1981/NO470 - 日本森林技術協会デジタル図書館

昭和26年9月4日第三種郵便物認可昭和56年5月10日発行(毎月1回10日発行)通巻470号
■1981/NO470
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ISSNO388-8606
牛方式5分読コシパストランシット
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両面水準器/ミラー付
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■コンパス測量はもとより、水準測定、
水平分度による測量と、トランシット
と同様の測定ができます。
■高感度の両面気泡管、鋭敏な磁針を
電磁誘導により迅速に静止させるイン
ダクションダンパー、糸切れの心配のな
い硝子焦点鏡等々ウシカタの測量器は
精度と機能をさらに理想に近づけました。
■望遠鏡I2倍、水平角分度遊標読5分
(ワンタッチ帰零)。望遠鏡気泡管両面
型5定嚇ミラー付。重量1.3吟。
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〒I46東京都大田区千鳥2-12-7
TEL.03(750)0242代表
性を追求した
ウシカタの測量。測定器。
■
繍業凝議
目
次
5.1981Nq470
<論壇>
林業の生産と流通を結ぶ問題
鈴木尚夫・・・2
全国市町村有林めぐり/青森市有林
公益的機能の充実を指向…・…・….
青森市役所耕地林務課…7
大規模山林所有者の経営と技術
一横井家100年の変遷(2)
有木純善・・11
第92回日本林学会大会報告
16
物語林政史
第十六話その一力みすぎ空振り三振と流打ちの
本塁打一初代法学士局長の登場……・手束平三郎…30
山・森林・人
にがい春
岡村誼…32
鳴子の四季
2木の芽ひらく
西口親雄…34
表紙写真
第28回森林.林業
写真コンクール
3席
「オオルリの親子」
商尾山にて
東京都八王子市
伊藤和足
激
<会員の広場>
任地ホンジュラスの森林
野田直人…43
JoumalofJournals
36
ミクロの造形(病原体の素顔)
40
農林時事解説・…・・……
38
本の紹介・………..…・−…
40
統計にみる日本の林業
38
こだま…………..………
41
林政拾遺抄………“..…
39
技術情報..…・…・…・・・…・・・
42
第28回森林・林業写真コンクール入選者の発表……・……………−…
第36回通常総会ならびに創立60周年記念式典関係行事のお知らせ
45
46
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の●今●■●■由ロ。■■色、■■ー1■■■
論壇
各 一 色 ■ 口 ■ ‐ ‐
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林業の生産と流通を結ぶ問題
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す ず き ひ さ お
鈴木尚夫*
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資本の戦略論と国の
55年度の林業白書によれば,国産の丸太生産量は53年度の3.5%増
政策論
に当たる3,327万]n3となったが,国産材の自給率は30.8%とさらに低
下した,と報告されている。需要量は横ばい状態を続けているのに,絶
対量の減少が続いてきた国産材供給のこれまでの傾向からみれば,シェ
アーの低下はともかくとして絶対量が増加したことは,一つの明るさを
与える事実として評価されてよいだろう。しかしこの増加が今後の傾向
として定着してゆくものであるか否か,それを判断する資料は提供され
ていない。国産丸太生産の底のわからない低下傾向に歯どめがかかった
のかどうか,この点は国産材市場の維持拡大を謡った54年度の白書を
引き継ぐものとすれば,かなり重要なポイントであるからもっと詳しい
分析がほしかった。
さて,昨年度白書が提起した地域林業の振興政策にもからんで,国産
材市場拡大についての戦略論争が,本誌の論壇で開始され,さらに広が
って昨年秋の林業経済学会「『地域林業』と林業生産力一主産地形成
論の課題」に及び,またまた雑誌『山林』の「日本林業の進路を探る」
座談会においてくりかえされている。周知のように赤井氏の「木材需給
の動向と我が国林業」によせた野村氏のコメントに端を発するいわゆる
並材供給システム化論と銘柄材主産地形成論の論争である。この論争は
かなり長く続きそうな気配である。だが,論争の焦点はどこにあるの
か,なぜこの問題がいま論じられなければならないのか,判断に迷われ
ている読者も少なくはないと思われるし,また政策論争のような様相も
みられるので,流通問題にはうといという前提をおきながらも,私なり
の論点整理をして読者の参考に供してみたい。
詳しくはまた後でみることにして争われている問題は,外材が70%
の領域を占めているわが国木材市場に,国産材の領域をいかにして拡大
してゆくか,という戦略論争であることに間違いはあるまい。並材市場
で外材と競争し,これにうち勝とうという赤井氏の戦略は「日本林業の
衰退」を招きかねない無謀な戦略だ,と野村氏は主張される。
*林業文献センター
ところで,市場戦略問題について,時代も事情も大きくこの問題と異
3
なるが,ある点では参考となりうる歴史的な1つの事実がある。それ
は,第一次世界大戦後ナイロン生産技術が開発され,アメリカの絹織物
かくちく
市場を舞台にわが国の伝統的な絹織物とナイロンが死活の角逐を演じ
た,あの市場競争である。この競争を分析した論文1>はつぎのようにい
っている。「関西型の指導形態にあっては,婦人用平編型の高級薄地靴
1)山田勝次郎:「米と繭の経
済稚造」,岩波書店,昭和17
年,156∼157頁
下の独占的原料となるべき高級格生絲が生産目標となってきたために,
一方の製絲過程では,多條繰絲機の導入を基軸とする製絲技術の高度再
編成が敢行され」「之に反して関東型にあっては,大衆用の各種丸編型
靴下および広幅物の原料となるべき並格および裾物生絲の大量生産が目
標とされてきたが故に,製絲技術においては多條繰絲機の導入を基軸と
する高度化が急速化せざると共に,また特約組合に対する技術指導にお
いても,条桑育および平飼の如き,粗放な経済的飼育法の普及が容認さ
れてきたのである」。
ナイロンに対する競争では高級品化をいっそう促進する戦略と徹底的
な大衆品化をすすめる戦略が,同時併行的に展開されている。この2つ
の戦略を指導したのは「大規模製絲資本に外ならぬ」のである。そして
また2つの戦略を規定したのは繭の生産力段階にみられた類型一関西
型と関東型一であった。換言すれば生産力段階によって識別される関
西型構造と関東型構造を基礎として,ナイロン生産資本と闘うわが国の
大製絲資本が,樹立した2つの市場戦略だったのである。市場は単に供
給と需要が出合う場ではない。生産者を異にする多量の商品が,自らの
価値を実現するために命がけの競争をする場であり,競争に敗れた商品
は市場から姿を消さなければならない。商品の闘いはすなわち資本の闘
いである。
このようにみてくると,市場戦略は資本(家)の戦略なのであって国家
の政策とは次元を異にするものであることが,まず第1に理解されるだ
ろう。このように資本の生命にかかわる市場戦略に,なぜ「政策」は
ようかい
容隊しなければならないのだろうか。
国産材市場の拡大のための戦略を論ずるに当たって,赤井・野村両氏
は,どのような主体をその担い手と措定しているのであろうか。くりか
えして言うように市場は資本と資本の命がけの競争の場である。外材市
場を掌握しその戦略指導に当たっているのは大商社資本であろう。この
大商社資本に対抗し,彼らが支配している市場をきり取ってゆくために
はそれにふさわしい「主体」,噴本」が存在しなければならない。主体
がなければ,いかに立派な戦略があったとしても画餅にすぎないだろ
う
。
野村氏の所論に明確なこのような意味での主体を読みとることは困難
なようである。主産地形成の代表例としてたびたびあげられる吉野林業
について注意深く読んでも明確には表われてこない。いわゆる吉野材を
市場競争を担う
主体は誰か
4
出荷する製材資本なのか,吉野の林業家(森林所有者)なのか,それと
もそれらを統合した主産地のリーダーたちなのか。強いて「こういった
施業法によってこれまで長い年月にわたって施業が行なわれてきている
結果,間伐木といっても銘柄材が生産されるものが多い」という記述か
ら推察すると,主体を林業家に措定されているようにもうけとられる。
もしそうだとすれば林業家が製材資本を従え,主体的に戦略指導を行な
って,外材輸入の商社資本に対抗するという織図になるだろう。社会的
性格として,山林家に市場競争を指導する能力・資質を期待することが
できるだろうか。
赤井氏の所論では一応主体を措定しているようにみられる。それがシ
ステム化論であろう。システム化論は,木材生産が森林所有者・素材業
者・製材業者・流通業者などばらばらな経済主体に担われていること,
そのために経済的効率が著しく損なわれているという認識が発想の基礎
となっており,「全体を相互に関連づけつつ改善する」と定義されてい
る。このシステム化の上に主体を設定しようとするのである。それをオ
ルガナイザーと呼ぶ。「オルガナイザーについては,市町村・森林所有
者・森林組合・製材業者等,地域によって異なった主体がその機能を担
2)赤井英夫:「木材需給の動
向と我が国林業」日本林業調
査会.昭和55年,215頁。
うことができるものと考える」2)わけである。
この所論を構図化すれば,市町村・森林所有者・森林組合・製材業者
などの混成部隊が各地域で創意をこらしたそれぞれの戦術で大商社資本
に対抗する,ことになる。このような混成部隊に並材市場の攻略をめざ
す戦略を課すことができるだろうか。オルガナイザーと市場競争を担う
主体は別である,と追加意見をもしだされたとしても,上述の構図に大
きな変化はおきないだろう。
もう1つ赤井論文で注意を払っておかなければならないことは,国産
材の生産にかかわる一連の経済主体をシステム化しうると考えられてい
るようであるが,それは大製絲資本が蚕種業者。養蚕農家などをシステ
ム化しえたような前にひいた例の事情とは全く異なった,システム化を
阻害する要因が含まれていることに,全く気付かれていないことであ
る。森林所有者と伐出・加工資本の対立,これである。この問題につい
ては,また後にのべることにしよう。
具体的な市場戦略問題に深入りするほどの知識もないし,その意欲も
ないが,野村・赤井論争のすれちがいのもととなっていると思われる1
つの問題にふれておこう。それは野村氏は赤井説を,野村氏が銘柄材を
重視すると同じ意味で「並材重視」と理解されているようであるが,私
の読み方では野村説一銘柄材重視,赤井説一並材重視と同じ次元に
両者をならべることはできないように思われる。赤井氏が市場を問題に
するのは,並材を積極的に大量生産して市場競争にうち勝つのではな
く,並材にしかならない製材原木が多量に紫材市場にでてくるだろう,
製材業者はこの原木を製品化しなければならないという認識が並材重視
5
とうけとられる,いわば誤解の因となっているのではないだろうか。粗
放な森林経営一品質の余りよくない素材一並材の生産を奨励してい
るのではなく,戦後の大部分の造林地は並材の原料を大量に出さざるを
えないだろうというところから立論する。これに対して野村氏の場合
● ● ● ● ● ● ● ● ● 、 ● 旬
は,銘柄材の生産を積極的に推進し拡大すべきである‘という立場をと
る。銘柄材生産の道は,製材過程をこえて,集約な長伐期の森林経営に
までさかのぼらなければならない。この発想地点の相違を明確にしない
で,並材重視か,銘柄材重視かと判断を求められても,判断に困惑する
というのが正直なところではないだろうか。
やや枝葉にわたるコメントになったので以上のことを一応要約してお
こう。市場競争についての戦略は,競争当事者すなわち資本の最重要課
題に属するものであって,特殊な事情がない限り国家政策が安易にこれ
に容隊すべきではないことの認識が第1点,特別の事情に基づいて戦11W
諭を展開するとすれば,それを担う主体をlリ1確に措定しなければ,無意
味な論議に終わるだろうとの指摘が第2点である。あらかじめ断ってお
いたように,私なりの整理にすぎないが,両氏の所論には以上のような
基本的な視点が欠落していたのではないだろうか。
市場戦略・戦術の位置付けや考え方については,ほぼ以上で整理をな
し終わったわけであるが,まだ1つ問題がのこされているようである。
野村・赤井氏ら−両氏に限らず同じ流れの思考をする人がかなり多い
と思われる−が,流通政策論の領域をこえて運動論の範囲に属する戦
略論になぜふみこんでしまったのか。資本に代位して,戦略論を展開し
なければならない「特別な事情」があったのではないだろうか,という
疑問である。この問題を全面的に解明することは,きわめて困難なこと
である。だが紙幅の許すかぎりあえて試みてみよう。
特殊な事情とみなしうることの1つに,外材市場を掌握する大商社資
本に対して,国産材市場の拡大を「己が生きる道」とする有力な経済主
体が欠けていること,をあげなければならないだろう。主体たりうるも
のをもし考えるとすれば,製材資本家層,素材生産資本家,森林所有者
層などであろう。周知のように木材需給政策が外材依存政策に転換して
以来,素材生産,国産材製材資本に対しては切りすて政策に等しい政策
がとられ,外材製材資本を育成することに力が注がれてきた。国産材製
材資本は中小規模ないし零細なものが圧倒的に多い。素材生産資本も同
様である。すなわち,国産材の伐出・加工資本は自らの利益を代表して
主張する指導者をもちえなかったのである。森林所有者は資源政策に庇
誰された結果,零細所有が数の上では多いとはいえ,巨大な大山林所有
層をもち,経済的に政治的に自己の利益を主張する指導部をもってい
る
。
ところで,国産材に己が生きる道を最も強く託すものは森林所有者で
林業における生産と流通
6
あって,伐出・加工資本は,資本としての性格からいって転換の自由度
は大きいとしなければならない。とすると,森林所有者層が,大商社資
本に対抗する構図になるが,森林所有者は,伐出・加工,少なくとも伐
出の過程を媒介しない限り商社資本と直接の対抗関係にはたちえない。
市場で競争するのは伐出資本と輸入商社資本かまたは国産材製材資本と
外材製材資本かに限られる。森林所有者が外材と対抗するためには,ど
うしても伐出資本または伐出.加工資本との連合を組織しなければなら
ない。ここにシステム化の論拠がある。だがそれは尋常の道ではない。
● ● ● ●
なぜなら森林所有と資本の異質なものの結合だからである。わかりやす
い例をとろう。国産材販路拡大という共通の利益で森林所有と製材資本
が連合組織をつくったとしよう。森林所有者は優良林木の造成に努力す
る。そして銘柄材を生産するに至ったとしても製材資本は平均利潤をう
るにすぎない。森林所有は超過利潤を地代として吸収してしまうのであ
る。また製材資本は平均利潤をうるが,森林所有者だけ地代が下ること
もありうる。製材資本の合理化努力は,資本に超過利潤をもたらさず,
地代に転化する経済法則が貫徹する。こうした全く異質の経済主体をシ
ぎまん
ステム化しうるとする説は,私には欺I職としか思えないのである。
それはとにかくとして国産材の市場拡大を担いうる有力な経済主体を
現在見いだすことができないという事情が,政策論をとびこえて市場戦
略論にふみこませた大きな理由だったと考えたい。
もう1つの理由は木材市場における商品生産の競争と森林造成におけ
る優良林木の造成との問題を混同したことにあったのではないだろう
か。この2つの問題はきわめて類似していながら異なる性質のものであ
ることを理解しておかねばならない。優良または高級という概念は製品
市場の場合と森林または立木の場合とは異なるのであって前者にあって
は現実の需要が具体的に決定してゆくものであるが後者にあっては,常
に可能性としてしか存在しない。技術的にみて優良な森林または立木
は,商品としての優劣を判定されるのは製材.加工を経て市場に現われ
た段階なのであって,需要の動向によって,優良林木も並材と同じ価値
に判断されることもありうるし,その逆の場合もありうる。つまり,優
良森林の造成という技術的な要請ないし課題力弐,ストレートに市場問題
につながったのではなかったか。
さて,結論に入ることにしよう。
一般に林業経済においては,55年度白書などに典型的にみられるよ
うに所有.生産・流通の概念がきわめてあいまいである。素材生産.製
材を流通部門に含ませる例はしばしばみられる。このような概念規定の
あいまいさは,林業の経済機造の究明を大きく阻害するものとなってい
る。経済構造に対する理解を欠いて流通問題を論じうるだろうか。もち
ろん流通部門それ自身研究の専門分野たりうるが,少なくともそのベー
スには生産構造論がなくてはならない,と考えるのである。<完>
7
全国市町村有林めぐり③青森市有林
青森市役所耕地林務課 ’
’
公益的機能の充実を指向
全国の森林面積の約1割を占める公有林の存在とその動向
は,木材資源としての自治体の財政,住民福祉への寄与という
面からも,最近ますます重要性が高まり,関心が持たれていま
す。本誌ではこのうち比較的その実態が知られていない市町村
有林に焦点をあて,各地の多様な公有林の現状をレポートし,
今後の公有林の在り方と可能性を探ってゆきます。
青森市は,人口288千人,面積69,347haを有
し,うち約75%に当たる52,027haが林野で占
め,面積のうえでは東北で有数の林業都市となっ
ているが,国有林の比率が高く(61%),民有林は
経営規模の零細性(1戸平均1.7ha),生産基盤
の未整備(林道密度1.64m/ha)などから造林が
停滞し,人工林率31%と低い。また,人工林,天
然林を問わず,大宗をなす個人有林は戦後大字お
よび字有の分割により成立し,採草地から転換さ
森市隣接14町村が合併したことによって,山岳
れた原野雑木林が多いため,森林資源が劣弱でそ
地帯を含み現在806haの市有林野を保有するに
至った。その市有林形成の過程を見ると,昭和40
の充実が最大の課題とされている。したがって地
域林業振興上整備の進んでいる市有林の存在意義
れ以降は公共的利用を目的に取得されている。
は大きく,この概要について述べたい。
1)町村合併特例法に基づく国有林の買受
1.市有林の概要
昭和41年旧野内村との合併により,青森営林
1.市有林の成立
青森市保有森林は,明治40年水道布設と関連
して取得されたのが初めで,次いで町村合併法に
基づき,昭和26年から昭和37年にかけて,旧青
表・1青森市の所有形態別森林の現況
而
諦
面 識
所有区分
計
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総 計
8
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蓄
人工
林率 針莱樹
al60
h”行鑓
人工林 天然林
年代前半は市の基本財産の造成を目的に,またそ
% 千m割
27.9
96.2
391
38
32.0 1,092
局から2団地516haの森林を買受した。
2)開拓地付帯林の取得
昭和42年中規模開拓パイロット事業実施に伴
って付属防風林および土砂打止林48haを青森県
より買受した。
溌
函国
ha当
3)寄付による取得
たり
蓄讃
昭和53年森林造成を条件に合子沢財産区から
千m3
雛
3,543
42
1,882
1,521 3,946 5
,
4
6
7
1
’
132haの寄付を受けた。
4)墓地公園付帯緑地
昭和42年新たに大規模墓地造成を目的に取得
した106haのうち付帯緑地61haの森林を所有
8
するに至った。
(2%となっている。
5)競輪場付帯森林
齢級構成を見ると若齢林が多く,Ⅳ齢級以下が
昭和52年競輪場移転用地として,旧官行造林
2.直営部分林
84%を占め,Ⅷ齢級以上は5%にすぎない。また,
天然林はミズナラ,ブナを主体とした広葉樹から
なり,齢級構成はX齢級の用材林は35影,Ⅳ∼
Ⅵ齢級のシイタケ原木適林も多く,伐採跡地は樹
地元施設要綱に基づき,国有林野地元対策とし
種更改対象となっている。
地67haを新城財産区から寄付を受けたが競輪場
付帯地45haは森林として経営する。
て’部分林設定計画が立てられた520haのうち
水源林は,水源地,導水路沿線および浄水場周
辺の環境保全林としてほとんど人工植栽されてい
最終的に部落と契約されなかった85haについ
て,また,昭和49年1.11村振興計画に基づく58ha
る。また,農地保全林は防風林および土砂打止林
について,市直営部分林として経営している。
に区分され,前者は人工林,後者はミズナラを主
3.分収造林
体とした天然林である。
昭和34年財産区有林の造林推進のため,八重
さらに,環境保全林は,新競輪場の周辺の,カ
菊財.産区と48haを,また昭和44年官行造林地の
ラマツ人工林,墓地公園の,ミズナラ,アカマツ
伐採跡地造林のため223haの分収造林契約を新
を主体とする天然林からなり,それぞれ目的に沿
城財・産区と締結した。
った森林の管理を行なっている。
2.森林の概要
3.施業の方針
1.森林造成を目的とする林野
保有森林を目的別に区分すると,表.2のとおり
であるが森林造成を目的とする林野は,職種的に
1)市有林
広葉樹から針葉樹に転換し,人工林率は55%とな
基本財産の造成を目的としており,用材林576
haのうち人工林411haについては,輪伐期45
年として,年間伐採面積10haを目標に積極的に
っており,種樹区分は,スギ77%,アカマツ(ク
ロマツを含む)12影,カラマツ9%,その他と上
鳳
鮒
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種 別
ムエ林│天然林簿|‘↑’
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針葉樹広葉樹
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尺
土
緬
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ha
部分林
234
7,986
2,663
15,306
15,306
計一癖︾函︾|雌
”
│
分収林
79511,868
766
目的別
その他
76
表・2保有森林等現況表
積
針葉樹
参考
備 考
委託部分林
|
市有林内
’管理受託林
9
人工造林を進め,102haの天然林については,伐
…
へ瑚圏
を図る・また,新炭林63haについては輪伐期25
年とし,薪炭材およびしいたけ原木等の供給のた 錨 、 認
め年間伐採面砿3haを目標として経営に当たる。
なお,道路敷および貸付地は8haとなっている。
篭ざ"
迩配
礎
心
●
︽夢
︽守一︾
一.﹄一
林産物の搬出および造林ならびに林野の管理等
ha当たり26mをha当たり30mに向上させる。
瓢
雄
a.林道網の整備
に活用するため,林道の開設に努め現林道密度
別
蝿建溺
期75∼150年としてヒバおよび有用広葉樹の育成
謹
垂
電熱&
‐
弓削
月見野森林公閲
b.造林の推進
用材林の伐採跡地および林種転換可能林分につ
ついては,今後ともそれぞれの目的に沿った整伽
いて,積極的に人工林への転換を図り人工林率
を図り,地域住民の要請に錐づき森林の持つ,さ
65%に向上させる。
植栽,樹種は適地,適木を原則とするが,乾燥
地および高山帯を除き可能な限りスギとし,また
峰筋には原則として保護樹帯を保残する。
C.保育管理
民有林の模範となる優良造林地造成のため,林
木の生長と環境を加味し,下刈り,つる切り,除
伐等を遅れのないよう実施する。
まざまな働きに対する調和のとれた管理を行なう
考えである。
4.市有林野の市民への寄与
水道部の水源林のほか,市有林の歴史が浅いた
め実績は少ないものの次のことが考えられる。
(1)地元産業の育成
昭和41年森林取得後,ヒバおよびスギを主体
に53千Xn3の立木を売り払ったことにより,地元
2)分収造林
木材産業の発展にまた国有林野時代からの慣行に
分収造林契約に基づき,新植および保育管理を
基づき,地元部落民に薪炭材を供給していること
徹底させ優良造林地の育成を図り地域の造林意欲
により木炭生産が継続している。
の高揚に資するとともに財産収入の増大を図る。
(2)林業従事者の雁用
伐期は,スギ45年,アカマツ45年,カラマツ40
年とする。
なお,八重菊分収林については,‐│-和田八幡平
国立公園入口に位置し観光客の入込みも多いこと
から慎重な取扱いを必要とし,また,新城分収林
昭和42年以降470haの新植を実施し,それに
伴って保育事業が拡大したことにより,地元林業
労働者の就労の場が拡大し所得の向上に資した。
(3)道路網の拡充
昭和42年以降,市有林関連林道5路線15千m
は,宮行造林地伐採後返地され次第追加契約の予
鮒設されたことによって,住民の生活ならびに腿
定となっている。
業および林業等産業避難が充実した。
3)直営部分林
(4)保健休養施設の利用
国との部分林設定契約および市設定条例に基づ
墓地公園背後地61haに,昭和53年度から昭
き徹底した保育管理を行ない,管内29委託部分
和54年度,第二次林業椛造改善事業の森林総合
林組合の模範となる優良造林地の造成を図る。現
利用促進盤備事業等で(通称,月見野森林公園),
在は植栽を完了し保育実施中である。
遊歩道,林間広場およびキャンプ施設等を整備
2.農地保全等を目的とする林野
し,市民に開放した結果,小中学校の遠足,子供
森林造成以外の森林として,水源かん養,農地
会,家庭キャンプ,サイクリングなど,年間5万
保全および環境保全を目的に造成している森林に
人の利用者がある。
10
§
”
│
”
別
面一卵
表・3将来計画
膳
分収林
303
197
直営部分林
皿4
1“
|
925
’
h3
106
7
,
割
保安林
一
標
│
現
ha
385
100
−
計
1.031
腿地保全 ’開 拓 地
48
1
36
墓地公園等
100
森林公園
’
5
5
1
−
斑境保全
小
計
分 収 林
小
浅虫地区,生活環境保全林
整備事業予定地(一部)
合
’
一
36
31..3
3
1
95.6
'
5
5
1
1
6
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1
’
−
439
385
63.5
7.9
24
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5
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5.市フ
5.市有林経営の意義
△10
1010■IⅡ411101日■日凸■二I
そ
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他
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万
収計一計
部分林
52
’
100
52.3
275
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競輪場
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52
叫一型矧
水道部
水源林
11
小
100
155
222
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市有林584
況
│
増
5
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ha
森林造成
秋
職
,
人
工
撚
率
卜
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ha
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280
130
25
197
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7
1
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0
5
4
1
ha
280
−
749
305
②都市近郊は,市民レクリエーションの場と
経営規模の零細性,資本回収の長期性に加え近
して活用を進めるため目的に沿った林業経営を図
年めざましい経済の成長に伴って,農山村労働力
が都会に流出し,林業労働力の確保が難しく造林
る。具体的には’月見野森林公園内に,記念の森
の造成,花木等の植栽,運動広場の設置等継続し
経費等が上昇する反面,木材価格が低迷する現況
て整備を図り,市民に親しまれる森林公園として
から林業経営が困難となっている。
位置付ける。
一方都市開発の進展から森林の効用が再認識さ
また,浅虫地区には県で実施する大型水族館背
れ,本来の木材生産より公益的機能の充実を望ん
後地150haの山林(財産区有林に地上権設定等)
でいる。
について,昭和56年度から生活環境保全林整備
このような市民の要望に対して,市有林を含め,
事業により,林間遊歩道,運動広場,花木の植栽
公有林の経営目的は,従来の基本財産の造成から
公益的機能の高揚に重点を置き,森林内容を充実
等を実施し,海と森林と調和のとれた森林公園整
させて林業生産力の向上を図るべきと考える。
6.将来構想
さきに述べたとおり,森林経営の意義の変化が
見られ特に本市の場合歴史のある古い都市と違っ
備を図る。
さらに,昭和58年春オープン予定となってい
る競輪場周辺山林についても市民レクリエーショ
ンの場として整備を図る等市民の保健休養施設を
充実する考えである。
て公有地等が少ないことから市街地に緑地が少な
③林道等,生産基無対策ならびに山林の環境
い。その半面周辺山岳は緑豊かな森林原野となっ
整備対策などから民有林の振興策の財源に充てる
ており,これら山林の資源の充実を図る必要があ
ため,人工林,年間約23haの伐採収益を充て
る。
る。そのため人工林面積411ha,その他分収林
①今後人口の増加によって,需要増が予想さ
れる水資源の確保ならびに土砂流出防止のため積
極的に奥地林を保安林に指定し機能の充実を図り
たい。
を市持分に換算した人工林面積を含め1,066ha
以上とする考えである。
(青森市役所耕地林務課)
11
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あった。①昭和20年代の末に木頭の入口にある
第2章横井家林業の展開期
前月号でみたように,検井家は木頭林業を創築
長安口にダムが設置され,木材の流送が不可能と
なり,木材はダム補償金で開設された道路をトラ
した群像の中の雄であり,横井家の巨大な林業は
ックで運送されるようになった。そのため,長い
明治6年以降3代目定吉氏と4代目定吉氏の2代
間の下流業者による木頭林業支配の物質的根拠で
にわたる努力によって創りあげられたものであっ
あった流送路支配つまり独占集荷体制が崩壊した
た。
こと。②戦時統制下に義務付けられた木材の検尺
さて,4代目定吉氏は昭和17年に没するが,そ
制度と木材価格の協定制度が木頭に定着したた
の跡を引き継いだのが5代目次郎氏である。その
め,戦前の慣習であった材積の目測や相対取引き
引継ぎの時期は第2次大戦の直前であったので,
による木材の安値買いなどで有利な取引きをして
次郎氏は,当初から統制経済という異常な波をあ
いた下流業者が,戦後になって木材取引のうま味
び,そして敗戦°復興という多端な時期に遭遇し
を失ったこと。③戦後における食糧事情の好転で
た。氏は昭和49年に6代目悌一郎氏へ経営を渡
焼畑耕作の必要がなくなったため,下流業者の林
すまでの波乱の34年間を機井家の総師として乗
業経営を支える根拠となっていた焼畑造林が消滅
りきっていくのである。
し,育林の経営費がかさむようになったこと。④
第1節木頭林業の構造変質
戦後に木材価格が高騰したので,山元の山林所有
那賀川河口に居住する木材業者(以下では「下
者の自立化が進み,彼らの下流業者への依存度が
流業者」と呼称する)は,明治期以降,木頭材の
低くなったこと。
流通過程での利潤獲得を足場にして木頭へ進出し
このような変化により,下流業者は,木頭材販
ていき,木頭林業の生産・流通・加工過程の完全
売の要衝である那賀川河口に居を据え流通過程で
掌握を昭和戦中期までに実現した。その際彼ら
の利潤獲得を足場にして木頭林業を支配・掌握し
は,戦中期の追補責任組合(木頭森林組合)によ
ていく根拠を失った。そのため,流通・加工面の
る民有林の生産統制や,木材統制法で設立された
営業を切り離して林業経営に純化したり,居を那
那賀川木材生産組合による木材価格協定などの制
賀川河口から徳島市や阪神地区へ移す下流業者が
度を十分利用して木頭林業の完全制圧を果たした
続出した。かくして,昭和30年代以降の木頭林
のである。
業は,村外在住の大山林所有者が多い,わが国の
ところが,第2次大戦の敗戦後10年位の間に,
戦前の木頭林業を特徴づけていた下流業者による
どこにでもみられる林業地帯に変貌したのであ
る
。
木頭林業の全過程の支配という構造が崩壊したの
第2節過渡期における5代目次郎氏の活躍
である。それは以下のような変化に基づくもので
次郎氏の戦中期から戦後期にかけての活躍はめ
12
ざましかった。横井家林業の基撚は引継ぎ時には
になって生産組合解散前の昭和22年に那賀川林
すでに強固なものとなっていたので,それを背景
材株式会社を設立していた。この会社は,生産組
に30歳になったばかりの大阪商大出身の次郎氏
合の構成員であった14業者が資本を出しあって
は,下流業者の若きリーダーとして身を時流の中
大規模な素材共同仕入れと製品共同販売を行なう
へ投じていった。
ことをめざしたものであった。そこには,戦後の新
まず,次郎氏は経営を引き継いだ直後の昭和17
しい事態の中で那賀川下流域の大手業者の資本力
年に,木材統制法で設立された徳島県木材株式会
を結集して新しい原木市場と製品市場を開拓し,
社の下請機関である那賀川木材生産組合の専務と
自らの支配力を強化し,ひいては日本の木材業界
なり,木頭材の集荷・配給に腕をふるった。当
をリードしていこうとする勇壮な意図が読みとれ
時,木材統制の方法として製材業など木材関連企
る。まだ30歳台末であった次郎氏の野心と活力
業の統合方針が示されていたが,次郎氏らはそれ
を-卜分うかがうことができる。当時の様子は『木
に強く反対して個別企業を存続させ,統制を原木
頭林業発達史』(林業発達史資料第78号230頁以
の集荷・配給に限定させた。この原木の集荷・配
降)に詳述されているが,この会社は那賀川流域
給機関が前述の那賀川木材生産組合であった。こ
のみならず和歌山県をはじめその他の県からも原
の生産組合は大手下流製材の14業者によって設
木を共同仕入れしたり,また,大阪に共同販売所
立.運営されたものであるから,裏面から見ると
を開設して消費者直結による販売拡大を図った・
この生産組合は,新しい業者の木頭への進出を阻
だが,当時の激動する経済の波に十分対応できず
止するとともに自己統制によって大手下流製材業
事業成績が上がらないため,会社は昭和27年に
者相互の競争を回避して原木価格を押える機能を
解散した。そのため,大阪に開設していた共同販
もったものといえる。これは,個別企業を守りな
売所は,次郎氏が井筒木材株式会社(現在の「横
がら当時の統制制度を利用して下流業者による木
井木材株式会社」)を設立して引き取り,付売問
頭林業の支配体制を維持・強化するという,実に
屋として営業した。
巧みなしたたかな行動であったo次郎氏はその巧
この会社の解散は,戦中・戦後の混乱期を前向
みな行動の主体であった生産組合の理事長に昭和
きに乗りきってきた次郎氏にとって初めての蹉跣
20年に就任している。
であり,この時以降数年の間,次郎氏にとって試
さて,敗戦によって舞台は一転するが,木材統
制は急には消滅せず戦後も暫時続き,那賀川木材
生産組合もしばらく機能した。次郎氏は生産組合
の理事長として,この混乱期の那賀川木材業界の
整序に腕をふるった。
練の時が続くのである。
第3節流通・加工業からの撤退と大阪への移
転
昭和20年代の末に,横井家は危機に直面した。
それはこうである。木頭の森林資源は戦中期の強
すなわち,上記の生産組合は原木の集荷・配給
制伐採や戦後の乱伐でしだいに澗渇してきてい
機関であったが,その一括取引きの相手であった
た。そのうえに戦後に中・小規模の製材業が叢生
木頭森林組合が山元山林所有者の自立化などのた
してきたので,昭和28年ごろから下流域の大手製
め統制力を失い,一方では生産組合内部に原木の
材業は深刻な原木難に見舞われた。また,第1節
配分量をめぐって抗争が生じたので,ついに昭和
でみたような戦後の木頭林業の構造変質のため,
25年に生産組合は解散することになった。だが’
下流業者は製材原木を以前のように安値で入手で
生産組合の理事長でもあり下流業者のリーダーで
きなくなり,製材業経営は苦しくなっていた。さ
もあった次郎氏は,これまでの生産組合の果たし
らに,このころから国税局による有力業者の税金
てきた役割を高く評価したうえで,やがてくる自
の一斉審査力ざ行なわれるようになり経営はますま
由経済への完全復帰を予測し,自らの発想で中心
す苦しくなった。そこで,次郎氏は下流業者の先
13
頭をきって合理化に手を付けた。すなわち,氏は
式会社の経営権も義兄に譲った。その結果,次郎
事業規模の縮小でこの危機を打開しようと考え,
氏は,木頭の所有山林3zFhaを経営基盤として
従業員(61人)の2/3を解雇・整理しようとし
育林生産と素材生産を営む林業経営者へと変貌し
た。これに対して,すでに地評系の那賀川木材産
たのである。林業経営を目的とする横井林業株式
業労働組合連合会の傘下にあった横井製材労働組
会社を創立したのもこの時期である。それまで下
合は,この縮小整理を全面的に拒否し,他の労働
流業者の代表格であった次郎氏は,この時以降一
組合の支援もあって,両者は激しく抗争した。団
1臆して林業経営者の立場に立ち,かつての対抗者
交の場で組合員に取り囲まれて長時間つるしあげ
であった木頭の山元大山林所有者たちと連合戦線
られたり,一時的に身を潜めざるをえない状況も
を組み,林業経営者として生産材をより高く売る
あったという。
という共通の利益を追求していったのである。
商大時代にはマルクスの「資本論」を読破した
そのことの現われ力宝,昭和31年の株式会社徳
という次郎氏も,現実に一方では経営不振に他方
島県原木市場の設立である。この市場は,山元の
では激しい労働攻勢に直面して,理論への理解と
林業経営者がその生産材をより有利に販売できる
自らの立場との矛盾を強く感じ取ったと思われ
ように,山元大山林所有者たちの出資によって小
る。争議は次郎氏の整理撤回宣言で終息するが,
松島市と徳島市に設立したものである。この市場
ここで氏は現状を冷静に分析して重大な決定を下
の設立には下流業者としてはただ1人次郎氏のみ
すのである。すなわち,次郎氏は,今回の争議は
が参加し,しかも氏は株主であると同時に市場の
単に横井家の経営事情に起因したのではなく戦後
社長に就任した。大多数の下流業者が崩れゆく伝
の木頭林業の構造変質に本質的要因があり,それ
統的な県荷.販売機構を固守しようともがいてい
ゆえにこれまでのように木頭材の流通・加工過程
た時期に,次郎氏は冷静な判断により先を見通し,
での利潤稚得を足場にして木頭林業を支配・掌握
林業経営者への鮮かな転進をみせたのである。
していくことはもはや成立しないということに気
ところで,製材・販売部門を切り捨てることに
付いたのである。そして,それならば利潤独得の
なると,それらの部門での利潤獲得のための要衝
見込みの薄れた流通・加工業からの撤退を早急に
として意味のあった中島の地は,今や営業の地と
実施すべきであり,また,流通・加工過程での利
しての価値を失うことになった。そこで,次郎氏
潤穫得のための戦略的要衝として価値のあった中
は,昭和31年に営業上便利な大阪市北浜に本社
島での営業にも固執する必要はないと考えた。こ
を移し,さらに,住居も横井家歴代の地である中
の結論は,藩政期の初代定吉氏以来商家として経
島より兵庫県の芦屋市へ移した。この時以降,横
緯してきた横井家の大転回を意味するものであっ
井家は大阪を本拠地とすることにより,ここで大
たが,次郎氏は,その絆を思いきりよく断ちき
いに根を張って大樹へと生長していった。
り,事態の変化に対応していったのである。
人は誰でもその生涯において大きな転換を決断
第4節九ソ'l'lへの進出
前節でみたように,横井家では昭和28年ころか
すべき勝負の時が,1回ないしは2回訪れると筆
ら製材部門が営業不振に陥ったものの,終戦直後
者は思う。次郎氏のこの的確な判断と機敏な決断
から28年ごろまでの材価高騰期に蓄積した資金
は,後人は大いに学ぶべきであろう。
は膨大なものとなっていた。この膨大な資金の投
さて,この時に当たり次郎氏はまず初めに横井
入先が詮議されていたその時期に,先述のような
家の営業から製材部門・販売部門の切り離しを実
大変化が横井家に生じた。つまり流通・加工過程
行した。昭和29年に製材工場経営から全く手を
から撤退の結果,林業経営に純化するという大転
引き,その経営を甥に譲った。それに伴って製品
回が生じた。そのため,横井家の蓄積資金は当然な
販売部門も分離され,先述した大阪の井筒木材株
がら林業経営の拡大へ投入されることになった。
14
脳入する必要があった。なお,年間に100haの伐
採が可能であれば林業経営として十分やっていけ
るだろうというのが次郎氏の目算であった。九州\
での造林が着々と進行したので,木頭を含めた横
井林業の所有造林地は昭和53年には目標の3千
haをはるかに超えた。
今日このような林業経営の盛時を迎えることが
できたのも,次郎氏の九州進出が成功したからで
ある。九州進出は次郎氏の大きな功績として横井
家林業の歴史の中で称揚されるべきであろう.。か
横井林業K.mの経営林。スギ・ヒノキの5∼│15年生
(熊本県五木付入潤山)
次郎氏は,かねて先代が木頭で行なったように
くして,九州進出を中心とする次郎氏の時代は横
井家林業の展開期と呼ぶにふさわしい時期であっ
たと筆者は思う。
自分も木頭以外の処女地で林業経営を創築し,描
第5節展開期における林業経営の性格
井家林業をさらに発展させたいと思っていた。そ
では,次郎氏の時代の林業経営はどのような性
こで豊富な資金を背景に,昭和30年から九州の
格のものであっただろうか。いま,氏が最も情熱
球磨川上流域に当たる熊本・宮崎両県の県境周辺
を注いだ九州での林業経営をみてみよう。
の林地購入に踏みきった。この地方の林地が選ば
このころには焼畑耕作はすでに消滅していて焼
れたのは,当地の住民が淳朴で地味も比較的よ
畑造林方式は使えなかった。そこで次郎氏は,九
く,しかもまとまった林地が売りに出されていた
州での経営指針として「木をなるべく安くつくる
からだという。激しい争議に巻き込まれた経験を
こと」を掲げ,この指針を貫いた。すなわち,描
もつ次郎氏は,購入対象地を決めるに際して将来
井林業が九州の経営において直接雇用したのは社
雇用されるであろう現地の人たちの人情の厚さを
員の2人だけで,しかもこの2人は現地で採用さ
選択基準の第1に据えたという。それはまた,後
れたのではなく本社から派遣された社員であっ
述するように経営の収益にも関係してくるからで
た。この2人の社員が熊本県湯之前町に設置され
あった。
た九州出張所を根拠にして経営を現地管理した。
かくして,数年の間に約2千haの林地を_上記
ところで,九州では造林作業は全て現地の造林請
の場所で購入した。昭和35年には拙井林業の九
負人へ請負わせたから,2人の社員は労働者を組
州出張所を熊本県湯之前町に開設し,常駐社員を
織したり作業を直接管理する必要はなく,彼らは
置いて造林を開始した。九州の2千haの林地は
造林請負人を探してきて契約するだけでその任務
購入当時200ha造林されていたが,この造林地を
を十分果たすことができた。このように直接雇用
将来1,400haまで増やし,木頭の将来の造林地
制をさけ,また現地の請負人・労働者が淳朴で請
1,600haと合わせて3千haの造林地を保持する
負額などは雇用者側の言い値がほぼそのまま通っ
ことを次郎氏は目標とした。それは,造林地林分
たので,横井林業としては人件費を相当圧縮する
(スギが中心)の伐期齢を30年とし年間100ha
ことができた。また「木をなるべく安くつくる」
の人工林を伐採するとすれば3zFhaの造林地を
という方針を貫くためには経営は粗放経営となら
必要とするからである。木頭・九州のlll林におけ
ざるをえず,森林作業の実施も最小限必要な作業
る造林可能地はほぼ60%と見込まれるので,上
のみに限られた。
記の経営を確立するにはすでに所有している木頭
ここまで書けば,賢明な読者諸氏は,前月号で
の3千haの林地のほかに2千haの林地を九州で
詳述した4代目定吉氏の掲げたかの商業的林業経
15
〆玲3
甲も
営を想起されるであろう。そうである。5代目次
職割;
井紳あゐ、ら溥‘典3講氷御歩
郎氏の林業経営も正しくその商業的林業経営とい
える。なぜならば,次郎氏も自ら生産過程を直接
担当することを避け,生産過程を外側から間接的
く常侭流血て炎3誓い藤に“シ
卸分"能力'之鴻感現擢鈴了
に支配・掌握したのである。そして,「木をなるべ
鋒鎚一省?の本分:全シ(“
昨側の矢吹艇めげず瑚日の計勇
く安くつく」ろうとした。つまり,生産過程に多
騰静幡ず今図呉今。@分銅仏事に
く投資してもそこでの利潤は相対的に少ないの
で,それへの投資をなるべく少なくし,かつ間接
ェ夫剛勢晶紳岬,‘
的に掌握して,しかも商品はなるべく高く売ろう
稚斗淋索群式/会ブ淫
然侭繼弁次節
とするのである。これは商人資本家の行動様式そ
のものである。
横井家林業の創業者が掲げた商業的林業経営の
理念は,次代においても脈々と息づいており,創
業精神は守り抜かれていたのである。横井家は次
郎氏の時代に木頭材.の流通・加工過程から離脱し
て林業経営に純化していったのであるが,それは
決して商人資本的性格からの離脱ではなかった。
戦後の多端な時期とくに困難な時期であった戦後
の木頭林業構造の変質期を,そのもつ温厚な人柄
と先代ゆずりの才智によって乗りきり,やがて横
井家の林業を九州にまで拡大発展させた。そし
て,昭和38年には,分を守り失敗にめげず自ら
の仕事を全うする平凡な生活こそ価値があり社員
はそのような生活をめざすべきだとする「社訓」
横井家に染み着いた累代の商人資本性は林業をも
商業的に経営していくのである。このことは,次
を定めた。そして昭和49年にまだ相当な余力を
郎氏が昭和38年に大阪で井筒建物株式会社を設
残しながら60歳でバトンを長男の悌一郎氏へ渡
立して,商人資本のなじみやすい貸ビル業や倉庫
した。意外に早い,だが円滑な世代交替であっ
業に手を染めていったことでもわかる。
た 。 − 続 く 一
(ありきすみよし.信州大学農学部教授)
以上みてきたように,5代目次郎氏は,戦中.
一 ●
「
林野庁監修
譲廻床│四賀│間躍
小学生のための森林教室
●A5判64頁4色刷
●定価450円(〒実費)
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恥鈍幸今
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次代を担う子どもたちへく緑>の大切さを語りか
け,自然観察の輪を広げます。
28項にわたる森と木の質問箱一森林のしくみ
とその働き,森林と人とのかかわりをやさしく楽し
く説き明かします。日本の森林・林業を知る格好の
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(小学校高学年向)
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里=ゞ‐1
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’編集・発行日本林業技術協会
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報告
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第92回日本林学会大会は4月2,3日名古屋大学農学部会場にて開催されまし
た。総会および林学賞受賞者の講演(苅住昇,陳野好之,東三郎の3氏)に引
続き,16部門に分かれて会員の研究発表が行なわれました。これらの研究発表に
ついては次の各氏にまとめていただきました。
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論じた。森は,カモシカの造林木食
害が問題になっている岐阜県の山村
の実態調査をもとに,客観的には同
程度の被害も,主観的な被害意識に
林 政
は,今日のタイにおける林業問題を
造林問題としてとらえ,造林実行の
ための政府機構と施策を要領よく紹
介した。タイにおいて戦前北海道の
よってかなり違っていると報告。近
年観光開発によって山村振興をはか
ろうとする町村が増えているが,営
林らは,開発により観光客が流入し
林内植民にも似た方法をとっている
が,機械化・合理化によって対処し
り大別すれば,①森林のレクリエー
た結果,利益をうけるものと,反対
にゴミ処理などの負担を強いられる
ているという。さらに加藤は,戦後
ション的利用・自然保護に関するも
ものが必ずしも一致しないという問
造林地の主伐問題とかかわる,日米
の(4題)②山村経済・造林の動向
に関するもの(7題)③外国林業・
林産業に関するもの(4題)④林業
労働力,素材生産に関するもの(4
題)⑤いわゆる地域林業に関するも
の(2題)⑥計量モデルによる分析
(2題)⑦林業についての理論的・
歴史的分析(2題),となる。
今年の特徴は,昨年6題と,全体
題がおきていることを,長野県の山
の生産力比較を行ない,現状ではア
村を例にとりあげて報告した。
ここ数年農林複合経営についての
説いた。
林業試験場経営部柳幸広登
壱
林政部門の報告は,昨年より3つ
多い25題だった。それを内容によ
の3分の1近くを占めていた「地域
のは興味深い。霜島によれば,スウ
ェーデンにおいても1960年以降,
日本と同様に林業労働力が流出した
メリカがかなり優位に立っていると
議論が活発になってきたが,高木は
林業労働力問題。岡│ロは,山形県
「昭和53年林業動態調査」によっ
の山村を事例にして,造林公社の労
て農林複合経営確立状況の地域比較
を行なった。佐々木と町田はそれぞ
れ,後進造林地帯である岩手県と,
働組織の現状について報告。また浜
田らは,林業労働力供給は山村労働
市場の動向と関係させる必要がある
先進造林地の西川林業地という対照
として,長野県の山村を対象にした
的な地域の動向を報告したが,いず
れの場合も林業への労働投入が減
り,賃労働が増えているのが注目さ
丹念な報告を行なった。小池は,林
林業」あるいは製材工場・木材市場
の動向についての実態報告が,1題
と少なかったことである。かわって
昨年はなかった林業労働問題,理
論,歴史に関するものが多かった。
れる。造林活動における森組の軍要
して報告した。餅田は,近年クロー
性は前から指摘されてきたが,松島
は政策的助成のあまりない造林請負
ズアップされつつある素材生麓の現
状について秋田県と鹿児島県の2事
また今年は日程が2日間にわたった
事業体の動きにも目を向けるべきだ
例を報告した。
ので時間的な余裕が多少うまれ,例
年になく質疑応答が活発であったと
と主張した。鶴は,造林助成施策が
計量分析に関するものは,吉l11が
階層的にみて上層により便総を与え
製材・合板業をとりあげ,黒川がク
業機械化に伴い増加している労働災
害の現状を京都府下の民有林を例に
いう印象をうけた。
ていることを,愛知県三河地方を事
ラスター分析による山村類型化の方
報告の概略を紹介すると,まず①
に関して。「都市における緑化問
例にして明らかにした。
法を論じた。
都市(高槻市,豊中市)を,小川ら
は東京都多摩地区をそれぞれに対象
外国林業に関するもの。柳幸は,
FAOの統計を用いて1955年から
78年までの木材需給.貿易動向を
報告し,発展途1国のウエートが高
地形成の理論的分析を試み,戦後の
にしたアンケート調査にもとづいて
まったことを明らかにした。増田
主産地形成において販売技術のウエ
題」について,河西は大阪府下の2
昨年多かった木材市場の実態報告
は,岡山県下の1産地をとりあげた
荻のものしかなかったが,林は主産
第92回日本林学会大会報告17
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−卜が高まっていると主張した。
を提案し,生長・材積推定も可能で
容易に予想できることを報告し,吉
歴史に関するものでは,岡田が明
あることを述べたが,理論とともに
田らは屋久島天然生スギ林分の施業
治期の岩手県を事例に,保安林制度
実際の測定上の問題が話題となっ
のためにその林分職造と生長量につ
は明治30年代の地元民主導から40
た。樹幹形については幹形ベクトル
いて述べた。林分離造と水源かん謎
年代には宮主導に変わったと述べ
を用いて,ただ一つの数値により幹
た。
関心をひいた鈴木の報告を紹介しよ
う。育林投資=土地改良投資という
鈴木の主張は林政関係者にはよく知
られているが,従来批判の多かった
林木投資を流動資本とすることか
形比較を行なう方法(長I鳴ら)や年
齢によるヒノキアスナロの幹形の変
化を正形数により検討した報告(山
本)があり,白石は樹高曲線の形と
大きさの影響を分離するために相対
化を試み,樹高曲線の形の比較検討
を行なった。利用材積では林業経営
機能との関係では清水らは林冠体職
を用い幼齢時における枝打ちと間伐
ら,今回それを固定資本と規定しな
の集約化において施業方法決定のた
さて最後に,ある意味で参加者の
の効果を下層植生に関連づけて考察
した。
ワイブル分布については,カラマ
ツ幼齢林の立木密庇と枝の枯上り率
とを関連させてパラメーターの変化
についての検討(柿原)や間伐前・
間伐後・生長期間におけるパラメー
おした。この変更で鈴木説が今後ど
めに主伐時における径級ごとの丸太
ターの動きを検討した(木梨ら)報
う展開されるか興味がもたれる。
収謹量を表示した利用材積収瀧表の
告があった。田中らはリチャードの
調整(田中ら)やデンドロメーター
生長函数が種々の生長過程を表現で
経営(1)
九州大学農学部増谷利博
による上部直径測定値から相対幹曲
きることから林分の生長に対して応
線を用いた直径階別幹材積推定(増
用し,また,二次元林分遷移の方程
谷ら)があり,野上らは連続森林調
式による生長予測を行ない,この方
査法にベイジアン推定論と生長モデ
法は短期の予測に適していることを
ルを組み合わせれば良好な推定量が
述べた。
得られる可能性を論じた。西沢は従
森林経理学では森林の場所的規制
経営(1)では30題の発表があっ
来より世界主要国における森林調査
が古くから重要視されてきたが,魚
たが,その内容は多岐にわたってお
体系を紹介しているが,約60年前
住は森林経理学論争において森林の
り,また総合討論形式も定着し,か
より国家的森林調査が実行されてい
場所的規制の意義がどのように考え
なり活発な意見が交わされ,有意義
るスウェーデンとフィンランドにつ
られていたかを考察した。大金,和
なものとなってきたようである。以
いて報告し,わが国でも全国的な森
ら,菱沼らは漸伐作業は森林純収種
下,発表順にその概略を報告する。
林資源情報を定期的に同一糖度で把
説を施業方針とし長期の伐期齢・配
ランドサットデータを用いた研究
握する必要性を述べた。竹内らは林
分法的な収謹規整法を採用するとと
発表はポスターセッションで行なわ
分施業法の固定試験地の資料により
もに数回の伐採により更新を完了す
れたために空中写真関係は3題と少
天然林の生長を調べているが今回は
る施業であること,さらにこれを支
なかったが,山崎らは大縮尺空中写
径級別生長量と林分構造との関係に
える労働・市場の性格・織造は択伐
真と現地調査との回帰による林分の
ついて報告した。
作業と皆伐作業の中間の段階に位極
していることを明らかにし,また津
軽ヒバ林において,更新・生長を期
待しうる作業として漸伐作業の採用
が有利であることを実証した。菅野
直径階別本数分布の推定方法を報告
今永らは豪雪地帯における混交林
した。また,新しい試みとして小型
の施業を考えるためスギとミズナラ
の気球写真を森林調査に用い,撮影
が混交している林分をとりあげ,ミ
高度別に樹種や草本類の判別を行な
ズナラの侵入によりスギが被圧され
った報告(板垣ら)や野火発生後の
ていく過程を追跡し,北村らは西ド
らはブナの択伐林型の林分では他の
湿地帯の焼跡模様と発生前のカラー
イツのシユバルツパルトとフランス
広葉樹が若干混交した場合,ブナの
空中写真とを対比した報告(滝川
のポージュ両山地は自然条件が酷似
更新・生長が良好であることを太陽
しているものの,人為の介入により
光線の吸収スペクトル分析により示
ら)があった。
つぎに広義の森林測定および調査
森林の配置が異なることを明らかに
した。岡崎らはスギの品種別生長特
の分野では,箕輪は単木の生育空間
した。阿部らはトドマツ人工林を対
性を知るために品種試験地の林分構
は三次元的性格を有することから三
象にした一般型のY-N曲線を用い
ると立木本数と材穣から間伐効果を
造と生長の関係について検討を行な
次元定角測定法にもとづく材積密度
った。藤原は亜高山帯における国有
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林施業の実態調査から小面積皆伐の
標の変遷を分析することにより,農
本来の主旨を忘れ,保謹樹帯のみが
林複合経営体のあり方を示した。経
ーフェイスであるLANDSATの
残り皆伐と同じ状態で天然放置林を
営第1部門で数多くの利用材職推定
将来性がよく理解された。林業部門
現出させていることを指摘した。ま
法が発表されたが,これに対し大北
ではわが国唯一の画像解析装置FI
た今田は九州の高冷地におけるヒノ
は四・一法や五・一法といった利用
キ不成績造林地に侵入した広葉樹の
材積推定のための慣用的求積式の再
ASをもつ林試が発表者の中心であ
り,まず航空機やLANDSATか
成立状態から広葉樹の良質大径材生
検討をした。森林計画の分野では,
ら得られるMSSデータによる森林
産林分への転換の可能性について述
南雲が減反率理論の基礎であるガン
の樹種区分の基礎的情報を得るた
べた。
マ分布をワイブル分布に置きかえる
め,クレーン車を用いて地上高14
疑応答の中から森林資源情報のニュ
ことによって,長期的な生産予測精
mからスキャナーにより特定樹種の
経営(2)/ポスター
度の向上を試みた。後藤らは近年急
反射特性を調べた(大貫ら)。地形
速に見直されてきた0−1計画の森
急峻なわが国におけるリモートセン
セッション
林計画への応用とし,伐採列区の概
シング利用の大きな難点として山影
念を利用して小班のグループ化を行
部分の処理がある。これに対し地形
情報から日射係数を算出し,日照,
日影部分を埜準化した相対日射に変
林業試験場経営部天野正博
なうことにより,計算時間の短縮化
を行なった。鈴木は林齢遷移行列の
経営第2部門で9題,ポスターセ
ランダム変動が法正状態への到達に
換することにより,LANDSAT
ッションで7題の発表があった。第
影響を与えないことを証明すること
画像の山影による影響を取り除くこ
2部門の内容は測樹から,林分構造
により,林齢空間論を補強した。森
とを提案した(大貫)。LANDS
解析,施業,森林計画と多岐にわた
林資源の情報に関するものとして,
ATによる森林被覆を主とした土地
り,第1部門との差異も判然としな
西川はコドラート法の一指数である
利用区分糖度を具体的に現わすた
いため,聴講者は両部門をいったり
HOIgate集中度係数を用いて広葉樹
め,御岳周辺をテストエリアとして
きたりで忙しかった。まず,施業関
稚樹の分布解析を行ない,天野はメ
LANDSAT画像と空中写真モザ
係では山畑,山本らが2つの発表を
ッシュとポリゴン図形を併合させた
イクを併列に提示した(粟屋ら)。
通して2経理期間(10年)にわたっ
形での森林基本図の電算機処理方法
また土地利用区分のためのクラシフ
て択伐施業が行なわれたスギ人工林
を説明した。
の林分構造を説明,第2経理期には
ィケーション自動化の補助手法とし
リモートセンシングのうちLAN
て,各バンドスペクトルを主成分分
DSATの利用に関する7題がポス
り,人工一斉林から択伐林型への誘
ターセッションで発表された。LA
させ,解析時のデータハンドリング
導技術が確立されていない現在,今
NDSAT画像の林業への応用が主
を容易にすることを試みた(沢田
後の成果が期待される。青木は佐賀
テーマであるだけに,各ポスターは
ら)。木曽の王滝を中心とした約4
県の農林家のスギ植栽品種と生産目
カラフルな写真に彩られ,活発な質
万l'aを対象に,LANDSAT,空
ー 一 百 一 一 一 一 一
…
。心?
が司剴。
宇轌
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F
割_零
ポスターセッション会場︵経営部門︶
ア
暑
一恒恒一一一一一一回一一届、揮腎咄或巽.、
複合林型を呈し始めたとのことであ
析にかけることにより,変数を減少
中写真,地上調査による多段サンプ
リングによる蓄積推定を行なった
(峯崎ら)。LANDSAT実用化
の第一段階として,北海道の伐採照
査を試み,かなりの精度で伐採場所
と面菰をおさえることができ,同時
にその推定システムを提案した(沢
田ら)。同様な実用化の試みとし
て,メッシュによるカナグ・ユーコ
ン地方の森林資源データベースの森
林施業モニタリング情報をLAND
SATから得るシステムを説明し
た(天野)。
第92回日本林学会大会報告19
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した。酒井らは森林土壌の炭素の収
立
地(1)
支を明らかにする研究の一環とし
て,BB型,BD型土壊のAo,鉱質土
壊を室内培養し,CO2発生量の測定
結果を報告した。
林業試験場土じよう部宮川清
− ■ 己 今 壹 − − _ 一 ■ ■ 一 ー
河室は黒姫山麓に隣接して分布す
る褐色森林土と黒色土の化学性,母
比較検討し,これによる上記土壌群
の分類のしかたに若干の問題を提起
した。
藤田らは緑地造成が予定される千
葉県下の,しゅんせつ砂土埋立地の
土壌を断面形態と材料の違いから4
型に分類,採土円筒を用いて検討し
た物理性を報告,つづいて白井らは
この土壌の化学性について,材料の
ちがいに起因する物理性の良否が
は,立地(2)会場で4月3日に並
材料,植物珪酸体などを比較,植物
珪酸体に有意な差異を認め,黒色土
の生成がススキ草地とみられる過去
の植生と密接に関係すると考察し
Cl,Naなど海水成分の洗脱に影響し
行して発表され,別に紹介される。
た。
ていると述べた。
立地部門では39題の発表が予定
された。このうち主に植生および林
木の生長と立地条件に関する10題
ここでは第6会場において4月2日
午後から3日午後にわたり発表され
た26題(発表中止3題)について報
告する。内容別では,海岸埋立地の
土壌を含め,主に森林土壌の性質や
生成を論じたもの10題,伐採に伴
う立地要因の変動に関するもの4
題,土壌や植物の生長に関係する気
象要因とその測定法3題,施肥試
験,施肥養分の動態,パーク堆肥な
ど土壌肥料関係8題,可給態燐酸と
ヒノキの生長に関するもの1題であ
る。以下発表の順に概要を紹介す
る
。
山城らは沖縄に分布する表1面グラ
イ系赤黄色土と黄色土の孔隙を加圧
板法により測定,孔隙特性の面から
表層グライ系赤黄色土の生成を考察
久保らは道北の土壌について,ほ
有光,加藤,宮川らは森林の皆伐
ぼ同じ気候条件,地形面に分布しな
がら異なった土蟻化過程を示す2つ
によって各種の立地要因がどのよう
の砂丘土域の化学組成を調べ,より
珪酸質な母材が土壌のポドゾル化の
進行に適することをのべた。菊地ら
は天北地方の森林土域の溶脱につ
き,A1,Feの遊離酸化物の土壌断面
内の分布状態から考察を加え,還元
溶脱作用と酸性溶脱作用にみられる
特徴的藏巡いを報告した。
山家らは森林土域の遊離酸化物の
形態を明らかにする研究の一環とし
て,裏東北地方の赤色土,赤色系お
よび黄色系褐色森林土,褐色森林土
の化学性,無機成分,粘土鉱物,遊
離酸化物を考察し,とくに活性度と
結晶化指数を尺度とした鉄の形態を
に変動するかのテーマのもとに,栃
木県高原山のスギ,ヒノキ林を対象
に,土壌水分と溶存成分動態の変動
土壌および植物成分の変動,地表変
動について,伐採前から伐採後の2
カ年半の経時的な測定結果を総括的
に報告した。
薄井は北海道山地斜面の日射量の
推定法を得るため,傾斜角,方位を
かえて実測を行ない,大気外日射量
と,傾斜方位ごとの実測値/大気外日
射量の比の積算により推定する方法
を報告した。小林らは土壌生成,植
物の生長に関与する土壌微気象の役
割を明らかにするため,斜面ライシ
メーターで各種の測定を行ない,と
事例集むいたけを漣にむた複當経営
○編著舟山良雄(国立林業試験場)・藤野昭一(林野庁研究企画官)
○規格A5判上製220ページ○定価2,300円(〒250円)
鯛熱騰鑿競誉裳謝蕊鍵
言
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念
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罵
需
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発行:(財)林業科学技術振興所
〒102東京都千代田区六番町7(日林協別館)
電03−261−3433
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くに傾斜別,斜面位置別に認められ
るパーク堆肥の熱度について考察し
試みを報告した。落合は,尾張平
た特徴的な水分動態を述べ,これに
た
。
野,西三河平野の丘陵地帯に成立す
対応するヒノキの生長を報告した。
るアカマツ林,コナラ林など200カ
水永らは森林の伐採が土壌水分動
西本らはN,P,Kを各種組み合せ
施肥した幼齢トドマツ,アカエゾマ
態に及ぼす影響を知る目的で,ヒノ
ツ林について,16年目の施肥効果を
とB・C法座標配置によって環境と
キ壮齢林と3年生ヒノキ新植地の
pF価を測定し,新植地の土壌水分は
検討,P施用区でより肥効のあるこ
の対応を報告した。中村らは,筑波
とを認めた。藤田らは施肥湿を違え
山の植生と種の分布パターンを,標
森林にくらべ変動が大きいと報告し
て3年連続施肥したスギ成木林につ
高に対応させて検討し,気温の逆転
た。
いて,標準木の解析を行ない,施肥
現象と森林帯の逆娠について報告し
た。小野寺らは,防災学的な観点か
ら渓床の変動と河畔林の榊造との関
係を有機的かっ勤的に明らかにし
た。これには渓床変動にともなう植
明石らは九州地方の樹種が違う5
林分と裸地の水分張力を測定し,植
後11年間にみられる肥効のあらわ
れ方とその持続性について報告し
所の林分を調査し,各群落の類似度
被別,土壌深度別にみられる水分張
た。益子らはコーティング尿素の植
力の変動パターンを報告し,また土
穴施肥の適用試験として,スギ,ス
壌表面からの蒸発量測定のため,自
ダジイ苗を用い,上記肥料と対照と
然土壌をそのまま供試うる大型採土
して他の化学肥料の植穴および環状
生遷移,堆穫した川砂類の土壌化な
どの問題も含まれるため論議も活発
円筒を試作,樹種が違う3林分と裸
施肥を行ない,コーティング尿素の
に行なわれていた。
地に設置,重量法による蒸発量の測
植穴施肥では生育障害を認めず,か
定結果を報告した。
つ生長量も大きいことを報告した。
立地環境と植物の生長に関する報
告は3件あったが,その目的とする
ところはそれぞれ異なっている。堀
朧見は林木の生長と相関の高い可
岩坪らは高温高圧で分解し,20倍
給態燐酸の検索のため,地位の異な
にうすめたし尿処理を4カ年に6回
るヒノキ林土壌を試料に5つの抽出
林地に散布し,散布ごとに流出水を
採取,各形態のNおよび塩埜類を分
析し,対照の流出水と比較検討,し
尿処理水散布による施肥効果と林地
法で燐酸を定量,検討し,Bray4
Prichett法の燐酸レベルとヒノキの
地位との間に有意な相関を認めた。
佐々は独自に考案した分根栽培法
による実験結果から窒素,リン酸の
細巴が根系の発育に与える影響を検
討した。長友らは植物の養分吸収に
の浄化機能に考察を加えた。
田らは,定性的な表現でいわれてい
た徴地形を,数量的に表現する方法
を提案し,その成果をヒノキの生長
との関係で報告した。まだ枚討を要
することが残されているとはいえ,
新たな試みとして注目された。大角
らは,カブールの生長と立地条件と
の関係を報告し,熱帯林の土壌の特
立
地(2)
よる土壌溶液中の養分濃度の変化を
知るため,ヒノキ植栽と対照のポッ
林業試験場造林部谷本丈夫
トに施肥,吸引法で土壌溶液を1カ
月ごとに採取し,無機態Nや塩基濃
徴を検討している。宵沼らは,砂土
に植栽された樹木の枯損と根の生育
について調べ,根系が地下20cm以
下に達していれば生残り,そうでな
いときにはほとんど枯死するという
度を求め,経時的な変化を報告し
この会場は,広い意味で立地部門
た。川端らは枝打ちにより供給され
とされる植生区分および植物の生長
る有磯物が林内の養分循環に及ぼす
と立地環境との対応を扱かつた課題
事実から,砂土への樹木植栽は根系
生長の促進が重要であると指摘し
た。吉田は,スギ天然林の落下種子
役割を明らかにするため,寒冷紗,
が多かった。しかし,内容的に他の
最と発芽の推移について報告した。
金網を用い,枝打ちされた枝葉を林
部門で論議したほうが効果的と思わ
内に設置,一定期間ごとの重量およ
び養分濃度の減少から,これの分解
過程を考察した。白井らは原料パー
かったが,講演内容は示唆に富んで
クから堆肥までの各過程のパーク堆
る
。
肥を分折,堆肥化過程別にみられる
れるものも含まれ,まとまりは少な
造林(1)
いた。以下順に各々の概要を紹介す
伊藤は,地形に応じて分布パター
有機物組成の変化を述べ,同時にヘ
ンを異にする植物を,高木,低木,
ミセルローズおよびセルローズ態N
草本などに区分し,それぞれ乾湿を
の全有機態Nに対する比を指標とす
埜準に5つのグループに類型化する
林業試験場造林部鈴木和次郎
第1会場では,生態・保育関係を
中心に,31題の識演が行なわれた。
第92回日本林学会大会報告21
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3∼5題ごとに設けられた総合討論
はじめ,天然更新試験の継続的な報
を報告した。鈴木らも,地力維持な
では,講演内容が多方面にわたった
告がなされた。赤井らは,ヒノキ林
ためか,林地保全,天然更新など一
の林分状況と更新稚樹との関係を下
どの面から雑草木群落のはたす役割
を明らかにするため,キイチゴ属の
部を除き,全体に低調であった。今
願植生の状態から検討し,アカマツ
後,会場設定,とりわけ識演の組合
の侵入,混交が雅樹発生の好的条件
せなどに,配慮が望まれる。誰演内
をつくりだすとし,松江らは,下層
容を,(1)物質生産と生長解析,(2)天
植生の刈払いがヒノキ稚樹の消長に
然更新,(3)銅*群落と林地保全,(4)
良い影瀞を及ぼすと報告した。山本
環境と生長反応にまとめ,以
(進)らは,更新初期のヒノキ稚樹の
Eそ
の概要を紹介する。
動態に及ぼす動物害を雅樹の密度と
(1)物質生産と生長解析
の関係で調べ,被害が稚樹の生育初
今日まで,さまざまな森林群落の
期段階の期間に深くかかわっている
現存量,生産量などの調査報告がな
と推測した。母樹保残方式によるブ
されているが,森らは,ヒバ老齢人
ナの天然更新試験を行なっている前
工林について報告し,山田らは,近
田らは,更新完了後に行なった母樹
年その潜在的な被害が明らかになり
べ,被害の実態解析を試みた。藤森
伐出が稚樹に対し,更新を左右する
ほどの被害を及ぼさなかったと報告
し,蒲谷らは,モミ天然更新試験で,
上木(落葉広葉樹)伐出後のモミ,
らは,広葉樹の乾物生産過程を明ら
ツガの生長経過を報告した。
かにするため,9年生ケヤキ林分の
(3)森林群落と林地保全
つつあるスギカミキリの激害林分に
ついて,その現存量,生産量を調
種生態をとらえ,キイチゴ属群落の
形成と構造を考察した。本会場にお
ける森林の植物社会学的なテーマの
講演は,少なかったが,山本(幸)
らは,過去に調査した亜高山帯針葉
樹林のデータを用い,あらかじめフ
ァイルされた植物種の特性データを
ベースに,電算機処選によって,群
落構成種の分布特性などを調べ,辻
村らも,同様の方法で,スギ人工林
の林床植生を解析した。一方,垰田
は,極相コジイ林に近接する林分を
調査し,コジイ林に向かう遷移系列
を考察した。このほか,塚本らはア
カマツの根系調査から,根系の分岐
を確率的現象とみなし,根系の分布
予測モデルを作って,その適合性を
検討し,宮内らは,里山における広
葉樹林の適正利用のための類系化を
物質生産と器官配分の季節変化を調
林業において,ヒノキ人工林の地
べ,イギリス系の生長解析を行な
力低下が大きな問題となりつつあ
試みた。
い,興味ある結果を報告した。野田
る。一般には,ヒノキ林下の貧弱な
らは,スギ品種間の光利用特性を解
下厩植生とばらばらに分離しやすい
(4)環境と生長反応
林内の光環境を把握することは,
林分の生産力,下層植生の状態,天
然更新における稚樹の生長などを考
えるうえで,きわめて重要である。
明するために,枝ごとの葉面職密庇
ヒノキの鱗片葉が,降雨による落
分布,傾斜角特性,方位角特性など
葉,土域などの流亡をひきおこし,
地力の低下をまねくとされている
を調べ,スギ樹冠を幾何学的椛造と
は,菊沢が穂積のベーター型分布密
が,実証的な資料を欠くのが実情で
あった。赤井らのグループは,こう
した地力低下の機柵を解明するた
度関数を用いて,トドマツ人工林の
め,いくつかの林分で,人工降雨実
新しい収量一密度図を作成し,間
験を試み,その結果を4報にまとめ
してとらえ,品種間の差を報告し
た。林分の密度管理などについて
倉地らは,アントラセン法により測
定したカラマツ人工林内の相対照度
どから,天然更新技術の確立が急が
は,対象となった林分の土壌の理化
の季節変化を報告し,守屋らは,ジ
アゾ感光紙,サンステーションによ
り測定した天然生スギ林内の積算照
度の季節変化を報告した。斉藤ら
は,林内放射環境の形成に関して,
コナラ,エノキの分光特性を報告し
た。光条件に対する生長反応では,
丸山らが光質を変えた人工光源で,
カンパ類のめばえの生長反応を報告
し,新里らは,日長,温度条件を変
えて,アカマツ,カラマツ稚樹の形
態変化を調べ,温度による限界日長
の変化を明らかにした。また,寺田
は,マツ類稚樹の根系生長と地温と
れているが,今年もヒノキ,ブナを
学的諸性質と移動物質の化学的性質
の関係を報告した。
伐によるY−N曲線の移動を検討し,
て報告した。まず,赤井らは,人工
各径級ごとの収種量予測が可能であ
降雨実験が実際の自然降雨にそうも
ると報告した。また,林は,アカマ
のか,どうかを降雨量の分布面から
ツ人工林における間伐後5年間の生
検討し,おおむね適正であると判断
長解析を行ない,植木らは遺伝子型
した。この実験で,真鍋らは,下層
の異なるスギ植木の組合せによる個
植生の成立状態が,吉村らは,保育
体間競争を報告した。
の違いが落葉,土壌などの移動量
(2)天然更新
に,どのような影響を及ぼすかを調
皆伐一斉造林の弊害や多雪地帯を
べ,植被による移動の阻止効果が著
中心とする不成績造林地の広がりな
しいことを報告した。また,上田ら
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一 一 凸 一 可 一 画 一 ■ F ■ 凸 L q ■ 一 ■ P
造林(2)
林業試験場造林部長坂寿俊
に植栽して2年のスギさし木クロー
告した。
ンの形態を調べ,実生よりも下枝の
また,次代検定林の測定値の修正
枯れ上がりが大きいと報告した。河
のしかたについて,大庭(林試)ら
村(関西林育)はクローン集植所の
は変数逐次選択方式で重回帰式によ
スギ精英樹の直径心材率を求め,ク
る電算機プログラムを開発して,九
ローン間にちがいのあること,在来
州地方の次代検定林の立地修正を行
の北勢スギより平均して低い心材率
なった結果,鞘度が向上したことを
報告した。ヒノキ精英樹の樹高生長
造林(2)の会場では,遺伝育種
であったことを述べた。また宮島
に関連した22の講演が,大庭,古
(九大)らは昨年に引きつづき,鹿
の遺伝率について,栗延(関東林
越,岡田倖),富田,柴田(勝)
大,宮大,九大宮崎,日田林工,九
育)らはクローン集植所でのデータ
諸氏の座長のもとで活発に行なわれ
と人工交配による次代検定林でのデ
遺伝率や自然自殖率の推定,採種園
大粕屋,愛大の6演習林スギ品種試
験地の10年目の結果について考察
を加えた。植月(関西林育山陰)ら
は相対照度が15∼20%の条件下で
スギ,ヒノキの耐陰性検定をする場
れるアイノコマツの林分で生長の比
た。主な内容は,染色体等に関する
もの,以下クローンや品種の特性,
交雑種の形質,諸形質の遺伝様式,
ータとの親子相関を求めた結果か
ら,0.20∼0.35の値を得た。
斯波(東大)は天然の雑種と思わ
の花粉管理,ザイセンチュウ抵抗
合は,1年目は植栽時の影響が残り
較を行ない,初期に生育の良かった
性,次代検定林等の解析に関した
検定には適さないこと,多数の系統
種々の報告などであった。では,
をさばくには基準クローンを設けて
各々の概要を順を追って説明する。
一緒に検定すべきことを強調した。
アイノコマツが,27年生の時点では
相対的にアカマツ,クロマツとの差
が小さくなったと報告した。
菊池(林試)は1個の優性遺伝子
著しい特徴をもたないために識別
外国樹種との交雑については,
のむずかしいとされるスギの染色体
佐々木(関西林育)らの3編の報告
により発現するヨレスギと,補足巡
について,森(岐大)らはcバンド
があった。まず,雑種効果の高いク
伝子として働く2対の優性遺伝子が
法,Gバンド法といった分染法を用
ロマツとタイワンアカマツとのF1
共存したときに発現する外向鈎形針
いて染色体のしま模様を識別する手
葉スギとの雑種をつくり,期待どお
て,ゲノムのちがいを確定しようと
雑種間の交雑を行ない,種子稔性や
稚苗の形態調査をした。つぎに,ク
ロマツとタイワンアカマツとの雑種
を戻し交雑したところ,一般の外部
法を報告した。戸田(九州東海大)
もスギの核型分析に分染法を応用し
りの分離比を示したと報告した。山
本(林試)は防風帯に植栽されている
22年生実生ヒノキから,自殖と自
した。一方,向井(岐大)らはスギ
形態は雌親に似たが,葉色のみは,
然交配により得たタネをまきつけ
精英樹などから得た72系統の花粉
クロマツに戻し交雑したものでもタ
て,黄子,本葉黄金,多初生葉など
の核DNA量を,フォイルゲンー顕
イヮンアカマツに非常に近かった。
の変異苗を観察し,それらの発生頻
微分光測光法で測定し,花粉あたり
一方,上記F1をアカマツの雌親に
度から平均28%の自然自殖率を推
通常の1.5倍のDNAを持つ系統を
交配すると,外部形態も葉色もアカ
定した。
みとめ,3倍体の可能性を示した。
マッに近くなった。
マツノザイセンチュウ抵抗性育種
採種園の花粉動態を調べる手がか
大庭(林試)らはヨレスギを使っ
に関する報告では,石井(関東林
りとして,半田(関東林育)は黄金
た交配実験からのヨレ型と正常型と
育)らはマツ属種間雑種の5年生苗
にセンチュウを接種し,系統による
スギをつかい,そのとどく距離を判
の分離比が期待値よりも大きくずれ
定したが,今回は32m離れた固体
ることから,正常型の遺伝子(t)
ちがいを明らかにした。藤本(九州
からも黄金苗を確認した。
の近ぼうに胚致死遺伝子のあること
林育)らはザイセンチュウの加害性
富田(岐大)は名古屋営林局管内
で造林されるタテヤマスギ苗木が1
を示唆し,その距離の算定方法につ
は系統により差のあること,とくに
いて言及した。同じヨレスギを材料
茨城県下の被害木より採取した系統
カ所の苗畑で生産されていることに
にして,黒丸(筑波大)らは自殖苗
は,これまでの島原や祐徳の系統以
注目し,遺伝的構成が似ていると考
のパーオキシダーゼアイソザイムを
上の強い加害性を示すことを報告し
え’同齢の4林分から得た針葉形態
分析し,特定のEバンドをヨレスギ
た。
が異なるのは環境の影響もあると報
がヘテロで保持すること,またヨレ
告した。大谷(山形大)らは豪雪地
遺伝子とは連鎖関係のないことを報
第92回日本林学会大会報告23
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発芽の温度シフトとを確認した。こ
のほか,甲斐は,コナラなどブナ科
造林(3)
種子の上胚軸休眠が,GA処理で打
破されることを見いだし,山路ら
は,クロマツの空中取木で,冬芽の
三重大学腿学部武田明正
切除と9-Benzyladenine処理が効
果のあることを報告した。
藤らは,急斜地に植栽された造林木
の植栽初期にみられる樹形の麺上な
ど,職雪が植栽木に及ぼす影響を述
べた。塚原らは,雪圧と根株の最大
引抜き抵抗力との差の積算値が根元
曲りの程度と高い相関を持つことを
報告した。さらに,鍛代は,奥利根
の多雪地におけるスギ幼齢木の雪害
状況を調査し解析した。
第3会場では,34編の発表が行
更新・育苗関係で,斉藤は,育苗
なわれたが,その内容は,生理・生
の経験を総合して,ミズナラの直播
態,育苗(更新),保育(保謎),環境
保全などの各分野にわたる幅広いも
造林の問題点を指摘した。藤森ら
この他の保育(保謹)関係では,
は,被陰前歴のちがう苗を林内に植
栽し,スギでは前歴の差が活着の差
クズの生物的防除の試みとして,ネ
のであった。
まず,水分生理に関係するものと
として認められ,ヒノキ林内に植栽
して,池田らは,樹体各部の水分通
導抵抗の違いと,道管の分布状況と
の関連性などを論じた。須藤らは,
葉中の窒素漉度は,水分利用効率と
の関連はないが,蒸散速度に影響を
与えることで苗の耐乾性に関与する
可能性を示唆した。また,中尾ら
されたヒノキ苗は活着が悪いことを
は,モミ・ツガ林の柵成樹種の生育
地の水分環境と,それらの物質生産
の水分特性とが一致することを示し
た。さらに,矢幡らは,樹液流を測
定することによって,海岸クロマツ
林の蒸発散量と種々の気象要素との
関係を調べ,蒸発散瞳のシュミレー
報告した。鈴木らは,26年前に巣植
されたサンブスギ林の現状を報告し
た。枝打ちに関連して,外舘は,ア
カマッ若齢林の枝の配分状況などを
報告し,山本は,スギの幹に人工的
に作った傷のゆ合状況を観察し,枝
打ち傷のゆ合機構について論じた。
白間らは,枝打ちに伴う材の異常変
色と枝打ち時期との関係を調査し,
生長期では変色が多いことを報告し
た。また,富田は,打撃によって生
じた材の変色を調べ,異常材発生原
因のひとつを示し,中田らは,さし
木苗にみられる材のシミは,さし付
時期や,クローン間で大きなちがい
ナシカズラを利用した結果が,二見
によって報告された。浅沼らは,天
然更新の助成に散布される除草剤が
更新木の種子発芽に影響を及ぼすこ
とを報告し,河原らは,ササをTF
P剤で抑制するための施用試験の中
間報告を行なった。さらに,水谷ら
は,有珠山噴火に伴った降灰による
造林木被害と復旧状況などについて
報告した。また,井上らは,海岸ク
ロマツ林の潮風害の一例を紹介し,
潮風害は,飛砂による葉の損傷が塩
素の侵入を助長することによって生
じることを示唆した。
環境保全関係では,野村らが下水
汚泥を苗床に利用した結果,おおむ
て,枝の材中の過冷却水の存在とそ
ね成紙良好であったが,苗木には亜
鉛などの集積がみられることなどを
報告した。鈴木は,樹木の年輪幅と
材中の重金属含有率の経年変化を調
べ,工場操業開始と年輪幅の減少時
期などとが一致すると報告した。樹
木は,環境モニタリングの格好の材
料であり,今後,材中での重金属の
移動・集積の機織年輪幅変動に関
一方,発芽生理,形態形成などに
れらの耐凍限界温度との関係を報告
する詳細な研究が望まれる。
関して,小谷は,アカマツ種子の
し,中田らは,農大演習林のヒノキ
IAA生合成経路を調べ,無細胞抽
出系でも,同様の経路をとることを
示唆した。また,森らは,クロマツ
種子の胚が,吸水初期に,いちじる
しいATP生成を行なうことを見い
だした。さらに,安馬らは,ダケカン
の二又木を寒害によるものとして,
降雪前に張った雪起しテープの倒伏
防止効果を認めると同時に,積雪
は,幹を機械的に曲げるのみにとど
まらず,根を損傷させ,生長に影響
バ種子で,生長阻害物質の存在と,
を与えることを示唆した。また,須
ションモデルについて論じた。この
ような樹液流に関述して,林田は,
生育期の崎天日にみられる樹皮呼吸
の日中低下には,樹液流によるCO2
もち去りが関与する可能性を示し
た。また,根岸は,樹皮呼吸の日中
低下を生じさせる原因のひとつに,
のないことを,右田らは,取り木苗
を用いて,地下部に形成されたシミ
の地上部への進展について観察した
結果を報告した。
寒害,雪害関係では,武田は,常
樹液流による木部温度の低下をあげ
緑広葉樹の枝の凍結曲線を観察し
た。
その実態を報告した。一方,平は,
造林〔ポスター
セッション(1)(2)〕
九州大学腿学部矢幡久
「林木の成長機織」,「林木の光形
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けられ,保識(1)では4月2日午後,
3日午前にわたり,昆虫.獣関係21
題(予定では22題)の研究発表およ
び討論があった。以下順に紹介す
泌■洞r
る
。
ロ
鴎
﹃3
腿脳璽
大沢・寺川(名大)は森林生態系
において樹上の節足物動の果たして
いる役割,性質を明らかにするため
︾津
に,昆虫,ダニなどの群集拙造の解
一
析を行なった,くん煙剤を用いてピ
喝垂
竃
I
§
扉 山 − 1 迫 り 爵 廿 辱 で
ポスターセッション会場
錫(造林部門)
ニールシート上に昆虫などを落下さ
せ’効率よく採取する方法を案出し
た
。
寺川・大沢(名大)は│司じ方法で
カラマツ,ヒノキ人工林における樹
態形成」のテーマでそれぞれ7編と
程を調べ,これをモデル化しその法
3編のポスターセッションが行なわ
則性について考察し,土井らは刺針
い,季節変化を調べた結果について
れた。前者は,同一名称の研究会が
今年から本大会で発足したように,
林木の成長に直接かかわる光合成,
法で生ずるスギ樹幹中のカルスおよ
報告した。
呼吸に関する研究活動が盛んになっ
び仮道管の細胞内容物の時間的変化
を顕微化学的方法で観察した。
上の昆虫,ダニ類の種類,数のちが
山崎・小林・竹谷(林試)は農薬
の空中散布が森林の生物相に及ぼす
林木の光形態形成に関しては,西
影瀞を明らかにするための調査の一
山ら,長尾らが,それぞれカバノキ
部として,すくい網法による3年間
二宮らは24年生の立木状態のヒ
類やスギ,モクマオウ等の実生苗を
ノキについて地上部の呼吸量を測定
用いて,分光エネルギー分布の異な
の節足動物の種類(科,類)と個体数
の変化を解析した。MEP散布地と
てきた現われとみられる。
し,直径や幹材積等の量的形質との
関係を明らかにし,田渕らは光環境
の異なる地点に生育するスギ伏条稚
苗の光一一光合成曲線の季節変化を
報告した。一方,角張らは,択伐等
の生産制御のための基礎的研究とし
る人工光源下で生育させた結果,伸
長生長,乾物生産において異なる生
長反応を示すことを認泌,この反応
差は各光源の遠赤色光の量および分
布比と重要な関係があると示唆して
いる。また,長尾はヒノキの花芽着
て生態生理学的なシミュレーション
生数が温度および光質条件で異な
モデルによる方法の紹介とモデルの
検証を試み,松本らはこの観点から
よびデータ集録処理法についてふ
り,赤色光域除去光下では花芽分化
しにくいが,青および青・緑色光域
除去光下では分化しやすくなり,こ
れらの反応は温度が高い場合に強め
れ,ブナ二次林において外気温同調
られることを明らかにしている。
総合的な森林の生態生理的計測法お
同化箱を利用した光合成,呼吸など
の測定結果を報告した。橋本らは,
生育段階の異なる4林分のスギ人工
林について各林木の樹冠の形や配
置,枝葉の空間面積密度を測定し,
これらから数理解析的に樹冠内の相
対照度を求め光合成量を算定した。
以上のような研究のほかに,小見
山はシラベ林内の稚樹の樹形形成過
無散布地を比較して,散布直後は数
は減少するが短期間で回復する。3
年間で年間の変動はみられるが,散
布による著しい変化はみられない。
田畑・大久保・本木(林試ほか)
は森林に空中散布された腿薬がどの
ように落下,拡散するか,対象外に
どのようにドリフトしていくかを調
べた。林内では散布6時間後でもご
く微量空中に漂っているが,翌日に
は検出限界以下となり,林外では風
下において500m地点までごく微馳
に検出された。
萩原・小林(林試)は苗畑の根切
保護(1)
虫(コガネムシ幼虫)の薬剤防除法
の検討を行なった。剤形,施用時期
によって異なるが,イソフェンホス
林業試験場保謹部山根明臣
が顕著な効果を示している。
串田・片桐・島津(林試)は苗畑
保謹関係のうち昆虫・線虫・獣関
の根切虫防除用天敵微生物の使用形
係は保誰(1),樹病関係は保護(2)に分
態について各種材料を比較した結果
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について述べた。B.t、などの胞子を
人工,天然林で野ネズミの種類相,
ンなど14種のモノおよびセスキテ
含む粉末状の形態で土壌に混和した
個体数変動を調べた。天然林,小面
ルペンを確認したほか,活性油分中
場合良好な成績が得られた。
積の植栽地および択伐林ではヒメネ
には強熱に不安定な誘引物質が微盈
小林・奥田(林試関西支)はスギ
ズミが優占し,アカネズミは天然林
に存在する可能性があることを示し
カミキリ調査用のスギ幼齢林で,ス
より人工林で多く,一方エゾヤチネ
た。
ギカミキリよりも激しい大型カミキ
ズミは一部人工造林地でわずかに生
リによる被害が目立ったので調べた
息していた。
岡本・市川・山崎(香川大)は「同
上Ⅷ」。パラコーI、処理したマツに
ところ,その幼虫はゴマダラカミキ
遠田・池田・尾田(林試)は枯損
殺虫剤を予防散布することによっ
リ〔一部ノコギリカミキリ)とわか
率の異なるクロマツ林で,枯損木中
て,マツノマダラカミキリを誘殺す
った(小島圭三氏の同定による)。
のカミキリ寄生率,脱出数.密度
ることができることを示した。
植栽後8年間に21影が枯れ,残った
(材表面積当たり)を調べ,ha当た
田畑(林試)はマツノマダラカミ
375本のうち84本に食害跡が認め
り13,080頭および1,164頭という
キリ幼虫の冬期および春期駆除効果
られたが,新しいものは少ない。
をコリンエステラーゼ活性の測定に
奥田(三重県林技セ)はスギ採種
値を得た。
遠田・池田・山根(林試)は誘引
園の球果の虫害を調査した。糖英樹
剤の捕虫効率などを知るために,脱
剤処理で冬期151ヨ後にはすでに毒
クローンを集めたスギ採種園では以
出虫数の明らかな林分で誘引剤によ
性作用が認められたが,羽化1カ月
前からスギカサガの被害があった
る捕虫を行ない,この林分で脱出し
前にさらに増大する。
が,最近スギメムシガ,モモノゴマ
た582のうち36%“150,雌62)
ダラノメイガの食害が目立ってき
が誘引トラップで捕虫された結果を
ノマダラカミキリの冬期,春期薬剤
た。クローン間の差は認あられな
示した。日平均気温20。C以下と雨
駆除が不安定であるといわれること
い。
天には全く捕虫されない。
があるために行なった再検討の結果
山根・池田・大河内・伊藤・遠田
牛田・吉川(京大)はマツ類枯損
木樹皮下のゾウムシ,カミキリムシ
類の踊密度を推定するためのサンプ
リング法を検討し,死亡要因を推定
較を行なった。粘着式L字型トラッ
した。
プがもっとも多く捕虫している。
(林試)は誘引剤によるマツノマダ
ラカミキリ誘引で各種トラップの比
在原蛎島県林試)はスミチオン
池田・山根・遠田・大河内・伊藤
油剤による枯損木中のマツノマダラ
(林試)はマツノマダラカミモリの
よって明らかにした。スミチオン油
小林・遠田・田畑(林試)はマツ
を報告している。代表的な駆除薬剤
を用い,枯損木をころがして全面に
散布した場合(全面散布),ころが
さず上面のみに散布した場合(片面
散布)などを比較した。冬期と春期
では冬期の殺虫率が高く,片面散布
では効果は全面散布に劣る。
カミキリ駆除効果が,材の乾燥状態
誘引物質として,主要3成分(エタ
などによって異なることを示した。
ノールを共力剤として使用)を検討
以上の各発表では4,5題をまと
湿った材ではMEP残留量,殺虫効
し,α一ピネンカ注要成分である可能
めて討論の時間を設け,総合的な討
果ともに低い。
性を示した。
論を期待したが,内容の異なる発表
岩目地(林試東北支)は5年間に
山崎・岡本(香川大)は「パラコ
がひとまとめにされてあったり,担
わたってアカマツ林のヒメネズミ個
ート処理によるマツノマダラカミキ
当した座長の専門分野が異なってい
体数変動を,生捕りワナによる標撤
リ誘引に関する研究V」。パラコー
たりで,十分に討論が展開しないケ
再捕法によって調べた結果を報告し
トとカーボサルファンを処理した生
ースが多かった。また会場が狭くて
た。体重と時期から春仔,秋仔,前
立木へのカミキリ飛来数,配偶・産
入室をあきらめた人も多かった。保
年仔に区別して個体数を記録し,春
卵行動を観察した。カーポサルファ
謹(1)に入るべき昆虫病理が保謹(2)の
から秋に減少する年でも春仔の出生
ンの殺虫効果は全く認められなかっ
樹病部門に組み入れられてあったこ
が少なくなく,死亡などが多いため
た。
となども,本大会の運営主体となっ
た中部地区の大学関係者には,保謹
部門関係者が皆無で,内容がわから
と推定した。
五十嵐(林試北海道支)は北海道
山崎・鈴木・砂古・市川・岡本
(香川大)は「同上Ⅵ」で,パラコ
において人工,天然更新の阻害要因
ート処理で誘導されるマツのlight・
なかったために止むを得ないことと
となっている野ネズミの生態を明ら
wood(松脂材)2の成分分析および誘
思われるが,逆に考えれば,保謹部
かにする目的で,施業法を異にした
引活性試験結果を述べた。α一ピネ
門の比重が林学の中ではいまだにこ
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の程度のものと,いささかの感なき
を注入することによって材中の線虫
しいろう脂性がんしゅ症状(病原,
にしもあらずであった。次回からは
を駆除できる,と報告した。海老根
病名未定),芽状天ぐ巣病,ディプロ
発表内容による適切なプログラム編
は,茨城県下の微害地,中害地,激
ディア病等をあげ,病徴および病原
成,座長選任の行なわれるよう要望
害地各3カ所で,3年間テーダマツ
同定結果を報告した。
する。
林とその周辺マツ林の枯損動態を調
島津らはコガネムシ類(根切り虫)
査し,微害および中害地では,周辺
マツ林の枯損率が10∼30%,テーダ
やマツノマダラカミキリヘの天敵微
生物のひとつ馳α"""・jα花"e"α菌
マツ林は5∼20%で,テーダマツの
について,散布用の分生胞子を大蹴
保護(1)
林業試験場保護部田村弘忠
マッノザイセンチュウ関係の一般
線虫検出率,カミキリの寄生率は漸
に得る方法を確立するため,培地の
増の傾向にあり,一方激害地の周辺
種類,培誕法,培養条件等の検討を
マツ林の枯損率が70∼100%,隣接
行なった。その結果,振とう培謎
するテーダマツ林では15∼30%に
した種菌液を1%酵母エキス加用
とどまっているが,なかには90%以
Sabouraud平板寒天培地の表面に
講演は9題であった。田村は,線虫
上の被害林分があり,また線虫検出
4m"ほど塗布する方法が股も良か
の毒素生産を裏づける簡単な実験系
として,無菌条件下で根だけカルス
率,カミキリ寄生率とも微.中害地
ったが,実用上さらに検討改良を重
より高くなっていて,テーダマツか
ねる余地を残す。
化させたクロマツの芽出し苗に線虫
を接種し,茎葉部の変化を観察した
ら脱出したカミキリの線虫保持数も
大宜見らは沖縄本島のクロキ枝幹
増加の傾向にあることを明らかにし
にがんしゅ状∼こぶ状の病害の発生
た。佐藤らは,岩手県下のマツ枯損
を認め,分離,接種,生理実験を重ね
が,萎ちょうした苗の多くは,線虫
の侵入による直接的な組織破壊によ
ることを示した。また田村は,マツ
ノザイセンチュウの耐久型幼虫から
の発生経過とその原因解析,処分後
た結果,この病気は""""20"as
の推移について報告した。小河ら
属に属する新しい細菌病であること
は,1980年の夏期異常気象下にお
を明らかにした。病原細菌は他の日
ける全国のマツ枯損地帯の状況をカ
ミキリの行動日数と対応させたとこ
本産樹木病原細菌と異なり,低いほ
うの生育限界温度が15.C,発育適
ろ,この指数と被害状況が必ずしも
温が34°C前後で,きわめて高いこ
一致しなかったが,このようなマク
とに特徴がある。恐らく熱帯性の新
分離した3種のグラム陰性菌の培養
ろ液に芽出し苗を萎ちようさせる物
質が生産されたが,もっとも強かっ
た細菌を3年生アカマツ苗木に接種
しても萎ちようがおきなかった,と
ロな要因分析によっていろいろな気
しい種類と思われ,病名をがんしゅ
報告した。
象条件下における被害拡大の可能性
細菌病と名付けた。
清原は,マツノザイセンチュウの
1頭の未交尾の雌が多数の雄を誘引
し,また1頭の雄が多数の未交尾の
雌を誘引することを明らかにし,双
方の性誘引物質が水溶性であるとと
もに揮発性であることを示唆した。
を予見できるのではないかと述べ
を報告し,発生環境解折のひとつの
手段として斜面上下の生立木の電気
保護(2)
抵抗を測定し,各数本の抽出伐倒木
による変色腐朽程度との対応を見る
清原は,4年生クロマツに弱病原性
のマツノザイセンチュウを前接種す
鈴木らは九州北部におけるキゾメ
タケによるヒノキ根株心腐病の発生
た。
とともに,木部圧ポテンシャルと変
林業試験場保謹部小林享夫
ることによって,後接種した強病原
色腐朽程度の相関性について検討を
行なった。
性の線虫の加害が抑制される,と報
告した。橋本らは,7年生クロマツ
に線虫を接種し,樹脂浸出が異常に
保謹第2会場では4月2日午後に
樹病8,昆虫天敵微生物1,食用菌
栽培1,大気汚染2の合計12題の
主要3病原菌(腐らん病菌,胴枯病
なってから10日以内メソミル剤を
講演発表があった。
菌,さめ肌胴帖病菌)の分離菌株間
林および林らはキリ胴枯性病害に
関する一連の研究の中から,今回は
土壌施用した結果,高い治癒効果を
まず,楠木らは茨城県下のクロマ
における病原性の差異と,これら3
認めた。佐保は,マツ枯死木の丸太
ッ林を主体とする海岸林に発生する
病菌のキリの幹・枝齢による病原性
に孔をあけ,イクリンスティックや
病害の実態調査から,材線虫病以外
の特徴について報告した。すなわ
食塩を投入し,5%DMSO水溶液
の注目すべき病害として,マツの新
ち,胴枯病菌は分離菌株によって病
第92回日本林学会大会報告27
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にいったんカルスを形成してゆ合に
ことに気づき,このDi""e属菌
で最初の試みであったが,突っ込ん
だ質疑応答,討論が交わされ,有意
義であった。以下,一般識演,ポス
ターセッションの順で,発表の概要
向かえば,翌春再発することは普通
と病原晒砂0”“属菌との発生消長
を紹介する。
はないことを示した。一方,腐らん
病菌は’’2の例外を除いて分離菌
株は病斑形成ならびに子実体形成に
を分離により追跡した。その結果,
柳井らは有珠山火口原の森林回復
過程を探るために行なったトラップ。
による飛散種子量の洲査結果を報告
原性の程度に幅が広く,一定の傾向
ほだ木の黒腐病(鹿川病)の発生生
を認め難いこと,また幹齢の増加に
態の調査において,病ほだ木樹皮が
より形成病斑が小さくなり,生育期
高率にDi"""g属菌に汚染される
D"""e属菌は不完全│世代から完
全世代への移行に伴い子座を形成
おいて相似した性状を示し,また幹
し,この子座の形成と生長によりほ
した。小川らはカシワ、ミズナラの
齢が進むほど病斑の拡大は大きく,
だ木の樹皮に亀裂を生じ,そこから
かつカルス形成後も,次の休眠期の
終わりには再発することが多く,治
病原必や“‘“属菌が侵入してシイ
タケ菌糸を攻撃することが明らかと
ゆ率は低い。さめ肌胴枯病菌は5分
なった。
発根,発芽を種々の条件下で実験
し,それらの防災林造成への優位性
を示した。下川は山地表層土の再形
成過程に及ぼす植生の影響に着目
し,崩壊地の植生侵入とその推移に
ついて報じた。落合らは治山ダム堆
砂への植生侵入およびその成長が,
堆砂と植生の安定化につながるの
で,山脚固定効果が期待できるとし
た。中島らは静砂垣内のクロマツ植
栽木の被害原因として,今回飛砂に
よる埋没と強風を取り上げ,その中
で樹体の動揺による"ゆれ穴"に関す
る興味深い結果を述べた。勝呂らは
緑化工施工および未施工法而の植生
調査に基づき,植生侵入状況,法面
保護と植生回復について報じた。伏
見らは林道路面の侵食実態調査と固
定観測施設による測定結果から,林
道路面の保全について考察を加え
た。江│崎らは飛散現象と侵食および
土砂流出機椛の関係を解明するた
め,モデル斜面による実験結果から
飛散量と流出土砂戯の関係を数式化
した。江崎らは続いて2題の発表を
行ない,1題は植生と土壌の相違が
土砂流出量および表面流下水量に及
ぼす影響の定趾的解析,もう1題は
林道切取り法面での侵食機構および
植生の保謹機柵の定量的解明であ
る。千東らは林道法面の侵食量の測
定結果,侵食量と気象因子の関係な
どについて報告した。井上は法面の
表面侵食に及ぼす地表流下水の掃流
力の影響を室内実験により明らかに
した。真板は水脈の到達距離の埜本
離菌株中’菌株を除いて病斑を形成
荒木らはアカマツ,ヒノキ,ケヤ
せず,その’菌株も病原性の程度は
キ,ポプラおよび広葉樹混交林にお
いて,林縁から林内へ,また林床か
ら樹冠上部へと測点をおき,オゾン
微弱であり,他の2病菌に比し重要
度は低い。また高村らは引続き岩手
県下におけるキリ天ぐ巣病の研究を
行ない,天ぐ巣病の発生と土壌.気
象要因との関係を解析した。本病は
渡度の減衰傾向を比較したところ,
樹種の迷いよりも林分密度がオゾン
減衰に影響を持ち,密度の高い林分
土壌条件の悪い場所で激発し,生育
ほどより減衰を早めることを示し
期に高温,少雨の年に発病率が高い
た。また角園らはポプラ4クローン
傾向を示した。
を用いて栄養条件(標準,半量,対
横川は熊谷市荒川堤の15年生お
よび25年生のサクラで樹冠枝梢部
の落葉枯死から退廃の原因が土壌中
における根系のならたけ病被害に基
づくことを明らかにし,現存するサ
照)を異にしてオゾンに対する感受
性を調べた。用いた4クローンの中
ではカマブチとNR84が感受性が
高く,NR6とOP29では感受性
が低かった。また栄養条件では各ク
クラの被害状況を指数段階表示によ
ローンとも標準区で感受性が高く現
り類別した。またならたけ病の発生
われた。オゾン吸収速度,光合成速
源が堤造成時における本病発生桑園
度,蒸散速度等の比較からクローン
間オゾン感受性の述いは気孔下の葉
肉細胞組織への拡散抵抗の差であろ
からの客土によることをききとり調
査から推定した。
陳野らはマツ林におけるつちくら
うと思われた。
げ病菌の動態を,マツ生杭打込によ
る捕捉法を用いて追跡した。たき火
跡から発生したつちくらげ病菌の進
展時期は4∼10月の生育期であり,
外縁方向への広がりの速度は数、ユで
あることが明らかとなった。マツ生
防災/ポスター
セッション
林業試験場防災部服部重昭
杭をスミチオン50倍液に瞬時浸漬
することが,樹皮の昆虫食害を防い
で,良好な結果を得たポイントであ
る
。
古川らは九州に発生したシイタケ
防災部門は一般識演30題と水の
流出解析というテーマでのポスター
セッション6題の発表が行なわれ
た。ポスターセッションは防災部門
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一重
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漁‘,型一
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ポスターセッション会場︵防災部門︶
1501小軋
瞳'1椰峰'・岬心ボ、初翠
←&与塘F水小量齢”−
のため,試験流域と斜面流域の流出
解析などを行ない,両者の流出特性
を比較検討した。竹下らは流出環境
要因としての土壊とその断面調査に
基づき,地形と土層堆積柵造の関係
を模式化し,斜面地形における流出
条件のモデル化を検討した。志水ら
は水路モデル実験により堆砂条件な
どとハイドログラフの関係を解析
し,治山ダムやその堆砂体の流量調
節効果を明らかにした。鈴木らは治
山堰堤の堆砂地がハイドログラフに
及ぼす影響を解析するため,下流端
詞
ノ
条件が堆砂地の地下水而形に与える
式を急勾配水路に適用することによ
づく多変量解析により,標高の寄与
効果を水路実験で検討した。林は落
り,その適合性を検証し,山腹水路
設計への有効性を示した。竹内らは
率が高いことを認め,その内容に検
差工により生ずるエネルギーロスを
討を加えた,細田らは1次谷数と比
Drop数のより広範囲に適用可能な
地震時における地すべり地の挙動を
加速度計,間隙水圧計,傾斜計等に
より検討した。落合らは地表変位測
定器を試作し,これを用いて地すべ
り地表面の応力測定を行ない,その
積分値の関係を求めることにより,
水系網の発達と流域山体の関係を考
計算式を導き,それがRANDの実験
解析結果を報じた。陶山は治山構造
材料の特性を考慮し,き裂寸法の評
価法,有効き裂による破壊靭性値の
修正法などについて,破壊力学的な
解析を行なった。中北は気球による
簡易空中撒影として,ビデオモニタ
リングなどの撒影装置の改良,工夫
を試みた。森脇らは斜面崩壊のメカ
ニズムを解明するため,降雨装置を
用いた崩壊実験を行ない,斜面下部
の安定が崩壊に及ぼす影響が大きい
ことを指摘した。丸井らは崩壊斜面
表層土の飽和時剪断強度を用い安定
解析を行ない,その崩壊深と微地形
測量から得られる崩壊深がほぼ一致
することなどを報じた。北沢は崩壊
地の部位と傾斜分布を地形図から計
測し,崩壊地は中腹部に多いことな
どを示した。小川らは山地崩壊発生
危険度の推定を目的として,斜面長
分布,表土臓厚分布に確率分布を導
入し,流域の崩壊発生確率を試算し
た。陶山らは崩域地調査とそれに基
値とよく適合することを認めた。
察した。服部らはヒノキ林地のアル
ベドを測定し,それと雲量,太陽高
度との関係を解析した。友村らは積
雪と気温の関係を検討し,降水が雪
になる限界気温,日稜雪量変化は気
温因子のみで表現可能であることを
示した。村上らは比熱式土壌水分計
の使用条件を土質との関連,降雨実
利 用
林業試験場機械化部柴田順一
利用部門では2日間にわたり延べ
験の結果から検討した。岩元らは山
地斜面の土壌水分の変化特性を降雨
形態,無降雨日日数などとの関連で
明らかにした。野口らは斜面の雨水
移動を観測し,降雨流出には水径流
出が重要であることを指摘した。井
上らは林野火災跡地の浸透能を測定
し,土壌の透水性,孔隙遍との関係
を考察した。綿引らは山地の洪水軽
減,水源かん蕊機能評価の観点から
平松らは11種類の目立てを変えた
流況指標を取り上げ,種々の流況指
標の持つ意味などについて検討し
おける握動を測定比較し,石井らは
た。
試作した把持力計を用いて玉切作業
以下は,ポスターセッションによ
69名による33題の研究発表が行な
われた。内容別にみると,振動騒音
に関するもの5題,集材機など伐出
作業に関するもの10題,地形解析
と林道に関するもの9題,ワイヤロ
ープなどの強さや劣化に関するもの
5題,それにトラクタ集材に関する
もの4題であった。
チェンソーの振動問題について,
ソーチェーンについて前ハンドルに
中の把持力握力等を実験的に測定
る発表である。野口らは小流域林地
し,後藤はチェンソー作業者が受け
の水の動態を究明するため,降雨時
の表厨地下水の変動を解析した。戎
らは山地表層部の雨水流出機織解明
る振動を把えるため,騒音の分析か
ら使用エンジン回転数頻度を測定し
た結果を報じた。また沼田らはチェ
第92回日本林学会大会報告29
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ンソーの騒音が人体へ与える影響を
騒音を録音再生する方法で,騒音に
対して被験者の心拍数に現われる反
応を実験的に測定分析し,佐々木は
路傍に連続する林帯の遮音効果につ
いて録音した自動車の騒音を用いて
使われる立木に一定の剛性を期待し
立木自身が倒れないという点から,
立木の強さを調べた結果を報じ,広
部らは架線の振動波による張力測定
法について理論的に実験的に確かめ
差があると考え林業地の林道につい
誤差の程度を述べた。
較検討した結果を述べた。市原は林
ワイヤロープなどの強さと劣化の
調べた結果を述べた。
架空線集材作業に関して,大河原
らはこれまでにも実繊のある岩大式
集材法をY型として天然林皆伐集材
へ適用した実例の洲査結果から能率
コストなどを検討し,飛岡はホイス
また仁多見らは林道配置パターンは
起伏量の大小・傾斜の緩急によって
問題については,北島らはスプライ
スの方法を変えた場合の破断強さの
測定結果を,小野らはジグザグエン
ドレス索のスプライス加工部分の寿
命と素線断線や抜けの発生状況を観
チングキャレッジ式集材の実行例に
ついて,酒井らは懸垂式モノレール
による間伐材の搬出を実行した結果
から,作業時間と工程などについて
の分析結果を報じた。また酒井は架
線集材の過去の実絞から架設撤去費
用を中心に分析し,いくつかの仮定
を設けて林道との関係を考慮したコ
スト計算を試みた結果を述べた。奥
田は民有林の間伐材搬出の事例から
集材方法の逮択要因が集材方法の選
択比率をどの程度説明し得るか検討
した。豊川らは災材機の操作の難易
をレバーやペダルの配置の方向・
力・操作頻度などに注目した実測結
果を比岐検討した結果を報じた。架
空線の張力の問題では,鈴木はH型
架線について張力計算式の解法を示
し作業実行例を紹介した。堀らは懸
垂式モノレール集材装置の実験をも
とに,その柵造上の問題を指摘分析
察した結果を述べた。また富永らは
して報じた。また森岡は支柱として
ルについてその傾向などを報じた。
モノケーブル滑車によるワイヤロー
プの疲れ試験を実施して,滑車満面
の形状と平滑さがロープ寿命に影響
を及ぼすことを,柴田らは2種類の
作業索として用いられるロープの疲
れ寿命試験を行なってS−N曲線を
求めた結果を報告した。井上らはナ
イロンロープの強さが劣化する現象
を促進暴露試験法および屋外試験法
による実験を行なって劣化の程度を
調べて報告した。
地形解析や地形図および林道に関
しては,芝らは地形解析に対してス
ペクトル概念を応用する一連の研究
として,地形の特徴の表現法として
有効と考えられる変動量の変化につ
いて理論解析と計算例を報じ,北川
らは林道網配置の評価基準の1つで
ある林道網定数について,林道密度
が低い場合の理論モデルと流域モデ
て解析し,酒井は数値地形図を用い
て林道の概略設計の方法を試みて比
道路面の耐侵食性について水路によ
る実験から土質と侵食の関係を報告
し,渋谷らは標識の視認についての
実験から林道用の案内標識として1
つの成果を得た結果を述べた。また
岩川は民有林林道の維持管理に関す
る実態調査から分析し,林道維持管
理の差をもたらす要因および重機車
両類の稼働実態・内容と役割など,
維持管理の実態と問題点を報告し
た。
トラクタに関する問題では,トラ
クタ集材が伐採跡地に及ぼす影響に
ついて,猪内らは集材跡地と試験地
における実態調査から苗木の生長量
への影響を,井上はトラクタ走行回
数による土壌の圧密について実験を
行ない,集材跡地における土壌硬度
などの測定値と比較検討した結果を
報じた。田中は皆伐一全幹集材作業
におけるトラクタの動きに着目した
シミュレーションモデルを作り,実
際の集材作業時間の調査結果を用い
て解析して報告した。また三村はウ
インチと荷台を装備したクローラ型
小型運材車についてトラクタ他機種
との比較とともにその動力性能の測
定結果を報告した。
’
〆
I'..・・・:
新森林航測
ク
テキス
渡辺宏著
A5判270頁定価2,500円(〒実震)
内 容
第1部基礎的な知識第2部測量を主とする技術
第3部判醗を主とする技術第4部新しい航測技
術第5部林業での活用演習【使用器材の準備/
写翼の注記・洲・器淑の見かた/単写爽の性磁に関する
減詞/立体写其の性質に閏する菰習/平面の測還(空
中辱爽棚易測熾)/満さの測鐘/林分榊戒要素の判読/
地形柵成要紫の判統ili'l"/森林”分類と整理の減習/
写爽と現地の蝋合作業】
発行日本林業技術協会
可で1.唾・●.。錘恥玲昂毎号宜聴・が合一砦&
1
、
画
30
第十六話その一
明治三十八’四十年
物語林政史・︾・
軍用薪事件で原保太郎山林局長が辞職したあと,明治38年(1905年)
琴聾
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初代法学士局長の登場
■“●和・一口
非鐸亀 窪﹄密鰐︽“
I
力みすぎ 空振り一一と流 打 の本
塁打
らぎ
馴鐵
3月,逓信省参事官から2年前に特許局長として農商務省入りしていた久
米金彌が後任として就任しました。久米は愛知県出身で17年東京大学卒
業の法学士(帝国大学令は19年)まだ高等文官の資格試験がなかった時
の卒業ですが,20年に内務省参事官になっているのは,おそらく同年の
『文官試験試補及び見習規則』で帝国大学法科大学出は無試験任用ときま
ったことから,それに準ずる取扱いを受けたと見られますので,正規の法
学士事務官の最先輩仲間と見て差し支えないでしょう。
これ以前の歴代山林局長の経歴は維新の名残でまことに種々雑多であり
ました。旧藩士から宮員として出仕した者(桜井,武井,田辺ら)政党人
から任官した者(志賀,佐々木ら),戊辰の兵隊上がり(原),翻訳官上が
り(高橋琢也)等々です。ところが30年代後期になりますと,かつて伊
藤博文によって考案され,山縣によって墨守された高等文官制度(第十話
その一)が,局長以上のポストについてしだいに人材を送り出すに至った
わけで,この久米金彌以後昭和21年(1946年)まで23代42年間,山林
局長は連綿として法学士の体制が続いたのであります。
おりから国有林の特別経営事業は軌道に乗りかけており,民間の林業活
動も旧林業地の拡大や新興林業地の勃興・機械製材工場の普及など,一大
伸張期を迎えたころでありました。したがって国有林野事業については今
一息のつめの努力が要請され,民間指導については30年の森林法で欠落
した経済条項の整備が課題となるとともに,府県独自の林業振興策の進展
動向を踏まえて何らかの国の施策が求められる気運になっていました。
このような時期に就任した久米は,前任者の原とは打って変わってネチ
ネチと事細かで,かなり意識過剰や身樵えすぎが目立ち,第二次森林法を
やり上げたにしては人気がありません。彼の意図は権限主体の発想を強行
することによって,前任者原のもとで存分に仕事をしてきた村田重治,松
波秀実ら主流技術官の頭を押え,まず自らのヘゲモニーを確立する方向に
向かったようであります。その結果彼の打った手は,進行形の国有林野事
業については,一時的な小波乱を呼んだもののおおむね空振りばかり,民
有林行政については若手事務官課長の中川友二郎(明治33年卒法学士)
● ●
を使って第二次森林法を制定し,またその景品のような形で,内容はやぶ
にらみながら,初めての国の補助予算を伴う林業振興策を打ち出すことに
なりました。その有様を順を追ってたどってみましょう。
ややさかのぼりますが,第十四話のような経緯できわどく成立した特別
経営事業が32年度から予算化され,国有林は山番所の体制から事業体へ
の道を歩み始めましたが,それについては何はともあれ全面的に施業案を
編成し,それまでの出たとこ勝負のような植伐状態から脱皮せねばなりま
せんが,これが思いのほか大変な仕事でありました。民有林との境界測定
胆
もまだ不十分で,それを併せてせねばならないという事情もありました。
これについては,去る19年に洋行帰りの武井守正局長が大小林区署官
31
一壱︽箔のがた湖・りふせい心
制制定とともに試み,その後ドイツ仕込みの志賀泰山らの努力でぼつぼつ注1:明治20年の「文官試験
試補及び見習規則jで,高等
編成が行なわれてきましたが,実態はまだ準備研究の域を出ていません。官試補に無試験採用ときまつ
そこで32年には本格的な"国有林施業案編成規程"が定められ,まず比較繍窯鰯喜瀦
的林相の良いところ211万町歩を10年間で編成する計画を立て,当初は理財.学科が加わっていた。
技師'名,技手2名,雇員'名を'組として取りかかり毒した。ところが麓鑑識露難鳴'次
最初の志賀の立案した規則はきめが細かすぎて作業が遅々として進まず,注3:明治30年前後の一連
松波秀実,佐藤賑五郎らの工夫で何度も規則を改正してしだいに林分に応麓繼謹認)蝋静
じた簡便な方法が採れるようにし,どうやら順調にな・たのは39年の4蹴織灘辮脅
月の改正以後でありました。保識取締面のみしか定められ
そのよう幡心の最中に就任した久米が最初にやったのは,まるで関係蝋懸難嘉騨ボ
者の息ごみを逆なでするような“とりまとめ処分”の通達(38年11月)えらっれ
てまずは一人前にな
た。それに着目すれば大
雛
U窪
!
§
で,日露戦後の財・政逼迫に応えた国有林の増収策でありました。前述のよ久保路線の完成は明治40年
うに優良林分から始めて施業案の編成をやってきたので,ねらい打ちにめ(1907年)であるともいえる。
ぼしい良木を増伐することばもばやでき難くなっていたのに対して,「伐駕,:撚慈鐙:漂
採は計画の'年分の5倍をまとめて実蕊してよい」という,施業案の本質輔艤鰯繋騨;,
r,
を最高責任者自らふみにじってしまう体のもので,後々も悪名高い暴令とは,青森大称区署長星野政敏
されたものです。これも第二次大戦中のように,木材そのものが戦争遂行1鵲萱躍鴛)鱒
のために必要とあればまた話は別ですが,戦後の財政事情によるものだっ磨寄稿には星野は賛成音であ
ったから青森では多少実行さ
たのですから,筋をまげた外部への迎合と評されても致し方ないところでれたと書かれている。どちら
しよう。これについて,松波は担当課長として,断腸の思いで印をさかさが辮葦識鮎腹心
壷
や■
タ
ィ
4ず
く
にしてついたものと思われます。そしていろいろ手をまわして軽々に実施だった佐藤銀五郎技師(後の
されぬように関係者を引きしめたので》ほんの一部で行なわれただけで他裡脅蹴蕊蕊瀦
には広がらず,久米の離任後通達は廃されました。
波自身の態度について直接は
書いていない。5.についても
浄
海
か産
や屯
認
(
こうして施業案体制はその整備過程における形骸化の危機をまぬがれた同様であるが,逸史が偏築さ
のでありますが,こんな骨抜き通達を一方で出しておきながら,案編成に鰯聯諦澪蕊
先行すべき測定業務の遅れに対して久米はノルマ制を指示しました。これ:艇鼈誌欺欝
は39年5月の通達です。もとよりそれまでにも測定の標準功程は示され人になって間もない松波との
9J
聖・F
ており,必要芯心得も示されていたのですが,局長通達として出張の往復蜜織撫熱篝
○
は急げ,途中で帰るな,宿泊所を近くせよ,内業は雨天と夜間に限れなどる。
細かに書いたうえ,功程の達成困難な時は事前にその理由を具した始末書蕊を測覧鰈鷺譲
を徴することにしたのであります。この種の知識集約な仕事に形式的なノー部の測定やり直しに際し,
ルマを課してもうまくいかないことば,技術者感覚からは自明の理であり,蕊浮職悪撫
松波は何とか押えようとしましたが,実際に測定の功程が上がっていない鯆評を見たと逸史に書
雪
V
幹対
今
ので強い反対もできず,一応その形をとっておいて,始末響云々などの運3月号本欄に谷千城とある
用は大林区署長がしかるべくするように示唆したようです。しかし一部にのは谷干城に訂正いたしま
0
謙がえ…て今一つ,久米"……剰鋤漁撚裟箪鑿個
,
んが,多くの関係者の言から,久米在任中の松波の屈折した対処方針がうの律子に訂正いたします。
、少索鐸準舞
と注4の箇所)。また同号注1
は退官後間もなく死去した所為もあり個人的な書き物は何も残していませに孫の祥子とあるのは鮎践
ぬり.‐ナマ
鯵匙科愉︲
はノルマこなしの手抜きを生じて後年やりなおすことになりました。松波す。(本文31頁下から8行目
32
|’
3月8日の朝,黄砂に染まった雪
自然のよき理解者としたのは当然で
く重い。ことに15年生前後の折損
の斜面で突然,同行のAさんが大声
あろう。獲物を追跡する猟師が野生
と幼齢木の倒伏が目立ち,被害率は
をあげた。「赤い雪が降るようにな
動物の習性に通暁し,山を知ること
少なくとも20%から30%に及ぶの
れば,もう大丈夫や,春が近いとい
によって自然を愛する境地に至ると
ではなかろうか。私には初めて目に
うことやでなあ」
いわれるように。
する,すさまじい雪害の世界であっ
黄砂は,中国北西部やモンゴルの
た
。
黄土が吹き上げられて空をおおう現
実は雪害木の譲渡を申し込まれてい
象である。太陽は輝きを失い,遠く
たからである。といっても,たかだ
に行なわれているように思われた。
力現えなくなるというが,日本にも
かアカマツ,クリの数本にすぎなか
林道沿いに集積された原木は,生か
春の寒冷前線によって運ばれてくる
ったけれど’いずれも私の貧相な山
せるものは生かすというふうに各種
と辞書には出ている。ネコダ山師を
では名木級(?)のものであった。
サイズに採材されていたが,それに
自認するAさんは,そのことを“赤
なかでも伐ってみてわかったのだ
しても5mにも及ぶ長材を,いった
Aさんの仕事は,予想どおり完壁
い雪”というかたちで,ちゃんと心
が,130年を数える傘松は,ざっと
いどうやって手ゾリを使い運んだの
得えているのである。事実,雪面は
みても胸高直径50cm,樹高30m
であろうか。さらに目をむくような
ややピンクがかった色彩を呈してお
の代物であり,先端の傘部が折損し
切り株の低さ。一見,荒々しいAさ
り,おびただしい雪害木とともに,
ていた。Aさんのねらいは,この木
んの内部に隠された,こまやかな心
どうにも非日常的な光景であった。
にあったようだ。
配りと高度な技術を見る思いがする
飛騨でいうところのネコダ山師
しかし,林道までの約200mは,
のである。
は,零細孤独な山商人のことだが,
逆勾配気味の部分も含めて雪上をソ
翌'9日には,例年より10日遅れ
林業の近代化に伴い,この人たちの
リ運材によらねばならなかったか
てユザライ(あるいはイザライ)が
活躍舞台はしだいに狭められ,いま
ら,搬出はずいぶん難儀なはずであ
行なわれた。この村仕事は,春は水
では失われてしまったというのが実
る。それはともかく,私はAさんの
田への水通しをよくするために,秋
情であろう。それは,すでに民俗館
申し出を受けることにした。
の終わりには,長い冬のあいだ,仕
入りを果たしているネコダの運命と
4月18日の土曜日,週休2日制
末した屋根や道路の雪がうまく流れ
るように,年ごとに行なう川掃除の
物を入れて背に約し,あるいは腰を
による月1回の指定日を幸いに帰郷
すると,役場から山林の雪害復旧計
画調べの照会が来ていたし,Aさん
の仕事の跡地検査も兼ね,その足で
ちづくられて以来,絶えず繰り返さ
下ろす時の敷物として活用された。
山へ出かけることにした。前回2]n
れてきたのではあるまいか。村のし
符合するように見える。
ネコダはこの地方の民具のひとつ
だが,蕊で編まれた一種の背嚢で,
ことである。
ユザライは,おそらく村落がかた
かつて山師たちは,ネコダを常用し
もあった雪は,見違えるほど融けて
きたりや家のかたち,田圃のかた
地域の山野をくまなく駿渉したとい
いて,顔を出した草場にはフキノト
う。だから,だれよりも現地の状況
ウが開き始め,Aさんのソリ道もと
ころどころ地盧をのぞかせていた。
そうやって暗僅な冬にかわり,やさ
ち,川のかたち,道のかたち,もし
かすると村のこころまでが,何もか
思われるような時勢の中で,ユザラ
事上,もっとも頼りがいのある資本
しい春の気配が山間を流れ始めてい
イは,ほんとうの意味で,人びとの
だったにちがいない。そして,そう
たけれど,一方では,いっそう惨状
連帯の深さと確かさを垣間見せてく
いう経験の積み上げが,彼らをして
を表わす造林地の中で,気持ちは苦
れるように思われるのである。だか
を熟知していたし,加えて,練達の
伐出技術や観天望気の確かさは,仕
灘鍛灘隷懲息
’#
この朝,Aさんにお伴したのは,
もが変わってしまうのではないかと
岡村誼
(名古屋営林局広報室)
にがい春
一 一 口 = − − − . − = 一 一
33
無磯なヒノキ造林地
(4月18日岐蝋県占城郡古川町で)
ら私は,溌理や思惑ではなく,その
空っ腹に熱燗ときて,酔いの回り
はず一家雪をほる』は,この冬,村
つど,名古屋からはせ参じ仲間にし
は早かった。目のすわり始めたB氏
では日常的な光景だった。どこの家
てもらっているが,早朝からのハー
が「腰を抜かすから,山へは行って
でも家族が,自然の怖さと向きあう
ドスケジュールは,街暮らしのやわ
ないんだ」としきりに強調している
厳しい││¥間の中で心を通わせること
な体にはかえって小気味よく,仕事
が,B氏の悲しみを抑えているよう
ができた。それを地域の脳囲に広げ
じまいに汲み交わす茶碗酒がまた楽
な目の色を見ていると,彼はすでに
ることもできたと思う。深い雪の唾
しみであった。
造林地の状況を見ているのではない
壕のような道で,人びとが喜びと悲
大ヤカンから舌の焼けそうな酒を
しみを共有したのは,まぎれもない
だろうか。
流し込まれながら,銘々が1個あて
古川町のまとめによると,全町の
のサバ缶をつつく。ユザライの潤土
豪雪被害は6億6千万円(3月20
事実である。
さて,だれかの言う「今夜は“起
上げは,いつもこんなふうに始まる
日現在)に達し,うち林業関係は3
こし太鼓”か」を合図に,ユザライ
が,今度の場合は,当然ながら豪雪
億円余。飛騨,奥美濃を中心とする
の茶碗を伏せたのであるが,19,20
討論会のような具合になった。
岐阜県の民有林被害は福島,福井に
日は古川町,気多若宮神社の例祭
夜半,木の折れる音を聞いたとい
ついで全国3位の66億円余に上っ
で,勇壮な“起こし太鼓”は,この
う人がある。その音はしばらくのあ
ている。B氏の目の色は,決して他
祭り一番の呼びものである。
いだ続いて,相当無気味だったらし
人事ではない。
午後10時から翌朝未明にかけて,
い。似たような話をリリ1日新聞(3月
それにしても,蒙雪はひたすらむ
80人の支える大太鼓が通りを進む
31日付・夕刊)で見た覚えがある
ごかっただけだろうか。何かひとつ
と,つけ太鼓をかついだ裸男の一群
が,それは福島県阿武隈山地の例
ぐらいプラス要素を残さなかった
が町の辻々から現われ蝿り出て,火
で,何百本,何千本の杉の水がいっ
か,という話になった。そりゃあな
太鼓につけようと先を争い突入する
せいにポキンポキンと折れる音は,
いこともないと長老格のTさんが口
のである。
恐ろしかったという記17である。吉
を開く。そして,たとえば雪をなか
村昭の『熊胤』は大正4年12月,
だちに親子の協力や対話が,自然な
北海道古丹別営林署管内で起きたヒ
かたちでよみがえり,改めて見直さ
夜行で名古屋へ向かう私は,雨の中
グマによる集落全滅の惨事の記録で
れたこと,あるいは村の連帯意識を
を駅へ急いだ。闇の道を町に近づく
あるが,ヒグマの口の中で砕ける人
いっそう固めたのではないかとい
にしたがって,腹にひびくような大
間の骨の音が描かれているところが
う
。
太鼓の音が聞こえてくる。それは長
たしかに「北越雪譜』(鈴木牧之)
ある。身の毛がよだつという点で,
折あしく夜に入ると,大雨注意紺
が出されるほどの本降りとなった。
かった冬の果てに,春の扉をたたく
ほり
両者に共通するものがあるように思
にいうところの「小家の貧しきは掘
われるのである。
手をやとふくきも萱あれば男女をい
宝
力強い音でもあった。
つひえ
(次回は奥薗栄氏が担当します)
34
5月の連休がやってきた。山菜とりのシー
ズン到来である。農場のまわりでは,いたる
タラノキの芽のおいしさを認めた。
その翌日,女房は,タラノキを探すのに夢
ところでタラノキが芽を開きはじめた。しか
中になっている。今夜,もう一度ゴマあえに
し,手ごろな高さの芽はもうほとんど摘まれ
ている。中には幹ごと切りたおされている木
挑戦してみるという。私たちは,サブザック
もあった。
2木の芽ひらく
「かわいそうに。こんなに芽を摘まれてし
まったら,木は死んじゃうよ」といいなが
を肩にかけ,首に双眼鏡という軽装で農場周
辺を歩いていた。
枝の先端にカンザシのような花穂を一面に
垂らした高木に出会う。
ら,女房は残った芽を摘んでいる。なんのこ
「これはアズサといってカンパの仲間。シラ
とはない。自分も加害者の一員になっている
カンバもそうだが,カンパやハンノキの仲間
のだった。ゆうべのタラの芽のテンプラがよ
ほど気にいったらしい。
はみんな花穂をたらす。垂れているのは雄花
の集まり,穂が長いと風にゆれて花粉が飛散
しやすいという利点がある。風媒花だからね」
実は,もう20年以上も昔のこと,北海道
へ赴任してまもなく,職場の仲間がタラノキ
の芽をたくさん摘んできてくれたことがあっ
いのね」と女房は,さかんに感心している。
た。「ゴマあえにするとおいしいですよ」
うな木があった。
しかし,夕食に出た女房手製のゴマあえは
なんだかにがくて,どこか頭をチ久チクさせ
るような味だった。
「こんなもの,どうしておいしいのかし
ら?」
女房は,自分のこしらえた料理にケチをつ
け,以来タラの芽を敬遠するようになった。
そんなことを,すっかり忘れていた私は,久
しぶりに東京から出てきた女房のためにタラ
ノキの芽を摘んでおいた。だが,台所で料理
を作る女房はタラの芽に手をつけようとしな
い。仕方がない。自分でやろう。タラの芽を
つつんでいる苞を除いて水で洗う。そばで見
ていた女房はおどろいて言った。
声
R
「なるほど。だてに長くしているのではな
アズサの隣に,黄い粉を全身にまぶしたよ
「ウワァ,きれい!これなんの木?」
「イタヤカエデ。山村ではこれをハナノキ
と呼ぶ所が多い。花を咲かせる木の代表選手
というところかな」
「カエデの仲間がこんなきれいな花を咲か
せるなんて,ち一つとも知らなかったわ」
ミズキが新葉をポツポツつけはじめてい
た。その木の下にいって梢を見上げると,青
い大空の中にかかれたグラフィック・デザイ
ン模様が美しかった。
谷間の広葉樹林。頭上をおおうオノエヤナ
ギ・ヤマハンノキ・ケヤキ・ホオノキなど,
やっと芽吹きはじめたばかり。コナラはまだ
「それ除くの?」
動いていない。5月の陽光は,まだすけすけ
「そうだよ。これは芽の外側にある苞で,
の梢をとおして,林床をすみずみまで照らし
食べられないよ」
「北海道のときは,みんないっしょくたに
︵東北大学演習林・助教授︶
西口親雄
してゴマあえにしたのよ」
「なんだ,そんなもの食わせたのか。苞
は,大切な芽を害虫などの食害から守るため
に,不快な成分を含んでいるのではないか,
と思うよ」
やがて,タラの芽のテンプラができ上が
り,さっそく試食してみる。
「うん,くせのない,淡白な味ね。これな
らいける!」というわけで,女房は,やつと
ていた。明るい谷間は山草の世界。高木たち
が葉を展開するまえの,ひとときの光を利用
して,春草たちはあわただしく生の営みをく
りひろげている。
カタクリの花はもうほとんど終わっていた
が,中に2,3鮮かな赤紫色の花弁をそりか
えしている個体が残っていた。カタクリの花
をみたことのない女房には,それだけでも感
激させるのに-│-分だった。ニリンソウの群落。
「花の軸が2本たつからニリンソウ」
「あれ,この花3本たっているからサソリ
35
4
旬
ミズキの芽吹
ユ
四少
一
、
堺
ンソウね」
甥
卓
1
少々アマノジャクの気のある女ではあ.る。
「この花,すてきね」
1
蔦
「ヒトリシズカ。静御前が一人で舞を舞っ
ているようだから」と,でたらめな説明をす
!
V
R
・
脾
】
ゲ
る。
雰蕊
鵠
「奥武蔵でもよく咲いていたぜ」
「そうかしら。はじめてみる花よ」
菱
角
な感覚で木や草をみれるとは,なんて幸なこ
〃
ノ
』
認へ篭
過去のことはすっかり忘れて,いつも新鮮
邸
〆
とよ!
∼
「この花,採っていきたい。いいかしら」
〆
∼
昔,奥武蔵をハイキングしたとき,この花
㎡
ノ
ル罰
を採っていこう,といった私に,「やはり野
一
におけヒトリシズカ」なんて言ったのは,ど
、‘
このだれだつけ。そんなことはすっかり忘れ
ている。そして,もう草の根もとに手を突っ
三
1
五
f
込んで土と落葉をかきわけている。
が
玲錦
うすむらさきの,あでやかな大輪の花力式突
i
然現われた。シラネアオイである。
藍
f
偉
く
弓
れもいただいていこう」といって,カタクリ
』
4
X
時
I
I
」
「とても野の花とは思えない。腐葉がこん
なにつもっているから,こんないい色が出る
のかしら」なんて一人言をいいながら,一株
失敬してポリ袋に入れている。「ついでにこ
、
扉
と認
興爵ぎみであった。シラネアオイやカタクリ
を掘りはじめる。しかし,掘っても掘っても
もきれいだが,ヒトリシズカがなんともいえ
根にとどかない。ゴウをにやして茎を引っぱ
ず好きだ,という。ピンと立った白い花穂,
ると,プツンと切れてしまった。
それを包む葉の濃いみどりと白いたてすじ模
様,その形と色彩の上品さはバツグンね,と
「アカンワ,この花どうなってんの?」
大阪弁まる出しである。カタクリの,思わ
ぬ抵抗にあって一瞬あわてたようだった。
「カタクリだって防衛しているんだよ。花
がかわいいから猫みにくる奴が多いのだろ
う。そう簡単に引っこいかれたら滅亡してし
まうからね」
ほめる。
帰りは花に満足したのか,今度はフキとり
に熱中した。みると,軸の赤いものも手にし
ている。
「アカブキはまずいという話だよ」
「東京の店で売っているのは,みんな赤い
わ」と平気な顔である。その夜のおかずは,
一段落したところで昼食にする。オオルリ
フキの油いため,タラの芽のゴマあえとテン
が近くの木にやってきて,ひとしきり,美し
プラ,コゴミのおひたし,などの山菜料理に
い声を谷にこだまさせる。東北の春の,芽吹
なった。赤軸のフキも結柵おいしかったの
きはじめたばかりの落莱広葉樹林の,林床で
で,女房は,やはりこれでよかったのだと,
咲くI」I草群落のかずかずをみて,女房は少々,
一人で悦に入っていた。
36
ilⅢⅢⅢⅢⅢⅢ,ⅢⅢⅢⅢ111ⅡⅢ'1Ⅲ│ⅢlⅢⅢ11ⅢⅢ│IⅢIⅢlⅢ111Ⅲ'11Ⅲ1
民有林の施業計画策定に関する
ブナ天然林を例にとり,小面積の皆
マツ皆伐林分について,摂れの少な
研究(1)地域森林計画におけ
伐作業を実施する場合の,伐区間林
い個体の選抜と,その実態について
る人工林の伐採量および造林面
分の施業体系を確立することを目的
検討を行なった。
積の決定
としている。理想的な択伐林は,更
東大農南雲秀次郎ほか
日本林学会誌63−3
1981年3月p.79∼89
地域森林計画策定における中心的
課題は,計画期間内に実行すべき伐
採量,再造林および拡大造林面積を
決定することにあり,これらの諸量
は,地域内の森林資源の状態によっ
て規定される。したがって,よりよ
い森林資源の状態を実現することを
長期的な目標として,現在最も望ま
しくかつ実行可能な計画量を決定す
ることが必要である。これらの諸量
新も良好であるが,それは複層林で
調査,測定の結果は,概略次のと
おりである。
あるため林内への陽光の射入が容易
①全個体640本のうち最大角3.5.
であり,また樹種の混交により陽光
未満を選抜基準とし,32個体(選抜
を質的にも有効に利用しうることに
率5.0%)を選抜した。②最大角の
よる。そこで,一斉林型的な森林を
出現樹齢は15年までに879%と,
択伐林型に導くことにより,更新や
比較的若い樹齢で最大を示し,早期
生長が促進されると考えられる。
選抜,検定の可能な形質であること
ブナ林の更新,生長に関し,主と
がわかった。③胸高直径の大小と最
して林分構成に関連させて検討した
大角の相関は,全く認められず,お
結果,ブナのほか他の広葉樹が若二'二
のおの独立形質である。
混交した択伐林型の林分の場合に,
ブナの更新がよく,かつ良好な生長
を期待できることが確認された。し
は,計画上および施業実行上必要な
たがって,この地方では,ブナの純
諸条件を各種の方程式で記述し,そ
林をさけ,他の広葉樹を本数で30%
の条件のもとであらかじめ設定した
前後混交した択伐林型の林分に誘導
目的関数を最適化する線型計画の問
題として定式化できる。
するのが望ましい。すなわち,更
そこで,地域森林計画における人
構成の機能を低下させない選木規準
新,生長を促進するためには,林分
休耕田でヒノキの育苗
編集部白石善也
林業新知識No.329
1981年4月p.10∼13
休耕田をどのように利用するか,
いろいろな転作作目が試されてきた
が,ここには,ヒノキの床替床とし
て成功している福岡県の例が紹介さ
れている。
工林の伐採量および造林面積を決定
や収稚規整法が必要である。
する2つのモデルを作成し,その計
カラマツの振れに関する選抜
の成否を左右するのは苗畑の水利で
一カラマツ属の育種に関する
ある。ヒノキ苗の根はスギ苗に比べ
研究(6)
きわめて耐湿性が弱く,水田跡の湿
算例を示している。最初のモデルは
減反率を用いる確率モデルであり,
第2のモデルは決定モデルである。
この2つのモデルは,地域森林計画
の策定に有効な手段となりうる。
ブナ林の更新,生長に及ぼす林
分構成の働き
北大農菅野高穂ほか
日本林学会誌63−3
1981年3月p.90∼93
この研究は,桧山地方の北海道有
水田でヒノキ苗を育てる場合,そ
王子・林木育種研千葉茂ほか
北海道の林木育種23−2
1981年3月P、8∼12
カラマツは擬れが強く,狂いやす
った土壌条件では根ぐされ病が多発
しやすい。そこで,種々改良され,
現在では床の高さを25cm以上とし
た高畝育苗法によっており,根ぐさ
いため利用上の障害になっている。
れ病をほぼ完全に防ぐことができ,
そのため利用,加工技術の面から種
得苗率も85∼90影に上がった。
々研究が行なわれているが,育種面
以下,苗木生産者の1人,倉光一
からも重要な問題として取り組む必
雄氏の場合が紹介されているが,苗
要がある。本報では 栗 山 山 林 の カ ラ
木づくりは1つの水田について2∼
37
3年おきの輪作としている。つま
り,連作をさけているが,水田に戻
した1年目は雑草も少なく,深緋の
効果もあって米の収逓も増えるとの
夫,改善が必要である。
シイタケ市場の動向とそれをめ
ぐる問題
愛媛大農野田英志
ことである。苗木づくりの作業手順
が解説されているが,苗木は普通の
林業経済No.388
1981年2月P、18∼30
苗畑で生産したものと変わりなく,
1本当たりの直接没は,2年で15.3
円,3年で19.45円となっている。
立木調査用ガンタッカーのホチ
キス針およびナンバープレート
による材の変色と損傷
農工大農生原喜久雄ほか
日本林学会誌63−3
1981年3月P、97∼99
シイタケ等食用きのこ頬の生産
に判断し,また確かめなければなら
ない。さらに,実生法,さし木,つ
ぎ木,とり木,株分け等には,それ
ぞれ長所,短所があるので,場合に
応じて活用しなければならない。
以下,実生法,つぎ木について,
とくに,さし木の理論と実際につい
て詳しく解説されている。
は,とくに40年代に入り大'limな拡
大をみ,農林家の複合経営における
海底埋没林一吉原沖と富山湾
補完.基幹作目として,またその生
の埋没林
富山大藤井昭二
産拡大は,山村の振興や林業地域の
新たな展開においても亜要な意味を
グリーン・エージNo.87
1981年3月p.21∼26
もっている。
こうしたきのこ類の生産の拡大
は,同期における国内需要の大I隔な
黒部川扇状地の入善町吉原沖500
Iny水深40mのところで,1980年
毎木調査に便利なため,立木に個
増大を背景としたものであり,その
5月に,ダイバーによって発見され
体識別の番号としてナンバープレー
中で主要な位置を占めるシイタケに
た。
トをホチキスでとめ,澗査を行なっ
着目し,戦後急速に拡大したシイタ
引き続いての著者らによる採集さ
ているが,これらのプレートは調査
ケ市場について,それがどのような
れた泥炭の分析,16mmフイルムや
後もそのまま放砿されていることが
拡大条件,拡大要因のもとになされ
ビデオの詳細な検討によって,埋没
多い。
てきたのか,そしてそれは拡大以前
林は黒部川扇状地の縁の海底谷がき
これらのホチキス'l・のうちこみは
と基本的にどうちがい,どのような
ざみこんでいる岸に分布しているこ
形成層や木部に慨をつけることにな
特質をもつのか,また,その拡大の
とが明らかとなった。年代は10150
るので,うちこまれてから4∼6年
過程でどのような問題につきあたっ
土230年前,樹種はシデとトチノキ
たった木について,ホチキス針とナ
ているのか,などについて報告され
であることなどもわかってきた。
ンバープレートの付いている状態お
ている。
よび変色の状態を洲査した。
ホチキス針の移動にともなって木
口面に細い変色が生じたもの,プレ
ートが材の中にまきこまれているも
の,さらにまきこまれて幹表面がコ
ブ状になっているもの,幹表面には
傷はみられないが柾目面で変色して
以下,埋没林の形成された原因や
林木の増殖法の基本原理と今後
の調査研究課題
静大農森下義郎
高知林友No.616
1981年3月p.2│∼28
増殖法は,有磯繁殖(実生),無
いるものなどが写真で示されてい
性繁殖(さし木,つぎ木,とり木,
る。変色の大きさは木口面や板目面
株分け等)があるが,林業経営にお
よりも柾目面で大きく,うちこまれ
いて,好ましい種子,穂木,苗木な
て4∼6年の調査では,柾目面での
どという場合,品種系統すなわち遺
大きな変色は縦5cm,"1cmに達
伝的にすぐれているかどうかがまず
している。したがって,ガンタッカ
第一に絶対的な重要条件である。ま
ーのホチキス針によるプレートうち
た,スギの品種系統についても,立
こみは止めたほうがよいが,やむを
地条件いかんによって,良否が逆'│嚥
えないときは調査後撤去するか,伐
することが常にある。最終的には,
採面より下部でのうちこみなど工
それぞれ立地条件の異なる現地ごと
それらに関連した諸研究,他の埋没
‘体の調査結果などが述べられてい
る。
○平野孝二:特集日本の森林
・林業展望一林業経営の回
顧と展望
山林No.1162
1981年3月p.4∼26
○昭和55年度森林組合監査士試
験/解答例と講評/受験体験
記
森林組合No.130
1981年4月p.40∼61
38
農林鶏
ろ輸入材の割合は,54イより0.9ポ
イソ│、減少し,68.3%となってい
潟
。
○昭和56年の木材(用材)需給見
昭和56年の木材需給見通しおよび
通し
56年の木材の総需要瞳(メL太換
主要木材の短期需給見通し
算:)は,、I1.飢住宅櫛工の低迷が続
くことが見通されることから,前年
用が対前年比8影減の5,561万nl31
よりやや減少し10,315万Xn8になる
対策中央協議会」(座長:郡司章)
合板閑が8影減の1,287万In3とい
ものと見通される。
で,最近の木材をめぐる諸情勢につ
ずれも前年を下回ったのに対し,パ
濡要部門別には,製材用が対前年
いて種々検討した結果,56年の年間
ルプ用は,12%増の3,585万rn3と
比4%減の5,365万In8,合板用が
木材(用材)需給見通しおよび短期
前年を_上回っている。
6影減の1,205万In31パルプ用が
3月31日開催された「木材需給
(3カ月)の需給見通しを次のごと
一方,供給については,国産材が
く作成し,3月31日林野庁がこれ
対前年比1%増の3,424万In8とな
を発表した。
り,54年に引き続き前年を上回っ
○昭和55年における木材(用材)
たものと見込まれる。
需給実績見込み
5%減の3,400万rn8といずれも前
年を下回るものと見通される。
一方,供給については,国産材が
対前年比4筋減の3,275万nl31輸
他方,輸入材は,製材8影,チッ
入材も4%減の7,040万nl3と見通
55年の木材の総需給量(丸太換
プ6%,パルプ20影とそれぞれ前
される。この結果,総供給蹴に占め
算)は,前年を2%下回る1,792万
年を上回ったものの,大宗を占める
る輸入材の割合は,前年と同じく
In3になったものと見込まれる。
素材が対前年比11影減となったこ
68.3%程度となる見通しである。
需要部門別には,新設住宅着工戸
とから総数では,対前年比3%減と
○主要木材の短期需給見通し
数の大幅減少の影響を受けて,製材
なった。この結果,総供給量に占め
∼ ロ ー 凸 q シ ・ わ 』
- ● ● ● ヘ
には127万戸と前年に比べ15影の
雛計I臭轟織白難…
大幅な減少となり,第一次石油危機
55年の住宅建設の
に比べ13影の低下となった。
55年春以降の住宅建設戸数の減
のたあに大幅な減少を示した49年
少の要因は,宅地価格および建築費
をも下回る水準となった。
が上昇したのに対し,実質雇用者所
また,着工新設床面積は,1戸当
動き
く国産材>
得の上昇が消費者物価の上昇を下回
たりの床面積が連年ほぼ着実に増加
るなど停滞したこと,金融引締め基
51年以降ほぼ150万戸台で推移
を示しているものの55年には着工
澗の中で住宅ローン箕出金利の引上
していた着工新設住宅戸数は,55年
新設戸数の減少の影響が大きく前年
げがあったこと等が挙げられる。
着工新設住宅戸数および床面積の推移
うち黍造蔓
1,120
59
資料;建設省「建築着工統計調査」
’
L = ● f p − 壱 0 ■ 9 口 、 』
0−
1,4931,269
958
910751
62
6 1 5 9
2.7 4 3 . 6 △ 1 5 . 0
60648
7 7 8 1
74624
哩86L8
13.8△26.8
1
’
6 1 6 9
f(m2)
3.1
993
946
65
63
12.4 △ 1 . 0
55842
147107
9 0 7 4
67
39
6.8
1
7
△30.9
907
9︼8983
“擬癖薦”
(
%
)
(
%
)
861
66
86◇8
1ワ︼1
5.4
床 総う面
澱 ((百万m2)
ち 木 造 ((百万m2)
面
54年55年
,_qngl,2,RI,q尽縄,貝ワハITRnoITE4
1,905
1,316
1
,
3
5
徳
1,524
1,508
1,549
176.8
1
4
数対前年増減(△)率
Jjjj
炉幸礎鰯
くく
戸 総 戸 数
│48年│49年│50年│51年│52fFI53年
137119
8975
6 5 6 3
0.2,△12.8
9 1 9 4
’
39
干下回るが,7∼9月期は前年をや
や上回る水準で推移するものと見通
される。
<輸入材>
米材にあっては,4∼6月の港頭
出荷量は前年同期をかなり大幅に下
回り,7∼9月になって前期よりや
や増加するものと見通される。南洋
材にあっては,4∼6月期の港頭出
荷量は製材用,合板用とも前年同期
をかなり下回り,7∼9月期につい
ても低水準で推移するものと見通さ
れる。北洋材にあっては,4∼6月,
桧山鴬林鵜糟内・砂坂海岸林(1976.3)
林政拾遣抄
砂坂の顔
砂坂海岸林は,北海道の西海岸江
あった。砂丘に植林するなんてむち
やではないかという声を背にしなが
ては,4∼6月,7∼9月期を通じ
差市の北方約8km,厚沢部川河口
に接する所にあり,昭和12年から多
くの人々の血のにじむような労苦に
よって仕立てあげられた飛砂防止林
らも,技術者たちはワラを運び,ヨ
シズを集めて垣を築きクロマツ苗を
植えていった。これらの技術者の1
港頭出荷斑は前年同期を大幅に下回
である。海岸に沿って長さ1.5km,
人に佐川久八さんもいた。昭和16
り,低水準で推移するものと見通さ
幅0.5kmの広がりをもち,内陸に
かけて豊かな水田と畑が続いてい
年から休むことなく砂坂海岸林づく
りに献身し,昭和46年にはその功
る。海岸林が造られる以前の海岸は
見渡す限りの砂地で,農地の砂風害
7∼9月期を通じ港頭出荷量は前年
同期をやや上回るものと見通され
る。またニュージーランド材にあっ
れる。
一ー孟壱ら…。V呵、。¥f−.■■G凸免嗣4.。■
I
また,55年の住宅建設の特徴的な
動きとしては,三大都市圏を中心に
分譲住宅の割合が前年に比べ2.1ポ
イント増加していること,木造率が
1.7ポイント低下していること等が
みられる。
わが国の住宅は,戸数では53年
的にも,質的にも改善されてきてい
る。しかし,大都市を中心として,
世帯数の18%が「第三期住宅建設
五箇年計画」に定める最低居住水準
に達していない。
なお,安全で快適な生活を営める
住宅建設の促進が必要となってい
る。
後方にまで降り注ぎ,それこそ「水
坂の顔」をもつ数限りない人がワラ
幕のように」と言われるほどであっ
たという。農民は水田を埋めた砂の
を運びクイを打ち,誠心こめてクロ
かいだしに追われていた。農地を風
砂から守り,吋土もあまさす耕す」
とはそのころの国の農政の方向であ
マツを植えていった。昭和12年以
降48年までに67kmの堆砂垣,65
haのクロマツ林がこうして造成さ
ったが,砂坂海岸林もまさにその目
れたのである。投ぜられた費用を48
年当時の価額に換算すれば4億円を
的のために造成された飛砂防備保安
超える。
林であった。
現在「海岸林の中に道路を通せ」
Ip申画夕4F令舟ら。■■
には全世帯数を8影上回るなど,量
は著しかった。砂は汀線より7km
績を高く讃えられた人である。「汗と
砂塵で染め上げられた砂焼けの顔」
をした佐川さんを先頭に,その「砂
三三三一三三三三一三三三三一三三一三三一三三一三三三三一三三三三三三三三三一三三三三三三一三三三三三一三三一三三三三一三一三三三一三三一三一三三一三一三三三三一三三三三三三三三三三三三一三三三三三一三三一三一三一三三三三三三三三三一三三三一三一三三一三
国産材の大宗を占める製材用の工
場入荷愚は,4∼6月期は前年を若
”
﹃一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一︷一一二一富二
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皇
だが,水もなく,夏は高温にな
とか「砂利の採取を認めよ」などの
り,冬は強風の吹きすさぷ北海の砂
丘を安定させることは容易ではなか
った。堆砂垣をつくり,アキグミ,
イタチハギを植え,クロマツを混植
したが,秋につくった垣も春には砂
に埋まり,せっかく植えた木もすべ
要求が強いという。砂が安定し災害
て枯れてしまうという繰り返えしで
いないのである。(筒井辿夫)
も起こらなくなったことから生まれ
た声ではあるけれども,自然を畏れ
ぬオゴリの声を聞くようである。
「砂坂の顔」をもった人たちは決し
てこの種の代償は求めなかったに違
写真提供:桧山営林署
壷…幸・凸一…一宅Fn唇争→
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侭
40
−
林業の現状は,材価の低迷と生
… 鐸
産賀の高騰によって,収益性の低
下どころか,経営が赤字に転落す
る例も少なくない。しかも,将来
山脇・大旱・
鈴木・森岡.
小 島共著
さ駐磯:鵜競羅
嘉
霞
;
鵜
蕊
菌鴬職繰蕊Wにいぼいぼのあ為
そ
林業機械学
病前回(本誌155年11月号)は特異な形
原を示すタカノツメさび病菌を紹介した
ミクロの造形
’
の重みを持ち,ますます優れた材
質へと改良されてきている)が,
価絡の面でも木材を圧迫し続ける
ことが予想される。
これに対抗する手段としては,
生産費の低下が最も有効である
が,その中で比率の高い労賃は,
他産業への流出と従業員の老齢化
や社会福祉の強化などで,上がっ
ても下ることは考えられない。
とすれば,林業機械を使う省力
化・経費節減と林道網の整備に突
破口を求めるのがだれしも考えつ
くことであろう。
ところが,林業家には機械は苦
に任せるという消極的態度でいた
が,、林業の危機を突破するには,
林業関係者の全部が林業機械に通
暁し,その活用を図らなければな
らない。
ここに待望久しい良著が出版さ
れた。国立林業試験場機械化部長
の山脇三平・東京農工大の大里正
一・筑波大の鈴木正之・名古屋大
の森岡昇・北海道大の小島幸治
ているのが実情である。ポプラ(劫少“鋤
(患獺#孵箪離俊)
材(いまや代替材という言葉以上
最たる者で,機械は専門家か業者
の示し区別し難い。これらはむしろさび胞
子宿主の違いや,同種寄生など生活史に
4
基づいて種の類別がなされ,それぞれ異
なるヤナギの種と結びついている。した
がって,一般には夏胞子世代の採集標本
は宿主であるヤナギの種類により同定し
る必要があろう。
セメント・プラスチック等の競争
手だという人が多い。私などその
わが国にはヤナギ属樹木上に11種の
ハ'Eノα"ゆ”1.α属さび病菌が知られている
が,夏胞子世代は互いに良く似た形状を
属に寄生するMな""ゆs"。α属菌で試みら
れたごとく,ヤナギ類さび病菌において
も走査電顕による夏胞子表面小突起の形
と分布に基づいて,類別の可否を検討す
の展望は,鉄・アルミニューム・
諸氏の共著である『林業機械学』
朝倉書店
東京都新宿区新小川町
2−10
(gO3-260-0141)
昭和55年9月25日
発行
A5判,264頁
定価3,800円
がそれである。
その内容は,
I林業機械総論
Ⅱ林業機械の動力・擬械材料
.機械要素
Ⅲチェーンソウ
Ⅳ刈払磯・植穴掘儀
V集材儀
41
Ⅵ索張り方式・搬器
Irご禮言刀
Ⅶトラクタ
付録林業機械作業基準(林
野庁)
自然生態系論に秘められた虚構
I章では,林業機械と磯械学,
磯械の種類と沿革(各種機械の使
用の歴史),効率と能率をⅡ章で
基礎的共通的な解説をした後,Ⅲ
章からⅦ章までは,それぞれの機
「バラ色の未来=21世紀・論」が
傾向が顕著になりつつある。「イル
秘めていた虚椛は,諸公害の発生で
カ騒動」のごときは,その先鋭的実
械について,種類・構造・材料・
あった。そして,その虚構の実態
例である。
燃料その他・操作・能率・効率・
は,生物生態研究者を中心とした自
人類存続の過程において,個々の
整備や修理法・作業の場合の服装
然科学研究者たちによって露呈させ
人々は生を営まなければならない。
や動作に関する注意まで,あらゆ
られてしまった。
人間の「生の営み」は,人類存続の
ることが細かに要領よく記載され
ている。
この点,大学林学専攻学生およ
さらに,「バラ色の未来論」が秘
絶対条件である。「イルカ騒動」の
めた虚椛を究明した研究成果を母体
場合のイルカの捕獲は,漁民にとっ
として,自然生態系維持保全に関す
て「生の営み」である。
び林業技術者に対するテキストと
る蒲主張が育まれることになるが,
「人類存続の危機」を主張しなが
して,好適なものであることはも
これらの諸主張を包括的に,仮に,
ら,他人の姓の営み」を無制限に
ちろん,一般の林業経営者や林業
関係者にとって,林業機械の総合
「自然生態系論」と呼んだわけであ
る
。
侵かそうとすることは,虚構であ
る。
的な知識を盤得するうえに,この
そこで,この論が自然保謹運動の
たとえ,他人の「生の営み」を侵
上ない参考書として推奨するもの
実磯者たちの武器となり,通勤を活
す者が,自然保謹運動実践者の中の
である。
発化させるエネルギーとなって,他
ごく一部の人々であるとしても,
ただ望蜀の点は,機械の価格や
への強制行為を伴うに至って,虚構
「自然生態系論」において,他人の
作業費など知りたいこともある
を懐胎したことに注目すべきである
「生の営み」を侵害する契機となる
が,変動の多い性質で響きにくか
と考える。
ことを,明確に否定しない限り虚構
ったであろう。また日進月歩の世
古くから「自然主蕊連動」と呼ば
の中で,新機種や改良部が発表さ
れる近代文明の持つJド人間性に反発
林業は,人間が「生の営み」の拡
れた時に,適当の機会に増補改訂
した人々の連動があるが,それは連
大を,自然との調和において准得し
版を出していただきたいのであ
勤者自身の枠内で完結し,運動者以
ようとする行為にほかならない。
る。
外に対して強制を伴うものでない。
(東京大学名誉教授・嶺一三)
湖押旭f・触狸
祷9
したがって,林業技術の発展進歩
しかるに,「自然生態系論」を武
も,自然との調和を保ちつつ,具体
器とする巡動の場合は,「自然生態
化されなければならないことはもち
系の破壊が進行すれば,生物の種を
ろんであるが,「自然生態論」に秘
絶滅させ,やがては人類の存続さえ
められた虚構に眩惑されて,林業技
危機状態に立ち到らせる可能性があ
術の発展進歩に対する努力を,いさ
る」という主張一あるいは,それ
さかでも緩めることがあっては,絶
に近似した主張の下に,彼らが自然
対にならないのである。
を破壊すると判定した事態に対し
鋼F噸蛾
性を払拭することはできない。
(M・N)
て,強力に阻止する行動を実践する
この欄は編集委員が担当しています
玉 一 画 全 容 廓
’
42
研究機関の組織,耽員柵成,研究予
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囲嗣眉廟
※ここに紹介する資料は市販されない
ものです。発行所へ頒布方を依頼する
か,頒布先でご覧下さるようお願いい
たします。
l
I
’
算,実施している行政関連事業,百
万円以上の機器等がのっている。
昭和53年度林業試験研究報告書
林野庁
十日町市組織的調査研究活動報
告書一豪雪地帯における長伐
昭和55年3月
IBDU成形品の林地施用試験
口松くい虫被害跡地における代替樹
一中間報告
大分県林業試験場
期優良材生産技術
新潟県林業試験場
種の適応試験
昭和55年3月
51∼53年度の3年間にわたり,西
省力的育林技術の開発の一環とし
日本8府県の林業試験研究機関で実
て,緩効性窒素肥料であるIBDU
施した国補メニュー課題の成果であ
移動などの雪害のために短伐期の林
成形品の林地施用の効果を試験した
る。メラノキシロン・アカシアは,
業生産は難しい地域が多い。このよ
ものである。IBDU成形品はス
樹形よく,生長良好であるが,異常
うな地域では長伐期施業が考えられ
ギ,ヒノキの林地において十分に効
寒波に対する抵抗性が弱い。ヒノキ
るが,それに関した試験研究は全国
果的な肥料であり,その使用は1∼
は,適地が限られ,80年以上の長伐
的にみてほとんど実績がない。本研
2年の下刈り短縮が可能であるが,
期良質材生産を指向すべきである。
究では,例年2∼3mの積雪をみる
無下刈り造林達成の切札にはならな
クヌギは,活着良好であるが,初期
十日町市を選定して,スギの長伐期
い。施肥効果を高める手段として,
生長に劣り,芯の立ち上がりがおそ
優良材生産のたあの技術指導内容を
雑草を造林木の周囲に生やさないこ
い。コナラは,クヌギより生長良好
確定し,育林技術の体系化を試み,
と,すなわちマルチとIBDU形成
であり,1回床替の苗木を用いれ
あわせて今後の試験研究課題を摘出
品の組合せが最も期待される方法で
ば,活着率を高めうる。タイワンフ
している。階段造林,植栽本数,雪
ある。
ウは,活着良好で,萌芽力が強い
昭和55年3月
豪雪地帯においては,冠雪や積雪
起こしについてとくに詳しく述べて
いる。
が,キクイムシの被害がある。アメ
関中林試連情報第4号
緑化対象地の土壌について−
関東中部林業試験研
究機関連絡協議会
都市およびその周辺の開発造成
昭和55年3月
リカフウは,乾性土壌での活着が悪
く,寒害抵抗力も弱い。エゴノキ
は,萌芽力が強く,乾性土壌でも生
長良好である。テーダマツ,スラッ
野性きのこ類の人工栽培(福島),
シュマツは,活着良好で,病虫獣に
愛知県緑化センター
森林立地の解析と情報のシステム化
昭和55年3月
(茨城),赤城南ろくのマツ林対策
対する抵抗性もあり,せき悪地でも
生長が良い。マツクイムシ被害跡地
地等
第三紀鮮新世,第四紀洪積世など
(群馬),光化学オキシダントによ
は,風衡地に多く,乾燥土壊などの
の表層地質で占められている丘陵地
る農林作物の生育収量に及ぼす影響
立地条件にあるので,経済林造成と
別
における,地質の分布状況,土壌調
(神奈川),マツノマダラカミキリに
してよりは,せき悪林地という考え
査の結果,緑化に必要な土壌改良,
対するユーカリ抽出成分の忌避作用
で造林を進めるほうが無難であり,
植栽技術などの調査研究の成果が記
(静岡),簡易炭化器具による炭化
適地判定,樹種選定,苗木選定,適
されている。透水性の悪い土壌が大
(愛知),シラベ花粉の形成と発育な
切な保護管理などを誤まらないこと
部分であり,pHは強酸性を示すも
らびに花粉の採集方法(山梨),エ
が重要である。
のが多く,緑化木の健全な生育には
ノキダケ種菌の選抜(新潟),二段林
ロ市町村を単位とした森林の利用区
土壌酸度の矯正が不可欠である。土
の下層木の生長と地力培菱効果(岐
分と森林の最適施業に関する調査研
壌養分は全体的には乏しく,バラン
阜),アンレス添加アスファルト乳
究
スのとれた肥培が望まれる。
剤の野ウサギ食害防止効果(長野),
ロ国産材によるラミナおよび集成材
スギ採種園における種子生産(富山)
の品等区分
等の研究情報とともに傘下17試験
43
へ 八 へ 八 八 八 へ 八 ハ ハ 八 八 八 八 八 八 八
&ddd44JJJ&JJddddd
らにニカラグアが領有権を主張した
こともあり,最終的には1957年国
際司法裁判所の裁定によりホンジュ
ラス領と確定しています。
この間に原住インディオの血に,
英人およびアメリカ合衆国へ運ばれ
会員の広場
る途中に難破漂着した黒人の血も混
じり,モスキティア地区の住民,ミ
スキート(Misquito)族は,三人種
任地ホンジュラスの森林
の混じった珍しい民族となっていま
す。言語はミスキート語ですが,現
在でもその中に多くの英単語を見い
野田直人
だすことができます。
また英国統治時代に英人が本国に
私の任国ホンジュラスは,中米地
峡が折れ曲がってカリブ海につき出
にカリブ海沿岸地方ではマホガニー
持ち去った資源はマホガニーを主と
も産します。
して莫大な量にのぼっており,さら
たところに位置しています。その国
私の任地は,東部のグラシアス・
に,ニカラグアからホンジュラスに
民は大部分がインディオとスペイン
ア.ディオス(Graciasadios)県
移管されるに際して,ニカラグアが
人との混血(メスティーソ)ですが,
で,国境の川をはさんだニカラグア
伐れるだけの材を持ち去ってしまっ
カリブ海沿岸には黒人も多く居住し
側を合わせてモスキティア(Mos-
た様子で,それがこの地の荒廃を助
qUitia)地区と呼ばれています。モ
長したようです。
ています。
スキティアと聞くと蚊を連想される
モスキティア地区の面積は関東平
で,木材は前二者に続き輸出総額中
方も多いと思います。もちろん蚊が
野ほどもありますが,人口密度はわ
では3位を占める重要産業です。そ
多いのも事実ですが,実際はカリブ
ずかに1.4人/km2であり,森林と
のほかには綿なども産し,首都テグ
海を荒らしまわった海賊たちがここ
サバンナと湿地とで構成され,部落
主産物は,バナナ,コーヒーなど
シガルパ(Tegucigalpa)はインディ
に女を置き,それをモスキートとか
はわずかに農耕可能な河川湖沼に沿
オの言葉で銀の丘を意味しており,
ミスキー│、とか呼んだのが始まりの
って点在しています。それぞれの部
以前には銀鉱山があったことを示し
ようです。
落は孤立しており,自給自足の生活
ています。
グラシァス・ァ・ディオスの由来
をしているようです。
この国の木材産業はコーデホル
は,コロンブス4度目の航海のおり,
そんな部落の一つ,奥地にあるア
(COHDEFOR,Corporaci6nHon-
ここの沖で嵐にあい,危うく遭難し
ウカ(Auca)という所へ対空標識
dnrenadeDesarrolloForestalの
かけたのを岬をまわりこんでかろう
を設置するため行ったことがありま
略,森林開発公社)が一手に握って
じて助かり,神様ありがとう(スペ
す。タイヤの跡がついているだけの
おり,国中の立木はすべて,コーデ
イン語でグラシアス・ア・ディオ
道を4輪駆動車で走ること3時間。
ホル設立当時制定された法律によ
ス)とその岬に名づけたのが起こり
村へ着くと人々が珍しがって集まっ
り,たとえ個人の庭にはえる木であ
です。
てきます。ココヤシの木の陰に高床
っても,その伐採にはコーデホルの
許可が必要になっています。
ホンジュラスも他のラテンアメリ
式の小屋が十数軒。子供たちにカメ
カ諸国と同様に,長い間スペイン統
ラを向けると震えて逃げ,なにかの
国土の大部分はやせた山地で,3
治が続き,公用語はスペイン語です
拍子に車のクラクションが鳴ると,
種類のマツ(pinusoocarpa,pmus
が,モスキティア地区はイギリス海
みな驚いて走り出しました。そんな
caribaeavar.hondurensis,pinus
賊の根拠地となり,その後1859年
部落も多く残っています。
pseudostrobuS)が主要樹種で,他
まで英国の支配が続いています。さ
モスキティアでの燃料,食料は海
44
会員の広場
運に頼っていますが,まともな港湾
施設といえる物は全くなく,目前に
なっています。
害虫害獣も多く,マラリア蚊・ブ
トでも鴬してくれるのかと思ってい
ると,与えられたのは登山用コンパ
来た船が浅瀬のため接岸するのに1
ョ・ヌカカ・アブ・ダニ・ムカデ・
スが1つと,切れて22mしかない
週間かかることも,決して珍しい出
サソリ・タランチュラ(毒グモ)・
巻き尺が1本。簡低角の測定も何も
来事ではありません。この文章を執
猛毒を持つヘビ(Barbaamarilla
あったものではなく,当然糖度はで
筆している今現在も,ガソリンを職
というマムシ科のヘビが最も危険)
たらめ。誤差の修整は大学の実習等
載した船がなかなか着かず,まとも
さえも,宿舎の周辺をうろついてい
でも恨れたもの,と思っていました
な仕事は何もできないでいます。
ます。病気はマラリア・デング熱が
が,その大きさにはもうどうするこ
私の住んでいる所は,グラシアス
風土病で,コロンブスがこの地から
ともできません。結局無理に閉合さ
・ア・ディオス県の県都,プエルト
ヨーロッパへ持ち帰ったという梅毒
せてしまうしかないのですが,地元
は,もちろん現在も衰えることなく
の労働者にやらせたものなどは,方
・レンピーラ(PuertoLempira,
県都と言っても掘立小屋程度の家が
はびこっています。
数十軒散在しているにすぎず,飛行
雨期には特に蚊・ブヨの発生がひ
場は起伏のあるストリップが1本の
位の読みがでたらめだったりして,
結局その大部分をやり直すほかあり
どく,足の形が変わるほど刺された
ませんでした。もちろんコーデホル
み)から,雨期には4輪駆動車でな
こともあります。現地人は免疫がで
の側とてそんな道具で糖度の高い測
ければ通行できないような道を70
きているのか,刺されても平気なの
量を要求しているはずはなく,ただ
kmあまり奥へ入った,ドゥルスナ
が癖ですが。
私一人の意気込みが肩透かしをくっ
(Dursuna)という川の近くに位置
この地域の樹種はカリブ松(Pi-
ただけなのですが。
する,コーデホルの事業所兼宿舎で
nusCaribaea)が主体で,川沿い
モスキティア管内には,フォード
す。ここに寝起きして私は造林・育
に広葉樹が成育しているにすぎませ
のピックアップをはじめ,大型トラ
林の技術者として働いています。
ん。下層植生はイネ科・カヤツリグ
ック・1、レーラー.ブルドーザー.
朝6時から朝食,7時から夕方5
サ科が大部分を占め,土壌はやせて
トラクター・製材機まで揃えている
時まで,昼休み1時間をはさんだ9
おり(特にリンが不足),場所によっ
にもかかわらず,前記のとおり測量
時間労働です。仕事が終わると石鹸
ては松も生育できないほどです。コ
用具はもとより,輪尺1本,測高器,
とシャンプーを持って川へ出かけま
ーデホルが手を入れる以前は,乾期
台とてありません。要するに見栄え
す。風呂も洗濯も飲料水もすべてこ
の火災で荒廃する一方でしたが,防
のする機械は入れても,森林を把握
の川に頼っていますが,水がきれい
火帯や火の見櫓の設置により,近年
するための基礎的なものが全く欠け
なのが救いです。
では順調に天然更新をしています。
てしまっているのです。
ここでの食事は,米・フリホーレ
天然更新不能地に人工造林を行な
現在モスキティア地区では,国際
ス(豆)・パン・トルティーヤ(トウ
っているわけですが,もとより癖悪
協力事業団(JICA)による林業
モロコシのうす焼きパン)・ユカイ
地でマツ林が成立していない所へ,
資源調査に関する技術協力が実施さ
モ(キャッサバ)・プラタノ(クッ
2.5m間隔という低密度で,播種し
れ,私としてもその成果に期待する
キングバナナ)・チーズ(チーズと
て半年ほどしか経たぬ苗を植えるた
ところ大きく,出来るだけのお手伝
いうより塩辛いオカラのよう)など
め,虫害も加わり,1年後に造林地
いをさせていただこうと思っていま
で,時おり出る肉は硬くて歯がたた
を歩いても生きているマツ繭をさが
すが,第’陣の航空写真搬影班も,
ないこともあります。また,近くで
すのに苦労する有様です。その不成
異常気象と燃料不足,橘の欠壊など
とれた,鹿・カメ・イグアナ(オオ
級な造林でさえ,年間計画5千ha
のため作業は難航しています。モス
トカゲ)・アルマジロ・シキシキ(大
のうち200haしか実現されていま
キティアの環境の厳しさを再認識し
形の肉食性ネズミ科の動物)などの
せんから,ほとんど造林の効果は無
ている昨今です。
肉も食卓の上に出てきます。いちば
いと言えるでしょう。
ん困まるのは野菜,果物の類が皆無
私が最初に頼まれた仕事は造林地
なことで,ビタミン剤を常用して補
の周囲測量でした。さてトランシッ
(青年海外協力隊々員/三重大学農
学部林学科55年卒)
45
<第28回森林。林業写真コンクール>入選者の発表
応擁作品数784点(カラーの部284,白黒の部500)につき4月20日審査会を開催し,恢璽審議
の結果次のとおり入選作IW!を決定いたしました。なお,版権は本会に属し作品の一部は
r林業技術」の表紙・誌上に順次掲救いたします。
白黒の部
カラーの部
特選(農林水産大臣償)
木出しの頃門l11鞠燃(窟城リ!↓遠田郡)
初冬の貯木場麻劉進(東京都品川区)
二席(日本林業技術協会償)
大タカの営巣土井上信一(北海道II'標津町)
天然ヒノキlllll茂之(#l1湫山卿Iliu'if)
杉の実とり|州政武(擶知鼎商知市)
三席(H本林業技術協会徴)
ヘリによる山林火災消火
l蹄弊弘(I1I梨県中匝摩祁)
森林の生態伊藤和足(東京都八王r・市)
p
冬山に働く人たち駿江信幸(北海道足寄郡)
一席(林野庁長官賞)
一席(林野庁長官蝋)
垂
特選(農林水産大臣賞)
11,腓鞠(樅浜市鶴兇Ixj
木洩れ日槐本恭孝(大阪府茨木市)
炭焼き沢Ifl4i勝_L(.M[II県南秋田郡)
佳作
山村主婦の労作業鯉f好醐(京細IIMW京区)
台風により折れた木福本英之(兵hI螺伊丹市)
二席(日本林業技術協会償)
田舎道川代修一郎(岩手県磯│剛市)
樹林似、康宏(北海湖1リ東郡)
おばあちゃんの内職椛村璽次(群賜りj↓勢多郡)
三席(日本林業技術協会賞)
鋸をする有棚勉(岩手曝寓古Tli)
大立木伐採近喋博両I(北海道旭川市)
冬山で働く小松IxI政(MII1県大IIII市)
霧の山脈滞木忠平(静岡県焼津市)
杉山原胤完(職Kリ'iL熊谷市)
佳作
雪晴れの朝松jl:三郎(秋田県枇手市)
スワン火川平三郎.(横浜市磯HX)
稲掛木のある風景柵原錠勝(埼」'媒川I1Iij)
晴れた日佐牒新一(秋11叫縦手I│i)
夕日とカラ松林風林僑一(北海道典払梛)
祈願満水一好(岐阜県大野郡)
木出し滝沢正幸(腿野蝋飯山市)
冠雪による幹折れ細川I〔次(栃木県鹿沼市)
残照に映える樹川11正秀(北海通小樽市)
冬木立WI日忠義(人阪I1j住之祇区)
雪晴れ佐藤久太郎(秋田蝋櫛手ili)
架橋飯村章雄(岐阜県商山市)
杉の伐採徳光文美(北九州ili門珂区)
はっさ〈と目白椛木恭学(大阪府茨木市)
山霧西川厚堆(北海道浦河州)
木出し岩谷膜(料手県下閉伊郡)
植林l剛川和(和敬1l1鼎伊都郡)
4年の歳月波辺とおる(熊本市)
冬日:1甚手恒払(北海道枝幸祁)
最良の場所,'il剛ノ腱(糊乎鼎臘│剛市)
霧の自然公園仙川康班(・北海道河東郡)
野焼き松永安"、(佐側鼎鮴野町)
冬の樹林大商久一(来京都枇H1谷区)
収穫の秋太u」Iリj人(-化海道標津町)
雪の新植地111本灘l)LI郎(和歌山県LI尚洲)
岳樺の樹林牛雌祇論(束京都八lij'・'li)
畑作イi川糸一(北海道旭川IIi)
もちつき大会大熊政彦(農野市)
冬の落葉松林尚柵塊論(良野市)
杉皮木剥ぎ佐藤両1(静岡県新城市)
地ごしらえ作業佐忽水徳朗(寓城県気仙沼市)
衝立作り牧田間平(》〔大阪市)
子守り川代修一郎(岩手リi蝋間市)
人馬一体幽塚てつこう(満手県江刺市)
落葉加役谷妙子(火京都渋谷区)
大雪の被害伊膝和栄(和歌山県下閉伊洲)
筏組み作業水耐雄平(北海通小樽71i)
山を愛する仲間稲葉砿太郎(W│:'li)
深山模様′l、森慶一(二亜蝋伊勢市)
46
第36回通常総会ならびに創立60周年記念式典
関係行事のお知らせ
総会ならびに創立60周年記念式典関係行事を下記のとおり開催いたしますので,ご出席
下さるようご案内申し上げます。
記
間
痔−−1鴇
9.00∼16
17.30∼21
5月28日(木)
行
12.00∼13
03
0’
’0
03
0
3
5月27日(水)
時
時6L36
1211
−−一一
03
00
00
0
0
月 日
事
会
第27回林業技術コンテス│、
日林協5階会議室
コンテスト参加者都内見学
はとバス
理事会
腿林年金会館
1第27回林業技術賞ならびに第14回林業
14.00∼16
場
技術奨励賞受賞者の表彰
2第27回林業技術コンテスト受賞者の表彰
3永年勤続職員の表彰
4創立60周年記念永年在任理事,支部長,
支部幹事等への感謝状の贈呈
5第36回通常総会
(1)議長選出
〃
〃
〃
〃
〃
(2)認溌譲鰯雲雛籠務報告な
(3)第2号議案:昭和56年度事業計画な
らびに収支予算の件
(4)借入金の限度額の件
総会終了後藤岡光長賞表彰(林業科学技術
振興所)
5月29日(金)
支部幹事打合会
支部幹事懇談会
10.00∼12.00
12.00∼14.00
〃
日林協5階会議室
〃
一
◎講師派遣
につぎのとおり関係職員を派遣し
用務
林業資源調査
た。
出張先
ホンジュラス
(期日)(場所)(委員会名)
5月11日京都木津川
期間
5月8日∼6月18日
5月19日名古屋矢作川
○依頼先:林業講習所
講師:猪野理事長
内容:新採用研修上級科コー
ス。森林施業の施策をふ
りかえる。
期日;4月15日
○依頼先:北海道庁
講師:常務理事梶山正之
内容:空中写真の治山事業への
応用。
期間:5月19∼21日
◎調査業務
○建設省の流域管理計画調査委員会
○55年度の広域基幹林道全体計画
の環境アセスメント業務の検討会
を5月22日林野庁の関係者の出
席を得て開催する。
昭和56年5月10日発行
林 業 技 術
第470号
編集発行人猪野砿
印刷所株式会社太平社
発行所
◎職員の海外出張
1氏名:村松保男(検査部長)
用務:ヨーロッパの都市農村
社団法人日本林業技術協会
(〒102)東京都千代田区六番町7
電話03(261)5281(代)∼7
(披替東京3−60448番)
快適環境調査
出張先:西ドイツ,スイス,イ
ギリス
期間:4月11∼25日
2氏名:望月紫(調査部海外
調査室専門技師)
−
RINGYOGIJUTSU
publishedby
JAPANFORESTTECHNICAL
ASSOCIATION
TOKYOJAPAN
工
#
●岸本定吉著●B6判一九六頁●一、九五○円︵〒二○○円︶
I森林とエネルギー︲森林エボルギーの役削森林の侭脱
④内容l主要目次
力・水礎エネルギーの特徴・バイオマスエネルギー
Ⅱ森林エネルギーの利用l森林の唯藤峨・肘木エネルギ!
樹木と光合成.H本の森林エネルギー・仙界の森林エネル
ギー・エネルギー砿物・マツ蹴と縁職汕・生長の早い樹木.
育林エネルギー収支・餅炭林
Ⅲ木質エネルギーの利用I︲木材の組成と発熱髄・木礎エネ
ルギーの特徴・廃材エネルギー・米剛の廃材エネルギー利
用・側本の廃材エネルギー利川と聯例・餅・蛎耕・木髄粉
体燃料・オガライト・ウデックス・ブレスヅウロ”グ
Ⅳ木材のエネルギー化l木材の燃焼・木材の灰・燃焼の反
応式・桃焼と併剛発寵・カマドと火鉢・ストーブと暖炉・
直接燃焼緋・家庭用燃焼器・服業用燃焼装撒
V木質エネルギーの変換11木材の炭化・熱分解・木炭の性
徽・木炭の繩剛と製法・木材のガス化・木材の液化と木材
アルコール・ウ”ドケミカルスレ一液体燃料
②小川真著
1
二︾七○○円︵〒二五○円︶
B6判上製
トエネルギーパス・サバイバルエネルギー
;
る
本書は木質系エネルギーについて、蝶礎的知識から淡源論、
生産・利用技術論まで、広い範囲にわたって鯉富な資料の裏付
けをもとにわかりやすく記述されているまた、木衡エネルギ
I
Ⅵエネルギーを考える荊汕危機・エネルギー公寄・ソフ
隆男
』
ツ
●三三○○円︵〒三○○円︶
ノ、
ーを概恢的に利川しているアメリカの蜥例を詳しく職せている。
我国は、昭和六乢年以降の打汕代枠エネルギーの供給u標を肌
○%に設定しているとき、森林エネルギーの対応や、今後の森
林・林業のあり方を考える上で多くの亦唆を含んだ好杵“
⑥ A 5 判 上上型
製
林業技術者画﹄
のための画凋
本武夫 ・ 塘
● 監 修 芝芝本
#
一F4戸名一ウロ・rqQp声問
p ● ● 。 ■ 凸 Q p ∼
I
■■■
密
文
‘
倉
リ 7
’
京都荒川区西尾久7 12-16a(03)893〒3692.郵便振 替(東京)8=70694
〒116東京都
一
1961年以降つづけられてきたカラマ、ソ林の共同研究の成
果をふまえてカラマツ林とその取扱いについてのモノグ
’
ラフを志したものである。またヨーロ・ソパ、ソ巡、アメ
浅田節夫・佐藤大七郎・編著 リカのカラマツについて、それぞれの地域の研究者から
A5判/290頁/¥3,800/〒300 書き下しの寄稿を得て本書を特徴づけている。
伐出技術を考える
上飯坂実・大河原昭二・神崎康一・共普
新書判/180"/¥1200/〒200
現代の林業機械化の問題点を.燗川し将来を展望
しながら機械化とは一体どういうことなのかと
いう推本的な間迦を考えるヒントを与える。
林道設計〔7刷〕夏目正・勝
新書判/234頁/¥1200/〒200
林道の榊造,設計,施工,I到剰予務の取扱いノブ
について術Iリ]平易に,設I汁に必典な多数の数表
をあげて解説したもので,初めて林道設計に鵬
わる人びとの良き手引書である。
・樹木のふやし方一タネ・ホとりから鮒木まで一
関西地区林業試験研究機関連絡協議会育苗部会・編
A5判/340"/¥3800/〒300
300余の樹械の特性ならびにタネ・ホとりから
床替までの青献上の要'!,Ij:が記職されているので
実用的利川のほか,│淵花・結実・発坪・発根等,
樹純特性の怖撒源としての評価も高い。
実践森林病理佐藤邦彦・替
新書判/248典/¥1000/〒200
育林技術のなかで,捌病にどのように対・応して
いくべきかを,わかりやすく説いている。多く
のI梨lとf/j2血を収めたのが内容を理解するl・.で大
いに役蹴っている。
伐出作業〔4刷,一部改訂〕椛田三樹男・糊符
新書判/266頁/¥1200/〒200
1汁I畑・実行・合雌化・査料の4聯からなり,こ
林業法律〔改訂2刷〕中尾英俊・蕃
解説している。
正のあった部面を改めて再版したものである。
れらを細分して,‘汁画の立て〃,伐木造材,雌
述材法,介埋化,作業研究,拠益分I1皮点,各椰
功程表.作難{II:,素材規格等を実際にそくして
新書判/230"/¥1200/〒200
林業に│期する法律灘が殆どないところから大学
の林科学生,職場で林業にたずさわる人びとの
ためにヤII:かれたもので,49年の初版以後,法改
"〒105東京都港区新橋5-33-2農林出版株式会社振替束諦さ80543番TEL、03-4延卿蝋哩
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新訂
図 解 / 日本 の 森 林
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林業
図解/日本の森林・林業編集委員会編
序文東京大学教授筒井辿夫
B6判200頁1,500円〒250
この『図解/日本の森林.林業』は林業.林産業専門の方々の手頃な参考書となること
を期待し,同時に一般の方々に広く日本の森林・林業・林産業を理解して戴くために’林
野庁若手専門担当官を中心に判り易い解説と図を対照しながら’とりまとめたもので,昭
和53年の初版を改訂し,解説項目の追加と図版の改良等,最新のデータをもって読者の
便に供した,林業.林産業行政に携わる方等の座右の書である。
I森林資源Ⅱ森林の機能Ⅲ治山と保護Ⅳ材業生産V木材の需給・価格
Ⅵ木材貿易Ⅶ木材の流通Ⅷ木材工業Ⅸ権隷蚤営X国有林経営
虹材業労働力皿森林組合nⅡ新しい林業施策の方向XIV研究普及
XV森林・林業の法制及び財政識I緑化と森林レクリエーション
〒162東京都新宿区市谷本村町28
日本林業調査会
電話(03)269-3911番
〔新刊〕編集浅川澄彦・勝田柾・横山敏孝
日 本 の 樹 木 種子(針葉樹編)
規格B5判・上製本・150ページ価格4,500円(〒300円)
烹泉信典
勝 田 柾
久保田泰則
小林義雄
購職箪
中山
福 地 稔
横山利治
横山敏孝
筆者一一一一一一一
林水産省林業試験
海道立林業試験
野県林業指導
林水産省林業試験
海道立林業試験
林水産省林業試験
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浅川澄彦
執腱北長農北農北静愛北徳農
本書は,日本原産のものを中心とした針葉樹23属の樹木について,分類・分布・
開花結実習性・果実の採取・種子の調製・発芽・貯蔵・まきつけ等の各項にわたって
詳細に解説したものであり,多分野の研究,教育,実務に役立つ好著である。
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海道立林業試験
島県林業総合技術センタ
林水産省林業試験
発 行 林 木 育 種協 会
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東京
都 千 代 田 六番町7(日林協別館)
京都千代田区六番町7(日林協別館
102盆03−261−3433
〒1
02盆03-261-343
お払込は銀行振込の場合は太陽神戸銀行麹町支店普通預金口座3012379 郵便局振替の場合は東京9-79654番にお願いいたします。
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株式会社玉屋商店・
本社:〒104束京都中央区銀座3-5-8TEL、03-561-8711㈹
PLANIX2-¥55,000PLANIX3-¥59,000PLANIX3S-¥56,500
工場:〒143束京都大田区池h2-l4-7TEL、03-7523481㈹
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空研究者・実務者待望の本格的参考書
霊瞳山林の評爾
q旬刊I嘩皿匪塵屋函睡1劃
⑬山林の評価
栗村哲象編著
山林はいかに評価すべきか−
比類なき豊富な内容。詳細な解説。選りすぐられた事例.ノ
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そ《主な内容》
壷潅蛤回毎両&雫陛翻偲
第1編山林評価総説山林評価序説/山側評価の基礎/山林評価方式の概説
第2編林地の評価林地評価の墓礎/原価方式による杯地評価/収益方式によ
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の公益的機能評価評価の譲点/公益的機能評価の墓奉性格公益的機能評価
の具体的方法/森獅の公益釣織詣評価/l」杯の環境影響評価
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’執筆者]‘
曳地政雄嬬取大学名誉教授農学鱈ゴ大北英太郎鳥取大学蕊学部助教授
中山哲之助鳥取大学腱学部教授・鎧学│専寸高取辰雄鳥取県裁林組合通合会季皐
栗村哲象j晶取大学礎学部教授・盤学博士安井釣島根大学牌学部助教授
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第四七︵ご万
美しい国土へのユニークな解答
−写真が語る緑地の本質
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ASS44ぺージI上製本
定価唇,ロロロ円(送料込)
林業技術
る林地評価/比較方式による赫地評価/折衷方式による林地評価杯地の他用
途転用と梛地評価第S編林木の評価林耗¥価の臺礎/林木費用価法の具
体的適用/州木期望価法の具体的適用/グラーゼル法の具俸的適用/市場価逆
篝法の具体的適用第4編特殊な目的による山林評価特殊な山榔評価の概
説/特殊な場合の山林評価/担保・保険における山林評価/税法における山糾評
価/損失補償における山林評価/損害賠倒こともなう山林評価第5編山林
の経済性計算山榔の経済性計算とその秤頬/絶対的経済効果法の具体的適用
/連年収利率法の具体的適用/純粋利回り法の具体酌適用/複合利回り法の具
体的適用/平均収利率法の具体的適用/帆通投資の経済性計隻第e編森林
昭和一一十六年九月四日第一一種郵便物認覗︵毎月一画十日発行︶
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昭和五十六年五月十日発一丁
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写真集
ⅡⅡⅡⅡⅡⅡ111Ⅱ11
岡崎文彬著
京都大学名誉教授,みどり研究所所長
日本造園学会名誉会員
都市の近郊緑地
一旱一旱一旱
緑のない風景
都市と周辺の緑化
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’● ご 注 文 は 直 答 当 協 会 へ
一旱一旱一室
■全国民的見地からの緑地論の決定版?
《主な内容》
012
モノクロ156葉●定価15,000円(送料込)
■10数万枚の写真からi滋雲した珠玉の緑地景観?
■1枚1枚の写真が,著者の緑地観を語る構成?
自然公園
生産緑地
ユートピアを求めて
発行所獄社団法人日本林業技術協会
〒102束京都千代田区六番町7電話03-261-5281振替東京3-60448
定価三百円送料三十五円
●A4変形判/242ページカラー250葉