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Hokkaido
Nanobio
第1回北海道ナノバイオ研究会(HNB)シンポジウム
日時:8月 18日(火曜) 17:00〜19:00 (19:00〜 情報交換会)
場所:北海道大学医学部フラテ会館
大研修室(1F)
目的:北海道ナノバイオ研究会は、多岐にわたる分野(医学・理学・工学)で活躍する新進気鋭の
研究者を募り議論を交わす場を設けることで、分野横断的な新たな研究領域の開拓と研究者間の
人的ネットワークの形成を目指して設立されました。少しでも関心をお持ちの方は、学生さんを
含めて、お気軽にご参加ください。
プログラム
1.北海道ナノバイオ研究会について代表 西原 広史 先生(北海道大学大学院医学部/北海道大学病院臨床研究センター)
2.各演題
(1演題発表 7分、討論 3分)
○北海道大学
大学院医学研究科 連携研究センター 平田 快洋 先生
「哺乳類中枢時計の再構築と構成的理解を目指した基盤技術の開発」
○北海道大学大学院情報科学研究科
工藤 信樹 先生
「超音波と微小気泡を用いたソノポレーション」
○北海道大学
大学院歯学研究科 口腔健康科学講座 赤坂 司 先生
「歯の上でナノテク? マイクロ・ナノパターンの歯科治療応用へ向けて」
○北海道大学
大学院工学研究院 応用化学部門
渡慶次 学 先生
「マイクロ流体デバイスを利用した医療応用」
○北海道循環器病院
心血管研究センター長 山本 匡 先生
「血流の可視化と今後」
○北海道大学
大学院理学研究院
角五 彰 先生
「力学刺激が引き起こす細胞内物質輸送障害」
○大阪大学大学院工学部
松崎 典弥 先生
「細胞間ナノ接着技術により生体の 3次元微小環境を再現する組織工学」
○北海道大学大学院情報科学研究科
繁富 香織 先生
「細胞折紙技術を用いた 3次元立体組織の構築〜再生医療への応用〜」
3. CNBI (ナノバイオ研究拠点)について説明
代表
岸村 顕広 先生 (九州大学)(10分)
4. HTRよりシーズ探索に関する説明
自身のナノバイオに関連する研究の臨床応用を目指して Translational Researchとして昇華させるために必要なプロ
セス、臨床検体へのアクセスなどについて議論・助言を行う。
5. 文部科学省ナノプラットフォームに関する説明 科学技術振興機構(JST)イノベーション拠点推進部 東 陽介 最先端の計測、評価、加工設備の利用機会を、高度な技術支援とともに提供する全国ネットの共用ナノプラットフォーム
について、設備の活用事例や資金支援を中心に紹介する。
参加費:
無料
(但し、大学関係者、非営利団体所属者に限る。希望者は下記にメールください。)
フラテ会館(医学部管理棟 正面玄関)
【情報交換会
19-20時(60分)】参加費 : 1500円情報交流会からの参加も大歓迎
お問い合わせ先: 北海道大学 大学院情報科学研究科 繁富香織
[email protected]
講演
○ 北海道大学 大学院医学研究科
平田 快洋 先生
「哺乳類中枢時計の再構築と構成的理解を目指した基盤技術の開発」 哺乳類における生物時計の中枢は、脳深部の視交叉上核に存在し、約 24 時間のリズムを全身へ投射することで行動リ
ズムや生理機能に重要な役 割を担っている。本研究では、中枢時計を 1 細胞から再構築していくことができるマイク
ロパターン基板を作成し、中枢時計のメカニズムとその安定化機構について構成的に理解することを目指している。
○ 北海道大学 大学院情報科学研究科
工藤 信樹 先生
「超音波と微小気泡を用いたソノポレーション」 細胞に薬剤や遺伝子を導入する技術としてエレクトロポレーションが広く行われている。これに対し我々は、超音波
照射により細胞膜に一時的な穿孔を生じさせて導入を実現するソノポレーションについて検討している。講演では、
ソノポレーションの発生機序を明らかにするために行った基礎的検討の結果を報告する。
○ 北海道大学 大学院歯学研究科
赤坂 司 先生
「歯の上でナノテク? マイクロ・ナノパターンの歯科治療応用へ向けて」 歯は、マイクロ・ナノの階層構造よりなる高度に制御された組織である。本研究では、基礎段階として歯科材料やバ
イオ材料でマイクロ・ナノパターンを作製し、歯関連細胞との相互作用を設計検討している。パターンによる歯肉と
の強い接着や高度に制御された歯周組織再生など歯科治療へ向けて応用の可能性を模索中である。
○ 北海道大学 大学院工学研究院応用化学部門
渡慶次 学 先生
「マイクロ流体デバイスを利用した医療応用」 我々は、 医療応用を目指して、マイクロ流体デバイスの研究開発を行っている。微量サンプルのハンドリングによる
疾病診断や、マイクロ流体デバイスを利用した DDS 用キャリアの作製などに取り組んでいる。講演では、それらの中
から、いくつかのトピックスについて紹介する。
○ 北海道循環器病院
山本 匡 先生
「血流の可視化と今後」 心臓疾患と脳疾患を死因とする死亡数は癌死数より多く、動脈硬化性疾患に対しての予防と治療はとても重要な位置
づけにあると考える。薬剤による動脈硬化の予防と治療がエビデンスとして認識される中、疫学的にこれら疾患を予
測する因子は知られているが、実際に動脈硬化の進展がどのようなメカニズムで行われ、これを予測するかは知られ
ていない。動脈硬化進展を予測するために、血流解析を行い、今後どのように臨床応用されていくかを提示したい。 ○ 北海道大学 大学院理学研究院
角五 彰 先生
「力学刺激が引き起こす細胞内物質輸送障害」
学術的、医学的な重要性から細胞内物質輸送に関する研究が数多く行われている。しかし、その大半はトランスポー
ターとしての役割を果たしている生体分子モーターが対象である。今日、機械的な刺激による細胞骨格の変形や損傷
が原因とされる疾病が深刻な問題となっている。これらの背景を踏まえ、本研究では機械的な刺激により引き起こさ
れる細胞骨格の変形や損傷が細胞内物質輸送にどのような影響を及ぼすのかを in vitro 研究から明らかにする。
○ 大阪大学 大学院工学研究科 松崎 典弥 先生
「細胞間ナノ接着技術により生体の 3 次元微小環境を再現する組織工学」
ヒト iPS 細胞技術でヒト細胞ソースの問題はほぼ解決されつつある。 次はいかに生体組織・臓器様の三次元構造体を
in vitro で再構築するかが世界的チャレンジである。私達の取り組みを紹介する。
○ 北海道大学 大学院情報科学研究科
繁富 香織 先生
「細胞折紙技術を用いた 3 次元立体組織の構築〜再生医療への応用〜」 マイクロ・ナノ加工技術と折り紙の折畳み技術を組み合わせ、平面に培養された細胞を「折る」ことにより、3 次元立
体組織を作製する。本講演では、これまで開発してきた細胞折紙技術による、再生医療への応用として、幹細胞の分
化制御に関する研究を紹介する。