大規模イベント開催時等の危機管理

大規模イベント開催時等の危機管理
~関係法と消防機関等の対応~
2015.9.30
政策研究大学院大学
武田 文男
関係する主な法律
•
•
•
•
•
•
災害対策基本法
消防組織法
消防法
警察官職務執行法
警察法
警備業法
等
災害対策基本法
• 法の目的
• 国土、国民の生命・身体・財産を災害から保護
• 社会の秩序の維持・公共の福祉の確保に資する
• 災害の定義
• 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津
波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若し
くは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政
令で定める原因により生ずる被害
• 防災の定義
• 災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を
防ぎ、及び災害の復旧を図ることをいう。
災害対策基本法
• 市町村の責務
• 基礎的な地方公共団体として、市町村の地域並びに住民の
生命、身体及び財産を災害から保護する責務を有する。
• 発見者の通報義務
• 災害が発生するおそれがある異常な現象の発見者は、遅滞
なく、市町村長又は警察官・海上保安官に通報すべき
• 市町村長の出動命令等
• 災害が発生するおそれがある時は、消防機関等への出動命
令、警察官・海上保安官の出動要請等
• 市町村長の事前措置等
• 災害が発生するおそれがある時は、災害を拡大させる恐れ
がある設備・物件の関係者に必要な措置をとることを指示
災害対策基本法
• 市町村長の避難の指示等
• 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、
生命・身体を災害から保護し、災害の拡大防止に特に必要
がある時は、居住者等に対し、避難のための立退きを勧告し、
及び急を要するときは指示することができる。
• 警察官等の避難の指示
• 市町村長が指示できない時、又は市町村長から要求があっ
た時は、警察官又は海上保安官は避難の指示ができる。
• 指定行政機関・都道府県による助言
• 市町村長は、避難指示等に際し、指定行政機関・都道府県
に助言を求めることができ、指定行政機関・都道府県は、そ
の所掌事務に関し、必要な助言をしなければならない。
災害対策基本法
• 市町村の応急措置
• 災害が発生し又はまさに発生しようとしている時は、消防、
水防、救助その他災害の発生を防御し又は災害の拡大を防
止するための応急措置を速やかに実施しなければならない。
• 市町村長の警戒区域設定権等
• 災害が発生し又はまさに発生しようとしている場合に生命・
身体への危険を防止するため特に必要がある時、警戒区域
を設定し、立入りの制限、禁止、退去を命ずることができる。
• 応急公用負担等
• 市町村長は、災害が発生し又はまさに発生しようとしている
場合に、応急措置を実施するため緊急の必要がある時は、
他人の土地、建物、その他の工作物、物件を使用・収用し、
また、住民や現場にいる者を応急措置の業務に従事させる
ことができる。
消防組織法
• 消防の任務
• 消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、
身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又
は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被
害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切
に行うことを任務とする。
• 消防、警察及び関係機関の相互協力等
• 消防及び警察は、国民の生命、身体及び財産の保護の
ために相互に協力をしなければならない。
消防法
• 目的
• 火災を予防、警戒、鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火
災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害
を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、
もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資する。
• 危険物
• 危険物とは、別表の品名欄に掲げる物品で、同表に定める
区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。
• 救急業務
• 災害により生じた事故又は屋外若しくは公衆の出入する場
所において生じた事故等による傷病者のうち、緊急に搬送す
る必要があるものを、救急隊によって、医療機関等に搬送す
る(緊急に応急手当を行うことを含む。)こと
消防法
• 火災の予防
• 消防長、消防署長その他の消防吏員は、屋外又は防火対象物にお
いて火災の予防に危険であると認める行為者又は火災の予防に危
険であると認める物件若しくは消火、避難その他の消防の活動に支
障になると認める物件の所有者、管理者若しくは占有者で権原を有
する者等に対して、次に掲げる必要な措置をとるべきことを命ずるこ
とができる。
• 一 火遊び、喫煙、たき火、火を使用する設備若しくは器具又はその
使用に際し火災の発生のおそれのある設備若しくは器具の使用そ
の他これらに類する行為の禁止、停止若しくは制限又はこれらの行
為を行う場合の消火準備
• 二 残火、取灰又は火粉の始末
• 三 危険物又は放置され、若しくはみだりに存置された燃焼のおそ
れのある物件の除去その他の処理
• 四 放置され、又はみだりに存置された物件の整理又は除去
消防法
• 危険物
• 指定数量以上の危険物は、貯蔵所(車両に固定されたタンク
において危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所(以下「移動タ
ンク貯蔵所」という。)を含む。以下同じ。)以外の場所でこれ
を貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこ
れを取り扱つてはならない。ただし、所轄消防長又は消防署
長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期
間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。
• 製造所、貯蔵所又は取扱所においてする危険物の貯蔵又は
取扱は、政令で定める技術上の基準に従ってこれをしなけ
ればならない。
• 製造所、貯蔵所及び取扱所の位置、構造及び設備の技術上
の基準は、政令でこれを定める。
消防法
• 火災の警戒
• 市町村長は、火災の警戒上特に必要があると認めるときは、
期間を限って、一定区域内におけるたき火又は喫煙の制限
をすることができる。
• ガス、火薬又は危険物の漏えい、飛散、流出等の事故が発
生した場合において、当該事故により火災が発生するおそ
れが著しく大であり、人命・財産に著しい被害を与えるおそれ
があると認められるときは、消防長又は消防署長は、火災警
戒区域を設定して、その区域内における火気の使用を禁止
し、又はその区域からの退去を命じ、若しくはその区域への
出入を禁止し、若しくは制限することができる。
• 消防長若しくは消防署長から委任された消防職団員が現場
にいないとき又は消防長若しくは消防署長から要求があった
ときは、警察署長は前記の職権を行うことができる。
消防法
• 消火の活動
• 消防吏員又は消防団員は、消火若しくは延焼の防止又は人命の
救助のために必要があるときは、火災が発生せんとし、又は発生
した消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又
はその使用を制限することができる。
• 消防長若しくは消防署長又は消防本部を置かない市町村におい
ては消防団の長は、火勢、気象の状況等の事情から合理的に判
断して延焼防止のためやむを得ないと認めるときは、延焼の虞が
ある消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又
はその使用を制限することができる。
• 消火、延焼の防止、人命の救助のため緊急の必要があるときは、
前記の消防対象物及び土地以外の消防対象物及び土地を使用し、
処分し又はその使用を制限することができる。
• 緊急の必要があるときは、火災の現場附近に在る者を消火、延焼
の防止、人命の救助その他の消防作業に従事させることができる。
消防法
• 火災の調査
• 消防長又は消防署長は、消火活動をなすとともに火災の原因並
びに火災及び消火のために受けた損害の調査に着手しなければ
ならない。
• 放火及び失火絶滅の共同目的のために消防吏員及び警察官は、
互に協力しなければならない。
• 救急業務
• 都道府県は、消防機関による救急業務としての傷病者の搬送及
び医療機関による当該傷病者の受入れの迅速かつ適切な実施を
図るため、実施基準を定めなければならない。
• 救急隊員は、緊急の必要があるときは、傷病者の発生した現場付
近に在る者に対し、救急業務に協力することを求めることができる。
• 救急隊員は、救急業務の実施に際しては、常に警察官と密接な連
絡をとるものとする。
警察官職務執行法
• 目的
• 本法は警察官が警察法 に規定する個人の生命、身体及び
財産の保護、犯罪の予防、公安の維持、他の法令の執行等
の職権職務の遂行に必要な手段を定めることを目的とする。
• 避難等の措置
• 警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産
に重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壊、
交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端
な雑踏等危険な事態がある場合においては、その場に居合
わせた者、その事物の管理者その他関係者に必要な警告を
発し、及び特に急を要する場合においては、危害を受ける虞
のある者に対し、その場の危害を避けしめるために必要な限
度でこれを引き留め、若しくは避難させ、又はその場に居合
わせた者、その事物の管理者その他関係者に対し、危害防
止のため通常必要と認められる措置をとることを命じ、又は
自らその措置をとることができる。
警察法
• 目的
• この法律は、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩
序を維持するため、民主的理念を基調とする警察の管理と
運営を保障し、且つ、能率的にその任務を遂行するに足る警
察の組織を定めることを目的とする。
• 警察の責務
• 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の
予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公
共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。
危険物質の規制法
• 危険物(可燃性の液体等)⇒消防法
• 毒物・劇物⇒毒物及び劇物取締法
• 高圧ガス(可燃性ガスを含む)⇒高圧ガス保安法
• 放射性物質⇒原子力基本法等
危険物
• 消防法別表第1の品名欄に掲げる物品で、同表
に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性
状を有するもの(法第2条第7項)
↓
• 化学的・物理的性質に応じ第1~6類に分類
• 第1類
酸化性固体
• 第2類
可燃性固体
• 第3類
自然発火性物質及び禁水性物質
• 第4類
引火性液体
• 第5類
自己反応性物質
• 第6類
酸化性液体
代表的な危険物
• 第1類(酸化性固体) 塩素酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝
酸アンモニウム
• 第2類(可燃性固体) 赤リン、硫黄、鉄粉、マグネシウム(粉
末)、固形アルコール、ラッカーパテ
• 第3類(自然発火性物質及び禁水性物質) ナトリウム、アル
キルアルミニウム、黄リン
• 第4類(引火性液体) ガソリン、灯油、軽油、重油、アセトン、
メタノール
• 第5類(自己反応性物質)ニトログリセリン、トリニトロトルエン、
ヒドロキシルアミン
• 第6類(酸化性液体) 過塩素酸、過酸化水素、硝酸
危険物規制の体系
• 危険物
運搬-------------→消防法
貯蔵・取扱い(指定数量以上) - -→消防法
〃 (指定数量未満) - -→市町村条例
• 指定可燃物等
貯蔵・取扱い -------→市町村条例
大規模イベント開催時等の危機管理
における消防機関等のあり方
(今後)
日本において、
• 2019年のラグビーワールドカップの開催
• 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催
(過去に)
日本において、
• 2001年、明石花火大会歩道橋事故発生
• 1995年、地下鉄サリン事件発生
世界各地で、テロ災害、イベント事故等が発生
大規模イベント開催時等の危機管理
における消防機関等のあり方
事故・事件等の発生前の消防機関の活動
• 競技実施建築物等への立入検査
(火気使用設備状況・避難経路の確認等)
• 医療機関への働きかけ
(特別な収容体制の確保依頼)
• 状況に応じた警戒
(火災危険、NBCテロ、熱中症対応等を想定・考
慮した人員、資機材等の配備)
大規模イベント開催時等の危機管理
における消防機関等のあり方
事故・事件等の発生後の消防機関の活動
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•
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•
覚知、緊急情報の伝達
避難誘導
検知・ゾーニング
消火活動
傷病者の救助
除染
トリアージ・応急救護
傷病者の救急搬送
大規模イベント開催時等の危機管理
における消防機関等のあり方
事故・事件等の発生に備えた警戒体制
•
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•
•
•
会場等消防警戒計画、消防応急対応要領の作成
緊急消防援助隊アクションプランの作成
地域医療搬送要領の作成
配置人員の確保・応援予定人員の確保
警戒に要する車両、装備、資機材等の確保
研修・訓練等の実施
関係機関間の連携(警戒本部や合同指揮所等を
中心に関係機関が情報共有し、適切な分担・協力)
大規模イベント開催時等の危機管理
における消防機関等のあり方
消防機関各部隊の任務
・消防隊――進入統制ライン・警戒区域の設定、
観客等の避難誘導、救助活動支援、除染支援
・消防団------避難誘導、後方支援等
・航空隊------上空からの情報収集、傷病者の搬送
・指揮隊------情報収集、指揮命令等
・救助隊------爆発等に伴うがれきや破損車両等から
の救助活動、NBCテロの救助活動支援
・NBC災害専門救助隊------検知・同定、ゾーニング、
ホットゾーン内の救助活動、除染
・救急隊------傷病者の救護、搬送
警察機関等の対応
• 雑踏警備
大規模イベントの開催により、特定の場所に
多数の人が一時的に集まることにより、事故
若しくは混乱等が発生するおそれがある場合
において、部隊活動により事故対応、交通規
制等の諸活動を行うもの
• 雑踏警備の対象(例)
祭礼、花火大会、各種イベント、スポーツ競技、
公営競技、その他多数の人が集まる催し物
(花見等)
警察機関等の対応
警察の活動
• 警備計画を作成し、参集者の利便を尊重しつ
つ、雑踏による混乱を適切に整理し、事故を
未然に防止し、緊急時の対応等を行う。
イベント主催者への指導・助言
• 警備計画を作成し、会場等の安全許容人数
を確認のうえ、う回路、避難場所、警備員の
配置、広報手段等により雑踏事故を防止する
ことを基本に、指導・助言を行う。
警察機関等の対応
警備業務
• 主催者等は、警備会社に警備の一部を委託す
ることが多い。
• 警備業務は、警備業法において、「人若しくは車
両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険の
ある場所における負傷者等の事故の発生を警
戒し、防止する業務」とされている。
関係機関との連携
• 警察機関のほか、救急を含む消防機関、医療機
関、交通機関、海上保安庁、電力・電話会社、
レッカー会社等との連携協力が必要である。
(参考)関係する主な法律
2015.9.30
政策研究大学院大学
武田
文男
災害対策基本法(抄)
(昭和三十六年十一月十五日法律第二百二十三号)
第一章 総則
(目的)
第一条
この法律は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防
災に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制
を確立し、責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、
災害復旧及び防災に関する財政金融措置その他必要な災害対策の基本を定めることにより、
総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図り、もつて社会の秩序の維持と公共の福
祉の確保に資することを目的とする。
(定義)
第二条
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定める
ところによる。
一
災害
暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、
地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程
度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。
二
防災
災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災
害の復旧を図ることをいう。
(市町村の責務)
第五条
市町村は、基本理念にのつとり、基礎的な地方公共団体として、当該市町村の地
域並びに当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、関係機関及び
他の地方公共団体の協力を得て、当該市町村の地域に係る防災に関する計画を作成し、及
び法令に基づきこれを実施する責務を有する。
(発見者の通報義務等)
第五十四条
災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した者は、遅滞なく、その旨
を市町村長又は警察官若しくは海上保安官に通報しなければならない。
2
何人も、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。
3
第一項の通報を受けた警察官又は海上保安官は、その旨をすみやかに市町村長に通報
しなければならない。
(市町村長の出動命令等)
第五十八条
市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、法令又は市町村地域防災
計画の定めるところにより、消防機関若しくは水防団に出動の準備をさせ、若しくは出動
を命じ、又は消防吏員(当該市町村の職員である者を除く。)、警察官若しくは海上保安官
の出動を求める等災害応急対策責任者に対し、応急措置の実施に必要な準備をすることを
要請し、若しくは求めなければならない。
(市町村長の事前措置等)
第五十九条
市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、災害が発生した場合にお
いてその災害を拡大させるおそれがあると認められる設備又は物件の占有者、所有者又は
管理者に対し、災害の拡大を防止するため必要な限度において、当該設備又は物件の除去、
保安その他必要な措置をとることを指示することができる。
2
警察署長又は政令で定める管区海上保安本部の事務所の長(以下この項、第六十四条
及び第六十六条において「警察署長等」という。)は、市町村長から要求があつたときは、
前項に規定する指示を行なうことができる。この場合において、同項に規定する指示を行
なつたときは、警察署長等は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
(市町村長の避難の指示等)
第六十条
災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を
災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町
村長は、必要と認める地域の居住者等に対し、避難のための立退きを勧告し、及び急を要
すると認めるときは、これらの者に対し、避難のための立退きを指示することができる。
(警察官等の避難の指示)
第六十一条
前条第一項又は第三項の場合において、市町村長が同条第一項に規定する避
難のための立退き若しくは屋内での待避等の安全確保措置を指示することができないと認
めるとき、又は市町村長から要求があつたときは、警察官又は海上保安官は、必要と認め
る地域の居住者等に対し、避難のための立退き又は屋内での待避等の安全確保措置を指示
することができる。
(指定行政機関の長等による助言)
第六十一条の二
市町村長は、第六十条第一項の規定により避難のための立退きを勧告し、
若しくは指示し、又は同条第三項の規定により屋内での待避等の安全確保措置を指示しよ
うとする場合において、必要があると認めるときは、指定行政機関の長若しくは指定地方
行政機関の長又は都道府県知事に対し、当該勧告又は指示に関する事項について、助言を
求めることができる。この場合において、助言を求められた指定行政機関の長若しくは指
定地方行政機関の長又は都道府県知事は、その所掌事務に関し、必要な助言をするものと
する。
(市町村の応急措置)
第六十二条
市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しよう
としているときは、法令又は地域防災計画の定めるところにより、消防、水防、救助その
他災害の発生を防禦し、又は災害の拡大を防止するために必要な応急措置(以下「応急措
置」という。
)をすみやかに実施しなければならない。
(市町村長の警戒区域設定権等)
第六十三条
災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、人の生命又
は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、警戒区
域を設定し、災害応急対策に従事する者以外の者に対して当該区域への立入りを制限し、
若しくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずることができる。
2
前項の場合において、市町村長若しくはその委任を受けて同項に規定する市町村長の
職権を行なう市町村の職員が現場にいないとき、又はこれらの者から要求があつたときは、
警察官又は海上保安官は、同項に規定する市町村長の職権を行なうことができる。この場
合において、同項に規定する市町村長の職権を行なつたときは、警察官又は海上保安官は、
直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
(応急公用負担等)
第六十四条
市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しよう
としている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、政
令で定めるところにより、当該市町村の区域内の他人の土地、建物その他の工作物を一時
使用し、又は土石、竹木その他の物件を使用し、若しくは収用することができる。
第六十五条
市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しよう
としている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、当
該市町村の区域内の住民又は当該応急措置を実施すべき現場にある者を当該応急措置の業
務に従事させることができる。
消防組織法(抄)
(昭和二十二年十二月二十三日法律第二百二十六号)
第一章 総則
(消防の任務)
第一条
消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保
護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減
するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務とする。
(消防、警察及び関係機関の相互協力等)
第四十二条
消防及び警察は、国民の生命、身体及び財産の保護のために相互に協力をし
なければならない。
消防法(抄)
(昭和二十三年七月二十四日法律第百八十六号)
第一章 総則
第一条
この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火
災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等によ
る傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資する
ことを目的とする。
第二条
○7
この法律の用語は左の例による。
危険物とは、別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性
質欄に掲げる性状を有するものをいう。
○9
救急業務とは、災害により生じた事故若しくは屋外若しくは公衆の出入する場所に
おいて生じた事故(以下この項において「災害による事故等」という。)又は政令で定める
場合における災害による事故等に準ずる事故その他の事由で政令で定めるものによる傷病
者のうち、医療機関その他の場所へ緊急に搬送する必要があるものを、救急隊によつて、
医療機関(厚生労働省令で定める医療機関をいう。第七章の二において同じ。)その他の場
所に搬送すること(傷病者が医師の管理下に置かれるまでの間において、緊急やむを得な
いものとして、応急の手当を行うことを含む。
)をいう。
第二章
第三条
火災の予防
消防長(消防本部を置かない市町村においては、市町村長。第六章及び第三十五
条の三の二を除き、以下同じ。)
、消防署長その他の消防吏員は、屋外において火災の予防
に危険であると認める行為者又は火災の予防に危険であると認める物件若しくは消火、避
難その他の消防の活動に支障になると認める物件の所有者、管理者若しくは占有者で権原
を有する者に対して、次に掲げる必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
一
火遊び、喫煙、たき火、火を使用する設備若しくは器具(物件に限る。)又はその使
用に際し火災の発生のおそれのある設備若しくは器具(物件に限る。
)の使用その他これら
に類する行為の禁止、停止若しくは制限又はこれらの行為を行う場合の消火準備
二
残火、取灰又は火粉の始末
三
危険物又は放置され、若しくはみだりに存置された燃焼のおそれのある物件の除去そ
の他の処理
四
放置され、又はみだりに存置された物件(前号の物件を除く。)の整理又は除去
第五条の三
消防長、消防署長その他の消防吏員は、防火対象物において火災の予防に危
険であると認める行為者又は火災の予防に危険であると認める物件若しくは消火、避難そ
の他の消防の活動に支障になると認める物件の所有者、管理者若しくは占有者で権原を有
する者(特に緊急の必要があると認める場合においては、当該物件の所有者、管理者若し
くは占有者又は当該防火対象物の関係者。次項において同じ。)に対して、第三条第一項各
号に掲げる必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
○2
消防長又は消防署長は、火災の予防に危険であると認める物件又は消火、避難その
他の消防の活動に支障になると認める物件の所有者、管理者又は占有者で権原を有するも
のを確知することができないため、これらの者に対し、前項の規定による必要な措置をと
るべきことを命ずることができないときは、それらの者の負担において、当該消防職員に、
当該物件について第三条第一項第三号又は第四号に掲げる措置をとらせることができる。
この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにそ
の措置を行わないときは、当該消防職員がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなけ
ればならない。ただし、緊急の必要があると認めるときはこの限りでない。
第三章 危険物
第十条
指定数量以上の危険物は、貯蔵所(車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯
蔵し、又は取り扱う貯蔵所(以下「移動タンク貯蔵所」という。)を含む。以下同じ。)以
外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱つて
はならない。ただし、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、
十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。
○2
別表第一に掲げる品名(第十一条の四第一項において単に「品名」という。)又は指
定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵し、又は取り扱う場合において、当
該貯蔵又は取扱いに係るそれぞれの危険物の数量を当該危険物の指定数量で除し、その商
の和が一以上となるときは、当該場所は、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱つ
ているものとみなす。
○3
製造所、貯蔵所又は取扱所においてする危険物の貯蔵又は取扱は、政令で定める技
術上の基準に従つてこれをしなければならない。
○4
製造所、貯蔵所及び取扱所の位置、構造及び設備の技術上の基準は、政令でこれを
定める。
第五章
第二十三条
火災の警戒
市町村長は、火災の警戒上特に必要があると認めるときは、期間を限つて、
一定区域内におけるたき火又は喫煙の制限をすることができる。
第二十三条の二
ガス、火薬又は危険物の漏えい、飛散、流出等の事故が発生した場合に
おいて、当該事故により火災が発生するおそれが著しく大であり、かつ、火災が発生した
ならば人命又は財産に著しい被害を与えるおそれがあると認められるときは、消防長又は
消防署長は、火災警戒区域を設定して、その区域内における火気の使用を禁止し、又は総
務省令で定める者以外の者に対してその区域からの退去を命じ、若しくはその区域への出
入を禁止し、若しくは制限することができる。
○2
前項の場合において、消防長若しくは消防署長又はこれらの者から委任を受けて同
項の職権を行なう消防吏員若しくは消防団員が現場にいないとき又は消防長若しくは消防
署長から要求があつたときは、警察署長は、同項の職権を行なうことができる。この場合
において、警察署長が当該職権を行なつたときは、警察署長は、直ちにその旨を消防長又
は消防署長に通知しなければならない。
第六章
第二十四条
消火の活動
火災を発見した者は、遅滞なくこれを消防署又は市町村長の指定した場所に
通報しなければならない。
○2
すべての人は、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。
第二十五条
火災が発生したときは、当該消防対象物の関係者その他総務省令で定める者
は、消防隊が火災の現場に到着するまで消火若しくは延焼の防止又は人命の救助を行わな
ければならない。
○2
前項の場合においては、火災の現場附近に在る者は、前項に掲げる者の行う消火若
しくは延焼の防止又は人命の救助に協力しなければならない。
○3
火災の現場においては、消防吏員又は消防団員は、当該消防対象物の関係者その他
総務省令で定める者に対して、当該消防対象物の構造、救助を要する者の存否その他消火
若しくは延焼の防止又は人命の救助のため必要な事項につき情報の提供を求めることがで
きる。
第二十六条
消防車が火災の現場に赴くときは、車馬及び歩行者はこれに道路を譲らなけ
ればならない。
○2
消防車の優先通行については、道路交通法 (昭和三十五年法律第百五号)第四十条 、
第四十一条の二第一項及び第二項並びに第七十五条の六第二項の定めるところによる。
○3
消防車は、火災の現場に出動するとき及び訓練のため特に必要がある場合において
一般に公告したときに限り、サイレンを用いることができる。
○4
消防車は、消防署等に引き返す途中その他の場合には、鐘又は警笛を用い、一般交
通規則に従わなければならない。
第二十七条
消防隊は、火災の現場に到着するために緊急の必要があるときは、一般交通
の用に供しない通路若しくは公共の用に供しない空地及び水面を通行することができる。
第二十八条
火災の現場においては、消防吏員又は消防団員は、消防警戒区域を設定して、
総務省令で定める者以外の者に対してその区域からの退去を命じ、又はその区域への出入
を禁止し若しくは制限することができる。
○2
消防吏員又は消防団員が火災の現場にいないとき又は消防吏員又は消防団員の要求
があつたときは、警察官は、前項に規定する消防吏員又は消防団員の職権を行うことがで
きる。
○3
火災現場の上席消防員の指揮により消防警戒区域を設定する場合には、現場に在る
警察官は、これに援助を与える義務がある。
第二十九条
消防吏員又は消防団員は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために
必要があるときは、火災が発生せんとし、又は発生した消防対象物及びこれらのものの在
る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。
○2
消防長若しくは消防署長又は消防本部を置かない市町村においては消防団の長は、
火勢、気象の状況その他周囲の事情から合理的に判断して延焼防止のためやむを得ないと
認めるときは、延焼の虞がある消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し
又はその使用を制限することができる。
○3
消防長若しくは消防署長又は消防本部を置かない市町村においては消防団の長は、
消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために緊急の必要があるときは、前二項に規定
する消防対象物及び土地以外の消防対象物及び土地を使用し、処分し又はその使用を制限
することができる。この場合においては、そのために損害を受けた者からその損失の補償
の要求があるときは、時価により、その損失を補償するものとする。
○4
前項の規定による補償に要する費用は、当該市町村の負担とする。
○5
消防吏員又は消防団員は緊急の必要があるときは、火災の現場附近に在る者を消火
若しくは延焼の防止又は人命の救助その他の消防作業に従事させることができる。
第七章
第三十一条
火災の調査
消防長又は消防署長は、消火活動をなすとともに火災の原因並びに火災及び
消火のために受けた損害の調査に着手しなければならない。
第三十五条の四
本章の規定は、警察官が犯罪(放火及び失火の犯罪を含む。
)を捜査し、
被疑者(放火及び失火の犯罪の被疑者を含む。
)を逮捕する責任を免れしめない。
○2
放火及び失火絶滅の共同目的のために消防吏員及び警察官は、互に協力しなければ
ならない。
第七章の二 救急業務
第三十五条の五
都道府県は、消防機関による救急業務としての傷病者(第二条第九項に
規定する傷病者をいう。以下この章において同じ。
)の搬送(以下この章において「傷病者
の搬送」という。
)及び医療機関による当該傷病者の受入れ(以下この章において「傷病者
の受入れ」という。
)の迅速かつ適切な実施を図るため、傷病者の搬送及び傷病者の受入れ
の実施に関する基準(以下この章において「実施基準」という。)を定めなければならない。
第三十五条の十
救急隊員は、緊急の必要があるときは、傷病者の発生した現場付近に在
る者に対し、救急業務に協力することを求めることができる。
○2
救急隊員は、救急業務の実施に際しては、常に警察官と密接な連絡をとるものとす
る。
警察官職務執行法(抄)
(昭和二十三年七月十二日法律第百三十六号)
(この法律の目的)
第一条
この法律は、警察官が警察法 (昭和二十九年法律第百六十二号)に規定する個
人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、公安の維持並びに他の法令の執行等の職権
職務を忠実に遂行するために、必要な手段を定めることを目的とする。
2
この法律に規定する手段は、前項の目的のため必要な最小の限度において用いるべき
ものであつて、いやしくもその濫用にわたるようなことがあつてはならない。
(避難等の措置)
第四条
警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼ
す虞のある天災、事変、工作物の損壊、交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出
現、極端な雑踏等危険な事態がある場合においては、その場に居合わせた者、その事物の
管理者その他関係者に必要な警告を発し、及び特に急を要する場合においては、危害を受
ける虞のある者に対し、その場の危害を避けしめるために必要な限度でこれを引き留め、
若しくは避難させ、又はその場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に対し、
危害防止のため通常必要と認められる措置をとることを命じ、又は自らその措置をとるこ
とができる。
(犯罪の予防及び制止)
第五条
警察官は、犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは、その予防のため関
係者に必要な警告を発し、又、もしその行為により人の生命若しくは身体に危険が及び、
又は財産に重大な損害を受ける虞があつて、急を要する場合においては、その行為を制止
することができる。
警察法(抄)
(昭和二十九年六月八日法律第百六十二号)
第一章
総則
(この法律の目的)
第一条
この法律は、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持するため、民
主的理念を基調とする警察の管理と運営を保障し、且つ、能率的にその任務を遂行するに
足る警察の組織を定めることを目的とする。
(警察の責務)
第二条
警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、
被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務と
する。
警備業法(抄)
(昭和四十七年七月五日法律第百十七号)
第一章
(目的)
総則
第一条
この法律は、警備業について必要な規制を定め、もつて警備業務の実施の適正を
図ることを目的とする。
(定義)
第二条
この法律において「警備業務」とは、次の各号のいずれかに該当する業務であつ
て、他人の需要に応じて行うものをいう。
一
事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等(以下「警備業務対象施設」という。)に
おける盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
二
人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等
の事故の発生を警戒し、防止する業務
三
運搬中の現金、貴金属、美術品等に係る盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
四
人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務