障害者支援施設わかふじ寮 防災マニュアル

障害者支援施設わかふじ寮
防災マニュアル
平成 26 年
8月
防火管理者
ま
え
が
き
わかふじ寮において、様々な療育、活動、生活が行われており、それに携わ
る
児童部・成人部利用者、更生施設利用者及び、職員等の災害時における安全確
保・
安全管理に関する知識を予め周知徹底しておく事は極めて重要です。
これまでにも、わかふじ寮においては防災及び安全面の観点から、防災訓練
の実施、総合避難訓練の実施、心肺蘇生法の実施をはじめとする災害時の対応
策
が講じられてきました。
今回、防災に対する職員の理解を図るとともに、入所利用者の安全を確保し、
突然に災害が発生した場合には、速やかに適切な対処が出来る事を目的として、
「防災マニュアル」を作成しました。
このマニュアルは、災害時(特に地震発生時)における基本的事項に対応で
き
る原則的な対処方法を示していますが、災害時の状況等により臨機応変な対応
を実践するように心がけて下さい。
平成 26年8月
防火管理者
目
次
まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
第1章
災害時における緊急連絡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
1、緊急時の連絡における注意事項・・・・・・・・・・・・・・5∼6
第2章
災害に対する事前の対策・災害発生から避難までの対応・・・・・
7
第1節
日常の留意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
1、 児童部、成人部利用者、短期入所利用者、日中一時利用者・・・
7
2、 事務員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
3、 支援員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7∼
8
4、 調理師・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
5、 ハウスキーパー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
第2節
火災に対する事前の対策、火災発生時の対応
1、 火災発生に備えて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
2、 「消火器」及び「消火用散水栓」の使用方法・・・・・・9∼1
1
3、 火災(異常)が発生し非常ベルが鳴ったとき・・・・・・・・・12
4、 初期消火・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
3
5、 避難誘導班の活動内容・・・・・・・・・・・・・・・14∼1
5
6、
ホットライン通報(119 番通報)・・・・・・・・・・・15∼16
第3節
地震に対する事前の対策、地震発生時の対応・・・・・・・・・1
7
1、 地震の発生に備えて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
7
2、 地震が発生した時・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
7
・支援員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17∼1
8
・入浴、トイレ時の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・1
8
・調理師の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
8
・車を運転中・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
8
・野外活動(海岸、川)
・・・・・・・・・・・・・・・・・19
3、 地震が発生後 ∼(揺れが収まったら)・・・・・・・・・・・1
9
4、 地震発生後 ∼(30 分程度)・・・・・・・・・・・・19∼20
5、 地震発生後 ∼(2 時間∼24 時間)・・・・・・・・・・・・・2
0
6、 地震発生後 ∼(2∼3 日)・・・・・・・・・・・・・・・・・2
0
-3第4節
風水害に対する事前の対策、風水害発生時の対応・・・・・・・2
1
1、 風水害の発生に備えて・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1
2、 風水害の危険が迫ったら・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1
3、 台風が通過しているとき・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1
4、 ホットライン通報(負傷者)
・・・・・・・・・・・・・・・21
5、 風水害の危険が通り過ぎたら・・・・・・・・・・・・・・・2
1
第3章
2
防災隊の活動及び復旧時の対応と職員のケア・・・・・・・・・2
第1節
勤務時間内における防災隊の活動・・・・・・・・・・・・・・2
2
第2節
勤務時間外における防災隊の活動・・・・・・・・・・・・・・2
2
第3節
復旧時の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2
1、 被災後の安全確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2
2、 復旧対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3
3、 職員へのケア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3
第4章
火災、地震予防管理組織及び、自衛消防組織編成表・・・24∼2
5
・火災、地震予防管理組織編制表(第1表)
・・・・・・・・・・24
・自衛消防編成表(第2表)
・・・・・・・・・・・・・・・・・24
・自衛消防組織編制表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
5
第5章
8
1、
2、
3、
第6章
∼
1、
2、
3、
4、
災害発生時の対応フロー・・・・・・・・・・・・・・・26∼2
災害発生時の共通フロー・・・・・・・・・・・・・・・・・2
6
地震発生時の初動対応マニュアル・・・・・・・・・・・・・2
7
地震災害発生時、勤務外職員の緊急出動について・・・・・・2
8
避難場所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
火災時、避難場所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
9
地震発生時避難場所(1階)・・・・・・・・・・・・・《図面差
込》
地震発生時避難場所(2階)・・・・・・・・・・・・・《図面差
込》
水害時避難場所・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《図面差込》
第7章
救命処置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30(仮)
1、 AED(自動体外式除細動器)について・・・・・・・・・・30(仮)
2、 救命処置について・・・・・・・・・・・・・・・・・・31(仮)
参考資料: 救命処置 ~ 救命処置の流れ(心肺蘇生法と AED の使用 ~
-4-
第1章
災害時における緊急連絡
利用者、及び職員が施設内において、火災、地震、風水害等に遭遇した場合、
直ちにその状況を判断し、付随してある緊急連絡網、及び 119 番通報にて緊
急連絡を行う。
1、 緊急時の連絡における注意事項
1)
緊急時の連絡において、主となる担当者は次の通り、
・「平日」、日中の時間帯
⇒
「事務員」
・「休日」、及び「夜間」
⇒
「宿直職員」
「宿直職員」
「夜勤職員」
上記の担当者が核となり、緊急時連絡を行う。
2)
施設内に設置されている、
「火災通報装置」、及び、
「火災通報専用電
話機(赤電話)」を使用し、119 番通報を行う事ができる。
・「火災通報装置」、及び「火災通報専用電話機(赤電話)」の設置場所
は以下の通り、
旧棟一階「事務室」
新棟一階「相談室」
上記の場所、計 2 か所に設置されている。
※新棟一階「相談室」は「火災通報専用電話機(赤電話)」のみの設置
となっている。
下の写真は、実際の設置の様子
↓「事務室」内
↓「相談室」内
-53)
「火災通報装置」、及び、「火災通報専用電話機」を使用して緊急連
絡を行った場合、消防の他、あらかじめ機器に登録してある連絡先
に自動通知される事になっている。
4)
緊急連絡網の使用にあたっては、可能な限り迅速な情報伝達が行え
るよう、連絡網の内容を熟知しておけるよう心掛けておく事。
連絡のポイントは以下の通り
① 災害情報は、知り得た情報の範囲内で、ただちに第1報を行う
事。
② 発生した事象が緊急、異常事態に該当するか判断に迷った場合
は、まず緊急、異常事態とみなし対応する事。
③ 連絡者は、被害状況の有無等、知り得た情報を、できるだけ簡
潔に、分かり易く伝える事。
④ 連絡者は、当日の宿直、または夜勤勤務者が誰であるか、情報
として伝える事。
⑤ 連絡先の相手が不在な場合、連絡ライン上で1つ後に該当する
者に連絡する事。
⑥ 各連絡ラインの最後尾の者は、連絡を受けた後、セクション担
当者《赤枠》に連絡が行き届いた旨の報告を行う事。
⑦ 職員各自、伝達内容、連絡先の相手の不在状況等、情報管理を
徹底する事。
5)
「衛星電話」に関して。
大きな災害が起こった際、通常の通信手段、及び通信機器が使用で
きなくなる事を想定し、
「衛星可搬端末(衛星電話)」を備えている。
平素より、使用方法の把握、充電等のメンテナンスを行っておく事。
《平成 26 年 4 月現在は、
旧棟1階「職員室」内
に保管》
-6下の写真は、
「職員室」内に保管してある衛星電話のもの
↓《保護ケース》
↓《衛星電話
本体》
端末電話番号:080−2850−3888(保護ケースにも記載)
第2章
第1説
災害に対する事前の対策、災害発生から避難までの対応
日常の留意事項
1、 入所者、短期入所利用者、日中一時利用者
1)
2)
3)
4)
施設内では必ず上履きを履くこと。
使用していない電気器具の電源プラグはコンセントから抜いておく。
地震発生時には、窓ガラス等が破損して散乱する危険性がある為、
就寝時には必ずカーテンを閉め、寝具の位置もなるべく窓際から離
しておく。
非常時の備えとして、就寝時には上履きを身近に置いておく。
2、 事務員
1)
2)
3)
施設内では必ず上履きを履くこと。
事務室の戸締り、電気器具等の火気の始末には十分留意する。
使用していない電気器具の電源プラグはコンセントから抜いておく。
4)
5)
タバコは必ず所定の場所で吸い、後始末を怠らない事。
退社時には、戸締り、火元等の安全を確認後、施錠して退室する。
3、 支援員
1)
2)
施設内では必ず上履きを履くこと。
職員室、宿直室等の戸締りや、電気器具等の火気の始末には十分留
意する。
3) 使用していない電気器具の電源プラグはコンセントから抜いておく。
-74) タバコは必ず所定の場所で吸い、後始末を怠らない事。
5) ライター等、火気の取り扱いには十分留意し、しっかり管理する事。
6) 緊急車両(救急車、消防車)進入の妨害にならないよう、公用車や
自家用車(車・バイク・自転車)等は必ず所定の場所に置く。
7) 支援員は、利用者居室における戸締り、及び、ライター等の火気、
危険物の持ち込みがないかを点検する。
8) 支援員は率先して、利用者や施設の安全に配慮する。
4、 調理師
1)
2)
3)
4)
5)
火気を使用中は、その場から離れない。
火気を使用中は、近くに可燃性、引火性の物を置かない。
厨房内や食品倉庫内は整理整頓し、事故及び火災の原因を作らない。
使用していない電気器具の電源プラグはコンセントから抜いておく。
厨房内から最後に退室する際には、ガスの元栓等、火気、火元の安
全を必ず確認。消灯のうえ、必ず施錠して退室する。
5、 ハウスキーパー
1)
2)
3)
4)
第2節
洗濯機、衣類乾燥機のフィルター掃除を定期的に実施する。
漏電の有無を確認し、電源プラグには必ずアースを接続する。
使用していない電気器具の電源プラグはコンセントから抜いておく。
業務を終えて退室する際は、必ず戸締りの確認を行う。
火災に対する事前の対策、火災発生時の対応
1、 火災の発生に備えて
1) 消火器、屋内外消火栓及び、火災警報器などの設置場所、使用方法
を平素から確認し、熟知しておく。
2)
居室等、建物内外の整理、整頓を心がけ、安全な避難経路を平素か
ら確保しておく。また、非常口の近くには物を置かない。
3)
喫煙は必ず指定された場所にて行い、火災の発生を招かないように
注意する。特に、吸殻の始末に注意する。
4)
年2回(9月・12月)の消防署員立ち合いの総合防災訓練に参加
し、通報訓練や消火訓練に参加する。
2、
-8「消火器」及び、「消火用散水栓」の使用方法
1)
消火器
施設内に設置されている消火器については、消火器がむき出しで設置さ
れているもの、BOX の中に収納されているもの、計2種類存在する。
これらは、収納の形態が違うだけで、消火器自体は同じ物が収納されて
いる。「普通火災」、「油火災」、「電気火災」にそれぞれ使用出来るもの
が設置されている。
下の写真は、それぞれ実際の設置の様子
2)
消火器の使用方法
① 消火器を取り出す。(抱えて火元へ向かう)
② 消火器上部の黄色のピンを真上に抜き取る。
-9③ ノズルを火点に向け、レバーを強く握る。
※ 握力の少ない女性の方は、消火器を床に設置した状態で上から体重
を掛けながら強く押し込むとよい。
※ ノズルは出来るだけ先を持つようにすること。(薬剤の放射が始ま
った際にホースが暴れて目標に上手く定まらない。
④ 燃焼物に直接放射し、目標の消火活動を行う。
3)
消火用散水栓
施設内における消火用設備として、各フロアに点在して設置されている
消火器とは別に、「消火用散水栓」が備え付けられている。
施設内、新旧棟1階フロア内に3台。2階フロア内に3台。合計6台が
要所に設置されている。
下の写真は、実際の設置の様子《事務所前》
-104)
消火用散水栓の使用方法
① 正面よりカバー(戸蓋)を開ける。
・中には、ノズル付の白いホース(20M)が格納されており、BOX 内の
右上部には赤いバルブが付いている。
② 操作方法の説明
・開いたカバー(戸蓋)の内側には、簡単な操作方法が記されている。
主な操作方法としては、上記の写真の通り。本機の正面に「この消
火栓はひとりで操作が出来ます」と記されているが、人員にゆとり
があるならば、二人一組での操作がよりスムーズである。
※散水栓使用後は、スプリンクラー制御室にあるポンプの運転を停
止する事を忘れないように。
-11火災(異常)が発生し、非常ベルが鳴ったとき
2、
1)
防災盤監視盤(防災表示板)の確認を行う
旧棟 1 階「事務室」内、および、新棟 1 階「相談室」内にそれぞれ「防
災監視盤」、「防災表示板」が設置されている。
下の写真は、それぞれ実際の設置の様子
↓「事務室」内の「防災監視盤」
↓「相談室」内の「防災表示板」
※相談室内に設置されている「防災表示板」(上記写真、右)は、簡易版
で あり、異常発生場所の確認は出来るが、地区音響の停止や復旧操
作等の操作、細かな設定は行えない。それの操作は全て事務室内に設
置されてある「防災監視盤」(上記写真、左)を使用して行う。
2)
火災(異常)が起こっている場所を確認する
防災監視盤、及び防災表示板には、各フロア、各要所の名前と、該
当する番号が記載されている盤面(次ページ 参考写真①)があり、
何らかの異常が起こった際には、該当する場所が赤く点灯して表示
されるようになっている。
※ 防災監視盤本体の下部に、該当する番号がどのフロアを指してい
るかを示す「区域図」を備えている。(次ページ 参考写真②)
異常が起こっている場所が盤面で特定でき次第、ただちに最寄りの
放送設備を使用し、異常が起こっている場所を伝達、現場の確認を
行うよう伝える。
-12-
↓参考写真①
《盤面の一部拡大》
↓参考写真②
《区域図の一部》
3、 初期消火
防災監視盤で火災(異常)を確認後、館内放送で伝達を受けた場合、初期消
火班、及び宿直職員は直ちに現場へ。火災が発生している場合、可能であ
れば初期消火を試みる。
① 職員は最寄りに設置してある消火器を取り、現場へ急行する。
② 先に現場へ着いた者から順に、消火器を使用しての初期消火活動へ移
り、排煙窓の開放もする。
※ ただし、この時点であまりにも火勢が強く、消火活動を行う事が困
難だと判断した場合、消火活動を行う事で命に危険が及ぶと判断し
た場合は、状況を報告し、初期消火は諦め、利用者の避難誘導、及
び、ホットライン通報(119 番通報)に取り掛かる。
③ 現場に遅れて到着した者は、消火用消火栓の準備に取り掛かる。その
際、消火栓の準備に取り掛かる事を先の者に伝える事。
※ 自分が持ってきた消火器があれば、先の者が使用できるように最寄
りに置き、その旨を伝える事。
④ 消火器による消火活動の結果が思わしくなければ、その時の状況に応
じて、順次消火栓を使用した消火活動に取り掛かる。
⑤ 初期消火活動に携わる職員は、消火活動の結果が、成功した、失敗し
た、に関わらず、速やかにその情報を報告、伝達する事。状況におう
じて、必要な次のステップへ移行する。
-134、 避難誘導班の活動内容
避難誘導班、及び、初期消火にあたる者以外の職員は、利用者の安全確
保、及び避難誘導に努める。避難場所においては人数確認を行うと共に、
利用者の確保に努める。
1)
火災警報器(非常ベル) 作動直後
避難誘導班、及び、初期消火にあたる者以外の職員は、火災警報器(非
常ベル)が作動した直後から、館内放送等で具体的な情報が得られるま
での間、まずは落ち着いてフロア内、居室等をまわり利用者の安全確
保に努める。
必要に応じて速やかな非難が行えるよう、利用者を一カ所に誘導し、
余裕があれば人数点呼を行っておく。
2)
避難誘導
館内放送等により状況が把握出来たら、落ち着いて避難誘導を開始す
る。
※ 避難誘導時における注意点
① 利用者の安全に配慮しながら、落ち着いて誘導を行う。
② 姿勢を低くして、ハンカチやタオル、服の袖等を口、鼻にあてがい
煙を吸わないようにする。
③ エレベーターは使用しない。
④ 避難に時間を要する重度の利用者を優先的に避難させる。
⑤ 必要に応じて、内線 PHS、携帯電話等を使用し、応援を要請する。
⑥ 延焼を抑える為に、ドアや窓は閉める。(鍵は外しておく)
⑦ 避難途中、及び一度避難した利用者が、再び施設内に戻らないよう、
行動の把握、確保に努める。
-143)
避難場所で行う事
① 避難状況、及び、被害状況の確認
利用者、職員の安否(避難完了者、負傷者、要救助者)について確
認し、自衛消防隊長《統括施設長》に報告する。
② 一度避難した利用者が再び施設内に戻らないよう、行動の把握、安
全確保に努める。
③ 利用者のメンタルケアに努める。
4、
ホットライン通報(119 番通報)
1)
ホットラインの使用手順
① 火災通報装置の通報ボタンを押す。
(透明のケースカバーごと、強く押し割る)
上の写真は事務所内のもの。
事務所内に設置されているのは、
「火災通報装置」
《上記写真 左》と
「火災通報専用電話機(赤電話)」の 2 種類で、上の 2 枚の写真の通
り、併設して設置されている。
この場合、ボタンを押すのはどちらか一方でかまわない。
② 発信音の後、録音テープが流れる。
-15③ 呼び出し音の後、四万十消防署員が出る。
④ 受話器を取り、消防署員と会話。
火災の状況を伝える。
上の写真は事務所内のもの。
⑤ 火災の状況として伝える事は、以下の通り、
出火場所
・階数(
1階
・方角(
目安となる方角を伝える
)
・火元(
「調理場」、「職員室」、
等
/
2階
)
出来るだけ正確に
被害状況
「火勢の状況」、
「逃げ遅れ者の有無」、
通報者の氏名
フルネームで
第3節
-16地震に対する事前の対策、地震発生時の対応
1、 地震の発生に備えて
等
)
1)
消火器、火災報知器、AED(医務室)等の設置場所、使用方法を平
素から確認し、熟知しておく。
2)
居室等建物内を整理・整頓し、安全な避難経路を確保する。
3)
日常的に使用するものでも、倒れたり、落下しないような状態にし
て管理する。
4)
キャビネットや棚、ロッカー、コピー機などは固定する。
5)
必要以上に物を積み上げない。また、物品を収納する際には、出来
るだけ重量物を下に置き、重心を低く保つ。
6)
非常用の備蓄品を備える。
食料品:レトルト食品、アルファ米、インスタントラーメン、カップ
味噌汁、飲料水(3日分一人1日3L)
生活用品:給水用ポリタンク、カセットコンロ、ティッシュペーパー、
ウエットティッシュ、紙皿、紙コップ、簡易トイレ、
水のいらないシャンプー、ビニール袋、ロープ、
工具セット、ランタン、長靴
7)
常時携帯品を備える。
懐中電灯、
携帯ラジオ、
ハンドマイク
2、 地震が発生したとき(揺れているとき)
1)
支援員の対応
① 揺れが収まるまでの間、職員は自らの安全を守りながら、利用者に
安全を呼びかける。
② テーブルや机の下に避難する。
③ 廊下で地震にあった場合は、壁や柱の近くに身を寄せる。
-17④ ドアを開けて、非常脱出口を確保する。
⑤ 慌てて外に飛び出さない。
2)
入浴・トイレ時の対応
① 揺れを感じたら、ドアを開け、避難路を確保し、揺れが収まるまで
待つ。
3)
調理師の対応
① 揺れている間は、無理して火を消そうとしない。思わぬ怪我、火傷
等を負う危険があるので、揺れが収まってから落ち着いて消火活動
を行う。
※ 大きな地震時には、自動でガスの供給を止める安全装置が作動する。
② 食器棚や冷蔵庫等については、転倒や、中身が飛び出してくる恐れ
もある為、危険なので近づかない。
4)
事務員の対応
① キャビネットや棚、コピー機から離れ、頭部を守りながら机の下に
隠れ、身を守る。
② 窓ガラスが割れる恐れがある為、窓際からは離れる。
5)
車を運転中
① 揺れを感じたら、急ブレーキを踏まずハンドルをしっかり握り、前
後の車に注意しながら徐々にスピードを落とし、道路の左側に停車
する。
② エンジンを切り、揺れが収まるまで車外に出ず、カーラジオからの
情報を入手する。
③ 職員は携帯電話を使用し、寮から指示を受ける。
6)
-18野外活動時(海・河川等の沿岸部)
① 大きな地震の際には、津波の恐れあり。近くに高台がない場合は、
3階建以上の建物を目指す。
② 津波は繰り返し襲ってくるので、一旦波が引いたとしても安心せず、
引き返さない。
3、 地震が発生後 ∼(揺れが収まったら)
1)
揺れが収まったら、職員は、利用者が安全な場所へ避難できるよう
に、必要な出口や通路の安全を確保する。
2)
職員は、地震の第 2 波を警戒しながら、利用者の状態確認(怪我の有
無等)を行う。
3)
職員または看護師は、医療機器が被災していないか確かめる。
4)
地震が引き金となり、火災が発生する事がある。火元の確認を行い、
2 次災害を予防する。
5)
地震が引き金で火災が発生するなど、火災警報器が作動した場合、
ただちに、防災盤にて異常発生場所を特定し、必要に応じて、初期
消火活動、避難誘導を行う。
避難場所は、施設内 1 階、2 階の各防災拠点スペース、及び、施設正
面の庭とする。
6)
※ 避難時、原則としてエレベーターは使用しない。
※ 火災が発生した場合は、火災時の避難場所でもある、施設正面の庭
に避難する。
4、 地震発生後 ∼ (30分程度)
1)
利用者・職員の怪我等の確認。看護師は応急手当等の実施。
2)
自衛消防隊長(統括施設長)の指示による組織活動の実施。
3)
男性職員は、施設内外の被害状況の確認を行う。
4)
-19TV、ラジオ等を利用し、災害情報を入手する。
ア)
地震の震源地
イ)地震の規模
ウ)津波情報
エ)周辺の
被害状況及び交通情報
オ)避難指示、避難勧告の有無
5、 地震発生後 ∼ (2時間∼24時間)
1)
職員は、利用者の精神状態や健康管理に注意し、必要に応じて季節
ごとの気温(寒暖)への対策を講じる。
2)
栄養士は、災害時に非常食等を提供する際にあたり、栄養バランス
や利用者の特性に配慮したものを提供する。
(災害時、備蓄品を使用してどのようなメニューを提供するか、あら
かじめ献立を考えておく。)
6、 地震発生後 ∼ (2∼3日)
1)
職員は、災害時に際しても、可能な限りサービス提供の質を維持で
きるよう心掛け、各利用者の特性に応じたサービスの提供を行う。
2)
職員は、1 日でも早く元通りのサービス提供の再開を目指し、建物
や設備等の応急、復旧に努める
3)
職員は冷静に温かく接する事で利用者の心身のケアに努め健康状態
を管理し、夏季や冬季の環境からくるストレスを和らげるように努
める。
4)
施設利用者の家族の安否を早急に確認し、利用者の精神的不安の軽
減に努め、連絡がとりずらい場合がある為、色々な連絡方法を定め
ておきましょう。
5)
薬剤の確保と医療施設への移送等についても検討しておきましょう。
6)
感染症を予防する為に利用者の衛生面での徹底を図りましょう。
第4節
-20風水害に対する事前の対策・風水害発生時の対応
1、 風水害の発生に備えて
1)
日頃から施設、設備の維持管理に努める。
2)
屋外排水溝等の掃除を定期的に行う。
3)
浸水により孤立した時を事前に検討する
2、 風水害の危険が迫ったら
1)
指針の気象情報、洪水予報などの災害情報を入手する。
2)
寮内や施設の周辺で飛散しやすい物を撤去する。
3)
窓は鍵をかけ、出口のドアは閉鎖する。
4)
重要な書類、機器等、薬等を安全な場所へ移動する。
5)
停電に備えて、パソコンなどのデータは保存する。
6)
懐中電灯やラジオの用意をする。
3、 台風が通過しているとき
1)
職員は、利用者を窓側から離れるように知らせる。
2)
屋内外の排水溝の確認を行う。
3)
緊急性のある負傷者が発生した場合はホットラインで通報する。
※ 火災時のホットライン通報に準ずる。
4、 風水害の危険が通り過ぎたら
1)
被害状況を調査し、必要性に応じて自衛消防隊長(統括施設長)に
報告。状況に応じて復旧活動を計画、実施する。
2)
TV、ラジオ等を使用し、最新の災害情報、及び交通情報を入手す
る。
-21-
第3章
自衛消防隊の活動及び、復旧時の対応と職員のケア
第1節
勤務時間内における自衛消防隊の活動
1、 自衛消防隊長(統括施設長)は、直ちに自衛消防隊を招集・編制し防
災活動にあたる。
1)
自衛消防隊員は、速やかに指定された係の任務につき活動を行う。
2)
自衛消防隊員は、被害状況を自衛消防隊長に報告する。
3)
被害状況に応じた復旧活動を行い、応急対策及び、復旧状況を自
衛消防隊長(統括施設長)に報告する。
第2節
勤務外における自衛防災隊の活動
1、
自宅の被災状況により出勤可能な職員は、家族の安全を確認した後、
速やかに出勤する。
2、
理由あって出勤が不可能な職員は、わかふじ寮にその旨の理由、及び
状況の報告を行う。当面は自宅にて待機し、その後の指示を待つ。
第3節
復旧時の対応
1、 被災後の安全確認
1)
二次災害の防止処置を確認後、危険箇所への立ち入り禁止処置など
の安全策を講じる。
2)
施設に異常が認められる場合には、自衛消防隊長(統括施設長)に
報告する。
3)
浸水などにより施設が汚染された場合には、清掃に加え、防疫薬剤
の散布など衛生管理に必要な処置を講じる。
4)
電気、ガス、水道等のインフラ施設の機能、安全を確認する。
5)
灯油など危険物の漏れだしが無いか確認する。
-22-
2、 復旧対策
1)
応急、復旧の処置を講じる。
2)
被害状況の調査、写真等の資料と共に現況を記録する。
3)
重要な業務に係る書類の確認、保管をする。
4)
物品や現金等に対する防犯対策を講じる。
5)
非常時の会計処理と支払方法を明確にする。
6)
早期復旧の為、関係機構への被害報告をおこなう。
3、 職員のケア
1)
職員の過重労働を防止する。
被災後の施設運営は、職員にも大きな負荷を与える事になる
ので、健康管理を徹底し勤務体制リストを作り人員不足の時
にはボランティアなど外部からの協力を得ながら、職員の
過重労働を未然に防ぐように努めましょう。
2)
職員への心身のケア
職員の精神的負担を軽減するよう心のケアを行いましょう。
また感染症を予防し衛生面での徹底を図り健康状態に
よっては利用者との接触を制限する等の措置も適切に
行いましょう。
-23-
第4章
火災、地震予防管理組織及び、自衛消防組織編成表
別表第1
火災・地震予防管理組織編制表
防火管理者
細
木
敬
担当区域
一
火元責任者
事務所
田中 せい子
ホール
山下 悠
厨房
植木 一哉
自主点検検査別
担
建物等
長尾 亮一
火気使用設備器具
者
矢野川 浩美
危険物施設
+
別表第2
当
橋本 恵子
電気設備
池内 大
消火器/消火栓
細木敬一
警報設備
細木敬一
避難器具
池内 大
誘導灯・誘導標識
池内 大
自衛消防編成表
自衛消防隊長
係
別
指揮係
氏
名
田中 せい子 ・ 長尾 亮一
事務員・宿直者(平日/日中)
通報連絡係
宿直者・夜勤者(休日/夜間)
細木敬一
池内 大
消火係
橋本 恵子
安光 妙
池
内
裕
青
避難誘導係
(日中)
早番、日勤、泊まり、明けの職員が
避難誘導する。
(夜間)
宿直・夜勤の職員(4名)が避難誘
導する。
(緊急時)
火災発生時、地震、水害時などで勤
務職員が対応できない場合は、緊急
連絡網で全職員に非常招集を掛け
る。
救護係
黒川 広美
-24-
自衛消防組織編制表
自衛消防隊長
指 揮
関係者への通報。消防隊への状況提供にあたる。
消防機関への通報・その確認にあたる。建物内や
自衛消防隊の指揮および隊長の補佐を行う。
係
通報連絡係
消火設備・器具を用いて初期消火作業にあたる。
係
負傷者および救護者の救護
避難者の誘導・非常口などの開放および避難器具の設定
係
消 火
護
災害時の対応フロー
第5章
避難誘導係
救
-25-
青
裕
内
池
1、
災害発生時の共通対応フロー
災害発生時の対応
1、
まず身を守る
・机、食卓の下などにもぐる。
・余裕が無ければ、身近なもので頭を保護する。
2、
3、
素早く火元の始末
非常口の確保
・ドアを開ける。
4、
緊急連絡網による連絡
災害発生直後の対応
1、
火元の確認
・火災が発生したら、放送設備で出火場所を知らせるとともに避難場所
を伝える
・赤電話(ホットライン通報 119 番)右下にある、火災通報ボタンを
強く押す。
・大声で周囲に知らせる
2、
周囲の利用者の安全を確認
・倒れた書庫等の下敷きや、けが人の確認をする。
災害発生後の対応
1、
避難場所に集合する
・一旦避難した利用者を再び中に戻らないよう確保する。
・避難場所で利用者を確保すると共に、人数確認を行う。
2、
その後の余震に注意する
各種別の対応マニュアルによる対処
2、
-26地震・火災発生時の初動マニュアル
地
震
・
火
災
発
生
共 通 対 応 マ ニ ュ ア ル で 行 動
通常業務
震度5強
勤務時間
震度5強
参集の必
に戻る。
以上・未満
内・外
以上・未満
要なし
以上
以上
自衛消防隊長(寮長)
放送設備で避難場所への集合を指示する。
自衛消防隊の招集
・自衛消防隊長は、直ちに自衛消防隊員を招集し活動開始
・自衛消防隊長が不在の場合は、事務長、次長または、防火管理者が指揮
をとる
3、
-27地震災害発生時、勤務外職員の緊急出動について
わかふじ寮では、大規模な震災発生時には、勤務外の職員にも緊急出動を要請
する事にしています。また、震災発生時には通信手段が不通になる事を前提と
して、「震災時緊急出動の基準」を取り決めました。
1、震災時緊急出動の基準(震度の確認方法は、テレビや携帯の緊急地震速報
等の情報とします)
管理者
震度6以上
防火管理者・看護師
職場場から連絡が無く 管理者からの指示・連 管理者からの指示・連
ても自発的に出勤
絡がなくても自発的に 絡が無くても自発的に
出勤
震度5強・弱
支援員
出勤
職場からの連絡がなく 管理者からの指示・連 管理者からの指示によ
ても自発的に出勤し施 絡がなくても自発的に り出勤
設をチェック。必要が 出勤
あれば職員に出勤指示
震度4以下
職場に連絡を取り必要 施設内に異常があり施 出勤の必要なし
と判断すれば出勤
設から連絡があれば出
勤
※ただし、次の状態にある職員は対象外とする。
① 職員自身、もしくは家族が負傷している場合
② 自宅建物が被災し、家族が危険な状態にある場合
③ 小学生以下の家族が自宅に居て、他に保護する家族がいない場合
④ 小学生以下の家族の所在が不明で、連絡が取れない場合
⑤ 職員地震が外出先で帰宅難民となり、出勤が不可能な場合
⑥ 徒歩での出勤が困難な場合(津波や内水などにより道路が寸断されている場合)
⑦ 橋や堤防が崩壊し、出勤が困難な場合
-28-
第6章
避難場所
屋外では施設正面のスペース・屋内では1階・2階の防災拠点のスペース
《各避難場所の図表を差し込む》
-29-
第7章
救命処置
1、 AED(自動体外式除細動器)について
AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ
機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、
正常なリズムに戻すための医療機器の事。
2004 年 7 月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、
病院や診療所、救急車はもちろんのこと、空港、駅、スポーツクラブ、
学校、公共施設、企業等、人が多く集まるところを中心に設置されてい
る。
AED は、操作方法を音声でガイドしてくれるため、簡単に使用すること
ができる。
1)
施設内における管理場所
施設内、「旧棟 1 階
医務室内」にて管理している。
2) AED の仕様(外観、及び内観)
下の写真は、医務室内にて管理している AED のもの
↓《AED 本体
ケース外観》
↓《AED ケース内部》
-303)
AED の使用方法
使用方法については、ケース内部に記載してある取扱い手順に従う。
必要な手順を踏めば、音声ガイドが流れる為、音声ガイドに従って操
作を行う事。
※ 実際の救命処置と並行した AED の使用方法、及び使用手順につい
ては、本防災マニュアルに付随してある別紙、
「救命処置 ~ 救命処
置の流れ(心肺蘇生法と AED の使用 ~」の内容を参照の事。
4) AED の点検管理
AED は救命処置のための医療機器である。 「機器は設置してあるが
肝心な時に使用できなかった(動作しなかった)」、ということにならな
いよう、消耗品の有効期限などを日頃から点検する事が重要である。
AED における各消耗品の交換時期に関する記載は、本器ケース外側に
タグとして付けられている。(下記の写真参照)
下の写真は、AED の消耗品管理タグ
※ なお、機器の定期点検は専門業者の方が実施してくれる事となって
いる。
2、 救命処置について
救命処置の手順、処置方法に関しては、本マニュアルに付随してある別紙、
「救命処置 ~ 救命処置の流れ(心肺蘇生法と AED の使用 ~」
を参照の事。
31
福祉施設防災対策指針の目的
今後30年間に約60%程度の確率で南海地震が発生すると言われ
ています。社会福祉施設の職員一人々が施設の防災の有り方と自ら
の役割を理解し、いざという時に適切な判断が出来なければなりま
せん。各施設では、平常時と災害時の人員体制を整え、食糧や資機
材の備蓄を行って下さい。
防災対策マニュアルは、出来るだけ多くの職員の参画のもとで作
成・共有し、防災訓練などの様々な機会を契機に作成した事で安心
していたり、被災した時に中身を確認しているようではいけません。
その内容を教育や訓練を通じて頭と体で覚え、一人々が防災対策マ
ニュアルの内容を理解し、自分自身が果たすべき役割を事前に確認
しておく事が大切です。