表紙~P13

公立学校施設整備について
平成27年1月29日
文部科学省大臣官房文教施設企画部施設助成課
公立学校施設整備事業の概要
1
学校施設の老朽化
学校施設の老朽化対策について
施設の老朽化対策について
2
公共施設における学校施設の割合
学校施設は市区町村が所有・管理している公共施設の約4割を占めている。
体育館
2%
庁舎・消防署等
5%
社会福祉施設等
8%
その他
12%
学校施設
37%
公民館等
8%
公営住宅・職員宿舎等
28%
※
※
※
※
棟数の割合
平成22年度末時点
市区町村が所有又は管理している公共施設等
防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況調査報告書
(平成23年12月消防庁)を元に作成
経年別保有面積(公立小中学校)
○
小中学校は,昭和40年代後半から50年代にかけての児童生徒数の急増期に多くが整備。非木造
施設約1億6千万㎡のうち築25年以上で改修を要する施設は約7割。
○ 学校施設の改築までの平均年数は42年であり,現在は昭和40年代中頃までに建築された学校を
改築。学校施設建築のピークが昭和50年代中頃であり、近い将来、こうした老朽施設の対策のた
めに多額の費用が掛かることが見込まれる。
平成24年5月1日現在
平均42年
公立小中学校(RC造)の
改築までの平均年数
公立小中学校(RC造)の
改築までの平均年数
公立小中学校の経年別保有面積
設置者の平均築年数別分布(公立小中学校)
約半数の自治体において、保有している公立小中学校施設の平均築年数が30年を上回っている。
(設置者数)
5年未満
5年~10年未満
10年~15年未満
15年~20年未満
20年~25年未満
25年~30年未満
30年~35年未満
35年~40年未満
40年~45年未満
45年~50年未満
0
100
200
300
400
500
600
700
公立学校施設実態調査を元に作成
老朽化対策の必要性
安全面 :外壁・窓枠の落下,構造体としての強度の低下
(安全面での不具合:約1万4千件(H23)) ※小中学校2校あたり1件発生
機能面 :雨漏り,設備機器や配管の破損,トイレの衛生や
バリアフリー,近年の教育内容・方法への不適応
(機能面での不具合:約3万件(H23)) ※小中学校1校あたり1件発生
環境面 :省エネ化されておらず,エネルギーの無駄が大きい
財政面 :今後老朽施設が大幅に増加し,膨大な更新費用が必要
外装材の著しい劣化
老朽化により
モルタルが落下
劣化による配管破損
職員トイレの給水管から赤水が発生
照明安定器が破裂(築41年)
尿石によるトイレ詰まり(築34年)
公立小中学校の今後30年間の改修・改築経費の試算
20,000
(長寿命化改修を行わない場合)
(億円)
改築費
改修費
今後30年間に必要な改修・改築経費
約38兆円
建築費
改修費+改築費(今後30年分平均)
15,000
建築費(過去10年分平均)
今後30年間平均
1兆3千億円/年
過去10年間平均
8千億円/年
10,000
5,000
S24
S26
S28
S30
S32
S34
S36
S38
S40
S42
S44
S46
S48
S50
S52
S54
S56
S58
S60
S62
H1
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
H21
H23
H25
H27
H29
H31
H33
H35
H37
H39
H41
H43
H45
H47
H49
H51
H53
0
※ 平成21年度以前は地方教育費調査による。
平成24年度以降は公立学校施設実態調査、学校基本調査等を元に作成。
長寿命化改修について
1.長寿命化改修とは
◆老朽化対策を効率的・効果的に進めるための新しい改修方法。
コストを抑えながら建て替え同等の教育環境の確保が可能。
◆適切なタイミング(築後45年程度)で長寿命化改修を行うことで、
その後30年以上、建物を使い続けることができる。
2.長寿命化改修のメリット
① 工事費用の縮減、工期の短縮が可能
・構造体(柱やはり)の工事が大幅に減少するため、工事費用が建て替えと
比較して4割程度縮減。
② 建て替えた場合と同等の教育環境の確保が可能
・ライフラインや仕上げ、機能の一新が可能
・間取りを変更することも可能
③ 廃棄物量が少ない
・排出する廃棄物が少なく環境負荷が少ない
・廃棄物処理に係るコストの削減が可能
※「学校施設の長寿命化改修の手引」を平成26年1月に公表
・長寿命化改修の意義や効果、手法についてQ&A形式で解説
・図面や先進事例に関する写真を多数掲載
【本文URL(文部科学省ホームページ)】
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/027/toushin/1343009.htm
長寿命化改修の工事内容について
◆建物の耐久性を高めるもの
・ 構造躯体の長寿命化を実施するもの
(コンクリートの中性化対策や
鉄筋の腐食対策等)
・耐久性に優れた材料等を使用するもの
(劣化に強い塗装・防水材等の使用)
中性化対策のための抑制剤や
アルカリ性付与剤の塗布
排水管
耐久性に優れた屋根材の一例
(カラーガルバリウム鋼板)
給水管
・ 維持管理や設備更新の容易性を確保するもの
改修前
・ 水道、電気、ガス管等のライフラインの更新
改修後
埋設されていた配管を
改修の際に露出化
◆現代の社会的要求に応じるもの
・ 少人数指導など多様な学習内容、学習形態
による活動が可能となる環境の提供
・ 断熱、二重サッシ、日射遮蔽等の
省エネルギー対策
様々な学習内容・学習形態に対応
できる多目的スペースを整備
外断熱、自然光利用、
自然換気などのエコ改修
長寿命化改良事業について
大規模改造(老朽)
趣旨
経年により、通常発生する学校建物の
損耗、機能低下に対する復旧措置等
長寿命化改良事業
改築
構造上危険な状態にある建物や、教育
建物の耐久性を高めるとともに、現代の
を行うのに著しく不適当な建物で特別の
社会的要請に応じた施設への改修
事情があるものの改築
補助率
交付金算定割合
33.3%
33.3%
33.3%
地方財政措置
なし
40.0%
40.0%
実質的な地方負担
66.7%
26.7%
26.7%
上限額
2億円
なし
なし
下限額
7,000万円
7,000万円
なし
・建築後40年以上経過したもの
・耐力度調査の結果、基準点以下となっ ・危険建物の改築
たもの
耐力度調査の結果、基準点以下となっ
たもの
・外部及び内部の両方を同時に全面的
・不適格建物の改築
に改造するもの
Is値がおおむね0.3に満たないもの、又
は保有水平耐力に係る指標(q)の値が
おおむね0.5に満たないもの
・建築後20年以上経過したもの
補助要件
補助単価
17
改築単価(約15万円/㎡) × 53%
17
改築単価(約15万円/㎡) × 60%
17
改築単価(約15万円/㎡)
(参考事例①)校舎の長寿命化改修
~報告書「学校施設の老朽化対策について」より~
愛知県 北名古屋市西春中学校
特色
・昭和30年代築、「暗くて狭い」「夏暑く冬寒い」など十分とは言えない環境
・全面的に改修し、耐震補強やコンクリートの中性化対策とともに、
多目的スペースの整備や温熱環境の改善を合わせて実施
⇒子供たちの学習・生活環境を改善
既存校舎を活用しながらこの先も永く使用できる学校に
改修前
改修後
改修前
改修後
12
(参考事例②)体育館の長寿命化改修
~報告書「学校施設の老朽化対策について」より~
福岡県 八女市福島中学校
八女市福島中学校
特色
・昭和36年築で老朽化が著しい状況となっていた
・十分な予算もないことから、建て替えではなく、耐震補強を行った上で改修を実施
⇒新築同様に改修
授業や部活動の充実、地域開放の促進へ
改修前
改修後
改修前
改修後
13