NI PXIe-4610 キャリブレーション手順

キャリブレーション手順
NI PXIe-4610
パワーアンプ
このドキュメントでは、PXIe-4610 のキャリブレーション手順について説明します。
キャリブレーションの詳細については、ni.com/calibration を参照してください。
目次
ソフトウェア ....................................................................................................................................................1
ドキュメント ....................................................................................................................................................2
テスト装置 .........................................................................................................................................................3
NI PXIe-4610 を接続する ....................................................................................................................4
テスト条件 .........................................................................................................................................................5
初期設定 ..............................................................................................................................................................5
検証 ........................................................................................................................................................................5
ゲインおよび残差オフセット検証 ...............................................................................................6
EEPROM のアップデート ............................................................................................................................8
キャリブレーション条件下の確度 .........................................................................................................9
各国におけるサポートとサービス .........................................................................................................10
ソフトウェア
NI-DAQmx 9.8 では、NI PXIe-4610 のサポートが追加されました。キャリブレーショ
ンシステム上の NI-DAQmx のバージョンが、NI PXIe-4610 をサポートすることを確認
してください。NI-DAQmx は、ni.com/downloads からダウンロードすることがで
きます。NI-DAQmx では、LabVIEW、LabWindows™/CVI™、C/C++、C#、および
Visual Basic.NET がサポートされています。NI-DAQmx をインストールする際は、
使用するアプリケーションソフトウェアのサポートのみを選択できます。
ドキュメント
NI PXIe-4610、NI-DAQmx、およびご使用のアプリケーションソフトウェアについて
は、以下のドキュメントを参照してください。すべてのドキュメントは ni.com から
参照でき、ヘルプファイルはソフトウェアと同時にインストールされます。
『NI PXIe-4610 スタートアップガイド』
NI-DAQmx のインストールおよびハードウェアの設定
『NI PXIe-4610 仕様』
NI PXIe-4610 仕様およびキャリブレーション間隔
『NI-DAQmx Readme』
NI-DAQmx におけるオペレーティングシステムおよびアプリケーション
ソフトウェアのサポート
『NI-DAQmx ヘルプ』
NI-DAQmx ドライバを使用するアプリケーションの作成方法
『LabVIEW ヘルプ』
LabVIEW プログラミングの概念、および NI-DAQmx の VI と関数に関する
リファレンス情報
『NI-DAQmx C Reference Help』
NI-DAQmx C 関数および NI-DAQmx C プロパティに関するリファレンス
情報
『NI-DAQmx .NET Help Support for Visual Studio』
NI-DAQmx .NET メソッド、NI-DAQmx .NET プロパティ、主要概念、およ
び C 列挙体から .NET 列挙体へのマッピングテーブルに関するリファレン
ス情報
2
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ni.com
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テスト装置
表 1 は、性能検証手順の推奨機器を示しています。推奨機器がない場合は、表 1 に指
定された必要条件を満たす代わりの機器を用意してください。
表 1. 推奨装置
装置
推奨モデル
使用用途
動作環境
DMM
NI PXI-4070
ゲインおよび
残差オフセッ
ト検証
この装置の入手が困難な場合は、0.1 dB
以下の振幅不確定性、100 ppm の線形性
誤差、100 μV 以下のオフセット測定不確
定性で 1 kHz 時に ±10 Vpk の正弦波を測定
できるデジタイザを使用してください。
関数発生器
NI PXI-4461
ゲインおよび
残差オフセッ
ト検証
この装置の入手が困難な場合は、0.1 dB
以下の振幅不確定性、および 1% 以下の
周波数不確定性で 1 kHz 時に ±1.0 Vpk 正弦
波をソーシングできる関数発生器を使用
してください。
PXI Express
シャーシ
NI PXIe-1062Q
—
—
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3
NI PXIe-4610 を接続する
NI PXIe-4610 は、2 つのチャンネルへの接続を提供します。接続のピン配列について
は図 1 を参照してください。
図 1. NI PXIe-4610 ピン配列
1
2
3
4
5
6
7
8
1
2
4
OUT CH0+
OUT CH0-
|
ni.com
3
4
OUT CH1+
OUT CH1 -
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5
6
IN CH0+
IN CH0-
7
8
IN CH1+
IN CH1-
テスト条件
NI PXIe-4610 が公開仕様を満たすには、以下の設定および環境条件が必要となります。
• NI PXIe-4610 への接続ケーブルをできるだけ短くしてください。⻑いケーブル /
ワイヤはアンテナのような働きをするため、余分なノイズが取り込まれ測定結果
に影響します。
• NI PXIe-4610 へのすべての接続部分がきちんと接続されていることを確認します。
• NI PXIe-4610 入⼒のすべての接続箇所で、50 Ω BNC 同軸ケーブルを使用してくだ
さい。
• 周囲温度を 23 ℃ ±5 ℃に維持してください。NI PXIe-4610 の温度は、この周囲温
度よりも⾼くなります。
• 相対湿度を 90% 未満に維持してください。
• NI PXIe-4610 の測定回路の動作温度が安定するまで、15 分間のウォームアップ時
間を確保してください。
• 製造元の指示に従って、すべての計測器および装置に対して十分なウォームアッ
プ時間を確保してください。
• PXI/PXI Express シャーシのファン速度が High に設定され、ファンフィルタが清
潔な状態であり、空のスロットにはフィラーパネルが取り付けられていることを
確認します。詳細については、ni.com/manuals で『強制空冷の維持について』
のドキュメントを参照してください。
初期設定
『NI PXIe-4610 スタートアップガイド』を参照して、ソフトウェアのインストールと
ハードウェアの取り付け方法、および Measurement & Automation Explorer(MAX)
でのデバイスの構成方法を確認してください。
メモ MAX で構成するデバイスには、デバイス識別⼦が割り当てられま
す。このデバイス識別⼦によって、キャリブレーション関数呼び出し時に
検証および調整する DAQ デバイスが特定されます。
検証
以下の性能検証手順では、NI PXIe-4610 の検証に必要な一連の操作およびテストポイ
ントを説明します。また、キャリブレーション基準に対して十分にトレーサブルな不
確定性が利用可能なことを前提としています。
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5
ゲインおよび残差オフセット検証
以下の手順を実⾏して、NI PXIe-4610 のゲイン確度および残差オフセットを検証しま
す。
NI PXIe-4610 チャンネルを、図 2 で示すように接続して検証します。
1.
図 2. ゲインおよび残差オフセット検証接続
HI
+
LO
–
OUT CHx
DMM
HI
–
+
IN CHx
LO
㛵ᩘⓎ⏕ჾ
NI PXIe-4610
関数発生器は、表 2 に表示されているように構成します。
2.
表 2. ゲインおよび残差オフセット検証用の関数発生器構成
信号タイプ
振幅
周波数
正弦波
0.9 Vpk
1 kHz
関数発生器を有効にします。
3.
4.
NI PXIe-4610 出⼒を有効にします。出⼒の有効化に関する追加情報は、
『NI PXIe-4610 スタートアップガイド』を使用してください。
入⼒ AC カプリングフィルタが完全に整定するには、最低 10 秒間かかります。
5.
6.
関数発生器は、表 3 に表示されているように構成します。
表 3. ゲインおよび残差オフセット検証用の DMM 構成
6
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ni.com
構成
値
測定
電圧
レンジ
10 V
波形カプリング
DC
集録モード
波形
集録レート
1.8 MS/s
集録するサンプル数
180,000
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DMM を使用してサンプルを集録します。
集録信号の振幅を計算して、AmplitudeOUT として記録します。NI では、「シング
ルトーン情報抽出」VI を使用した振幅の計算を推奨します。
9. 集録信号の残差オフセットを計算して、ResidualOffset として記録します。NI で
は、「シングルトーン情報抽出」VI を使用した残差信号のエクスポートを推奨し
ます。残差オフセットは残差信号の平均です。
10. DMM を図 3 のように接続します。
7.
8.
図 3. DMM の接続
HI
+
LO
–
OUT CHx
DMM
HI
–
+
IN CHx
LO
㛵ᩘⓎ⏕ჾ
NI PXIe-4610
11. 7 および 8 を繰り返して、集録波形の振幅を AmplitudeIN として記録します。
12. 手順 8 で記録された AmplitudeOUT の値および手順 11 で記録された AmplitudeIN
の値を使用して、次の計算を⾏います。
Amplitude OUT
UnadjustedGain = ------------------------------------------------------Amplitude IN
13. 未調整のゲインをデシベルに変換します。
UnadjustedGain (dB) = 20 · log (UnadjustedGain)
14. NI PXIe-4610 出⼒を無効にします。
15. 関数発生器を無効にします。
16. 「AO.PowerAmp.Gain DAQmx」プロパティで検証されたチャンネルのゲイン定
数を読み込んで、ゲインをデシベルに変換します。
CalibrationGain (dB) = 20 · log (GainEEPROM)
17. 手順 13 で計算された UnadjustedGain (dB)、および手順 16 で計算された
CalibrationGain (dB) を使用して次の計算を⾏い、結果を AdjustedGain (dB) と
して記録します。
AdjustedGain (dB) = 20 dB + (UnadjustedGain (dB) - CalibrationGain (dB))
18. 各チャンネルに対して、手順 1 〜 17 を繰り返します。
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7
19. 各チャンネルの記録された UnadjustedGain (dB) および AdjustedGain (dB) を
表 4 の制限値と比較します。
表 4. NI PXIe-4610 ゲインの 2 年間の検証テスト制限値
⼊⼒信号ソース
下限値(dB)
上限値(dB)
未調整
19.969
20.031
調整済み *
19.989
20.011
* EEPROM に保管されているゲインキャリブレーション定数を使用して調整された入⼒信号
ソースゲイン。
メモ
記載されたテスト制限値は、表 7 の値を使用して取得されています。
20. 各チャンネルの記録された残差オフセットを表 5 の制限値と比較します。
表 5. NI PXIe-4610 残差オフセットの 2 年間の検証テスト制限値
メモ
下限値(mV)
上限値(mV)
-1
+1
記載されたテスト制限値は、表 8 の値を使用して取得されています。
NI PXIe-4610 が、表 4 および 5 に掲載された制限値の範囲外にある場合、「各国にお
けるサポートとサービス」を参照して、デバイスを NI までご返送ください。
EEPROM のアップデート
検証手順を完了したあと、次の手順を実⾏します。
1.
NI PXIe-4610 でキャリブレーションセッションを開きます。デフォルトのパス
ワードは NI です。
2.
キャリブレーション温度を保存します。
a. 周囲温度を記録します。
b. 「DAQmx DSA キャリブレーション温度設定」関数を呼び出して、手順 a で
測定したキャリブレーション温度を保存します。
キャリブレーション定数を保存します。
a. 「ゲインおよび残差オフセット検証」セクションの手順 1 〜 9 を実⾏して、
オフセットキャリブレーション定数を更新したい各チャンネルの
ResidualOffset を計算します。
b. 「ゲインおよび残差オフセット検証」セクションの手順 10 〜 12 を実⾏し
て、ゲインキャリブレーション定数を更新したい各チャンネルの
UnadjustedGain を計算します。
3.
8
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ni.com
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c.
NI PXIe-4610 の「DAQmx DSA パワーアンプキャリブレーション調整」関数
を呼び出して、表 6 に示すように構成します。
表 6. DAQmx DSA パワーアンプキャリブレーション調整構成
物理チャンネル
Dev1/chx
d.
4.
ゲイン
手順 a で取得された値。
オフセット
手順 b で取得された値。
キャリブレーション定数を保存したい各チャンネルの手順 a 〜 c を繰り返
します。
キャリブレーションセッションを閉じます。
キャリブレーション条件下の確度
以下のキャリブレーション仕様は、次の条件下において有効です。
•
•
•
周囲温度は 23 ℃ ±5 ℃。
PXI Express シャーシのファン速度が HIGH に設定され、ファンフィルタが清潔な
状態である。
空のスロットにフィラーパネルが取り付けられている。
メモ 表 4 および 5 に記載されたテスト制限値は、表 6 および 7 の値をそ
れぞれ使用して取得されています。
表 7. NI PXIe-4610 キャリブレーション条件下のゲイン確度
⼊⼒信号ソース
ゲイン確度(±dB)
未調整
0.031
調整済み *
0.011
* EEPROM に保管されているゲインキャリブレーション定数を使用して調整された入⼒信号
ソースゲイン。
表 8. NI PXIe-4610 キャリブレーション条件下の残差オフセット
残差オフセット
±1 mV
メモ 動作仕様については、ni.com/manuals よりオンラインで最新の
『NI PXIe-4610 仕様』を参照してください。
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各国におけるサポートとサービス
技術サポートリソースの一覧は、ナショナルインスツルメンツのウェブサイトでご覧
いただけます。ni.com/support では、トラブルシューティングやアプリケーション
開発のセルフヘルプリソースから、ナショナルインスツルメンツのアプリケーション
エンジニアの E メール / 電話の連絡先まで、あらゆるリソースを参照することができ
ます。
ni.com/services からは、NI インストールサービス、修理、保証期間延⻑、その他
のサービスをご利用いただけます。
ナショナルインスツルメンツ製品は、ni.com/register で登録できます。製品を登
録すると、技術サポートをより簡単に受けることができ、NI から重要な最新情報を
確実に受けることができます。
ナショナルインスツルメンツでは、⽶国本社(11500 North Mopac Expressway,
Austin, Texas, 78759-3504)および各国の現地オフィスにてお客様にサポートを提供し
ています。日本国内でのサポートについては、ni.com/support でサポートリクエス
トを作成するか、0120-527196(フリーダイヤル)または 03-5472-2970(大代表)ま
でお電話ください。弊社ウェブサイトの Worldwide Offices セクション
(ni.com/niglobal(英語))から各支社のウェブサイトにアクセスすることができ
ます。各支社のサイトでは、お問い合わせ先、サポート電話番号、電⼦メールアドレ
ス、現⾏のイベント等に関する最新情報を提供しています。
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2014 年 6 月