1 ジェフリー・ハベル先生 退職記念号に寄せて 経済学部長 牧 野 文 夫 ジェフリー・ハベル先生は,本学に1984年に着任されました。この年は, 経済学部にとって多摩キャンパス移転元年にもあたります。したがって, 今年(2014年)度は,多摩キャンパス開設30周年とともに,先生の勤続30 周年でもあったことになります。 ハベル先生の経済学部に対する功績は,教育,研究,校務において多大 なるものがありました。とりわけ,教育すなわち授業に対しては,ご本人 も自負しておられるように,大変力を注がれ,経済学部における英語教育 をリードしてこられました。そして20人弱にも及ぶネイティブ・スピーカ ーの講師陣の統括実務に長年ご尽力いただきました。 また,教育内容に関しても経済学部生の英語発信力を高めるための指導 を日々工夫され,対話や討論を通じて,学生が英語で話すこと,書くこと の技能向上にご努力されました。演習(ゼミ)においては母国であるアメ リカ合衆国の歴史や文化をテーマとされ,多くの優秀な学生を輩出されま した。ハベルゼミに所属する学生は,当然のことながらすべての書物を英 語で読み,話し,発表し,書く,という学習をおこなうことになります。 その結果,ハベルゼミにはアメリカに対する造詣の深い学生や英語学習に 対する動機付けの高い学生が集い,経済学部にとってとても貴重な存在で した。学生の面倒見もよく,多くの学生に慕われる人気教員のおひとりで もありました。また,かつて先生がご指導された学生の中には,現在われ 2 われの同僚として,経済学部にご勤務されている先生もおられ,その指導 力と教育力の高さは折り紙つきです。 研究におきましては,言語テスティングをご専門とされ,UCLAや Melbourne 大学などの在外研究でも研さんを積まれました。日本言語テス ト学会(JLTA)や全国英語教育学会(JALT)言語テスト研究グループの 設立の主要人物として,日本の言語テスト界にも貢献されております。ハ ベル先生は高いレベルの研究知識を持たれているばかりか,その知識を大 学教育にしっかりと応用されました。すなわち,経済学部新入生に独自の プレースメントテストを作成し,実施し,分析するという作業を通じて適 正な英語力の評価を実行に移されました。その労力は大変なものであった と想像されます。また,その姿勢は,テストの作問,実施,採点,評価と いう一連の作業を通じて,教育に携わるわれわれ大学教員にとって良き手 本となりました。ハベル先生の労力は,本学入試はもとより,大学入試セ ンターの英語試験問題作問チームにおいて統括的な立場で参画された事実 が物語っております。 最後に校務においては,SA(Study Abroad)プログラムの設立と運営に 開始当初からかかわられ,経済学部に大きく貢献されました。とりわけ, カリフォルニア大学デイヴィス校に関しては,現地における学生の空港出 迎えと大学までのエスコートを,自主的に行っていただくなど,校務とし ての関わり以上のご尽力をいただいたことを伺っております。 ハベル先生,長い間本当にお疲れさまでした。これからは,ゆっくりと 大好きな日本酒を奥様とご一緒にたしなんで下さい。
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