篠竹 利和 - 日本大学文理学部

平成26年度 日本大学文理学部個人研究費 研究実績報告書
所属・資格 心理学科・教授
申請者氏名 篠竹 利和
研
究
課
題 自閉症スペクトラム障害の臨床心理アセスメントに関する研究
研究目的
および
報
研究概要
告
研 究
の
の
結 果
概
要
研 究
の
考 察
・
反 省
研究発表
学会名
発表テーマ
年月日/場所
研究成果物
テーマ
誌名
巻・号
発行年月日
発行所・者
印
<研究目的>今日の心理臨床では,自閉症スペクトラム障害(以下,ASD)に対する個別援
助のための心理アセスメントが重要課題となっている。これについて,これまでロールシャ
ッハ法など心理検査に現れる当障害の特徴を検討してきた。25 年度はロールシャッハ法に現
れる認知的特徴のサブタイプを提示しその特徴を追加検討したが,26 年度ではさらに実際的
な援助に資するための事例研究を継続することとした。
臨床現場では,ASD 鑑別目的で行われる心理アセスメントにおいてウェクスラー法が採用
されることが圧倒的に多いが,検査バッテリーにロールシャッハ法を加えることで,統合失
調症との鑑別にも有効であることを提示することとした。
思春期・青年期は,精神疾患の好発年齢であり,臨床像が,ASD の臨床像と重なるために,
病態の見極めや,心理アセスメントを難しくしているが,10 代後半の男子 4 事例について
ASD 鑑別の検査バッテリーにロールシャッハ法を加えたことで,ウェクスラー法その他のテ
ストバッテリーで施行された結果だけでは見えにくい思考障害の程度や水準,病理の深さ,
病理が限局されたものか否かなどの重要な側面を見出せる可能性が示唆され,これら事例を
提示し考察することで,検証を試みた。
その結果,ASD が疑われる事例の心理アセスメントにロールシャッハ法を加えることによ
り,認知特性とその背景にある思考障害など精神疾患につながる重要な側面を見出せる可能
性が高いと考えられた。
検査バッテリーにロールシャッハ法を加えることで,ウェクスラー法で見られた認知特性
と,その背景にある思考障害など精神病水準の病理につながる面を見出すことができ,さら
に,その病理の深さや程度,ひいては,その病理が限局されたものか,全般的なものかにつ
いても重要な側面を捉えることができ,その後の支援の指針を提示できると考えられた。
今後も事例数を重ねて検討することにより,ASD 鑑別補助における検査バッテリーのさら
なる可能性や注目すべき観点,ロールシャッハ法に現れる質的特徴などに関する知見を見出
していくことが課題である。
研究発表
日本ロールシャッハ学会第 17 回大会
「自閉症スペクトラム障害の鑑別におけるロールシャッハ法の意義―思春期・青年期事例を
対象として―」
平成 26 年 11 月 30 日/佛教大学(京都)
研究成果物
「自閉症スペクトラム障害のロールシャッハ・テスト上の特徴―部分反応が多い 3 事例
―」 ロールシャッハ法研究 第 18 巻,p.1-9. 2014 年 11 月 30 日