宇野重規=田村哲樹=山崎望著『デモクラシーの擁護』

一見相反する政治概念とも容 独裁政治や権威主義体制など 主義、社会主義は勿論のこと、 モクラシーは自由主義へ共和 それは「浮気者」である。デ 界には啓在しない。他方で、 イデオロギーはもはやこの世 ーを真っ向から否定する政治 な存在であるーデモクラシ った。確かにそれは「神聖」 者バーナード・クリックであ シーを形窄したのは政治哲学 という辛諌な表現でデモクラ
ー論の動向はこうしたジレン ってきた。昨今のデモクラシ カの新保守主義ともうまくや 人を囲っているようなアメリ ふりをして帝国主義という愛 義″を振りかざし'愛妻家の れ故にへ〝自由″と〟民主主 であった。デモクラシーはそ 易に結びつく節操のない存在
化、再帰的秩序化(社会的な 換媒体を通じた「脱埋め込み」 と再結合、流通可能な相互交 代化とは'時間と空間の分離 幅が割かれている。再帰的近 は再帰的近代化にかなりの紙 れているが'「共同綱領」で 論考としての各章から構成さ 同執筆の「共同綱領」と個別 的近代化」である。本番は共 か。著者たちの回答は「再帰 に」から擁護するのであさつ
.であるという。
各章の議論が展開されてい
しかしヂモクラシーを「な
大賀哲.
かつて'「神聖だが浮気者」
である。 を擁護することが本番の企図 的に管りれる」デモクラシー わち、「絶望的な敵ど'否定 的な回答を試みている。すな また'こうした逆説への能動 説的な問いであった。本層も 「民主化するのか」という逆 点は、デモクラシーを抑何に マ変体現している。議論の焦
コミュニケーション」が必要 は'「他者たちとの粘り強い クラシi毎擁護するために やリベラ法人ムに対してデモ ちは、、蕃筑宕ツヨナリズム を重視する。その上で著者た シーの場としての公共圏全体 観の衝突よりも寧ろデモクラ 成ぜれたものと看徹し、価値 価値観を「言説」によって構 第三にデモクラシーは異なる 民化」べの潜在性を高める。 -ション密通心て人々のr市 クラシ息は熟議やコ(,(ユニケ 負担を軽減する。第二にデモ て、意思決定における個人の 帯・信頼i社会的紐帯を通じ る。第一にデモクラシーは連 ようにデモクラシーを擁護す れ晶まえ'著者たちは次の 集団の管理へと帰結する。こ 主義・監視能力の発達・暴力 は'必然的に資本主義・産業 いる。こ計レた再帰的近代化 ていく7(カニズム)を指して 改善され(,行為自体が琴し ションを通じて不断に検証・ 行為が'情報やコ(, ユl芽-
この「共同綱領」を受けて
′ヽり.
シーとは前提にして結論であ に、本香において、デモクラ ラシー静がそうであるよう めない。その他多くのデモク らば、や 消化不良の感が否 それぞれの試論を府政するな し'「共同綱領」との連関で 論点が網羅されている。しか シーを検討する上での重要な 示唆的であり'現代デモクラ
はないと論じている。 の自律が必ずしも二者択一で に着眼Lt個人の自律/社会 Lt個人主義への両義的態度 からデモクラシー論を再考 は、フランス政治哲学の立場 と主張している。また第四革 とデモクラシ-は両立し得る ち「正当なパターナリズム」 つけることではない'すなわ デモクラシーのあり方を押し つけることは必ずしも特定の いる心その上で'.熟議を押し 境を設定することを強調して 定の選択肢が選択され易い頚 数の選択肢が存在しっつも特 のための環境設計、とくに複 いる。夢二華はデモクラシー との対話の必要性を碇起して の三者を対比しながら、他者 する言説(絶対的民主主義哲 し、世界大の政体へと再包摂
静)、境界線その.ものを酪激 包摂する言説(熟議民主主義
リズム)、政治共同体へと再 る書説℡ベラル・ナショナ 人々を国民国家へと再包摂す 政治的共同体の変容を論じ' /承認という三つの位相から る。軍一章は、主権/生権力
個別の議論としては相当に
▼デモクラシー.の擁護
ナカニシャ出版 1 2・ 2刊四六判三〇六頁本体二八〇 円 再帰化する現代社会で
い。
には敏感であらねばならな を抑圧する言説となる可能性 する気はないが'それが他者 を擁護する」こと自体を否定 いだろうか。「デモクラシー 正当化することと同義ではな 車ろそうした不公正な秩序を シーだけを擁護することは' 遠い世界において'.デモクラ 済相差など公正や平等には程 れない。しかし、圧倒的な経
ヽヽ
(九州大学准教授)
〟希望″を肯定すべきかもし い。確かに私たちはこうした 素朴な信念の表明に他ならな とは〟話せばわかる″という や「正当なパターナリズム」 り強いコrfrユl芽-ション」 考える必要があるださn.「粘 定したものの負の側面-を ワ・リベラリズム」として肯 が「ポストモダン・ブルジョ ば'リチャード・ローティー 強化する側面-亭っなれ いう規範が既存の権力秩序を
い。
おそらくはデモクラシーと
で考えを琴見るとは思えな 解できない人々が本番を読ん ら、著者たちの問題意識を理 いては寡黙である。.残念なが れ得な小のか」という点につ 拘わらず「なぜそれが擁讐 き根拠を雄弁に語るが'にも ちはデモクラシーを擁護すべ 統的な反応であさっ0着者た の擁護」という回答も寧ろ伝 ではないし、「デモクラシー 近代化とは今に始まった現象 る。書うまでもなV'再帰的
宇野重規・田村哲樹・山崎望著
「デモクラシ-を擁護する」ことが他者を抑圧する言説となる可能性には敏感であらねばなら い
或いは「話せばわかる」のイデオロ希望のデモクラシー?
ギー