脊髄刺激療法を

脊髄刺激療法をご検討されている方へ
脊髄刺激療法を
ご検討されている方へ
∼痛みにより失 われた生 活を取り戻すために∼
∼ 痛 み に より失 わ れ た 生 活 を 取り戻 す た め に ∼
も くじ
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脊髄刺激療法とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
脊髄刺激療法のしくみ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
慢性痛 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
対象となる痛み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
脊髄刺激療法が選ばれる理由 ・・・・・・・・・・・・・・・・6
治療の流れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
治療に使用される機器 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
治療目標の設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
リード挿入 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
トライアル期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
刺激装置の植込み(本植込み)・・・・・・・・・・・・・・14
本植込み後にお渡しするもの ・・・・・・・・・・・・・・・15
植込み後の生活 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
治療にかかる費用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
監 修
潤和会記念病院
疼痛・麻酔管理センター長
兵庫医科大学病院
ペインクリニック部 主任教授
宇野 武司 先生
村川 和重 先生
脊髄刺激療法のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
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脊髄刺激療法とは
なめらかな刺激や軽くたたくような刺激。
脊髄刺激療法
痛み刺激が加わると、神経に痛みの信号が生じて脊髄を通り、脳に伝わっては
じめて「痛い」と感じます。様々な原因で神経系が障害されると人によっては異
常な痛みの信号が神経系に現れ、刺激がなくても痛みを感じる状態いわゆる神
経障害痛が生じます。脊髄刺激療法は神経障害痛に有効な治療法であり、脊
髄に微弱な電流を流すことで異常な痛みの信号を脳に伝わりにくくし、
痛みを和
らげる治療です。痛みを緩和することで生活の質(QOL)を向上し、痛みによ
り失われた日常を取り戻すことを目的とします。
1
脊髄刺激療法のしくみ
脊髄を刺激するために、患者様の体内に小型の刺激装置(ジェネレータ)
とリード
(電極)を留置します。
まず、
リードを留置して試験刺激(トライアル)を行い、効果を
確認できたら刺激装置を植込みます。本植込み後は、患者様ご自身でプログラマを
用いて刺激装置を操作します。適切な刺激を行い、痛みをコントロールすることで
リード(電極)
日常生活の活動をしやすくします。
脊髄に電気刺激を送るための導線です。
痛みに合せて選択可能な種々のリードがあります。
刺激装置(ジェネレータ・IPG)
定電流刺激で「なめらか」な刺激を送ります。
充電式と非充電式があり、患者様のニーズに合わせて選択できます。
充電式
非充電式
出力管理モードにより、
再充電の間隔を伸ばし
バッテリー消費を抑制
大きな電池容量を持つこ
とで長い電池寿命を実現
エクステンション
リードと刺激装置をつなぐ延長用の導線です。
プログラマ
痛みに合わせて体外から刺激を調節できます。
刺激の強さや頻度を変えることができます。
刺激のオン・オフもできます。
充電器
充電式刺激装置を体外から充電することができます。
小型の刺激装置(IPG)
を希望
される方にお勧めします。
*充電の目安は1週間から3週間に
1度です。
定期的に充電することが難し
い方にお勧めします。
2
3
慢性痛
対象となる痛み
痛みが長く続き、眠れない、やる気が起きない。
脊髄刺激療法はどんな痛みに有効なのか。
脊髄刺激療法が有効な痛みには、慢性痛の中でも疾患や外傷から生じた神経系の
異常に基づく痛み(神経障害痛)
と末梢血流障害による痛みがあげられます。
【神経障害痛】
脊椎手術後の痛み(FBSS)
複合性局所疼痛症候群(CRPS)
帯状疱疹後神経痛
慢性痛
疾患や外傷の治癒期間を過ぎて長引く痛みを慢性痛と呼びます。一般的には3∼
6ヶ月以上持続する痛みを慢性痛としています。慢性痛の病態は複雑でいろんな
要因が絡んできます。
もう少し詳しく言うと、慢性痛は疾患や外傷で生じた身体の異
常が持続して生じますが、次第に心理ストレスや社会問題の影響も受けるようになり
断端痛・幻肢痛
糖尿病性ニューロパチー
その他の神経障害
ます。慢性痛を治療するときは、これらの要因を究明し、患者様ひとりひとりに合
わせて治療方針を決定する必要があります。
【末梢血流障害】
閉塞性動脈硬化症
慢性痛の治療
慢性痛の治療には「薬物治療」
「 神経ブロック」
「 低侵襲治療」
「 外科手術」
「 認知行動
療法」
「リハビリテーション」などがあります。
「 脊髄刺激療法」は低侵襲治療のひとつ
で、有効かつ安全な治療法として注目されています。
4
バージャー病
レイノー症候群
5
脊髄刺激療法が選ばれる理由
脊髄刺激療法が選ばれるのは次のような理由があるからです。弱い電気刺激は、
なめらかな刺激や軽くたたくような刺激を感じるだけで他の副作用はありません。
神経を破壊しないので、効果がない場合はリードや刺激装置を取り除くと元の状態
に戻すことができます。手術侵襲が小さいため、大きな合併症はまず起きません。
トライアル期間に効果を確認することができます
脊髄刺激療法が有効な治療法かどうかを確認するために1週間ほどのトライアル
期間があります。
この期間に脊髄刺激療法を体験し、ご自身で効果を確認すること
ができます。
トライアルの効果について担当医と相談し、本植込みするかどうかを決めます。
ご自身で刺激を調整することができます
日々の生活の中で痛みの強さは変化しますが、これに合わせて患者様ご自身で
刺激を調整することができます。姿勢によって刺激の強さが変ったときも患者様ご自身
で刺激の強さを調整することができます。
鎮痛薬を減らすことができます
脊 髄 刺 激 療 法で痛みが 和らげば 、鎮 痛 薬を減らして副 作 用を軽 減することが
できます。
6
治療の流れ
「治療目標の設定」→「リード挿入」→「トライアル期間」
→「刺激装置の植込み(本植込み)」
1. 治療目標の設定
今の痛みの度合や、治療目標などを、先生に相談
しましょう。
2. リード挿入
脊髄刺激療法を本格的に始める前に、刺激が効果的
かどうかを試すため、
リードだけを挿入します。
3. トライアル期間
トライアル期間中、
ご自身で、体外式刺激装置(MTS)
を操作し、刺激の効果を確認してください。
* この時点で、刺激の効果が感じ取れなかったら、
本植込みに移らずにリードを抜去します。
4. 刺激装置の植込み(本植込み)
トライアル期間に刺激の効果を得ることができたら、
刺激装置を体内に植込みます。
7
治療に使用される機器
5つの機器で構成されています。
脊髄刺激療法に使用する機器は、体内に植込むリード
(電極)、刺激装置(ジェネ
レータ)、エクステンション、および 、体 外で使 用するプログラマと充 電 器です。
体内に植込まれた刺激装置からリードに電気が送られ、脊髄を刺激します。刺激の
調節は、患者様ご自身がプログラマを使って行います。
リード
(電極)
脊髄に刺激を与える電極です。脊髄を保護している膜の外側の硬膜外腔という
ところにリードを挿入します。そのため、神経を傷つけることはなく、抜去すれば
元の状態に戻せます。
トライアルの時は、
リードだけ留置して、効果があるか確かめ
ます。
刺激装置(ジェネレータ・IPG)
刺激装置は、充電式と非充電式の2種類があります。その形状や構造は、心臓ペー
スメーカによく似ています。腹部もしくは臀部に植込みます。非充電式では電池が
消耗したら、再度手術を行って、新しい刺激装置に交換します。電池寿命は設定や
使 用 時 間によって大きく異なります。充 電 式でも充 電 機 能が低 下したら新しい
刺激装置に入れ替えます。
エクステンション
刺激装置とリードをつなぐ導線です。刺激装置と共に体内に植込みます。
リードの
長さが十分であれば、エクステンションは使用しないこともあります。
プログラマ
体 内に植 込まれた刺 激 装 置を体 外から調 節するリモコン装 置です。プログラマ
ワンドを衣服の上から刺激装置が植込まれている部位に当てて患者様ご自身で
操作します。刺激のオンオフは、いつでもできます。
また、いつでも刺激の強弱を
調整できます。
充電器
専用の充電器を用いて充電式刺激装置に充電します。充電の目安は1週間から
3週間に1度です。
( 非充電式刺激装置には使用しません)
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9
治療目標の設定
治療の目標を決めましょう。
●
痛みを和らげることが、第一の目標です。
脊髄刺激療法で、痛みを和らげることができるか、医師に相談してみましょう。
●
痛みで困っていることを改善するのが、第二の目標です。
痛みで困っていることも脊髄刺激療法でよくなるか医師に相談してみましょう。
痛みで困っていることをどうしたいのかリストアップしてみましょう。
・鎮痛薬を減らしたい
・夜間ゆっくり眠りたい
・通院回数を減らしたい
・余暇を楽しみたい
・職場に復帰したい
・自立したい などなど・・・
治療目標の設定
痛みが半分以上軽減することを治療目標とします。痛みの軽減に伴って日常生活も改
善することが期待されます。
どれくらいよくなったかご自身で日記をつけてください。
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リード挿入
本当に自分の痛みに有効なのか。
トライアルのためリードを挿入
脊 髄 刺 激 療 法が 患 者 様 の 痛みに 本 当に 有 効なのか確かめるため、
リードだけ
挿 入し一 定 期 間 実 際に刺 激してみます。これがトライアルです。
リード挿 入は、
局所麻酔下に行います。硬膜外腔という脊髄を保護している膜の外側に挿入する
ので神経を傷つけることはありません。
効果がないときはリードを抜去すると元の状態に戻せます。
挿入位置の決定
痛みの部位と刺激感覚が一致するところでリードを固定します。この際、刺激を
心地よく感じることもあります。
トライアルで効果があれば本植込み
トライアルで痛みが半分以上軽減し、治療に満足できたら本植込みとなります。
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トライアル期間
トライアル期間は本植込みするかどうかを判断をする
大切な期間です。
トライアル期間を通して刺激の効果をみてみましょう
①痛み部位に心地よい刺激を感じていますか?
②痛みは、半分以上軽減していますか?
③日常生活の改善目標は、達成できていますか?
MTS
④脊髄刺激療法は、あなたにとって満足できる治療ですか?
リード
セル
キャン
電源
バランス
調整)
(刺激
右
左
クト
セレ )
/保存
(選択
冊子「脊髄刺激療法 電気刺激の評価」
に痛みの評価を記録しましょう。
記録することで、先生に状況を伝えやすくなり、先生も脊髄刺激療法が有効な
治療か判断しやすくなります。
また、刺激装置を植込むか判断するための材料に
トライアルケーブル
リードを挿入後、3日∼7日間がトライアル期間になります。
もなります。
刺激装置を植込むか決めるときは、ご家族・ご友人にも相談しましょう。
操作書を参考に、ご自身で体外式刺激装置(MTS)を操作してみてください。
痛みに有効か、
また、
どのような設定が相応しいか確かめてください。
トライアル期間は、下記の注意事項を守ってください。
●
●
刺激の感じ方は、
装置の設定で変わります。
自分に合った刺激で使用してください。
刺激の強さは、
仰臥位、
立位、
首や体の屈伸で変わることがあります。
姿勢に合わ
せて刺激の強さを調整してください。
●
刺激の感じ方がいつもと違うようになったら、
担当医にご相談ください。
●
刺激を不快に感じる時は刺激装置をオフ
(切)
にしてください。
●
体を大きく曲げたり、
ひねったり、
伸ばしたりしないでください。
●
体をねじるときは肩と腰が同じ方向に向くように動かしてください。
●
2.3キロ以上の重たいものを持たないようにしてください。
●
階段の昇り降りや長時間の着席は極力控えてください。
●
傷口やリード、
体外式刺激装置を濡らさないようにしてください。
●
入浴は控えてください。下半身のシャワーは可能ですが、
傷口やリードを濡らさ
ないようにしてください。
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刺激装置の植込み(本植込み)
トライアル期間を通して効果を認め、
ご本人の納得が
あってはじめて、
刺激装置を植込みます。
刺激装置の植込み
刺激装置はなるべく目立たないように腹部や臀部に植込まれます。
植込み手術は、局所麻酔または全身麻酔のもとに行われます。
腹部または臀部に植込まれた刺激装置と先に植込まれたリードを接続します。
植込み手術は、比較的短時間の手術です。
プログラムの設定
担当医や医療関係者からプログラマの使い方について説明を受け、患者様ご自身で
操作できるまで練習します。充電式刺激装置を植込まれた患者様は、プログラマと
同様に充電器の使い方を習得します。効果のあった刺激をプログラマに設定し、記憶
させます。使用するときに記憶されたプログラムを呼びだします。
植込み手術後の注意点
●
手術後 10∼12 時間は、ベッド上で安静にしてください。
●
手術後 2 日間は、ゆっくり歩くなど軽い動作だけに心がけてください。
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本植込み後にお渡しするもの
登 録
脊髄刺激療法に関する安全情報を患者様にいち早くお届けするためには、患者様
に登録してもらう必要があります。個人情報の提供にご協力ください。
脊髄刺激装置手帳
外出先で医療機関を受診した時など、脊髄刺激療法に関する情報が必要になっ
た場 合は、本 手 帳をご提 示ください。脊 髄 刺 激 療 法に関する安 全 情 報 、患 者 様
が手 術を受けた病 院 情 報 、使 用している機 器 の 情 報などが記 載されています。
患者様カードと一緒にお持ちください。
患者様カード
クレジットカードと同じサイズです。
脊髄刺激装置が植込まれていることを証明します。
脊髄刺激装置簡易取扱い手順書
プログラマと充電器の操作方法を記載している冊子です。
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植込み後の生活
新たな治療の始まりです。
刺激装置が植込まれていても日常生活に支障をきたすことはほとんどあり
■ リードと刺激装置が体内に植込まれた後は、
ご自身でプログラマを操作し、オン
オフの切替や強弱の調整など刺激をコントロールします。
■
入院中に担当医や医療関係者からプログラマの使い方について説明を受け、
患者様ご自身で操作できるまで練習します。
■
植 込み後 の 生 活では 、脊 髄 刺 激 療 法が 有 効かつ 安 全であり続けるために 、
体内に植込まれた脊髄刺激装置に強い力が加わらないよう、
また、強い電磁波
の影響を受けないよう注意が必要です。14,17,20,21ページに示した注意事項
をお守りください。
■
ません。
しかし、一部の機器の併用は、身体組織や刺激装置が影響を受ける
こともありますのでご注意ください。
併用できない医療機器
次の医療機器は発熱による熱傷や刺激装置の破損の恐れがありますので、
併用しないでください。
●
ジアテルミー(温熱療法)
●
MRI検査
注意が必要な医療機器・治療
次の医療機器は刺激装置に影響を与える恐れがありますので、医師とご相談
のうえ慎重に使用してください。
外来受診時は、脊髄刺激手帳と患者様カードをお持ちください。
●
●
●
結石破砕装置
●
高周波アブレーション
●
心臓ペースメーカ
●
電気メス
CTスキャン
植込型体外式除細動器
注意が必要な設備
次の設備がある場所では、急に刺激を強く感じるか、刺激装置のオン(入)
と
オフ
(切)
が切替ることがありますので、
なるべく近づかないようにしてください。
避けられないときは、あらかじめ電源をオフにして通過してください。
●
盗難防止装置
●
金属探知機
注意が必要な電気製品
次の電気製品を使用するときは、急に刺激を強く感じるか、刺激装置のオン
(入)とオフ(切)が切替ることがあります。電気製品の干渉を受けていると
感じたときは電源をオフにしてください。
●
●
電磁調理器
医療用電気治療器
●
●
lH炊飯器
磁気マット
携帯電話
携帯電話の刺激装置に対する影響は不明です。気になる場合は、植込み部
位から十分な距離(22センチ以上)
をおいて使用してください。
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治療にかかる費用
保険や制度の併用で負担額を抑えることができます。
負担の上限額は、
年齢や所得によって異なります。
脊髄刺激療法にかかる費用は医療機関の窓口で支払われた額(窓口負担)から高額療養費
最 終 的な自己負担額となる毎月の「負担の上限額」は、加入者が70歳以上かどうかや、
を差し引いた額が、自己負担額になります。この高額療養費は、ご自身が加入している公的
加 入 者 の 所 得水準によって分けられます。
医療保険に、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられます。
70歳以上の方には、外来だけの上限額も設けられています。
その際、病院などの領収書の添付を求められる場合もあります。
〈70 歳以上の方の場合〉
外来
1か月の負担の上限額
(月収28万円以上などの窓口負担3割の方)
44,400円
80,100円+(医療費­267,000円)1%
一般
12,000円
44,400円
所得区分
高額療養費制度を利用した場合の負担額の参考例をご紹介します。
現役並み所得者
医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を
超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。
<例>100万円の医療費で、窓口の負担(3割)が30万円かかる場合
医療費 100万円
窓口負担 30万円
自己負担
高額医療費
低所得者
(住民税
非課税の方)
(個人ごと)
24,600円
Ⅱ(Ⅰ以外の方)
Ⅰ(年金収入のみの方の場合、
年金受給総額80万円以下など、
総所得金額がゼロの方)
8,000円
〈70歳未満の方の場合〉変更されました(平成27年1月1日から)。
高額療養費として支給 300,000円­87,430円=212,570円
負担の上限額 80,100円+(1,000,000円­267,000円) 1%=87,430円
ひと月あたりの
自己負担限度額
所得区分
3ヵ月以上ご負担
いただいた方(※2)
年収約1,160万円∼の方
252,600円+
(医療費-842,000円)
1%
140,100円
年収約770∼約1,160万円の方
167,400円+
(医療費-558,000円)
1%
93,000円
年収約370∼約770万円の方
80,100円+
(医療費-267,000円)
1%
44,400円
57,600円
44,400円
35,400円
24,600円
健保:標準報酬月額83万円以上の方
国保:年間所得
(※1)901万円超の方
健康保険でカバーされる金額
15,000円
健保:標準報酬月額53万円以上83万円未満の方
国保:年間所得600万円超901万円以下の方
健保:標準報酬月額28万円以上53万円未満の方
国保:年間所得210万円超600万円以下の方
∼年収約370万円の方 健保:標準報酬月額28万円未満の方
国保:年間所得210万円以下の方
住民税非課税の方
*1 ここでいう
「年間所得」
とは、前年の総所得金額及び山林所得金額並びに株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計額から基礎控除(33万円)
を控除
した額(ただし、雑損失の繰越控除額は控除しない。)のことを指します。
(いわゆる
「旧ただし書所得」)
*2 高額療養費を申請される月以前の直近12ヵ月の間に高額療養費の支給を受けた月が3ヵ月以上ある場合は、4ヵ月目から
「多数該当」
という扱いになり、
自己負担額度額が軽減されます。
高額療養費制度に関する申請やご質問等については、現在加入されている健康保険組合、全国健康保険協会、市町村(国民健康保険、
後期高齢者医療制度)、国保組合、共済組合までお問合せください。
18
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脊髄刺激療法のまとめ
脊髄に微弱な電流を流しても、身体に悪影響はありません
日常環境で刺激装置が故障することはありません
脊髄に微弱な電流を流しても、神経組織が傷つけられることはありません。
また、身体のほ
日常生活における電磁波で刺激装置が故障することはありませんが、急に刺激を強く感じ
かの組織が悪影響を受けることもありません。
ご安心ください。
るか、刺激装置のオンとオフが切り替わることは時にあります。
大きな問題はまず起きません
刺激が止まったままだと痛みが再燃します
脊髄刺激療法では、薬にみられる眠気や吐き気などの副作用はありません。
ときに植込み
リードが断線するか、刺激装置が故障したときは、刺激が止まったままとなり、痛みが再燃
部位に痛みが現れるくらいで、大きな問題が起きることはまずありません。もし何か異常に
することがあります。故障の原因を探して対処する必要がありますので担当医にご相談く
気付いた場合は、担当医にご相談ください。
ださい。
痛み部位に心地よい刺激を感じるように設定しましょう
非充電式刺激装置の電池寿命は2∼5年です
痛み部位に心地よい刺激を感じることが最も大切です。刺激によっては、なめらかな刺激
非充電式刺激装置に内蔵された電池の寿命は、
設定や使用時間によって大きく左右されます
または軽くたたくような刺激を感じますが、心地よく感じるように刺激条件を予め設定して
が、
通常は2∼5 年程度です。
医師専用プログラマを用いると電池寿命の目安が分かります。
おきます。姿勢によって刺激の強さが変った時は、
プログラマで程よく調節してください。
電池残量を確認しましょう
痛みが半分以上和らげば、成功です
刺激が感じられなくなったら、刺激装置に内蔵された電池が消耗した可能性があります。
痛みが半分以上和らげば、脊髄刺激療法は成功と言えます。脊髄刺激療法で痛みが和らぐこ
プログラマの裏面にある表示ランプで電池残量が少ないことを確認できます。電池が消耗
とはあっても、痛みがなくなってしまうことは期待できません。脊髄刺激療法は痛みを緩和す
していたら、刺激装置の交換術を行います。
ることによって、痛みで失われていた日常生活を取り戻すためのものとご理解ください。
充電の頻度は経年的に短くなります
医療保険と高額療養費制度が利用できます
充電式刺激装置は、約10年間は充電しながら使用できるように設計されています。通常、
脊髄刺激装置とその植込み手術には、1992年から医療保険が適用されています。窓口負担
1∼3週間で充電しますが、経年的に短くなり毎日充電することもあります。
分に高額療養費制度を利用すれば、
自己負担限度額までの負担になります
(18、19 ページ)。
充電機能がなくならないうちに充電しましょう
目立たない部位に植え込みます
充電式刺激装置の刺激が停止してから30日∼90日以内に充電しないと刺激装置の充電
刺激装置は腹部や腎部など目立たない部位に植込まれますが、患者様の体格によっては
ができなくなります。充電できなくなって脊髄刺激療法の継続を希望される場合は、刺激装
植込み部位が多少盛り上がることもあります。
置の交換術が必要になります。
基本的に運動制限の必要はありません
リードの植込み後6∼8週間は、
リードの位置がズレないように運動制限があります。それ以
降は、基本的に運動制限の必要はありませんが、激しい運動は担当医にご相談ください。
20
21
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保持していることを示しています。ST. JUDE MEDICALおよび 9つの正方形のシンボルは、St. Jude Medical社およびその関連会社
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