HERACLES試験 - cancer therapy.jp:コンセンサス癌治療

Gastrointestinal (Colorectal) Cancer
FLASH REPORT
Oral
Abstract
Session
# 3 508
米国臨床腫瘍学会 2015
会期 : 2015年5月29日∼6月2日 会場:McCormick Place, Chicago, Illinois
切除不能進行・再発大腸癌に対するHER2経路二重阻害による治療:HERACLES試験
Therapeutic dual inhibition of HER2 pathway in metastatic colorectal cancer: The HERACLES trial
Salvatore Siena
Niguarda Cancer Center, Ospedale Niguarda Ca’Granda, Milano, Italy
背景・目的・方法
●切除不能進行・再発大腸癌患者のセツキシマブ抵抗性促進因子を異種移植モデルにより評価した研究からは、KRAS 、NRAS 、
およびBRAFが野生型であってもHER2陽性例では治療抵抗性となる可能性、ならびにHER2陽性切除不能進行・再発大腸癌は
トラスツズマブ+ラパチニブ併用(T+L)
によるHER2二重阻害治療に感受性を示す可能性が示唆されている1)。
●そこで本第II相試験では、
この仮説を検証するためにT+Lの有効性と安全性を評価した。
1)Bertotti A, et al. Cancer Discov 2011;1:508-523
結果
●フッ化ピリミジン、イリノテカン、オキサリプラチン、セツキシマブ、またはパニツムマブに抵抗性の KRAS エクソン2野生型切除
不能進行・再発大腸癌849例からHER2陽性患者46例(5.4%)を抽出した。このうちPS≧2または腫瘍関連合併症を認めた
22例を除外した24例を登録した。腫瘍縮小効果の評価が可能であったのは23例であった。
●主要評価項目である奏効率は34.7%(23例中8例)であり
(表1)、無増悪期間(TTP)中央値は5.5ヵ月(95%CI 3.68-7.82)
であった。
●忍容性は良好であり、消化管障害の最大Gradeは2、皮膚障害および疲労の最大Gradeは3(図2)、心毒性は認められなかった。
服薬遵守率は96.4%であった。
●腫瘍縮小効果およびTTPはいずれもHER2免疫組織化学染色(IHC)3+症例のほうがIHC2+よりも良好な傾向が認められた。
図1 HERACLES試験のデザイン
図2 安全性
Maximum grade, drug related,
adverse reaction per patient
(n = 23)
Therapy with:
- Trastuzumab iv 4 mg/kg load
PD
and then 2 mg/kg/qw
- Lapatinib po 1,000 mg/qd
re-biopsy if possible
baseline, q8 weeks, until progression
Tumor assessments
CE-CT scan
Translational assessments
HER2 ctDNA (plasma)
HER2 ECD (serum)
NGS Custom Panel (plasma, tumor tissue)
baseline, q2 weeks, and at progression
baseline, q8 weeks, and at progression
baseline and at progression
表1 奏効率
Best response
RECIST 1.1 by centralized revision
Responses (PR+CR)
n
8
%
34.7
Complete response(CR)
1
4.3
Partial response(PR)
7
30.4
Stable disease≥4 mos
7
30.4
Stable disease<4 mos
3
13.0
Progressive disease
5
21.7
Total
23
100
GI tract
Diarrhea
Abdominal pain
Vomiting
Nausea
Mucositis
Skin & Annexes
Rash/dermatitis
Paronychia
Xerosis
Pruritus
Erythema
Folliculitis
Systemic
Fatigue
Hand and foot
Loss of appetite
Rhinorrhea
Conjunctivitis
Dysphonia
Dysgeusia
Chills
Laboratory
Anemia
Hypomagnesemia
Cardiovascular
Epistaxis
Total
CTCAE all grades
CTCAE grade 3
n
%
n
%
16
4
3
1
1
70%
17%
13%
4%
4%
13
9
5
4
3
1
57%
39%
22%
17%
13%
4%
1
4%
10
2
2
2
2
1
1
1
43%
9%
9%
9%
9%
4%
4%
4%
3
13%
1
1
4%
4%
1
84
4%
4
まとめ
●HER2陽性切除不能進行・再発大腸癌に対するT+Lは、異種移植モデルで想定されていたとおり、高い有効性を示した。
●HER2陽性切除不能進行・再発大腸癌はセツキシマブまたはパニツムマブ抵抗性であったことから、抗EGFR療法歴がない
患者に対するT+Lは有望である。
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