1 有機入りお茶用066

住友肥料 ,234
いので、住友化学が得意とする肥効日数の短い被
覆尿素を主体として、二番茶芽出し肥から三番茶
こんな
スーパーSRコート
作ってます。
肥までスムーズに効く設計です。
ここで、有機化成と被覆肥料を配合したスーパ
ーSR有機配合についてもうすこし説明します。
有機肥料は、肥効がマイルドで長効きし、作物
の品質も向上することもあって、果菜・花卉・果
樹類などに広く使用されています。しかし、有機
作物の肥培管理は地域・栽培時期で大きく異な
肥料は土中の微生物に分解されてはじめて肥効を
ります。この複雑な作物に本格的な一発肥料を作
示すので、土中の微生物の働きや温度・水分条件
ろうとした場合、スーパー SR コートの「各地域
などで肥効が大きく変わり、安定した肥効はなか
や栽培体系に合う一発肥料を個々に設計して供給
なか得られない欠点もあります。また、いくら長
する。」という考えでなければ生育にぴったり合う
効きする有機質肥料でも、栽培期間の長い作物で
一発肥料はできません。また、一発肥料に対する
は有機肥料だけで一発肥料とすることはできませ
現場のニーズも地域により大きく異なります。今
ん。有機質肥料と被覆肥料の長所を取り入れ、有
回、これまでに数多く承ったスーパー SR コート
機化成肥料と被覆肥料を配合した一発肥料がスー
へのご要望の中で、スーパー SR コートの強みが
パー SR 有機配合です。有機志向の強い地域や農
最大限に発揮されるものや一発肥料の考え方がユ
家の方にも使っていただける一発肥料であり、有
ニークで他の地域、作物にも応用できるものなど、
機中心の栽培だから一発肥料は無理と思い込んで
いくつかの例を紹介したいと思います。各地域の
いる皆様にぜひお勧めしたいスーパー SR コート
一発肥料設計の参考になれば幸いです。
です。
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有機入りお茶用066
ホウレンソウ3作どり用534
お茶は施肥量が多い作物で、1 月から 2 月の春
ホウレンソウなどの軟弱野菜は栽培期間が短く、
肥から始まり、9 月の秋肥まで、年間 6 ∼ 8 回施
追肥にもそれほどの労力がかからないので一見す
肥します。特に、5 月から 6 月の施肥は、お茶の
ると被覆肥料は必要ないように思われます。しか
収穫・管理作業と重なるため、この期間の施肥作
し、3 作・ 4 作と連作する産地では、播種(定
業を省略したいとの強い希望があります。また、
植)・収穫・消毒など作業が重なるために、施肥
お茶は品質が大切なので、その品質向上のために
回数が省略できれば作業が非常に楽になります。
有機質の肥料を希望される農家さんも大勢いらっ
このような産地の一つである岐阜県高冷地のホウ
しゃいます。施肥作業の省略と有機質肥料の長所
レンソウ栽培に対し、3 作栽培する分の施肥を 1
を併せ持った肥料はできないかとのご要望により、
回ですます 3 作どり用スーパー SR コートを考案
この有機入りお茶用 066(20 − 6 − 6)を設計
し現在試験中です。
しました。
この肥料は有機化成肥
一番茶後のための被覆尿素
二番茶芽だしの
ための被覆尿素
料に 3 種類の肥効の異な
る被覆尿素を配合し、一
番茶収穫後に施用して、
二番茶から三番茶芽出し
三番茶芽だしの
ための被覆尿素
肥 有機化成の
肥効
効
肥までの 5 月から 7 月ま
で効くように設計したも
のです(図 1)。施肥時
期が 5 月でまだ気温が低
5月
6月
7月
図1. 有機配合お茶用066の肥効(5月上旬施肥、イメージ図)
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