美濃馬場・長滝寺の歴史的文化財

美濃馬場・長滝寺の歴史的文化財
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美濃馬場・長滝寺には、延年(えんねん)の舞が今も行われている。長滝寺の延年(えん
ねん)の舞とは、毎年1月6日に郡上市白鳥町の長滝白山神社で奉納される神事芸能のこ
とである。延年とは、中世の寺院社会で主として行われてきた遊宴芸能であるが、現在延
年の舞が行われているのは、日光輪光寺と平泉毛越寺と長滝白山神社の3か所のみである。
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まず、日光輪光寺の延年(えんねん)の舞をご覧いただきたい。
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https://www.youtube.com/watch?v=Z17VJXTE-Nw
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このYouTubeは、日光山輪王寺の協力の下、日本映像民俗学の会の長島節五氏が撮影した
神秘の秘舞曲「延年舞」である。この延年舞(えんねんのまい)は、慈覚大師 円仁が唐
から将来した秘舞曲で、寺伝によれば嘉祥元年(848)大師が日光山に来山された時、伝
えられたものといわれており、千年以上の歴史と伝統があります。天下泰平・国土安穏・
延年長寿を希(ねが)って日光山の諸仏諸神に奉納される舞で、江戸時代からは、東照大
権現の例大祭にさきがけて奉舞されるとのことある。
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次に、平泉毛越寺の延年(えんねん)の舞をご覧いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=I2sZFZ5bQno
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この詳しい説明は、毛越寺の公式サイトをご覧いただきたい。
http://www.motsuji.or.jp/rekishi/data03.html
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その毛越寺の公式サイトでは次の通り述べられている。すなわち、
『 毛越寺に伝承される延年の舞は、開山以来連綿と行われてきた常行三昧供の修法とあ
わせて国の重要無形民俗文化財に指定されています。
雪の常行堂で正月二十日に行われる摩多羅神(またらじん)の祭礼を地元では俗に「二
十日夜祭(はつかやさい)」と呼んでいます。
明治15年ごろから、この二十日夜祭に合わせて厄払いの行事である蘇民祭が行われるよ
うになりました。しかし、見物客が多数押しかけ、境内が荒らされるため、蘇民祭は昭和
30年ごろまでに中止となり、代わって献膳行事が行われるようになりました。
厄年の老若男女が、夜、平泉駅前に集合、たいまつの明かりを先頭に常行堂まで行進、
仏前に大根や白菜などの野菜をささげ、無病息災・家内安全を祈願します。
常行堂内では、古伝の常行三眛供の修法のあと、法楽に延年の舞が奉納されます。「延
年」とは「遐齢(かれい)延年」すなわち長寿を表します。遊宴歌舞は 延年長寿につなが
るというところから、諸大寺の法会のあとに催される歌舞を総称して「延年」と言ったの
です。
仏を称え寺を讃め千秋万歳を寿くのですが、曲趣は様々で、風流に仕組まれたものは漢
土の故事などの問答方式に舞楽風の舞がついたものや田楽躍(おどり)など、当時の流行
の諸芸を尽くして祝ったもののようです。
現在、毛越寺には創建された当初の寺堂は一宇もなく、常行堂も享保17年(1732)に再
建されたものです。仏像、仏具、書籍などの宝物も後世のもの で、創建当時のものはほと
んど残っていないのが実情です。にもかかわらず、形の無い延年の舞は、時を超えて今な
お800年昔の姿のままに伝えられているの です。』・・・と。
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美濃馬場・長滝寺の延年(えんねん)の舞については、YouTubeがないので、その様子を
お見せできないが、今ご紹介した日光輪光寺の延年(えんねん)の舞および平泉毛越寺の
延年(えんねん)の舞によって、類推できるかと思う。美濃馬場・長滝寺の延年(えんね
ん)の舞も、昭和52年、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
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美濃馬場・長滝寺には、「延年(えんねん)の舞」のほかに、国の重要文化財「木造古楽
面(もくぞうこがくめん)がある。
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長滝白山神社に伝来する能面25面の内訳は、次のようである。
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白色尉[はくしきじょう] 3面 女 3面 翁 1面 喝食[かっしき] 1面
延命冠者[えんめいかじゃ] 2面 若女 2面 尉 3面 黒色尉 1面
茗荷悪尉[みょうがあくじょう] 1面 飛出[とびで] 3面 獅子口 1面
□見[べしみ] 2面 童子 1面 阿古父尉[あこふじょう] 1面
以上25面の大多数は江戸時代のものであるが、南北朝時代の制作と思われる延命冠者の佳
作をはじめ、室町時代の女面、白色尉、延命冠者、茗荷悪尉などの古面がある。
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また、年紀のあるものとしては翁(応安2年 宋久作)、女面(文明2年)白色尉(天文
11年駿河国酒惣作)、喝食(元和2年)の4面があって、地方能狂言面の研究上貴重な資
料である。平成20年度には、新たに鬼面1面が追加指定された。
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木造古楽面 26面は、鎌倉時代から江戸時代に至る古楽面群で、能面の源流を知るうえで重
要な資料である。 左上:白色尉 左下:延命冠者 右上:尉 右下:飛出
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( http://www.pref.gifu.lg.jp/kyoiku-bunka-sports/bunka-geijutsu/bunkazai-zuroku/bunkazai-zuroku/kougeihin/gujyousi/
mokuzoukogakumenn.html による)
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実は、美濃馬場・長滝寺には、「延年(えんねん)の舞」や「木造古楽面(もくぞうこが
くめん)」の他にも、次のような国指定の重要文化財がある。驚きだ!
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鉄蛭巻手鉾(てつひるまきてぼこ)[1]
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鉄製
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銅仏餉鉢(どうぶっしょうばち)3口[3] •
古瀬戸黄釉瓶子 2口[5] •
石燈籠 •
黄地蝶梅文様繍狩衣・黄地牡丹文様繍狩衣[6]
木柄付(入峯
)[2]