暑熱環境下での長時間の間欠的運動パフォ ーマンスに対する水分補給の効果 研究代表者 立教大学 安松 幹展 この研究は、暑い環境下で 90 分間(前半 45 分、後半 45 分)のサッカー模擬試合中に、250ml ずつ 4 回にわけ て合計 1000ml の水分を補給すると、運動パフォーマン ス低下を予防できることを実証した有意義なものです。 成年男子 10 名を被験者として、試合中に飲水した群(W 群)としなかった群(C 群)に分けて比較したところ、 発汗量は両群ともほぼ同一であったが、体重減少量は C 群では 3.3 %と多かったが、W 群では有意に少なく 2 % 以下に抑えられました。 その結果、主観的な運動強度(RPE)や喉の渇き感の 申告、血中乳酸濃度及び心拍数は、W 群では C 群より有 意に低く抑えられた。さらに 30m スプリントとシャトル ランの時間にも水分補給の有効性が認められたが、シュ ート技術やパス技術などサッカー技術系のテスト結果に は影響しませんでした。サッカーの試合中に水分補給を 行うのは困難を伴う場合も考えられますが、本研究の成 果を踏まえて全ての選手が積極的に行って最高のパフォ ーマンスを発揮して欲しいものです。 暑熱環境下のサッカーの水分の補給が運動パフォーマンスの低下を予防できる。 5.5 3 0 m ス プ リ ン ト タ イ ム ︵ 秒 ︶ 水分摂取群 コントロール群 # # 5.0 4.5 4.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 セット数 水分摂取群とコントロール群の30mスプリントタイムの比較 平均値±標準誤差 # p<0.05,1セット目のタイムとの有意差 27 28
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