パック型洗剤による事故に注意しましょう!

情報提供資料
(報道・一般向け)
2015年3月2日
公益財団法人 日本中毒情報センター
パック型洗剤による事故に注意しましょう!
1回分の洗剤を水溶性フィルムに包んだパック型の製品(パック型洗剤)を小児が誤飲したり、眼
に入ったりする事故が報告されています。
アメリカやヨーロッパでは、パック型洗剤を噛んで、嘔吐、呼吸困難、意識障害などの症状が出
現し、入院した例があります。またフィルムが破れ、飛散した洗剤が眼に入ったり、皮膚についたり
する事故も報告されています。
類似の商品は日本国内でも販売されています。2014年12月31日までの間に、日本中毒情報セ
ンターに問い合わせがあったパック型洗剤による事故は、小児の事故125件、高齢者の事故9件で
した。小児の事故125件の特徴は次のとおりです。
1) 患者の年齢は 0~2 歳 84 件(67.2%)、3~7 歳 40 件(32.0%)、不明 1 件でした。
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小学校にあがる頃まで、特に注意が必要です。パック型洗剤はお菓子やおもちゃ
ではないことを子どもに教えましょう。
2) 保管時の事故 80 件(64.0%)の大半は洗濯機の上の棚、洗面台の下の戸棚、床などの保管場
所にあった容器から洗剤を取り出した事例でしたが、高いところに置いた容器が落下して出た
洗剤を触ったという事例もありました。
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子どもの手が届かないところに保管するのはもちろん、高くて手が届かないと思
っていても、子どもが台に登って取ったり、容器が落ちたりすることもあり、注
意が必要です。
3) 使用時の事故は 35 件(28.0%)であり、一時的に床などに置いた洗剤を子どもが触った事例、
洗濯の手伝いで子どもに洗剤を触らせたことによる事例、ドラム式洗濯機に入れた洗剤を子ど
もが取り出した事例などでした。

保管のときだけでなく、使うときにも子どもが触る機会を作らないことが重要で
す。
4) パックを口に入れた事例が多く、握りつぶした、触っているうちに破れたという事例もありました。
口に入った事例は 116 件(92.8%)、皮膚に付着した事例は 64 件(51.2%)、眼に入った事例は
20 件(16.0%)(経路の重複を含む)でした。

フィルムは水で溶けるため、口に入れたり濡れた手で触ったりすると破れます。
口の中で破れると洗剤を誤飲するほか、気管に入る危険性もあります。またフィ
ルムが破れたはずみで中の洗剤が飛んで、皮膚についたり眼に入ったりする可能
性があります。
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5) 口に入った事例 116 件では、75 件(64.7%)で症状がありました。主な症状は嘔吐、咳・咳込み、
口腔咽頭の刺激症状で、何回も嘔吐した事例も少なくありませんでした。入院した事例もありま
したが、転帰が確認できた事例はいずれも数日で退院していました。

洗剤を誤飲すると、繰り返し嘔吐したり、咳き込んだりすることがあります。口
に入った場合は、飲み込んだものを無理に吐かせることはせずに、まず口をすす
ぐか、うがい(難しい場合は濡れガーゼでふき取り)をします。咳などの症状が
ない場合は直ちに牛乳または水を飲ませます。症状があれば受診しましょう。
6) 眼に入った事例 20 件では、全例で眼の充血や痛みなどの症状があり、角膜を痛めて 1 週間
以上通院した事例もありました。

眼に入った場合は、眼をこすらないように注意して、直ちに十分に水洗します。
眼がうまく洗えない場合や症状がある場合は受診しましょう。
万一、口に入ったり眼に入ったりした場合は、早めに医療機関や日本中毒情報センターにご相
談ください。
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