平成26年度自己評価シート

学校法人
岡辻学園
山手幼稚園
平成 26 年度 学校評価報告書
学校法人 岡辻学園 山手幼稚園
自己評価結果公表シート(平成 26 年度)
1 本園の教育目標
自分で感じ、自分の考えでしっかり表現できる。
2 本年度の重点的に取り組む目標・計画
■(研究主題)
“子どもの発達過程を踏まえ、日々の教育活動を充実していくために、どの
ようなねらいを設定し、どのように活動を構成していけばよいか。”として、質の高い教育
を目指す。また、教育課程を活用して、日常的な実践・研究の推進を行う。
■(教育活動)子どもの自発的活動を中核とする教育を目指す。
健全なる心身:広々とした園庭で、保育者や友だちと思い切り遊ぶ中で、心身の発達を
促す。
情操教育(自然教育)
:自然や動物と触れ合い、優しい心を育む。
創造性の育成(個人の尊重)
:子どもが自分で考え、自分で感じられるよう、音楽、絵画、
表現遊びなどを通して創造性の育成に努め、自主性を大切にする。また、絵本や紙芝居
から多くの物語に触れ、想像力や感性を豊かにする。
知性の育成:子どもたちの「これ、なぁに?」の知的興味・好奇心を満たし、楽しくか
つ正しい様々な体験を通して吸収していけるよう努める。
しつけの教育:
「おはようございます」「さようなら」「ありがとう」「ごめんなさい」等
の挨拶を交わしたり、遊具の片付けなどの公共心等、社会生活の基本やマナーを学ぶ。
友だちと一緒に活動する中で、失敗や成功体験がルールを守り、優しくいたわる心を養
い、我慢することや他人に迷惑をかけないことを身につける。また、自分の身の回りの
ことも少しずつできるよう、生活習慣の基本を身につける。
■本年度は、遊びをとおして学び考える幼稚園を目指す。そのため、広大な園庭に四季の
花と緑の環境づくりに努める。自然との触れ合いの中、様々な心を豊かにするものが入っ
てくる。自然に触れて、不思議さに気付くというところに焦点をあてる。また、体験する
「場」として、吹田市にある自然の森に出かけ、カレー作りや自然物で遊ぶ体験をする。
何十年も続いている地域を活用する。室内での活動に偏っていた保育を戸外へと誘いだし、
自然は身の回りにあるけれども、本当に大切だという気持ちの芽生えを培う体験を加える。
■普段から日常生活の挨拶を子ども同士がし合うことを目標に、職員同士も挨拶に力を入
れています。
■子ども同士のかかわりの中で、ちょっとしたトラブルが起こった時も自分の気持ちを相
手にきちんと伝え、自分たちで話し合い、解決できる力を養い、状況に応じた適切な言葉
を知りながら相手がいることに気付いていく。言葉の向こうでどんなことを感じていくか、
共に教師も安定した気持ちを育んでいく。
3 評価項目の達成及び取り組み状況
評価項目
保育内容の共通
理解を図る
取
り 組 み 状 況
子ども一人ひとりの「感性・知性・体力」がバランス良く伸びるよう
「教材」
・
「体育」
・
「表現」活動を偏りなく日々実践し積み重ね、子ども
の成長を促す配慮ができるよう各学年単位で具体的に話し合い保育の
実践をしました。
教員研修の充実
ピアジェ教材では、各学年毎に教材について検討・発表を行い、教材
遊びの充実発展を心掛け取り組みました。
また、保育の営みと教員の専門性を高めるために、オペレッタやマー
チングにおいては、専任の講師を招き、活動内容の幅の拡大や保育指導
の仕方を丁寧に研修を重ねる等、日々の保育を常に振り返り、また改善
を図りました。
臨床心理士の先生の指導によりカウンセリングマインドをもった接
し方を学んでいきました。
新規採用教員の
資質の向上
新規採用教員全員をクラス担任として配属し、山手幼稚園の教員とし
て必要となる実践的な知識や技能の早期習得を図りました。
新規採用教員には、計画的に日常の保育指導や保育補助ができるよ
う、先輩教員を新規採用教員の隣のクラスへ配置及び、フリー職員、主
任、副園長が保育補助に携わるなどのバックアップ体制を整備しまし
た。
子育て支援に
ついて
子育て支援の取り組みとして、2歳児未就園児クラス「そら組」、2
歳児親子教室「わくわくランド」
、1 歳児親子教室「ぴよちゃんランド」
を開設運営。
2歳児「そら組」では、保育参観や運動会、毎月の誕生会、生活発表
会、作品展などに保護者が参加した。個人懇談や遠足等にて保護者と教
師の交流の中で子育てのヒントを得たり、悩みや心配事が解消されるき
っかけなった。
臨床心理士による子育て相談の場を設け、在園児・卒園児の皆様に提
供しました。
また、預かり保育を実施し、保育日のほか夏休み、冬休みは就労され
ている方を中心に行いました。
4 学校評価の具体的な目標や計画の総合的な評価結果
■遊びの中から学ぶことを基本とし、ピアジェ教材を用いた発見する(気づき・考え)教
育、広大な園庭でサーキット遊びやパラバルーン、ボール遊び等いろいろな遊びを取り入
れ、従来の体力づくりに深みを増しました。年齢に合った運動量を他の領域と関わらせな
がら展開していました。また、子どもたちの生活のなかにある題材(天候・小動物等)を
取り上げ、多面的な広がりをもった身体表現、リズム感とチームワークを必要とするマー
チング等、音楽を「動き」として体験しました。
絵画や造形、音楽にあわせて歌い踊るオペレッタ(表現遊び)やマーチング(リズム遊
び)等が楽しい活動の幅を広げていき、自発的に考え、判断できる思考の芽を育て、子ど
も一人一人の潜在能力を引き出し、子どもの自発的活動を中核とする教育を進めていきま
した。
■山手幼稚園では、ピアジェ理論による教育を総ての活動の中心に据え、保育を実施しま
した。教材を個々に与え問題意識を持たせながら、ひとりで考え操作させ、模索を繰り返
しながら、自分自身で誤りに気づき、それを乗り越えるという困難を克服していく過程で、
問題解決への粘りと柔軟な思考力を育てていきました。
■自然に触れる場の窓口を大きくして、子どもたちの中でおもしろいことが、きちんとつ
たわっていける環境づくりに努めた。
■発達を踏まえた活動として、一人ひとりを見る中で「明日は何があるかなぁ?」とか、
お天気や行事や季節感を肌で感じる保育を積極的に取り組んでいきました。
■園児募集ではここ数年、1 歳児からの幼稚園選びをされている保護者が「未就園児体験入
園会」に多く参加や、幼稚園見学に来園されており、幼稚園選びの早期化がうかがえた。
この点に着目し、今年度から2歳未満児とその保護者への子育て支援を視野に入れた取り
組み「1歳児親子教室ぴよちゃんらんど」を開設した。
今年度は、2014 年 4 月の 3 歳児入園希望者は定員を上回り、それに合わせて幼稚園の待
機児童が出た。
5 今後の取り組むべき課題
課題
具体的な取り組み方法
園児の心身の発達の
「自然は自然から学ばなければならない」というのが自然教育の
実態に即した教育活
大原則ですが、山手幼稚園では、自然に感動する「心」を育てるこ
動
とを指導目標にし、重要視しています。
小動物との触れ合いの経験を多く持ち、生き物を労わり、愛護す
年間行事の在り方に
る心情を育みます。また、植物の世話をする過程で、花や葉の形や
ついての見直しと実
色・かおり等の不思議さに気付き、これを探ろうとする「科学心」
践
が芽ばえます。また、芋掘りでは、苗植えから5ヶ月後の収穫でき
たときの感動は最高潮に達することでしょう。
保育のさらなる積み
重ねの継続
保護者への働きかけ
感動を基に自然から得た知識は、テレビや本から得たものとは異
なります。山手幼稚園では、そんな体験に基づく活動を目指します。
園児保護者全てから信頼を得られているとは言い難い部分もあ
ることから、教職員は、一定の評価に甘んじることなく保育技術に
磨きをかけて、園児とその保護者が抱える課題や喜びを共有するこ
と。また、お互いの間にさらなる関係作りと信頼関係を築くために
は、日常の一つひとつの機会を大切にして、まず“相手の立場にた
ってみること”、
“相手の話す事柄だけでなく、その気持ちを受けと
めようとすること”などの姿勢が必要となるため、自身の資質向上
に一層努めなければならない。
教員研修の充実
これまで実施してきた保育力向上のための園内研修や外部講師
を招いた研修はもとより、社会人基礎力の向上のための研修やリー
ダー育成のための研修などの充実を行い、1年目の教員からベテラ
ンの教員まで日々刺激し合いスキルアップできる環境を設け、幼稚
園力を高めていきます。
6 学校関係者の評価
全体の評価
■山手幼稚園の教育目標としている「自分で感じ、自分の考えでしっかり表現できる。」姿
が、マーチングなどの活動の中で新しい目が入ることにより、実を結びつつあるように感
じられた。
■行事内容の見直しと構築により 1 年を通じての流れが、日常保育の延長で無理なく実施
されていたように思う。
■山手幼稚園を訪れた時の先生方の笑顔であいさつする姿がとても素敵です明るく挨拶さ
れると園全体が明るく感じられます。上役の先生方のリーダーシップ、指導力の素晴らし
さを感じます。
今後の課題
■他園にはない、広大な畑があるので、日々の保育の中で教員と園児が栽培活動にかかわ
ることができれば、食育活動がより充実すると思う。
■動物舎での動物飼育への園児たちの関わりを充実していくことが大切。
■保育環境を最大限に生かすため、保育室、園庭、その他、子どもたちが活動する場所の
安全点検などの環境整備を教職員が定期的に実施することが必要。
■教員が各年齢の発達を踏まえ、身通しをもった計画が出来るようになることが必要。