わが国経済の見通し2015年度・2016年度(2015年1

浜銀総研
News Release
2015年6月8日
2015年度・2016年度の景気予測(2015年1∼3月期2次QE後改訂)
2015年1∼3月期の実質GDP(2次QE)は前期比年率+3.9%へと大幅上方修正
2015年1∼3月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+1.0%
(同年率+3.9%)と、1次速報値(1次QE)の前期比+0.6%(同年率+2.4%)から大き
く上方修正された。内訳をみると、6月1日に財務省から公表された2015年1∼3月期の
「法人企業統計」の結果などを受けて、設備投資(前期比+0.4%→同+2.7%)が大幅な上
方修正となったほか、在庫投資(実質GDP成長率に対する寄与度+0.5%ポイント→同
+0.6%ポイント)もやや上方修正された。ただ、その一方で、住宅投資(前期比+1.8%→
同+1.7%)や公共投資(同-1.4%→同-1.5%)は小幅下方修正となった。
成長率見通しは2015年度が+1.6%へ上方修正、2016年度が+1.6%と前回予測を維持
浜銀総合研究所では、今回の2次QEや足元の経済情勢などを踏まえて、前回5月に発
表した景気予測を見直した。この結果、2015年度を+1.4%から+1.6%に上方修正し、2016年
度は+1.6%と前回予測を維持した。もっとも、2015年度の修正は2014年度から2015年度へ
の成長率のゲタ(発射台)が高まったことが主因であり、予測のシナリオについては前回
予測を踏襲した。
すなわち、景気はこの先も回復基調で推移する見通しである。まず、企業部門では、輸
出が米国やユーロ圏を中心とした海外経済の回復などに支えられて増加基調をたどると見
込まれる。設備投資も企業業績の改善や設備不足感の強まりなどを受けて、増加を続けよ
う。また、家計部門でも、雇用・所得情勢の改善に加え、原油安の恩恵などが追い風とな
り、個人消費が緩やかに増加する見通しである。ただ、その一方で、財政健全化に向けて、
歳出の抑制が徐々に進むとみられるため、公共投資は弱い動きが続こう。
なお、予測シナリオの詳細については、浜銀総合研究所が5月20日に発表した「2015年
度・2016年度の景気予測(2015年5月改訂)」(注)を参照願います。
(注)URL:http://www.yokohama-ri.co.jp/html/report/pdf/fo1505.pdf
予測の要約表
(前年比、%) (参考)前回5月予測
2014年度
2015年度
2016年度
2015年度 2016年度
見通し
見通し
実績
見通し
見通し
実質GDP
▲ 0.9
1.6
1.6
1.4
1.6
民間需要寄与度
▲ 1.7
1.5
1.5
1.3
1.5
公的需要寄与度
0.2 ▲ 0.2
0.0
▲ 0.2
0.0
海外需要寄与度
0.6
0.2
0.1
0.2
0.1
名目GDP
1.6
2.8
2.0
2.6
1.9
【本件に関するお問い合わせ先】
㈱浜銀総合研究所 調査部 遠藤 TEL 045-225-2375 E-mail: [email protected]
浜銀総研 News Release
図表1
GDPの総括表
(前期比、%、季調済)
2014年
2015年
1∼3月期 4∼6月期 7∼9月期 10∼12月期 1∼3月期
1次QE
2015年
1∼3月期
実質GDP
個人消費
住宅投資
設備投資
公共投資
輸 出
輸 入
1.1
2.1
2.0
5.1
-0.9
6.1
6.6
-1.7
-5.1
-10.8
-4.8
0.7
-0.0
-5.2
-0.5
0.4
-6.4
0.1
1.6
1.6
1.1
0.3
0.4
-0.6
0.3
0.1
3.2
1.4
1.0
0.4
1.7
2.7
-1.5
2.4
2.9
0.6
0.4
1.8
0.4
-1.4
2.4
2.9
内需寄与度
民間需要
うち在庫
公的需要
外需寄与度
1.4
1.5
-0.6
-0.1
-0.3
-2.8
-2.9
1.3
0.1
1.1
-0.5
-0.7
-0.7
0.1
0.1
0.0
0.0
-0.2
0.0
0.3
1.1
1.2
0.6
-0.1
-0.2
0.8
0.8
0.5
-0.0
-0.2
名目GDP
1.3
0.1
-0.7
0.8
2.3
(シャドーは伸び率がマイナスの部分。ただし、輸入はプラスの部分。)
(内閣府「四半期別GDP速報」)
1.9
図表2
実質GDP成長率と内外需別の寄与度
前期比、%、季調済
3
2
実質GDP成長率
民需寄与度
公需寄与度
1
0
-1
外需寄与度
-2
-3
2011年
2012
2013
(内閣府「四半期別GDP速報」)
- 1 -
2014
2015
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図表3
2015年度・2016年度のわが国経済の見通し(2015年6月改訂)
予測の前提条件
(前年比増減率%、カッコ内は前期比年率換算%)
2014年度
2015年度
実績
見通し
上 期
下 期
見通し
上 期
下 期
対ドル円レート(円 /ド ル)
109.9
125.2
123.3
127.0
128.4
128.0
128.8
対ユーロ円レート(円/ユー ロ)
141.1
136.8
135.5
138.0
139.0
138.5
139.5
米国実質GDP(暦年)
2.4
2.2
[
0.9 ] [
2.9 ]
2.8
[
2.8 ] [
2.8 ]
ユーロ圏実質GDP(暦年)
0.9
1.4
[
1.6 ] [
1.7 ]
1.7
[
1.6 ] [
1.8 ]
中国実質GDP(暦年)
7.4
7.1
7.0
7.2
7.0
7.1
6.9
2016年度
(前年比増減率%、カッコ内は前期比増減率%)
実
質
G
D
P
2015年度
実績
見通し
下 期
0.8 ] [
0.8 ]
1.6
[
0.8 ] [
1.0 ]
個 人 消 費
▲
3.1
1.7
[
0.8 ] [
1.0 ]
1.8
[
0.6 ] [
1.6 ]
住 宅 投 資
▲
11.7
0.8
[
2.0 ] [
0.5 ]
2.3
[
1.2 ] [
1.6 ]
設 備 投 資
0.4
5.8
[
4.2 ] [
1.5 ]
3.2
[
1.1 ] [
2.6 ]
政 府 消 費
0.4
1.0
[
0.5 ] [
0.6 ]
0.9
[
0.4 ] [
0.4 ]
公 共 投 資
2.0
8.3
[
5.7 ] [ ▲
4.9 ]
4.6
[
輸 出
8.0
5.1
[
1.5 ] [
2.0 ]
4.8
[
2.7 ] [
2.1 ]
輸 入
3.7
4.3
[
2.0 ] [
1.2 ]
4.8
[
2.3 ] [
3.8 ]
▲
1.5
1.4
[
0.8 ] [
0.6 ]
1.5
[
0.6 ] [
1.2 ]
▲
1.7
1.5
[
1.0 ] [
0.7 ]
1.5
[
0.6 ] [
1.1 ]
0.2
[
0.1 ] [ ▲
0.1 ]
0.0
[
0.0 ] [
0.0 ]
0.6
0.2
[
0.0 ] [
0.2 ]
0.1
[
0.1 ] [
1.6
2.8
[
1.6 ] [
0.8 ]
2.0
[
0.9 ] [
民 間 需 要
公 的 需 要
目
G
工
0.2
D
P
業
業
▲
▲
▲
2.1 ] [
▲
▲
0.7 ]
0.2 ]
1.3 ]
88.0
90.6
45.7
44.9
92.0
46.6
45.4
▲
10.8
2.9
3.6
2.3
1.6
2.0
1.1
▲
0.4
2.6
1.5 ] [
1.3 ]
3.6
1.6 ] [
2.6 ]
1.8
0.4
2.0
1.7
2.3
[
[
価
2.8
0.2
0.0
0.4
1.1
0.8
1.3
完 全 失 業 率 ( % )
3.5
3.4
3.4
3.4
3.3
3.4
3.3
者
物
産
▲
▲
2.8
費
企
生
▲
価
消
内
上 期
[
(前年比増減率、%)
国
見通し
1.6
新設住宅 着工 戸数 (万 戸)
鉱
下 期
0.9
海 外 需 要
名
2016年度
上 期
▲
国 内 需 要
寄
与
度
2014年度
物
▲
0.7
▲
(注) 民間需要=個人消費+住宅投資+設備投資+民間在庫投資、 公的需要=政府消費+公共投資+公的在庫投資
国内需要=民間需要+公的需要、 海外需要=輸出−輸入
消費者物価は消費増税の影響を含むベース(生鮮食品を除く総合)
本レポートの目的は情報の提供であり、売買の勧誘ではありません。本レポートに記載されている情報は、浜銀総合研究所・
調査部が信頼できると考える情報源に基づいたものですが、その正確性、完全性を保証するものではありません。
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