232 簡易で安価なスマホの落下衝突試験装置の試作

平成 26 年度卒業研究発表要旨
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2015 年 2 月 23 日
簡易で安価なスマホの落下衝突試験装置の試作
11-1-833-0048 住大 豊治郎
人間工学科 ユニバーサルデザイン研究室(加藤一行教授)
1 目的
本研究では、スマートフォンを任意の角度で衝突させるために、
簡易で安価な実験装置を開発するのが最終的な目標であり、本
研究ではそのような装置の試作を行う。先行研究のような垂直落
下実験では、衝突角度を固定する、そして衝突寸前に保持を解
除すること困難である。本研究は落下衝突ではなく、台車の上に
スマートフォンを置き、水平に衝突させる方式の水平式実験装置
の試作を行う。これにより、衝突角度が固定できるのではないかと
考えた。
試作する水平式実験装置が垂直式実験装置と同等の衝撃力
を得られるのかを確かめるために、垂直式実験装置の製作を先
に行った。それは、先行研究の落下式実験装置には改良の必要
であったためである。それに引き続いて水平式実験装置の試作
を行った。
2 先行研究
図 1 に示す先行研究では、自由落下方式で落下試験を行った。
その結果では、スマートフォンの角部が垂直に床面に衝突したと
きに大きな衝撃力が発生することがわかった。すなわち、スマート
フォンの衝突実験には角部が垂直に床に衝突する装置が必要と
なる。
度に強化し破損しないようにして 10 回の落下実験を行った。水
平式実験の結果は(図 5)のようになった。
図 3 水平式実験装置全体
図 4 垂直式実験装置の回数と衝撃力
図 1 先行研究の実験風景
図 2 落下式実験装置全体
図 5 水平式実験装置の回数と衝撃力
3 実験概要
スマートフォンをレールに沿わして落下させる落下式衝突実験
と台車の上にスマートフォンを乗せ衝突させる水平式衝突実験
の 2 通りの実験を行う。本研究の垂直式実験装置(図 2)は、先行
研究の実験装置を参考に改良を重ね、製作したものである。水
平式実験装置(図 3)は台車の上にスマートフォンを乗せ、台車
にひもをつなぎ滑車を利用しておもりで台車を移動させ、スマー
トフォンを反力計に衝突させる装置である。衝突させるスマートフ
ォンは iPhone5s のモックアップを使用する。
4 実験結果と結果概要
垂直式実験では iPhone5s のモックアップ 4 つが破損し測定を
中断した。5 つ目の iPhone5s は実験に差し支えのない程度に強
化し破損しないようにして 10 回の落下実験をすることができた。
しかし測定値を考察すると回数を重ねるたびに衝撃力が小さくな
っている。垂直式実験結果は(図 4)のようになった。図の衝撃力
は最大値を表す。
水平式実験は、垂直式実験と同様に実験に差し支えのない程
5 まとめと考察
スマートフォンの各部を衝突する試験を容易にならしめる、水
平式実験装置の試作を行った。残念ながら検証することができな
かった。その原因は、試験体としてモックアップを選択したことに
ある。モックアップは、材質も本物と違う。そのため強度がだいぶ
低くなっているものと推測される。そのために、破損が相次いだと
推測される。破損の主な原因として、衝突時のおもりの慣性力が
筐体に伝わってしまい、そのために筐体の破損につながってい
る。おもりが動かないように、工夫は行ったが、実験結果を見ると
破損が蓄積されると推測される。
参考文献
1、科学強化用ガラス Dragontrail
http://www.agc.com/rd/library/2011/61-03.pdf
2、ディスプレイ用高強度ナノガラスプロジャクト
http://www.nedo.go.jp/content/100092095.pdf
3、寺田幸弘 平成 25 年度卒業研究報告書
知能システム工学科