼3/31
2
3 卒業式・学位記授与式:3/23
◇三役会:1月24日
(土)
平成2
7年度寄附講座講師選考
・卒計発表会・卒論発表会・泉会賞選考(準会員支援)
*会報編集委員会2月6日
(金)
・建設業界説明会(総合資格学院と連携)
:2月9日
(月)
○臨時幹事会3月7日:1
1
:
00∼
・OBによる就職ガイダンス:3月7日
(土)1
3
:
15∼
・3/2
3 卒業式にて会長祝辞、記念品贈呈、泉会賞授与(準会員支援)
準会員終身会費集金作業
■主な事業活動項目と担当者
事 業 活 動 項 目
担 当 者
担当三役員
学内幹事
泉会賞選考・授与、卒業生・新入生祝辞
中山 秀明
全員
新入生オリエンテーション
全員
全員
就職ガイダンス+懇親会
全員
全員
幹事会
全員
木元 洋佑
定期総会・支部交流・懇親会
須貝 重義
勝瀬 義仁、奥津 孝雄
広報・企画 (会報『泉会』 等) 寺山 誠、伊藤 麻理
全員
財務
木元 洋佑
松下 吉男
HP維持管理
長谷部 勉
松下 吉男
名簿の更新
松下 吉男
全員
寄附講座
中山 秀明
(日色教授)
ー3ー
連合育成会
事務員
事務員
事務員
「泉会本部」からのお知らせ
◆2
014年度卒業設計 卒業論文 各賞決定
泉会賞:安田 陽 楽家−郊外住宅地の再生モデル
泉会賞:本間 建成 零と壱の境界線
金 賞:菊地 真保 橋の上のジン
銀 賞:上ノ内智貴 匿名都市
銅 賞:中村 裕 表象の帯
泉
会
賞
泉
会
賞
ー4ー
「泉会本部」からのお知らせ
金 賞
銀
銅 賞
賞
◆ 卒業論文 各賞
卒業論文賞
篠田 将
伝統的構法による中規模木造建築物の構造性能に関する研究
∼近代和風木造建築物の構造性能と可能性∼
連合育成会卒業論文賞
横田 篤
水源地域保全条例に基づく水源保全区域指定の実態と課題
泉会賞
舘澤 勇亮
大型商業施設の構成とその変遷に関する研究
ー5ー
「泉会本部」からのお知らせ
◆
春と秋に建築パーティー開催
今年度の建築パーティーの報告をさせて頂きます。
春学期
秋学期
ゲスト 藤本 壮介氏
内 容 ワークショップ
日 時 平成26年7月26日(土)
−1年生に向けての設計ガイダンス
会 場 東洋大学川越キャンパス
−模型作り・即日設計 等
講演:食堂棟1階 学生ホール
日 時 平成27年2月8日(日)
懇親会:食堂棟1階 学生ホール
会 場 東洋大学川越キャンパス
ワークショップ:実験棟3階
懇親会:実験棟3階
春学期、藤本壮介氏
をゲストとしてお呼び
しました。藤本さんを
選んだ理由はいろいろ
ありましたが、若手で
ありながら大変ご活躍
しており、藤本さんの
作品はどこか魅力的で
心を引くものがあり、
そのアイディアはどこ
から生まれてくるのか
を聴きたいと思ったこ
とが一番でした。講演
会では藤本さんの様々
な作品や、学生時代に考えていたことなどについて話して頂きました。講演会を通じ、藤本さんの人柄に触
れることでさらにその世界観に引き込まれました。講演会後の懇親会では学生と気さくに話して頂き貴重な
時間を過ごせました。
秋学期、もっと学生に近い方をお呼びすることで学生は興味を持つだろうと、冨永美保氏をゲストに決定
したものの、実現することができませんでした。しかし建築パーティーでこれから設計の始まる後輩に何か
できるのではないかと役員と話し合い、ワークショップを開催しまし
た。パワーポイントによる設計ガイダンス、模型作りや即日設計など
後輩に不安ではなく、設計の楽しさを伝えようと努めました。懇親会
後は「楽しかったです。」との言葉を聞けて、やってよかったなと感
じました。
反省点は多々ありますが、一年間建築パーティーの代表をやらせて
いただき、人を動かすことの難しさ、人とのつながりの大切さ、何よ
り支えあうことの重要さを感じました。来年度もより良い会となるよ
うにしっかりと後輩に引き継ぎたいと思います。
最後に、
本年度建築パーティーに携わった皆様に感謝申し上げたい
と思います。ありがとうございました。
建築パーティー代表 池田暉直
ー6ー
「泉会本部」からのお知らせ
◆ 1
第
4回住宅課題賞2
0
1
4 出展作品
住宅課題賞は、首都圏建築系大学の設計授業の住宅課題にお
ける優秀作品を募り、展示するとともに公開審査により優秀作
品を選定しています。
「やわらかい家」
出展 4年 小林周平
壁、それは人と人を分けるもの
カベ、それは人と人をつなげるもの
カベ、それは人と人がうごかすもの
カベ、それは、私たち家族をつなぐもの
可動壁による新しい家族像に対する新しい住宅の提案
◆
加子母木匠塾
2
0
1
4
学生幹事4年 高橋拓海 幹事4年 進藤真武
加子母木匠塾は毎年8月の後半二週間を岐阜県の中津
川市、旧加子母村で過ごし、木造建築物の製作を通して、
木造建築や林業、木材の流通、山間地域の暮らし等を体
感しながら学ぶ活動で、設計、施工、積算、管理を地元
の工務店さんに教わりながら学生が主体となって行って
います。
参加大学は東洋大の他、京都大学、京都工芸繊維大学、
京都造形美術大学、立命館大学、金澤工業大学、今年か
ら新たに名古屋の名城大学と東京芸術大学からの参加が
あり、延べ8大学1
8
3名の学生が参加しました。
昨年度の1
0月に今年度の活動体制へと引き継ぎが行わ
れ、各大学の最高学年を中心とした幹部たちが毎月加子
母を訪れ、幹事会を行ってきました。
19
9
1年に高根村で始まり、拠点を加子母に移したのが
19
9
5年。加子母木匠塾となってから今年で2
0回目の木匠
塾となりました。加子母木匠塾がこれからも続き、製作
物が長く使われることを願って木を意味する樹木に慶事
を意味する寿を当てた“寿木”という造語をテーマに決
め活動しました。
東洋大学は浦江先生を顧問に活動しており、1∼4年
生の有志による学生を募り、1年生1名、2年生9名、
3年生2名、4年生1
5名の計2
7名が前述した初参加の名
城大学と合同チームを
組み、加子母内の小郷
区2班の現在倉庫とし
て使われている建物を
集会所として改築する
プロジェクトに当たり
ました。
毎年2週間という長い工期と参加費がネックとなり、
参加希望者が少ない中、幹事を中心とした声掛けや、工
期中の途中参加の許可の他、毎月の幹事会へ木匠に興味
のある学生の帯同などの新たな試みで参加者を増やすこ
とが出来ました。
今回の製作物は改修ということもあり、幹事会などを
利用し事前に解体作業や基礎の打設などを行いました。
改修の難しさに加え、今までの製作物には無かったサッ
シの取り付けなど設計、施工の難しさも身をもって学ぶ
ことが出来ました。工期中には地域の方と様々なワーク
ショップもあり、下級生も加子母の文化や山間地域の問
題などについて学ぶことが出来ました。すでに来年度に
向け後輩たちが動き出しています。東洋大学をはじめ木
匠塾生の活動の記録や情報がフェイスブックとブログで
更新されていますので、活動や製作物にご興味のある方
はぜひご覧ください。
加子母木匠塾Facebook
https://www.facebook.com/kashimoku
加子母木匠塾ブログ http://kmoku.exblog.jp/__
ー7ー
「泉会本部」からのお知らせ
◆
建築学科
2
0
1
4年度連続公開講演会を開催
東洋大学理工学部建築学科主催の
連続公開講演会が昨年度に引き続き
開催された。建築に興味のある高校
生、専門学校生、大学生、大学院生、
社会人の方を対象に本年度は青木淳
氏、篠原聡子氏、新居千秋氏をゲス
トにお招きし講演会を行った。
本年度は「現代建築とソーシャル
デザイン」をテーマとし、近年建築
を設計し、運営維持管理していく上
で必要とされるソーシャルデザインが、どのように
取り組んだプロジェクトに影響してきているかを紹
介していただき、その後、討議が行われた。
青木淳氏は近作の「青森県立美術館、杉並区大宮
前体育館」の作品を中心にデザインされたものとデ
ザインされていないものの間を目指したデザインに
ついて、篠原氏は住居の歴史から海外の住居と学会
賞受賞作品の「SHARE yaraicho」を通して、現代
の住まい方の変化について、新居氏はご自身の経歴
から劇場設計の作法、作品である「リアスホール」
「ガダーレ」
「新潟市秋葉区文化会
ゲ ス ト:青木淳、篠原聡子、新居千秋
館」の作品を中心に新しいワーク
モデレータ:藤村龍至(東洋大学理工学部建築学科講師)
ショップのあり方と3D CADの
コメンテーター:工藤和美(東洋大学理工学部建築学科教授)
利用によって可能になったさまざ
日色真帆(東洋大学理工学部建築学科教授)
まな合理的な形態について、ご講
日 程:2014年6月28日(土)1
7:00−19:00
演頂いた。
2014年9月27日
(土)17:00−19:00
討議後には多くの質疑がよせら
2014年11月28日
(金)18:00−20:00
れ、活発な議論が展開された。
ゲストプロフィール
青木 淳
1956年 神奈川県横浜市生まれ
1982年 東京大学大学院建築学終了
1991年 青木淳建築計画事務所設立
2005年 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞
代表作に、「馬見原橋」、「S」、「潟博物館」、「ルイ・ヴィトン表
参 道」、「青 森 県 立 美 術 館」等。著 書『Jun Aoki COMPLETE
WORKS 1:1
991−2004』『同第2巻 Aomori Museum of Art』
(INAX出版)
、
『原っぱと遊園地』
(王国社)、
『青木淳ノートブ
ック』(平凡社)他。
篠原 聡子
1958年千葉県生まれ。日本女子大学大学院修了後、香山アトリエを経て、
空間研究所主宰。1997年から日本女子大学で教鞭を執り、現在、日本女子
大学家政学部住居学科教授。
主な作品は、RIGATO F(1998・東京建築士会住宅建築賞)、大阪府営大
津なぎさ住宅(1999)
、ヌーベル赤羽台3、4号棟(2010・グッドデザイン
賞)、竹内医院(2010・千葉県建築文化賞)、日本女子大学付属豊明幼稚園
(2011)、SHARE yaraicho(2012・住まいの環境デザインアワード環境デ
ザイン最優秀賞、2014・建築学会賞)など。著書に、『変わる家族と変わる
住まい』(彰国社・2002)、『住まいの境界を読む』(彰国社・2008)、『おひ
とりハウス』(いえを伝える本シリーズ・平凡社・2011)などがある。
ー8ー
「泉会本部」からのお知らせ
新居 千秋
1948年 島根県生まれ
1971年 武蔵工業大学工学部建築学科卒業(現 東京都市大学)
1973年 ペンシルベニア大学大学院芸術学部建築学科修了 1973年 ルイス.I.カーン建築事務所 1974年 G.L.C(ロンドン市テームズミード都市計画特別局)
1977年 武蔵工業大学講師(現 東京都市大学)
1979年 東京理科大学理工学部講師
1980年 新居千秋都市建築設計設立
1998年 ペンシルベニア大学客員教授
2008年 東京都市大学教授(旧 武蔵工業大学)
2010年∼2011年 東京工業大学非常勤講師
2013年∼2015年(予定)シンガポール国立大学外部卒業判定員
◆ 1
第
3回まちかど講評会のご報告
今年度で13回目を迎える
「まちかど講評会」が7月
2
0日、21日の2日間にわた
り、川越市蓮馨寺講堂を会
場に開催された。
「まちか
ど講評会」は3年生の授業
課題の学外展示会として、
一般市民に公開する。
今年度の授業課題は「ま
ちの市場」
。川越市が抱え
る公共施設マネジメントに
おける問題と観光都市とし
て観光客とのコミュニティ
を繋ぐ施設整備が今後重要と捉え、川越市一番街周
辺の3つの敷地に観光情報センター、物産品販売
場、ギャラリーをそれぞれ提案した。
開催の2日間で延べ170名の来場者があり学生は
市民の声と向き合うよい機会となった。今年度は1
日目に講評会、2日目に市民の皆様とのパブリック
ミーティングを行った。
講評会では建築家の乾
久美子氏をゲストにお招
きし、ゲストクリティー
クが行われ、諸先生方を
交え、議論が行われた。
パブリックミーティング
には、川越市役所職員、
川越蔵の会の皆様、まち
なみ委員会の皆様ほか多
くの皆様に来場いただ
き、これまでの川越の歴
史を築いてきた皆様の貴
重なご意見を伺うよい機
会となった。
ー9ー
「泉会本部」からのお知らせ
◆川越プロジェクト2
0
1
4
平成26年度、東洋大学建築
学科では川越市から調査業務
を委託された東洋大学PPPセ
ンター(代表:根本祐二教授)
から依頼を受け、公共施設等
総合管理計画策定のための社
会実験に協力することとな
り、理工学部建築学科の大学
3年生向けの演習課題「川越
プロジェクト2014」として取
り組みました。
本プロジェクトは公共施設
マネジメントの観点から考え
る川越市役所周辺公共施設の再編案を想定し、春学期に川越
市役所駐車場を敷地と想定し観光情報センターの提案、川越
市民会館を敷地と想定し物販販売、飲食スペースの提案、山
吉ビルを敷地と想定しギャラリーの提案を行いました。秋学
期には川越市役所+川越初雁中学校を敷地と想定し、小中一
貫校の計画提案を行いました。
それぞれの提案で一般の皆様に案の助言をいただく「パブ
リックミーティング」を春学期には最終提案時に、秋学期に
は計画を進める段階で3回開催し沢山のご意見をいただきま
した。また、提案内容を川越市美術館の市民ギャラリーにて
展示会を行い、230名ご来場いただき貴重なご意見をいただ
きました。
ー 10 ー
「泉会本部」からのお知らせ
◆
退任・新任教員紹介
退任のご挨拶
設計支援員 畑 克敏
この度、2012年度から務めてまいりました設計支援員を退
任することになりました。多くの先生方のご支援、教務室や
学生のみなさんのご協力を頂き、3年間の任期を無事に終え
るに至りました。
在任中は、各系の実験的な授業に参加する機会をたくさん
頂き、特にソーシャルデザイン・プロジェクトには3年間を
通じて深く関わらせて頂きました。公民学が連携するプログ
ラムに運営側として参加できたことは、設計者として貴重な
財産になっています。2013年度には「鶴ヶ島・未来との対話
プ ロ ジ ェ ク ト2
01
3」と し て ソ ー シ ャ ル デ ザ イ ン ス タ ジ オ
(SDS)で取り組まれた「鶴ヶ島太陽光発電所環境教育施設
(eコラボつるがしま)
」がSDレビュー入選や「3.
11以後の建
築」展(※現在、金沢21世紀美術館で開催中)出展など大き
な成果を上げました。広くメディアに取り上げられ、プロジ
ェクトが社会に浸透するのとシンクロするように地域住民の
方々の意識も変化していくのが分かり、新たな公共の場が立
ち上がっていく姿に興奮しました。それらの経験をSDSのみ
んなと完成後の運営を通じて共有できた
ことは、何よりも大きな成功体験です。
20
1
5年度からは愛知県岡崎市に拠点を
置く「NPO法人まち育てセンター・りた」
に所属し、まちづくりから建築まで横断
的にデザインすることで対象エリアの活
性化に取り組んでいます。また、東洋大
学での教育経験が母校の近畿大学で評価
頂き、2
0
1
4年度から非常勤講師として設計演習系を担当し、
後進を指導する機会にも恵まれました。
今後は、東洋大学での経験をさらに発展させ、自身の設計
活動に加えて地域に貢献する広義なデザイン活動に従事した
いと考えています。将来的には、また東洋大学に戻ってこら
れるように微力を尽くしたいと思います。限られた期間では
ありましたが、本当にありがとうございました。
最後になりましたが、東洋大学理工学部建築学科の益々の
ご発展をお祈り申し上げます。
新任挨拶
十河 彰
この度、設計支援員を務めることになりました十河彰(そ
ごう・あきら)と申します。SOGO建築設計という事務所を
妻と共同で主宰しております。
私は2004年に武蔵工業大学(現、東京都市大学)を卒業し、
2
006年に東京藝術大学大学院を修了しました。その後フルブ
ライト奨学金を得て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校
(UCLA)に留学し、大学院を首席にて修了しました。在学
中は環境に恵まれ、担当教授のニール・ディナーリをはじめ、
フランク・ゲーリー、トム・メイン、グレッグ・リン、ジェ
フリー・イナバ、シルビア・ラビンといった方々に、厳しく
建築の楽しさを教えて頂きました。
2
009年の帰国後から本年の3月末までは新居千秋都市建築
設計にて勤務し、地方都市の公共施設や東京都の都市開発諸
制度を活用した超高層ビルの計画などを担当しました。新潟
市秋葉区文化会館では、基本設計から工事監理までを担当
し、市民ワークショップにより細かな変
更が重ねられた平面形状を、3Dモデリ
ングと構造・音響解析を繰り返しながら
建築形態へと紡ぎました。実際の建設現
場では、職人の方々に対してモデリング
ソフトの講習会を行い、デジタル技術と
アナログな職人技とが切磋琢磨すること
で、極めて複雑なコンクリート構造体が
そのまま音響反射面を成すホールを実現しました。
これまで様々な環境で、様々な人々から建築を学ぶ機会に
恵まれたことは、私にとってかけがえのないものであり、こ
うした経験を通じて得たものが、東洋大学建築学科の発展の
お役に立つことができればと思っております。どうぞよろし
くお願いいたします。
新任挨拶
冨安 亮輔
4月より助教として着任しました冨安亮輔と申します。福
岡県久留米市出身の九州男児です。久留米市は菊竹清訓先生
の出身地であり、市役所庁舎や石橋美術館など先生が設計さ
れた建築が数多くあります。特に市民会館は大好きな建築の
ひとつです。中学高校時代から訪れる機会が多く、わからな
いなりにその静謐な雰囲気に惹かれていました。思い返すと
あの空間体験は、こうして建築学の道に進んだ私に少なから
ず影響を与えていると思います。
専門は建築計画(特に高齢者施設や高齢者住宅)で、学部
から大学院まで東京大学で学びました。その後、3年半の設
計事務所勤務を経て博士課程に復学しましたが、その半年後
に東日本大震災が発生しました。当時、誰もが考えた「被災
地のために自分に何ができるか」という気持ちを私も抱きま
した。そこで高齢者や障がいをお持ちの方のための仮設住宅
を提案するという研究チームに参加させ
てもらい、担当者として岩手県遠野市に
1年半の間駐在しました。提案は“コミ
ュニティケア型仮設住宅”として釜石市
と遠野市で実現しています。設計監理だ
けでなく、入居後の住まわれ方を調査研
究し、学位を取得した次第です。現在も
岩手県の沿岸市町村を定期的に訪れ、復
興のお手伝いをさせて頂いております。
研究者としても、教員としてもスタートを切ったばかりで
す。私自身、まだまだ学ぶことが多いですが、学生の皆さん
に建築の楽しさを伝えていきたいと考えています。向上心を
忘れることなく頑張っていきますので、どうぞよろしくお願
いいたします。
ー 11 ー
「泉会本部」からのお知らせ
◆
平成
26年度・在学生に対する支援活動
■第1
7回・泉会杯争奪研究室対抗ソフトボール大会報告(協力:泉会、連合育成会)
第17回泉会杯争奪研究室
対抗ソフトボール大会が、
平成26年10月30日、工学部
グランドで行われた。結果
は、優勝:松下研究室、準
優勝:岡本研究室、3位:
松野研究室となった。1位
から3位までの賞状、トロ
フィーに加え、賞金(優勝:
1万円、準優勝:5千円、
3位:3千円)を泉会より授与した。また、日建学院より特別賞が授与された。賞品、賞金は「泉会」の在
学生支援費と「川越キャンパス連合育成会」からの学生活動支援費から賄われた。最近はプレゼミ生も参加
して、4年生と3年生が合同でチームを組むことができるので、他学年とのコミュニケーション形成にも効
果がある。
■1年生対象の茶話会(協力:泉会、連合育成会)
1)学生の自立を促す教育内容 2)学科として取り組んでいるイベント 3)資格の話 4)卒業生が
大学時代にやっておけばよかったこと などの資料を事前に配布。各6グループに教員と4年生を配して1
年生とコミュニケーションを図った。資格については関係者から資料提供を受けた。
日 時:2014年5月14日(水)
16:30∼18:30
会 場:学生ホール食堂棟1階(食堂)
参加者:約80名(教員6名の他4年生・院
生が18名)
内 容:6グループによる会食とグループ
ディスカッション、
建築学科関連施設の見学ツアー
■2年生対象の学生時代に取得可能な資格についての啓蒙活動(協力:日建学院)
1名が宅建の試験を受験した。26年度は寄附講座での啓
日 時:7月8日(火) 12:10∼12:30
蒙を予定している。
会 場:2107教室 参加者数:43名
■3年生対象の建設企業研究セミナー(協力:総合資格学院)
今年度より就職協定が変更になり、これまで12月に行っ
日 時:平成27年2月9日(月)
ていた、
「泉会」主催の企業研究セミナーを2月9日(休暇期
13:10∼14:40
間)に行った。参加学生が少なかったが今後の就職活動に大
会 場:1106教室
いに参考になった。次年度は休暇前に行うことにしたい。
参加者:約30名
ー 12 ー
「泉会本部」からのお知らせ
■3年生対象、2級建築士講座(協力:総合資格学院)
説明会を7月と9月に実施し、講座は9月∼2月までの17回行った。
平成26年9月∼平成27年2月の月曜日 17回実施 1回あたり180分
参加者:3年生55名
2級建築士の計画:3回、法規:5回、構造:5回、施工:3回、テスト:1回 行った。講師費用は建
築学科と「泉会」が折半で負担した。途中でドロップアウトする学生がいたが、最後まで頑張った学生は約
1/3となった。継続し早期の資格取得を目指してほしい。
■4年生対象の1級建築士講座(協力:日建学院)
平成26年10月∼26年12月 9回実施 1回あたり150分 参加者:4年生27名、 院生1名
4年生対象に1級建築士を想定した講座を実施した。
◆
平成
26年度「泉会」総会・支部交流会
平成26年度の総会・支部交流会が6月
21日(土)
13時より川越キャンパス第一会
議室にて行われた。当日は卒業生35名参
加し、寺山副会長の司会のもと、中山会
長の挨拶に続いて1期生の桑野氏が議長
に選任され滞りなく議事が進められた。
「泉会」は設立31年目を迎え、川越キャ
ンパス連合育成会と連携しながら、在校
生の支援を積極的に行っている。数十年
行っている就職セミナーに加え昨年から
実施している建築士講座は在校生にとって欠かすことのできないイベントになっている。これらのことの報
告と26年度の活動計画など話し合われた。
支部交流会では神奈川支部(河野氏)と静岡支部(坂野氏)が参加し活動報告をされた。
◆
臨時幹事会開催
平成27年3月7日(土)に臨時幹事会を開催した。
議題は第17期(平成27・28年度)の役員(幹事、三
役、監査)の選出を行った。三役は、会長には寺山 誠氏(13期)が選出され、副会長には新たに田中伸
明氏(30期)が選出された。他の三役は継続となっ
た。また、川越キャンパス連合育成会改革と今後の
活動について松下吉男教授より説明された。今後1
年間の準備期間を経て、平成28年度から新たな組織
として生まれ変わるが、
「泉会」の活動は今後もこれ
まで通り継続していくことが確認された。
ー 13 ー
「泉会本部」からのお知らせ
◆
平成
27年度年間活動計画(案)
月
理工学部(建築学科)
「泉会」関連行事
泉会行事、会場、業務活動等
4 新入生オリエンテーション4/1∼5、4月3日
3年進級ガイダンス:10:00∼52
1教室
4年進級ガイダンス:10:30∼52
2教室
1年生オリエンテーション:13:3
0∼2201教室
入学式:4/6
授業開始:4/8
「泉会」寄附講座開始:水曜日15回(4月∼
7月)
・新入生オリエンテーション会長祝辞(4/3) 1
4
:
40∼22
01教室
◇拡大三役会 4/3
(金)
於:川越校舎(スケジュール・会報関係)
準会員費集金及び記念品(三角スケール)贈呈(役員・学内幹事)
3、4年進級ガイダンスにて2級建築士模擬試験実施
●「泉会」寄附講座開始:水曜日5限
・会報編集委員会:4/2
1
(火)1
8
:
3
0 川越
・平成2
7年度活動計画 他
・同窓会連合委員選出:中村(9期)
、寺山(13期)、星野(14期)
*4年生終身会費納入のお願い(各研究室、ゼミ長会議等)
・幹事会案内状メールでの発信
・1年生対象の茶話会日程:5/1
3(学科及び泉会主催)
場所:食堂
5
6 学祖祭 6/6
7
・建築学科まちかど講評会:優秀者表彰(準会員支援)
・新入生歓迎第1回建築パーティー(準会員支援)
:未定
8 夏休み 8/10∼9/19
・徳島支部総会
(土)
9 9月卒業式・学位記授与式:9/19
・2級建築士講座(3年生対象)
:建築学科と共催(協力:総合資格 学院)
・1級建築士講座(4年生対象)
:建築学科と共催(協力:日建学院)
秋学期授業開始 9/21
(月)
10 研究室対抗ソフトボール大会
こもれび祭 11/2、3
11
・第1
8回「泉会杯」争奪研究室対抗ソフトボール大会(準会員支援)
・同窓会連合イベントへの参加
○幹事会 :1
1/7
(土)
川越
○「泉会」総会・支部交流会 1
1/2
8
(土)
川越キャンパス
連合育成会大会の改組、イベント(内容は未定)
幹事期同期会10、20、30、4
0期、同窓会連合交流会 1
1/2
8
(土)
12 冬休み 12/22∼1/3
◇三役会:未定 ・建設業界研究セミナー(総合資格学院と連携)
:未定
・第2回建築パーティー(準会員支援)
:未定
1 授業再開 1/4
平成2
8年度寄附講座講師選考
2 春休み 2/9∼3/31
*会報編集委員会:未定
・卒計発表会・卒論発表会・泉会賞選考(準会員支援)
(水)
3 卒業式・学位記授与式:3/23
◇三役会:未定
・OBによる就職ガイダンス:未定
・3/2
3 卒業式にて会長祝辞、記念品贈呈、泉会賞授与(準会員支援)
準会員終身会費集金作業
■主な事業活動項目と担当者
事 業 活 動 項 目
担 当 者
担当三役員
学内幹事
泉会賞選考・授与、卒業生・新入生祝辞
寺山 誠
全員
新入生オリエンテーション
全員
全員
就職ガイダンス+懇親会
全員
全員
幹事会
全員
木元 洋佑
定期総会・支部交流・懇親会
須貝 重義
勝瀬 義仁
広報・企画 (会報『泉会』 等)
長谷部 勉、伊藤 麻理
全員
財務
木元 洋佑
松下 吉男
HP維持管理
田中 伸明
松下 吉男
名簿の更新
松下 吉男
全員
寄附講座
寺山 誠
(日色教授)
ー 14 ー
同窓会連合
事務員
事務員
事務員
事務員
寄附講座
産学協同実習Ⅰ 2015(平成27)年度 泉会寄附講座
月 日
1 4月8日
ジャンル
建築学科
泉会
テーマ
水曜日16:30−18:00 1301教室
概 要
ガイダンス
産学協同実習Ⅰ、どんな講義「概要説明」
担 当 者
建築学科教授 日色真帆
泉会会長 寺山 誠
(1
3期)
2 4月1
5日
まちづくり
住宅地計画
首都圏における明治から現在までの民間住宅地開
発の歴史的変遷
3 4月2
2日
不動産
時代ニーズに対
応した「ブラン
ド戦略」
建築と密接な関係にある「不動産業(デベロッパ
(株)アルコ
ー)」の基礎知識と、経済社会動向での問題提起を
鹿倉三裕(4
1期)
噛み合わせた、プロの街づくり事例を紹介する。
4 5月6日
世界への挑戦
世界を視野に入
れた設計活動
名作品に影響を受けて。ドローイング一つで未来
(株)慎都市建築研究所
を切り開く。処女作は欧州デビューを経て、世界を
佐山憲秀(1
3期)
視野に入れた設計活動の展開の必要性について。
5 5月1
3日
住宅
1件の家が建つ
まで
1件の家が完成するまでには様々な職種の沢山の
人が関わります。ハウスメーカー内の職種を中心
にどの様な仕事があるのかをご紹介します。
6 5月2
0日
建物管理
施設マネージメ
ントの仕組み
施設のソフト管理(テナント誘致、管理契約)、ハー
(株)タック
ド管理(設備保守管理、法定検査)の仕組みと、スト
小堀晶人(2
5期)
ックビジネス等について実践を交えた講義を行う。
7 5月2
7日
国家資格
業界をリードす
る専門家として
の免許
それぞれの分野を支える専門家:建築士・宅建士
・設備士etc..「近い将来」と「遠い将来」を考え、 日建学院
学生の「今」行動に出る。人気の宅建を例に、そ 前島宏哉(4
3期)
の試験内容・改正箇所・実践方法・有効活用など
8 6月3日
建築施工管理
生産設計図と現
場施工管理の要
点
1)設計図と生産設計図の違いを知る。
(株)大林組
2)生産設計図を基にした現場施工管理の重要性。
西田賢之(2
3期)
3)現場の“やりがい”って?
省エネルギー
開発
建築設備の省エネ
1)省エネが必要とされる背景
2)省エネに対する国内の動向(H2
5 改正省エ
ネ法、ビル管法など)
3)設備の省エネ手法(設計時、運用時、改修・
更新時の手法)
10 6月1
7日
内装インテリア
物販店舗におけ
る内装デザイン
手法
食品スーパーやドラッグストア、雑貨、アパレル
等の小売業界における店舗デザイン手法を、店舗 (株)岡村製作所
に関わる買物客、従業員の目線や時流を交え講義 山本克樹(3
0期)
する。
11 6月2
4日
意匠デザイン
アトリエ設計事
務所における設
計業務
担当したプロジェクトをベースに作品紹介と設計
の進め方など。
香山壽夫建築研究所
伊代田卓身(4
0期)
12 7月1日
屋上緑化
ドイツの屋上緑
化・日本の屋上
緑化
屋上緑化の先進国ドイツの考え方、取り組み方
と、気候風土が異なる日本の緑化の考え方、取り
組み方を建築の視点から考える。
田島ルーフィング(株)
後藤良昭(4期)
13 7月8日
音響設計・音
の種類
防音設計の基本
音を出して、周波数に対する説明や、防音工事を
行う場合の遮音の基本など。また、建物を設計す
るうえで音に対する配慮や検討等に関してなど。
音の観点から見たゾーニングなど。
有限会社A2C
高橋 剛(2
7期)
企画設計
プロジェクトを
成功に導く企画
設計の力
コンペに参加した例を題材にプロジェクトをトー
タルで支える企画設計の力を紹介。地場ゼネコン
が行う企画から施工までのトータルプロジェクト
管理。
岩堀建設工業(株)
中路孝子(1
6期)
建築技術職公務
員の役割と仕事
1)営繕行政と建築行政
2)地域に密着したこれからの公共建築物のあり
方と役割
3)現在の建築基準法の現状と将来に向けてのあ
るべき姿
中央工学校講師、シー・ア
イ・ジャパン
町田直典(2
1期)
9 6月1
0日
14 7月1
5日
15 7月2
2日
建築行政
ー 15 ー
街並工学研究所
上川勇治(3期)
押田光司(3
0期)
国際省エネルギー計画研究所
福田久光(3期)
支部だより
神奈川支部 神泉会の活動
神泉会会長 河野 洋(3期)
神泉会(泉会神奈川支部)
は毎年6月に総会の日程に
合わせ、支部総会を開催し
会員の親睦を深めていま
す。最近は校友会の支部総
会の日程に合わせ開催して
いるところです。ただ参加
メンバーもここ数年固定傾
向にあり10人を割る年も出
てきました。前回もそうで
した。
支部活動としては「横浜タウンウォッチング」を年間活動の柱として活動しています。このところの参加
者は校友会からの参加もあり30名前後です。うち泉会は10数名で、過半が校友会関係者というところです。
毎年秋に建築関係の名所を中心に市内を歩くのですが、このことは歴史散歩の雰囲気を醸し出しています。
今年で「タウンウォッチング」と銘打っては第9回となり、今秋は神奈川宿あたりの開港時のゆかりの名所、
建物等をめぐる計画です。日程は10月3日(土)の予定で改めてご案内いたしますが、県外からもたくさん
ご参加いただきたいと思います。
「タウンウォッチング」の後は、年が明けて
1月3日の「箱根駅伝応援新年会」です。最
近の東洋大学の大活躍により大変盛り上がっ
ています。横浜駅東口「崎陽軒本店」の宴会
場でお待ちしています。1月3日12時頃に横
浜駅を通過する9区の選手を沿道応援した
後、会場で大手町のゴールまでモニター画面
を見ながら一緒に応援はいかがですか。
毎年、あまり変わらないメンバーで行事を
進めています。新規メンバーが一人でも増え
ることを期待し、当面はマンネリでも継続す
ることにしていきたいと考えています。
静岡支部 あれから3
7年…今でも代筆しています
1
4期 太田研 島村 芳三
静岡県の泉会支部名を「静泉会」と称してから、結構な年月が過ぎようとしています。現在、2代目静泉
会会長である7期の鈴木行雄氏のもと、年末に有志による懇親会を行う程度の活動報告しかできずにおりま
す。その懇親会の際に出た話といえば、お堅い建築基準法の話がほんの少々、正月の箱根駅伝の話で盛り上
がり、静泉会初代会長がパラグライダーで落下して死にそうになった話、そして多くの時間は自分たちがも
らえる年金の話に終始していて、具体的な数字までが飛び交っていたと記憶しています。最近では、現会長
ー 16 ー
▲
▲
支部だより
の鈴木氏から「世代交代をなあ……そろそろ……なあ……」と、早く静泉会から足を洗いたいのか分かりま
せんが、14期の私にバトンを早く渡そうとの企てをひしひしと感じています。
私はここ数年その鈴木氏と同行し、毎年川越キャンパスで行われている泉会の総会や記念事業に参加をし
ていることで、現在の大学の様子が分かっています。私が学生時代には当時でも古い校舎がほとんどと感じ
る様相でしたが、最近では古い建物は材料工学実験室?で使用していた掘っ建て小屋の様な建物しか残って
おらず、私が学生時代に4年間お世話になりキャンパス内にあった第一学生寮も既に壊され、その石碑だけ
が残された状態でした。鈴木氏にはその石碑と共に私の写真を撮って頂き、その際に時の流れを感じたのを
記憶しています。
現在私は、イタリア留学後、静岡市の中心地で設計事務所を主宰していて、大きなコンペなどで運よく取
った物件や記念碑的物件などを手掛けさせて頂いていることもあり、APECアーキテクトの称号を頂いた
り、文化奨励賞を頂いたりと、あくまでも地元で頑張っています。そして市内の大学で建築を教えているこ
となどから、ここ数年は遠い地であり、縁もゆかりもない高知工科大学の学生さんをお預かりして実務体験
をして頂くなど、後進の指導のお手伝いをしています。その高知工科大学にはなんと静泉会現会長の鈴木氏
の同期で、良くご存じらしい大谷先生(先輩)がいらっしゃるとのことをその鈴木氏からお聞きし、私にと
っては一面識もないにも関わらず、勝手に高知工科大学に対して親近感を持ってしまっていて、その学生さ
んたちの受け入れ拒否ができない状態に陥っています。でもその様な不思議なご縁を大切にしたく、同じ様
な事を教えている先輩でもあるので、一度その大谷先生とはお会いしたいなと考えていましたので、この機
会をお借りして大谷先生にラブコールを送りたいと思い、現会長の鈴木氏の企てと知りつつ、この寄稿代筆
依頼の策略にはまることにしました。静岡県の元建築行政トップをやられていた優秀な鈴木先輩からの代筆
依頼ですので、有難く思わなければいけないところですが、無事に大学を卒業し、あれから37年…今でも代
筆しています。
平成27年5月11日
群馬支部 支部活動をはじめましょう。連絡を!
3
0期 田中 伸明
群馬支部は、支部長も不在のまま長年休眠状態が続いています。OBの方々はもちろん現役の学生も群馬
県出身者が多く在籍しており、群馬県に在住されている同窓生のつながりを細くても良いので持ちたいと考
えています。OBの方々の情報交換や大学の近況を知ることで、少し縁遠くなった母校を身近に感じてみま
せんか?
そんな訳で、今年度中に懇親を兼ねて会合を開き、活動をはじめたいと企んでいます。支部活動に興味が
ある方、参加をしていただける方がいらっしゃいましたら、正式な支部長、事務局が不在のため、下記連絡
先までメールもしくはFAXにて、お名前・ご卒業期・ご住所
・ご連絡先電話番号をお知らせいただきたいと思います。
連絡先:田中伸明(30期)メール [email protected]
ー 17 ー
fax
0279-75-6431
tel
0279-75-7820
同窓生だより
田畑貞寿先生を囲む会
3期 上川 勇治
昨年(平成26年)5月31日ホテルモントレ半蔵門
にて囲む会が極めて久しぶりに開かれた。名簿には
31名が記されていたが、参加したのは、1期から8
期まで1
8名の方であった。遠く新潟から7期の田
澤、中條さんが参加した。会を開いてくれた幹事
は、4期の荻原さんと8期の小石原、志田さんであ
った。卒業して46年∼41年と時を経ていた。先生も
83歳となったが、いたく元気で先年奥様に先立たれ
たが、子供達と孫達に囲まれ、そして多くの仲間、
友人、教え子にめぐまれ、今なお元気に現役を成し
ている。毎年届く年賀状を見てもそのことが良く分
かるし、たま∼にお会いしても充分理解することが
できる。若いころの密かなあだ名は「ダンプカー」
であり、今もエンジンの
調子は良好のようであ
る。食 事 を し な が ら 大
きなテーブル1つを囲
み、各自の小スピーチを
聞き、先生はあくまでに
こやかに笑って、時々軽
口 を と ば し て い た。若
いころを懐しむように
楽しそうであった。後年千葉大の先生になっていっ
たが、東洋大時代のことは楽しかったようである。
私は研究室は違っていたが、縁があって実質上初め
ての事務所員で東中野に設けた地域計画研究室(後
のタム研)で2年間、仕事をし、先生の友人、知人
の方々と交流し、お世話になり、プランニングの基
をおそわったと思っている。会に参加した方々も、
各々先生から、公私共におそわることが多かったよ
うで、スピーチの中にかいま見ることができた。今
度はいつ開かれるかはわからないが、楽しみであ
る。
田畑先生ありがとうございます。お元気で!
第41期 内田祥士研究室卒 PLATS一級建築士事務所 西村 洋平
生活者目線で考える建築作り
自分は設計事務所に8年勤め、昨年よりフリーラ
ンスとして活動しています。8年間働く中で自分の
に な り ま し た。ま た 7
軒に1軒が空き家とい
中で建築設計に対する考え方が徐々に変わっていき
ました。最初は自分が担当した建築ができることに
う中で今もなお新しく
住宅を建て続けている
大きなやりがいと達成感を感じていましたが、使わ
れ方や如何に生活していくかに興味を惹かれるよう
状況に違和感を感じて
いました。
こ の 物 件 は 西 日 暮 里
に あ る 築4
0年 の マ ン シ
ョ ン 一 室 の 改 修 で す。
竣工時のままであった3DKの間取りを入居者がア
レンジして住まえる様、できる限り自由度を持たせ
た1LDKとしました。
クライアントと話し合いを重ね、経年変化が味と
なる突き板フローリングを選定し、居住者が自由に
釘打ちやペイント・棚を取り付けることができる壁
を設けました。作る側や貸す側だけの論理で作るの
ではなく、入居し生活をしていく人にとって賃貸で
あってもその人らしく住まう事のできる物件になる
ようにしました。もちろん収益性も考慮しています。
ー 18 ー
▲
▲
同窓生だより
今の30代以降が自宅を所有する事なく、賃貸で一
生を終えるケースが増えることが予想されています
し、自分も30代の一人して実感があります。当事者
として、また生活者目線で考える事で一つでも多く
の既存建築が活用され、住む人が幸せになると良い
と考えています。
また、古くなった賃貸住宅でリフォーム工事をす
る際に設計事務所と入居者が主体となって改修を行
うプロジェクトを計画しています。オーナー負担は
そのままで入居者のこだわりに応える事が可能にな
ります。まだコスト的な部分やプロジェクトの進行
部分に関して検討する事は山積みですが、実現を目
指していきます。
現場一筋
1
7期 田口 一夫
東洋大学卒業後、昭和57年に埼玉県上尾市に本社
のある㈱島村工業に入社し33年がたちました。
入社以来、建築工事の施工管理 「現場一筋」 に
やってまいりました。
この度、埼玉医科大学総合医療センター東館の施
工を担当することになり、たくさんの東洋大学OB
の方々とこの仕事に携わることができ非常に光栄に
思っています。
所長の私の他、副所長に加藤直也(27期)、意匠設
計の奥貫悟(16期)、構造設計をお願いした小野寺力
氏(16期)、電気設備業者所長の鈴木桂氏(30期)。
以上、東洋大学OBで一丸となり完成を目指して
います。
今回の東館の建設は埼玉医科大学総合医療センタ
ーの本館の改修工事を行うため、機能移転すること
が目的となっています。
1階はレストランとなりオープンテラスができま
す。喫茶とコンビニもできます。2階は研修医スペ
ース、3階は事務管理部門となり本館とはブリッジ
で行き来できます。4階は役員スペース、5階はド
クターの個室スペース、6・7階はドクターのオー
プンスペースになります。PH階は電気、機械室と
なります。
また、本設計の趣旨は下記の3つが柱になってお
ります。
1.フレキシビリティ(融通性)
間仕切りを減らし、ワンルーム形式の計画にし
て、その時々の要求に合わせてできるだけ自由に利
用できるように配慮しました。
2.トランスペアレンシー(透明性)
パブリックエリヤは硝子を多用し、外部にテラス
を設けて内部外部の境をできるだけなくし広がりの
ある空間を計画しました。ワンルーム形式も各部署
ごとの障壁を取り払い自由なコミュニティが形成で
きるように配慮しました。
3.ビジビリティー(視認性)
段差部やトイレ等は高齢者・障碍者等が安全で利
用しやすいよう色のコントラストを強くして視認性
を配慮しました。
全体計画は敷地約550
,0
0㎡の中に1
1棟の建物があ
り、それらの建物とのシーケンス(連続性)を損な
わないように計画しました。
竣工は5月末の予定となっています。お
近くを通る機会がありましたらご覧頂きた
いと思います。
●工事概要
埼玉医科大学総合医療センター東館新築工事
工事期間:H2
6.
2.
1∼H2
7.
5.
31
設計施工:株式会社 島村工業
所 在 地:埼玉県川越市
用 途:事務所
階 数:地上7階 PH1階 構 造:鉄骨造
建築面積:134
77
. 1㎡
延床面積:785
83
. 8㎡
ー 19 ー
OB非常勤活動
峠の灯台 暮坂牧水茶屋
3
0期 田中 伸明
群馬県中之条町と旧六合村(現中之条町)を結ぶ『暮坂峠』
(標高10
,8
8m)は、
四季折々の景色が楽しめ、詩人若山牧水が旅の途中で立ち寄り詠んだ『枯野の旅』
の詩碑も建てられた、日本ロマンチック街道にもなっている名所。周辺には民家も
なにもないその場所に、旅人の道標、緑豊かな景観に溶け込むランドマークを…。
旅の途中で、牧水も感動したとされる景観を望みながら一息つきたくなるよう
な『観光案内所兼茶屋』を、牧水の詩碑のある丘に対して向き合うよう計画。道
路や詩碑に対しガラス張りにした店内は、室内にも関わらず、自然の緑に吸い込
まれるような感覚さえ…。夕暮れとともに店内の灯りでガラス張りの建物全体が
峠の灯台となる。
そして、プランニ
ングだけでなく、
峠に生息している
唐松や杉材中心に
仕上げるなど、景
観との調和を最重
要課題として取り
組んだ。
暮坂牧水茶屋 外観(夕景)
卒業して20年で考えること
暮坂牧水茶屋 内観
3
1期 直井 克敏
同窓生だよりの依頼を受けて思ったのが、大学を
ない、というか出来な
卒業してもう20年も経つんだというのが率直な気持
い。時間は限られてい
ち。そのなかで感じて来たことを少し書いてみた
るし、20年仕事をして
い。
きて切にそう思ってい
今仕事に対してどんな気持ちで取り組んでいるか
る。
と聞かれたら、どう答えるだろうと考えてみた。
それを有意義に過ご
「楽しく、良い仕事をして、クライアントに喜んで
すには、仕事も遊びも
もらって、自分も笑顔でハッピーになること!」っ
まとめて楽しくしてし
て答えるかな。この考えを常に実行出来たら最高だ
まえば良いと思ってい
と思う。設計の仕事、特に住宅をメインに仕事をし
る。遊びやプライベートから仕事に結びつくことも
てると週末が打ち合わせで埋まり、休みがなくなっ
たくさんあるし、ヒントをもらって設計に活かされ
てくる。独立してから特に思うようになったのだ
ることだってある。最近は海外でも数件仕事をして
が、仕事を義務感でやって
いて、そのクライアントや業者との付き合いも仕事
いると楽しくないし幸せに
だけではなく、プライベートでもおつきあい出来た
はなれない。僕は仕事は仕
らもっと楽しいだろうなと思っている。そうするこ
事、遊びは遊び、プライベ
とで、設計する作品も活き活きと輝いていくのでは
ートはプライベートと割り
ないかと考えている。これからもこの気持ちで、仕
切って考えることはあまり
事もプライベートも充実させていきたい。
ー 20 ー
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OB非常勤活動
学ぶ楽しさを伝えたい
3
0期 平沼 かおり
専門学校の常勤講師として働かせて頂いておりま
大きな変化を乗り越え
した際に、お声が掛かり母校にて非常勤講師をさせ
て頂きたい、新しいこ
て頂いていること、諸先生方、設計アシスタントの
とを学ぶことの楽しさ
方々には授業の運営やご対応等にてお世話になりま
を感じて頂きたい、そ
して、いつも感謝をしております。
のために出来るだけの
私の担当している学年は1年生の授業となり、高
お手伝いをしたいと考
校生から大学生になったばかりのフレッシュな学生
えて実習を行っており
の方々と接しさせて頂いております。建築学科とい
ま す。ま た、OGで あ
う専門分野を学ぶことに希望を持って意欲的に全て
ることで学生の皆様の
を吸収したいという学生の皆様の姿勢に、いつも私
お役に立てることが出来れば幸いとも感じておりま
も応えなければならないと感じております。入学し
す。
て間もなく、大学という新しい環境や仕組みの中
やがて、2年生・3年生・4年生となった学生の
で、これまで接したことの無い「建築」の課題に取
皆様が大学に慣れ親しみ、誇りを持って建築を学ん
り組むことは多くの学生の皆様にとって、戸惑いや
でいる姿をキャンパスにて覗うことが出来ること
難しさを感じることも少なくないと思います。まさ
は、諸先生方のお力を感じつつ、何より嬉しく感じ
に私も学生時代感じたことでもあるからです。この
ております。
東洋大学との関わり
3
2期 須貝 重義
1997年春に東洋大学の建築学科を卒業し、就職せ
その活動を通じて同窓
ずにそのまま渡英。2
0代の半分をイギリスで過ご
生や先輩後輩の方々と
し、帰国後に隈研吾建築都市設計事務所に入所しま
十数年ぶりに再開で
した。入所後は建築設計の仕事に忙殺され気がつけ
き、彼らの活躍を喜び
ば30歳も半ば、自身が主宰する設計事務所を設立と
また刺激を受けていま
同時に東洋大学理工学部の松下先生にお声掛け頂
す。
き、非常勤講師としてまた東洋大学にお世話になる
私のお世話になって
ことになりました。
いる川越キャンパス
それから早5年。自身の設計活動の傍ら、学生に
は、この十数年間で建
教える場をもてるということは、設計の常識、社会
物はすっかり建て替わり、近代的で快適なキャンパ
の常識に押し固められそうになる頭を柔らかくする
スに生まれ変わりました。近年、特にスポーツの分
良い機会に恵まれているように思います。よく言わ
野で東洋大学の名を耳にする機会も多くなりまし
れることですが、人に教えることで逆に自身が教え
た。しかし、なかなか現在のキャンパスの雰囲気な
られている、考えさせられていると思えることが多
どは皆様に伝わりにくい様に思います。そこで、こ
く、感謝しています。私自身の事務所も6年目に入
の度の会報には、東洋大学出身でかつ、同大学で現
り、ようやく足場が固まってきた様に感じ、40代の
在非常勤講師をされている方々にお声掛けし近況の
これから10年が飛躍の年になるよう、大学を巣立っ
報告をお願いしました。大学から遠く離れている会
ていく学生たちの姿を見ながら志を新たにしていた
員の皆様に少しでも大学の現況や雰囲気をお伝えで
ところです。昨年からは泉会の役員を仰せつかり、
きれば幸いです。
ー 21 ー
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OB非常勤活動 夢を実現するために今できることを行う
3
2期 伊藤 麻理
東洋大学の建築学科に進学した時の私は建築が好
働き4年後帰国し自分
きだとか、将来は建築家になろうとか、そういうこ
の会社を設立しまし
とは考えてもいませんでした。本当に何となく進学
た。30歳の年でした。
しただけだったんです。そんな私が真剣に建築のこ
始めは小さな仕事が多
とを考え始めるようになったきっかけは、オランダ
く、苦悩な日々が続き
の建築家レム・コールハース氏の作品を見て,そし
ました。このままでい
てその建築のコンセプトについて知ったことでし
いのか自問自答しなが
た。彼の作品はどれもクンストハル美術館のように
ら、本当に私がやりた
しっかりとコンセプトが考えられていることを知
いのは、何なのか。住
り、感銘を受けました。このことから私も「コンセ
宅や建物ひとつという
プトのある建物を設計して造ってみたい」と思うよ
単位ではなく、都市全体を設計して、誰もが暮らし
うになり、本気で建築家になろうと決意していった
やすい場所にすることが夢なのです。そしてその夢
のです。
に向かい次のステップとして、大きなコンペから小
卒業後、設計事務所に1年間勤めた後、オランダ
さなコンペまで、次々に参加しました。コンペで勝
ヘと渡りました。今から思うと、自分でも本当に無
つことは、実力を認められると言うことですから。
茶なことをしたなと感じます。言葉は上手く話せな
しかし最終選考まで残っても、なかなか1等になれ
いし。自分の作品をまとめたポートフォリオだけが
ない日々が続きました。
唯一の希望でした。レム・コールハース氏の事務所
そしてようやく1等となったのが、
「サイエンス
に面接に行ったのですが結局入れず、別の事務所で
ヒルズこまつ」という小松駅前の再開発プロジェク
トだったのです。現地を訪れ、ここにどん
な施設があれば喜ばれるのかを想像しまし
た。誰もが利用でき、将来に渡って喜ばれ
る施設といえば公園です。「公園であれば、
誰もが親しめる。見た目は公園でも、その
下に空間がある」そこで建築の屋根が地面
から隆起しているような形状にして、地面
をあるいていたら知らない間に丘の上にた
国際コンペ2014 LigetBudapest 美術館コンペ 4位
どり着き、さらに歩むと再び地面に戻るよ
うなデザインにしました。
私のデザイン・コンセプトは、建築とラ
ンドスケープ=自然の融合がテーマになっ
ています。というのも建築には,どうして
も自然を壊して建てているという側面があ
ります。そこで、もっと自然と良い関係に
なれる建築はないのだろうかと考えている
んです。例えば自然界には直線はありませ
ん。だから私のデザインは有機的な曲線を
使っています。これからもコンセプトを大
切にした設計を考え、いつかは都市計画を
手がけたいと思います。
2014 サイエンスヒルズこまつ
ー 22 ー
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OB非常勤活動
非常勤講師としての思い
3
3期 茂呂 大輔
33期卒業の茂呂大輔と申します。在学中は浅井賢
伝えてきました。学年
治先生の研究室、大学院では太田邦夫先生の研究室
を超えての交流が現在
に所属しておりました。2005年からの2年間、助手
の自分を作ったといっ
として大学に勤務させて頂いたのち、2007年にスタ
ても過言ではありませ
ジオコンボ建築デザイン事務所を設立。現在は、主
ん。OBとして、この
に住宅の新築やリノベーションなどを手掛けており
建築学科の素晴らしい
ます。また、非常勤講師として大学からお声掛けを
伝統・環境が受け継が
頂き、若輩ではありますが、建築の楽しさと素晴ら
れていくことを願って
しさを学生に伝え、やる気と自信に火を付けたい
います。
と、日々奮闘しております。
また非常勤講師とし
学生と接していてよく目にするのが、先輩の課題
て、志しの高い学生を輩出するための一端を担える
模型を後輩が手伝うことで、互いに切磋琢磨してい
のであれば、こんなに嬉しいことはありません。私
る姿です。部活やサークルなどの所属にとらわれる
が学生の時に非常勤講師の方々から頂いた建築への
ことなく、先輩と後輩が刺激し合いながら、学んで
情熱と刺激は今でも自分の背中を押しています。私
いく。その姿を見るたびに、在学期間の集大成であ
もそんな非常勤講師になりたいと、そうなれるため
る卒業設計を後輩が手伝うという建築学科の伝統
の実力と経験を培うため、日々の設計活動に勤しん
が、日々の授業課題の中まで浸透していると感じて
でおります。
います。
設計活動は、私のHPをご覧頂ければ幸いです。
私も学生時代は、このような環境の中、先輩方か
HP:www.studio-combo.com
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ら建築のいろはを教えて頂き、そのいろはを後輩に
ー 23 ー
学生だより
夢は“社会に貢献できる建築”
3年 池田 暉直
気が付けばもう大学生活の折り返し地点に立って
ってさらに興味深いも
います。住宅は人を感動させられると知り建築学科
のとなりました。私は
に進もうと決めました。これまでの二年間で建築に
時には都市規模で、ま
ついて学ぶうちに住宅に限らず、建築の世界にどん
た時には住宅規模で社
どん引き込まれていきました。
会に対して問いかけ、
特に私がこの二年間、建築を学んできた中で考え
社会に貢献できるよう
てきたことは建築が社会に対してどのようにアプロ
な建築を建てることが
ーチし、社会をどのように良くしていくことができ
今の夢です。
るのかということです。私たち人間が生活するうえ
まだ建築を学び始め
で建築は欠かせないものとなっています。現在、社
て二年であり、建築のごくわずかしか学べていませ
会では様々な問題が起こっており、商店街の衰退、
ん。そして建築は幅広い視野が必要だと考えていま
空き家の増加、高齢化社会などが挙げられます。し
す。だからこそ学内に留
かし、これらの問題は建築の力で現状を変えていく
まらず学外や海外へと足
ことができるのではないでしょうか。建築は我々の
を運んで学び、経験を積
生活に密接に関わっているからこそ、社会問題を解
むことで一歩でも夢に近
決していく可能性を十分に持っていると思います。
づくことができたらと思
そのような可能性があることに気付き建築は私にと
います。
積み重ねが大事ということ
4年 土屋 柚貴
これまでの3年間をまとめるにあたって、3年間
み重ねが必要というこ
書き溜めてきたスケッチブックを読み返してみる。
とだ。モノをつくる、
そこに書いたことは、実に様々である。講義中のメ
つまり、自分の考えを
モ、設計課題のスタディから、人から言われた言葉、
カタチにしようとする
負けて悔しかった時の感情、TVを観て面白いと思
時、どんなことも頭の
ったこと、好きなアーティストの絵、旅先でのこと
中で留めておくだけで
など、文字と絵の記録だ。これらに書いてある全て
はなく、アウトプット
は、3年間、私をつくってきた要素であり、積み重
する。その継続こそが
ねてきたものだ。
積み重ねであり、それ
3年分のスケッチブ
はさらなる発展と発見をよび、より高い密度とな
ックと、3年分の学ん
る。そして、つくり上げたモノの密度は、いかに積
だことを重ね合わせる
み重ねてきたかに比例する。
と、あることに気がつ
振り返るのはまだまだ早いが、この3年間、設計
いた。それは、私の大
課題や、学外の活動を通して、
「積み重ねが大事とい
学生活3年間をつくっ
うこと」を身をもって学んできた。学ばせてもらっ
てきたその積み重ねの
たこと、共に学んできた人に感謝し、これからも積
ように、ひとつのモノ
み重ねていきたい。
をつくる時も同様、積
ー 24 ー
▲
▲
学生だより
感謝の一年
M1 横田 篤
私は学部生活の終わりに、連合育成会賞を頂きま
トの書き方等について質問すると、快く丁寧に教え
した。卒業論文の提出と賞を頂けたことは、野澤千
てくれました。時には、自分の研究に対する自覚の
絵教授の熱心なご指導があったからに他なりませ
あまさと至らなさから、研究が思うように進まない
ん。
こともありましたが、その度に同期生に励まされ、
私が卒業論文に着手したのは、学部3年生の秋か
野澤教授の手厚い御指導により前進できたことは学
らでした。研究を始めて間もないころは、野澤先生
生生活の大きな収穫であり、今後の自分への大きな
に厳しいご指摘を頂いたことも多々あり、ご指摘を
糧になると思っています。
頂くたびに自分の至らなさを恥ずかしく思っていま
卒業論文の提出後は、野澤先生をはじめ研究室の
した。春休みが明け、本格的に研究に着手する4年
同期生、研究にご協力いただいた方々への感謝しか
生に進級すると、研究室の同期生は春休みの間に研
ありませんでした。
究を大きく進展させ、
学部を卒業し自分の学生生活を振り返ると、私に
独自の視点を加え着実
とって卒業論文を執筆した期間は、学部生活の中で
に前進しているのに対
最も多くのことを学び、刺激を受け、研究室の仲間
し、自分に引け目を感
と切磋琢磨した時間だったと思います。
じることも多くありま
現在、大学院生となり野澤教授のもとで修士論文
した。何とか同期生に
に着手するにあたって、卒業論文の執筆で学んだ感
追いつこうと研究の進
謝の気持ちを常に持ち研究に邁進したいと思いま
め方やヒアリングシー
す。
修士一年を終えて
M2 友國 樹伸
理工学研究科建築学専攻修士二年の友國樹伸と申
を作成中で、これは私の修士論文でもあり、研究室
します。今回、泉会会報へご寄稿させて頂くにあた
でのプロジェクトでもある大変重要な位置づけのプ
り、これまでの活動を振り返りこの場で総括し、新
ロジェクトを行っています。
たに修士二年での目標を掲げたいと思います。
このように、4年生までは興味を提案として語る
私はこれまで、卒業設計から一貫して公共施設の
ことが求められ、
(卒業設計)修士1年では自分の興
将来像について考えてきました。中でも力を入れた
味をプロジェクトとして動かす事の難しさを学びま
プロジェクトとして鶴ケ島市と養命酒酒造、東洋大
した。修士二年では、プロジェクトをただの社会実
学が連携しワークショップを用いた設計手法で、環
験に留めずに一般化させる事が重要であり、それを
境教育施設をつくるという産学官民連携の実施プロ
目標として今後は活動していきたいと考えていま
ジェクトがあります。そこでは基本設計を担当し、
す。また、社会人へとステップを進めた後は、その
市の職員や住民、施行者と多種多様な人が集まるワ
一般化させた社会実験を事業として昇華させられる
ークショップではファシリテータを務め、利害関係
よう取り組んでいく所存です。
者間の合意形成を行い建物を建ち上げていきまし
た。大変難しいプロジェクトでしたが、このプロジ
ェクトでの経験は就職活動だけでなく、今後の研究
活動でも活きてくるものだと考えています。
また、現在はこのプロジェクトの発展系として、
鶴ケ島市公共施設利用計画の再編(案)というもの
ー 25 ー