米政策金利見通し、金融当局と市場で乖離 - しんきんアセットマネジメント

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2015 年 1 月 30 日
米政策金利見通し、金融当局と市場で乖離
1.利上げ開始時期の後ずれ観測はやや後退
米連邦準備制度理事会(FRB)は、1 月 27-28 日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、
金融政策の現状維持を決めました。会合後に発表した声明では、
「経済活動はしっかりしたペースで拡大
している」と景気判断を引き上げました。労働市場については一段と改善、また家計支出は最近のエネ
ルギー価格の下落が購買力を押し上げ緩やかに拡大しているとしました。インフレについては、
「エネル
ギー価格下落などにより短期的にさらに低下すると予想されるが、中期的には 2%に向けて徐々に上昇
する」としました。
将来の金融政策の指針であるフォワードガイダンスについては、利上げ決定に際しては「忍耐強くい
られる(can be patient)」とした前回の文言を踏襲するとともに、事実上のゼロ金利を「相当な期間
(considerable time)」維持するとしていた文言を削除しました。
今回のFOMCから、政策決定の投票権を持つメンバーが入れ替わり、利上げに慎重なハト派とされ
るメンバーが増え、利上げに積極的なタカ派とされるメンバーが減ることから、全体的にハト派色がや
や強まるとの見方がありました。加えて、原油価格の下落などからインフレ率が低迷し、年内の利上げ
開始の時期が後ずれするとの見方も増えていました。しかしながら、景気判断が上方修正され、
「相当な
期間(considerable time)」文言が削除されたことから、利上げ開始時期が後ずれするとの観測がやや
後退する形となりました。
(参考)FOMCの投票メンバー
2014 年 6 月から
ハト派
2015 年 1 月の会合から
 イエレン FRB 議長
 イエレン FRB 議長
 ブレイナード FRB 理事
 ブレイナード FRB 理事
 ダドリー・ニューヨーク連銀総裁
 ダドリー・ニューヨーク連銀総裁
 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁
 エバンス・シカゴ連銀総裁
 ロックハート・アトランタ連銀総裁
タカ派
 メスター・クリーブランド連銀総裁
 ラッカー・リッチモンド連銀総裁
 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁
 フィッシャー・ダラス連銀総裁
中立
 フィッシャーFRB 副議長(ハト派寄り)
 フィッシャーFRB 副議長(ハト派寄り)
 パウエル FRB 理事
 パウエル FRB 理事
 タルーロ FRB 理事(ハト派寄り)
 タルーロ FRB 理事(ハト派寄り)
(注)ハト派、タカ派、中立の区分はあくまで目安です。
(出所)各種報道を基に、しんきん投信作成
 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁
2.前回の利上げ開始局面を当てはめると、6 月利上げ開始だが
前回の利上げ局面では、12 年前の 2003 年 1 月に「相当な期間(considerable time)
」から「忍耐強
くいられる(can be patient)
」に声明文が変更されました(図表 1)。5 月のFOMCでさらに、
「金融
緩和政策の解除を慎重なペースで実行する可能性が高い」に変更され、翌月末に利上げが開始されまし
た。前回の利上げ局面を当てはめると、今年 6 月に利上げが開始されることになります。
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
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もっとも、米国の将来の政策金利水準を予想するFF金利先物レートを見ると、2015 年 12 月の金利
水準は 0.5%を割り込んでおり、FOMC委員の政策金利見通し 1.125%を大きく下回っています(図
表 2)
。FRBが利上げにやや前のめりになっている、あるいは金融市場が十分に年内の利上げを織り込
んでいないなどの理由が考えられますが、今後利上げの可能性が高まると金融市場が不安定な動きにな
ることも想定され注意が必要です。
昨年 12 月にイエレンFRB議長が、FOMCは少なくとも今後 2 回の会合(1 月、3 月)で金融政策
の正常化プロセスに着手する可能性は低いと述べたことから、3 月までは利上げ開始を警戒しなくても
よさそうです。ただ、4 月以降の利上げ開始を睨んで、米金融市場が不安定になると、日本の金融市場
も影響を受けることになります。2 月はFOMCは予定されていません。米雇用統計、消費者物価指数
などの経済指標や、2 月 20 日前後に予定されているイエレン FRB 議長の議会証言を確認しながら、利
上げ時期を探っていくことになります。
図表 1. 前回利上げ時前のFOMC声明文
将来の金融政策に関する声明文の表現
2003 年 12 月 9 日
「金融緩和政策を相当な期間にわたり維持できる」
(policy accommodation can be maintained for a considerable period)
2004 年 1 月 28 日
「金融緩和政策の解除に際して忍耐強くいられる」
(it can be patient in removing its policy accommodation)
2004 年 3 月 16 日
「金融緩和政策の解除に際して忍耐強くいられる」
(it can be patient in removing its policy accommodation)
2004 年 5 月 4 日
「金融緩和政策の解除を慎重なペースで実行する可能性が高い」
(policy accommodation can be removed at a pace that is likely to be
measured)
2004 年 6 月 30 日
(利上げ開始)
(出所)FRB より、しんきん投信作成
図表2. FOMC委員の政策金利見通しと
FF金利先物レート
長期見通し
(%)
(参考)2015年のFOMC予定
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
1月
27-28日
3月
17-18日*
4月
28-29日
6月
16-17日*
7月
28-29日
9月
2.0
1.5
1.0
16-17日*
10月
27-28日
12月
15-16日*
*経済見通し、議長の会見あり
0.5
(出所)FRBの資料を基に、しんきん投信作成
見通し(最高、最低)
見通し(中央値)
2014/12/31
18/6
18/3
17/12
17/9
17/6
17/3
16/12
16/9
16/6
16/3
15/12
15/9
15/6
15/3
14/12
0.0
(限月)
2015/1/29
(出所)Bloomberg、FRBより、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
鈴木和仁)
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