グルコサミンは馬の関節炎を予防出来る か?新しい研究について By Kentucky Equine Research Staff · November 20, 2014 骨関節炎(OA)は、競技馬の跛行のもっとも一般的な原因である関節軟骨の退行性変化で す。軟骨の減少や関節の傷害を予防する経口サプリメントは、跛行を解決する魅力的な解 決法です。 グルコサミンは、現在市場に出回っている対関節炎の化合物です。それは痛みを減少させ て、多くのヒト研究で、骨関節炎に罹患した関節で可動性を改善しており、天然に体内に 存在する、毒性がない分子です。In vitro(実験室での)データは、グルコサミンが軟骨 細胞、あるいは軟骨を生産する細胞の合成を増強する可能性を示唆しています。しかしな がら、関節炎の対する可能性を支持するための生化学的な基礎的研究はきちんと論文化さ れていません。 OAの進行を速めると思われる物質の一つが一酸化窒素です。 馬の軟骨細胞は、最近2つの関節炎誘発物質に反応して一酸化窒素を生産することを示し ました。さらに、関節炎に罹患した関節液中で、一酸化窒素とインターロイキン-1の濃 度増加が観察されました。In vitro(実験室での)データでは、一酸化窒素が軟骨を分解 する酵素、特にメタロプロテイナーゼ(metalloproteinases)を活性化することを示唆 しました。 ミシガン州立大学で行なわれた研究の目的は、グルコサミンが馬の関節軟骨組織で一酸化 窒素生産を抑制することができるかどうかを調べることでした。 関節疾患以外の理由で安楽死させられた(2から8歳の)馬の手根骨の関節から関節軟骨 を得て、研究者が軟骨片を前膝関節の表面から削り取り、そしてグルコサミン、あるいは コントロール(実験対照)を含む他の媒体中に浸す実験を行いました。 媒体の中に放出された一酸化窒素が最初の日にピークに達して、そして3日目までにベー スライン濃度に戻りました。3つの別個の実験で、グルコサミンは、一酸化窒素産生を抑 制しました。さらに、少ない量のグルコサミンは、一酸化窒素生産を部分的に抑制しまし た。 これらの結果は、グルコサミンが、一酸化窒素生産を抑制することによって、関節軟骨の 退行を防ぐことができることを示唆しています。グルコサミンがどのように一酸化窒素を 抑制するか、そして生体での実験で、これらの結果が再現されるかどうかに関して、さら なる実験が期待されます。
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