連合第14回定期大会・会長冒頭挨拶(PDFファイル 357KB)

連合第14回定期大会・会長冒頭挨拶
2015年10月6日
連合会長 古賀 伸明
会場の皆さん、おはようございます。連合第14回定期大会に全国各地より
お集まりの大会構成員の皆さん、傍聴の皆さん、顧問、参与、関連団体の皆さ
ん、そしてメディアの皆さん、大変ご苦労さまです。
本日はご覧のように、ご多忙の中、民主党・岡田代表にお越しいただいてい
ます。また、政府を代表して塩崎厚生労働大臣には、本日午後にご挨拶をいた
だく予定です。そして、国際来賓として国際労働組合総連合(ITUC)のヴ
ィーネン書記長代行、ITUC-APの鈴木書記長、OECD労働組合諮問委
員会(TUAC)のエバンス事務局長、ILOアジア太平洋地域の西本総局長
をはじめ、5つの国際組織、22の国と地域より、30組織・38名の方々が、
世界各地から遠路はるばる私たちの激励のために駆けつけて下さっています。
さらに、中央労福協の山本副会長、労金協会の中江理事長、全労済の原専務理
事、全労済協会の安久津専務理事、退職者連合の阿部会長にもお越しいただき
ました。
ご来賓の皆様方の日頃からの連合に対しますご指導とご支援に、組織を代表
して心より感謝を申し上げますとともに、改めて会場の皆さん全員の拍手で歓
迎の意を表したいと思います。本日は誠にありがとうございます。
冒頭、先月末に閉幕した通常国会について触れておきます。戦後70年の節
目に、戦後最長の会期となったこの国会は、この国の将来に極めて重い影を落
としました。政治全体の課題については後ほど申し上げますが、ここでは2つ
に絞って言及いたします。
一つは、労働者派遣法の改悪です。派遣労働者の雇用安定や処遇改善をおざ
なりにしたまま、無原則な派遣労働の拡大を許す規制緩和が、多くの反対の声
にもかかわらず強引に決められてしまったことは、与党の圧倒的多数の政治情
勢とはいえ、極めて残念でなりません。しかし、私たちは、ここで立ち止まる
ことなく、職場における徹底した点検活動、そして粘り強い法改正に向けた運
動を通じて、不安定で低処遇な派遣労働の拡大を食い止め、派遣で働く人々の
処遇改善をはからなければなりません。
もう一つは、安全保障関連法案です。昨年の安倍内閣による一方的な憲法解
釈の変更にはじまり、国の根幹に関わる重要法案の数々が十把一絡げに扱われ、
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国会審議でも答弁が二転三転する中、法曹界からは憲法違反の指摘が相次ぎま
した。多くの国民が法案への疑念や疑問を払拭できず、成立を急ぐべきではな
いと全国各地で声を上げたのは当然のことです。それにもかかわらず、与党は
丁寧な合意形成を放棄し、審議が不十分なまま、数の力で強引に押し通したの
です。現代の国家において最も重要な価値であり、わが国が過去の過ちと犠牲
の中から培ってきた立憲主義、民主主義を根底から揺るがす政権与党の手法は、
暴挙という言葉でも言い尽くせません。国民の政治に対する信頼が大きく損な
われたことを、与党はもとより、すべての国会議員は重く受け止めるべきです。
いずれにせよ、私たちは、この国会で起きたことを、決して忘れてはなりま
せん。連合は、これまで、労働者保護ルール改悪阻止に向けた全国縦断アピー
ルリレー、数度にわたる集会、デモ行進、国会前での座り込み、そして8月2
3日の「安倍政権にNO!」を合言葉にした国会包囲行動など、様々な行動を
展開してきました。この間のご協力に心より感謝申し上げます。しかし、私た
ちの闘いは、労働基準法の改悪阻止をはじめとして、これからも続きます。働
く者・生活者との溝を深める安倍政権に対する反転攻勢に向けて、引き続き力
をあわせることが重要です。
さて、ご承知のとおり、私はこの大会をもって会長職を退任いたします。事
務局長4年、会長6年、副会長を含めると13年間、連合運動を執行する任に
あたって参りました。皆様のご指導とご支援により、一定の責任を果たすこと
ができたのではないかと思います。改めて感謝を申し上げます。
従いまして、今期の成果と課題やこれからの運動方針については、後ほどの
事務局長からの報告・提案に委ねることとし、私からは、この機会に、少し大
きな括りの中で、この10年余りを振り返りながら、課題意識やこれからの連
合運動のあり方などについて申し上げ、冒頭の挨拶といたします。
改めていうまでもなく、連合は、結成から四半世紀の間、社会、経済、政治
が文字どおり劇的に変化する中で、公正で持続可能な社会に向けたパラダイム
転換を訴えるとともに、めざすべき社会像を掲げ、その実現に向けて運動を推
進してきました。
特に、この10年余りの間の連合運動は、それまでにも増して社会性を追求
する時期であったと思います。いまは亡き中坊公平さんを委員長とする「連合
評価委員会」から最終報告を受け取ったのは2003年のことです。報告書は
「労働運動は、組合員の利益だけを代弁し、国民の共感を呼ぶ運動になってい
ないのではないか」と警鐘を鳴らした上で、
「社会の変化を自覚し、組合員だけ
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の連帯から、社会の不条理に立ち向かい、名実ともにすべての働く者が連帯で
きる組織へ思い切った変身を遂げる必要がある」と指摘しました。
これを踏まえて連合は、2007年の「非正規労働センター」設置、春季生
活闘争における全構成組織の参画による非正規共闘の構築、地域に根ざした顔
の見える運動の強化に向けた地域協議会の再編、労金、全労済、労福協との連
携による、勤労者の暮らしに関わる課題解決のサポート態勢づくりなど、非正
規労働者、地域の未組織労働者をはじめ、すべての働く者のための運動展開を、
より一層明確にしました。そして、格差の是正を運動の柱に据え、
「ストップ!
ザ 格差社会」キャンペーンをはじめ、全国の仲間の皆さんとともに、春季生活
闘争、政策・制度実現、組織拡大を一体的に取り組んできました。
その間にも、新自由主義や金融資本主義が世界を席巻し、むきだしの競争が
社会の不安と不信、地域コミュニティの危機をもたらしました。その行き着く
先が2008年の世界金融危機でした。これに対して私たち連合は、社会的公
正や安心・安全を基軸とした政策体系へと舵を切るべきだと世の中に訴えまし
た。これらの活動が、歴史的な政権交代を後押しすることになったのです。
そうした中で、2009年の「連合結成20周年プロジェクト」提言で、改
めて、社会からの期待にこたえられるナショナルセンターであり続けるための
役割・機能の強化が提起されました。これを踏まえながら、連合運動の大きな
道標として2010年に確立したのが、私たちがめざすべき社会像、
「働くこと
を軸とする安心社会」です。
集団的労使関係をあまねく広げていくための「1000万連合」実現プラン
の確立も、これと軌を一にするものです。本部での組織化専任チームの設置、
構成組織、地方連合会と三位一体となった活動の推進などにより、連合結成時
の800万人から一時660万人台まで減少した組合員数は、現在は682万
人と、成果の芽が少しずつ出はじめています。
次の世代を担うリーダー育成、そして労働教育の取り組みについては、念願
の「連合大学院」が法政大学のご協力のもとで今年4月に開講し、大学の寄付
講座も、地方連合会のご尽力もあり、全国15大学で開催されるに至っていま
す。
忘れてはならないのは、2011年3月11日、あの東日本大震災と、その
後の救援、復興支援の取り組みです。延べ約3万5千人の組合員が汗をかいた
救援ボランティア、全国で取り組んだカンパ活動は、困難な立場にある人びと
のために何ができるのか、その一点で連合が結集し、組織の垣根を越えた取り
組みとなりました。今もなお、被災地の子どもたちの支援をはじめとする継続
的な活動や、各地で発生する自然災害に対する支援など、活動の輪が広がり、
地域からも評価を頂いています。まさに労働運動の原点ともいえる助け合い・
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支え合いの実践であり、組合員が発揮した情熱と行動力を、これからの運動に
活かしていかなければなりません。
このように、私たち連合は様々な課題に挑戦し、そのすそ野は着実に広がり
つつあります。しかし、一方で、連合結成から四半世紀が経過してもなお、見
据えなければならない課題があることも事実です。
その一つは、ナショナルセンターが掲げている方針の一つひとつが、職場や
地域の第一線で運動を担っている役員に、どこまで伝わっているのかというこ
とです。私は昨年の1月から、構成組織や地方連合会のご協力のもと、全国の
若手リーダーの皆さん、非正規雇用で働く仲間、あるいは地域で活動する様々
な方との直接対話を繰り返してきました。その中で共通していた声の一つは、
「連合の活動が十分伝わってこない」というものです。当然、連合本部として、
発信力の強化に知恵を絞る必要はあります。しかし、それだけで直ちにこの課
題が解決するわけではありません。「なぜ、その運動は提起されたのか」「その
取り組みは職場や地域にとってどんな意義を持つのか」を、それぞれの組織で
徹底して共有化することが、原点であり基本です。
二つ目は、
「わが組織」
「わが企業」
「わが産業」という囲いを、どこまで越え
ることができているのかということです。残念ながら未だ途上であるといわざ
るを得ません。もちろん、個別労使における労使関係、交渉・協議のメカニズ
ムそれ自体はこれからも重要であることに変わりありません。その一方で、バ
ブル経済の崩壊以後、わが組織・わが企業・わが産業の存続を追求する労使の
姿勢が、合成の誤謬として社会的・経済的格差という負の側面につながってし
まったことも事実です。現代は、税制、社会保障、環境など、個別労使の枠を
越えた様々な事柄から受ける影響の度合いが、以前にも増して高まっています。
働き方やくらし方の改善のためには、既存の組織の枠にとどまらず、地域や国
際社会に目を向け、積極的に関わっていかなければ、たとえ自らの理屈は正し
くても、いつの間にか社会から置き去りにされかねません。
本日ここに登壇している役員のみならず、ご参集の代議員や傍聴の皆さんも
含め、一人ひとりが「連合」です。非正規・未組織の労働者や地域の人々が目
にする「連合」は、私たちの一挙手一投足そのものです。日常の活動を通じて、
それぞれが「連合」であるという姿をしっかりと見せていく必要があることを、
改めて確認し合いたいと思います。
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視点を、この先の社会や労働運動へと移してみたいと思います。これから中
長期にわたって私たちが抱える大きな課題は、グローバル化が激しさを増し、
社会経済が成熟していく中で、いかに社会の持続可能性を確保していくのか、
そのために労働運動はどのような役割を発揮すべきかということです。
グローバル化によって、ヒト・モノ・カネ・情報が自由に世界を飛び回るよ
うになった一方で、格差と貧困、民族問題、環境や健康問題など、世界の持続
可能性に関わるリスクも瞬時に国境を越えて広がる時代になっています。こう
した中で、いかにグローバル化を公正なかたちにコントロールできるかが問わ
れています。マクロ経済、雇用労働、環境など、様々な分野、あらゆるレベル
での、多様な主体の参画と民主的な合意形成のプロセスが重みを増しています。
その意味で国際労働運動が果たすべき役割は極めて大きく、私たちも同じ志を
持つ世界の労働組合と連携し、これらのプロセスに積極的に参画・貢献してい
く必要があります。
翻ってわが国は、既に超少子高齢・人口減少の局面に入り、労働力の確保や、
財政や社会保障制度の安定性を確保することは待ったなしの課題です。課題克
服のためには、デフレ脱却と個人所得の増加を通じた経済の好循環を定着させ、
全員参加型社会の実現に向けた政策を実行していかねばなりません。同時に、
私たち自身が主体的に働き方や処遇をどう見直していくかも問われています。
若者、女性、高齢者が公正な処遇のもとで安心して働ける環境をつくること
は、持続可能な社会の大前提です。しかし、足もとでは、非正規労働者が4割
近くを占め、年収200万円以下の労働者も1100万人を超えるのが現状で
す。貧困や格差は、経済だけの問題ではなく、社会の安定や寛容さ、政治や民
主主義のあり方にも関わる大きなリスクです。持続可能な社会のためにも、底
上げ・底支え、格差是正は喫緊の課題です。この間、連合は賃上げによる個人
所得の増加を起点とする好循環の確立を訴え、社会的にも合意形成がはかられ
つつあります。これを軌道に乗せるためにも、2016春季生活闘争において
も、引き続き賃上げを求める方向で検討を深めるとともに、非正規労働者の処
遇改善、企業規模間や男女間の賃金格差への取り組みもさらに推進する必要が
あります。地域における社会的な賃金相場の形成、最低賃金の引き上げ、中小
企業と地域の活性化についても、2015春季生活闘争における「地域フォー
ラム」の取り組みを継続し、地域における理解をさらに広げていくことが重要
です。
長時間労働の是正も極めて大きな課題です。毎年、明らかなだけでも100
人を超える方が過労死・過労自殺で亡くなり、多くの人々が心身の不調で苦し
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んでいます。命と健康を守るためにも労働時間の縮減が急務であることは勿論
のことです。加えて、家庭や地域での活動を含めた生活時間が保障される働き
方の実現は、これからの経済の成熟化、超少子高齢・人口減少社会の克服に欠
かせない条件です。ワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けた、働く者の
ライフステージに応じた働き方、処遇のあり方などについて、深掘りした議論
と、より一層の取り組みが必要です。
また、技術革新への対応も欠かせません。情報通信技術の発展は日進月歩で
あり、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)や人工知能の応
用も目を見張るものがあります。その一方で、技術革新が雇用の劣化をもたら
すのではないかとの懸念も指摘されています。大切なのは、いかに人間らしい
働き方を実現し、日本が誇る「働くことに心を込める」特性を活かし続けてい
くのかということです。そのために、マクロの分配のあり方を含め、労働側と
して積極的な意見提起を行っていくことが重要です。
いずれにせよ、成熟化・人口減少社会の中で、そのデメリットを最小化し、
追い風にすべきものは活用しながら、社会の持続可能性を追求しなければなり
ません。その意味でも、労働運動には、時代の変化を的確に捉え、健全な危機
感を共有し、それぞれの立場で知恵を絞りながら、新たな運動を発信していく
不断の努力が求められています。
政治の課題については、社会の成熟化に真摯に対応する政治のあり方が問わ
れていると同時に、私たちの政治との向き合い方も問われています。
2012年の政権交代以降、安倍政権において、一旦はなりを潜めたかにみえ
た新自由主義的な政策思想が、再び頭をもたげつつあるように見えます。
特に警戒すべきは、成長戦略の名のもとに、さらなる雇用の劣化をもたらす政
策に固執する考え方です。働くことを商品やコストの切り口でしか見ない立場、
すなわち成熟社会の克服、そして「働くことを軸とする安心社会」にそぐわな
い労働者保護ルールの改悪には、徹底して対峙していかなければなりません。
なにより、いまの政治には、先に触れたように、異なる意見と誠実に向き合う
姿勢が決定的に欠けています。この間の労働者保護ルールの改悪問題をめぐる、
国際標準である政労使三者構成の軽視、そして安全保障法制をめぐる国会運営
を見ても、それは明らかです。政治は、一部の利益や欲望を満たすためのもの
ではありません。異なる意見を尊重しながら、何が社会全体にとっての利益な
のかを突き詰めていく営みであるはずです。成熟化する社会では、成長するパ
イの分かち合いから負担の分かち合いが求められ、多様な価値観の調整が不可
欠です。どれほど手間がかかるとしても、真摯な対話を根気強く繰り返すこと
で解を見出すしかありません。
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いまこそ、働く者や生活者の声に向き合う政治が必要です。そのためにも、
政権交代可能なもう一つの政治勢力が結集し、
「一強多弱」からの転換をはから
なければなりません。たしかに、民主党への国民の信頼が戻っていないことは
厳然たる事実です。しかし、生活者、納税者、消費者、働く者の側に立つこと
を綱領に掲げる民主党こそが野党結集の軸となるべきであり、基本的な歴史観
や社会観、さらには政策理念の一致に向けた、リーダーシップの発揮に期待し
ます。
いまの政治情勢を転換するためにも、来年の参議院議員選挙は極めて重要な
ステップです。先ほども触れたように、政治は私たちの働き方やくらしと直結
しています。たとえ政治に無関心を決め込んでも、決して政治と無関係にはな
りえません。政治の振り子を揺らすのは有権者の投票行動です。そのことを徹
底して訴え、政策課題と働く者への影響を組合員と家族、地域で共有し、私た
ちの代表である比例区組織内候補12名をはじめとする推薦候補の勝利に向け
て結集し、強引な政治に終止符を打たなければなりません。18歳選挙権の導
入も迫っており、若者の政治への参画に向けた労働組合としての関わり方も、
重要な課題であることも付け加えておきます。
これからの連合運動にとって重要な視点の一つは、
「温故知新」です。連合結
成から四半世紀が経過する中で、世代の交代は確実に進んでいます。
「古人の跡
を求めず、古人の求めたるところを求めよ」。気づかぬうちに理念を置き忘れ、
形式的な行動になっていないか、常に意識しなければ運動の求心力は衰えます。
これからの連合運動を担っていく世代が、折に触れ原点を訪ね、その使命と役
割を自覚していくことは、すべての働く者の幸せのために、何を変え、何を守
るべきかを峻別する上でも大切なことです。
この先の社会には、様々な課題が待ち受けています。働く者の声を踏まえた
課題解決を進めるためには、組織率を反転させ、発言力と行動力を高めること
はいうまでもありません。生産年齢人口の減少、非正規労働者の組織化など、
課題は山積ですが、どんなときでも、仲間を増やし、運動の輪を広げることが
私たちの最優先の課題であり、労働組合の基本機能です。
同時に、運動の社会的うねりを大きなものにしていくためには、「働く」こ
とを一つの結び目として、多様な団体や個人との連携・協働の場を増やしてい
くことも重要です。「働く」ことは、効率や生産性の追求だけでもなければ、
生活の糧を得る手段だけでもありません。働くことで人と人がつながり、職場
と社会がつながることで課題を解決し、新たな価値を生み出していく営みです。
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そのことが個人の成長や自己実現を促し、社会の持続可能性を高める原動力に
なると思います。さらに言えば、様々な事情によって働くことに困難を抱えた
ときでも尊厳をもって社会の中で自立して行けるよう、お互いに支え合う営み
をも含むものです。だからこそ労働運動には、先ほども申し上げたように、み
ずからが所属する組織の枠を越え、社会に暮らす一員として、多様な主体との
連携を通じて、社会的な責任を果たしていくことが求められています。
結びに、2つの言葉に触れたいと思います。
一つは、東日本大震災の際、連合のボランティア隊に職場から参加した組合
員の言葉です。
「見知らぬ土地、見知らぬ人の中に飛び込む不安もあったが、連
合の旗があるから安心して参加できた」――連合の旗には、人と人とをつなぐ
力があるのです。
もう一つは、労働者保護ルール改悪の阻止を求める連合の集会で発言してく
れた、派遣契約を打ち切られた女性の声です。数千の参加者を前に、厳しい現
状を切々と訴えた後に、こう続けました。「でも、私には連合がついています」
――私たちのすぐそばに、厳しい環境の中で労働組合・連合に期待している人
たちがいる。私たちはその声をしっかりと受け止め、こたえていかなければな
りません。
一人の人間は弱い、だから助け合うことが必要です。
労働組合、そして連合は、職場や社会の不条理にともに立ち向かい、すべて
の働く者のための運動を推進する者の集団です。私たちはその使命と役割を改
めて認識し、行動していこうではありませんか。
取り巻く環境は決して容易なものではありませんが、社会の変化を見据え、
運動の原点を確かめ、社会から共感が得られる連合運動に向けて新たな一歩を
踏み出して行く、そのことをお互いに確認し合う定期大会になることを心より
期待し、冒頭の挨拶といたします。
ご清聴ありがとうございました。
以上
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