MUSE Concept

 システム構築に向けた
MUSE Concept
Methodological Universe for Systems Environment
2006年4月8日
株式会社アクト・コンサルティング
西岡 由紀子
MUSE Concept
MUSE はハーモニー
人の気持ちに心地よく響くこと、人のしぐさに感性に自然になじむこと、
活きたシステムづくりには常に、使う身になったこだわりが必要だと
私たちは考えます。
MUSEはユーザの声を聞くことから始めます。私たちはその声を
形にするパートナーに過ぎません。どんなデータが必要とされ、
どこから得られ、どうすれば活用できるのか、何をユーザが望ん
でいるのか、目的を明確にすることに多くの時間を費やします。
全体としてバランスの取れたシステムにまとめ上げて行く
あたかもギリシャ神話の芸術の女神 “MUSE” が奏でる
音楽に似て、美しいハーモニーをかもしだすように…。
© 2006 ACT Consulting Corp.
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MUSE Concept
目次
•
•
•
•
何故MUSEなのか
システム構築へのMUSE適用
MUSEのコンポーネント
MUSEの特徴
<参考>MUSEによるシステム構築事例
© 2006 ACT Consulting Corp.
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MUSE Concept
何故 MUSE なのか
【背景】 “「動かないコンピュータ」問題”
・業務が分からない、ユーザの要求がはっきりしない
・ユーザの要求に基づいて開発したはずが、失敗する
・度重なる仕様変更で予算超過するも、出来上がらない
・動くものはできたが、業務改善は行われず、効果を生ま
ない投資となった
・システムに隠蔽されたロジックが継承されない、原理が
分からないまま流される
・システム任せになり、システムが停止すると業務も停止
・システムが継ぎ接ぎとなり、変化に耐え切れない
・・・などなど
© 2006 ACT Consulting Corp.
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MUSE Concept
何故 MUSE なのか
【 MUSE 手法】
“ユーザの真の目的に合致した”システム作りを目指す
1. コンセプトアプローチ
ユーザの本質的な要求を顕在化
全体像を把握/あるべき姿を提言
2. 意識統合/課題認識の場を提供
経営者 ⇔ 現場
使用者 ⇔ 開発者
合意による全体効果
3. 階層的モデリングによる実装柔軟性
業務モデル、システムモデル、データモデル
“EA:Enterprise Architecture”の考え方に適合
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MUSE Concept
システム構築へのMUSE適用
Phase1
Phase2
Phase3
Phase4
Phase5
業務
モデリング
システム
モデリング
データ
モデリング
オブジェクト
モデリング
スパイラル
メイキング
ユーザの課題を
明確化しシステム
構築のための
基軸を設定する
システム化要件
データ項目を整理
機能とデータの
を明らかにし、
体系化、データ構造 係わりを明確にし、
システムモデリング を明らかにし、論理 オブジェクト同士の
図を作成する
・物理設計を行なう
関係を規定する
MUSE手法のカバー範囲
© 2006 ACT Consulting Corp.
ユーザの声を
反映し、段階的に
システムの精度・
完成度を上げる
UML等による設計・開発
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MUSE Concept
Phase1 業務モデリング
1. 現状(AsIs)の分析
現行業務資料入手、読合せ
2. 業務モデリング図(現状 )作成 Phase1
業務
モデリング
データ、役割の担い手、実在物による全体像
鳥瞰とウォークスルーによる現行業務確認
3. あるべき姿(ToBe)の検討
“枠を外して”将来像を検討
ユーザの課題を
明確化しシステム
構築のための
基軸を設定する
4. 業務モデリング図(将来像)作成 鳥瞰とウォークスルーによる将来像の確認
5. システム化の基軸を設定
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MUSE Concept
MUSE モデリング図 凡例
☆図の見方
xxxxxxxxx
xxxxxxxxxx
xxxxxxx
xxxxxxx は、役割を担うエージェントの機能を表し、必要な情報を
アクセスし、必要に応じて他のエージェントにサービスを要求する
☆エージェント一覧
:オブジェクター
サービス要求に基づき自律して
関係するエージェントを制御・調整
しサービスを実施する役割を持つ
:ウォッチャー
管理の対象となるエージェントの
属性・状態に対し、監視する役割
を持つ
:コレクター
管理の対象となるエージェントの
属性・状態の情報を収集する
役割を持つ
© 2006 ACT Consulting Corp.
:バスケット
雑多なトランザクションが中に
入っている
:ライブラリ
整理された情報がライブラリアン
によって管理、保存されている
:ドキュメント
請求書、契約書等の書類
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MUSE Concept 業務モデリングの進め方
1..データの固まりを見つける
3.データとエージェントの関係付けを行う
4.業務モデリング図上に配置する
5.ウォークスルーする
機能
バスケット
企画
誰がいつどこでどのように
データを使うのか
データは普遍
ライブラリー
工務
①必要条件
方向=トップの意思
(何がしたいか、何を見たいか)
「自由化で生き残る」
機
能
機
能
機
能
機
能
業務モデリング図(現状)を作成(*)
業務モデリングを通じて見えてくること
「目的指向の組織、役割分担」
「目的指向の組織、役割分担」
機能
機能
機能
・・・
機能
IT化で変わること
自動化、時間短縮
業務連携、
将来像の策定
制約緩和条件
IT化:現実と理想のGAPを
埋める手段
→体制変更、運用ルール変更等
制約条件
場所、人、物、金、
時間、頻度、量、等
発電
現実世界
業務モデリング図(将来像)を作成
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業務の簡素化,統合/廃止
・業務分担の見直し
(運用、保修、委託先)
管理スパンの拡大
(自主裁量枠の拡大)
権限と責任の委譲
・中間管理層の省略
・組織のスリム化
情報共有
迅速かつ的確な状況把
握と評価・分析
意思決定の迅速化
・必要情報の精査
(粒度、鮮度,正確さ)
・経営戦略に基づく
評価尺度の明確化
保全センタ-
何で物を見るかの物差し
「貢献度、コスト、信頼度」
業務上の変革点と検討課題
量的扱いの簡便さ
標準化、判断基準の
提供
スタッフ部門
③尺度を決める
問題点、課題を抽出
・業務の重複
・複雑さ
・不便さ、大変さ
機
能
発電所
業務を機能に分解し、現実世界にマッピングする
業務を機能に分解し、現実世界にマッピングする
(あるべき姿を導き出す)
(あるべき姿を導き出す)
②枠をはずす
現行のやり方、しくみ、組織、体制、 関係各所、関連会社とのしがらみ、
慣習等)
現行の仕事の流れ
をユーザとウォーク
スルーしながら確認
する
資材
経理
機
能
→業務として関連する全てのエージェントを
登場させる
(*)通常の業務分析では業務フローを元に業務を
分析するため、業務間の係わり、他業務も含めた
全体像が見えにくい。
オブジェクター ウォッチャー コレクター
6.業務モデリング図(将来像)を作成する
燃料
本店
2.役割の担い手(エージェント)を見つける
業務=Σ機能
中給
委託先
現状の業務分析
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MUSE Concept
Phase2 システム・モデリング
1. 基軸に基づくシステム化要件の明確化
業務モデルのシステムモデルへの写像
2. システム・モデリング図の作成
Phase2
システム
モデリング
鳥瞰とウォークスルーにより、人とシステムの係わり、
システム化の範囲、機能を確認
3.ユーザ・インターフェイスの検討
直感的なユーザ・インターフェイス
4.システム・アーキテクチャの検討
システム化要件
を明らかにし、
システムモデリング
図を作成する
将来(ToBe)を見据えた、システム・アーキテクチャ
5. システム・インフラの検討
順応性のある、ハードウェア、ソフトウェアインフラ
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MUSE Concept
Phase3 データ・モデリング
1. Phase1,2で整理されたデータを
DBMS向けにマッピング
・論理設計
Phase3
・物理設計
・データ関連図
データ
モデリング
2. ウォークスルーによるデータ検証
データのライフサイクル(発生から消滅まで)
に従い、トランザクションとの関連、必要と
されるアウトプットが可能かを検証
データ項目を整理
体系化、データ構造
を明らかにし、論理
・物理設計を行なう
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MUSE Concept
Phase4 オブジェクト・モデリング
1. 機能とデータの係わりを明確化
UMLによる設計
Phase4
2.テスト設計
3. 運用設計、業務設計
新業務フロー、業務運用ルールはユーザ
オブジェクト
主体で検討
モデリング
4. 業務機能の検証
システムを使って業務が回るかを検証
機能とデータの
係わりを明確にし、
オブジェクト同士の
関係を規定する
5. 移行設計
既存システムからの移行、データ移行の検討
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MUSE Concept
Phase5 スパイラル・メイキング
1. スパイラル・メイキング
Phase5
スパイラル
メイキング
ユーザの声を
反映し、段階的に
システムの精度・
完成度を上げる
ユーザによる検証とフィードバックにより、
段階的に精度、完成度を向上させる
“ メイキング”から
“ オブジェクト・インテグレーション” へ
2. システム検証・チューニング
3. 運用開始
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MUSE Concept
MUSE のコンポーネント
1. ブレーンストーミング手法
1)カードを使用
各自記入したカードをシャッフル、配布
2)カード出し
座長による仕切り、同類のカードが出終わると座長交代
MUSE用紙に貼り付け
3)カードの整理、体系化
ラベル付け
連関図
■適用局面
・ユーザ要件の洗出し
・データ項目の洗出し、エージェントの抽出
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MUSE Concept
MUSE のコンポーネント
2. モデリング手法 1)業務モデリング→システムモデリング
2)現状把握→将来像策定
“EA:Enterprise Architecture”
の考え方を踏襲
段階的移行計画策定
3)モデリング図による全体像表記
4)鳥瞰とウォークスルーによる検証
5)システム化コンセプト策定
“キャッチフレーズ化”し、定着を図る
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MUSE Concept
■ユーザ事例(基本構想策定→システム構築へ) 業務モデリング
業務モデリング
システムモデリング
システムモデリング
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MUSE Concept
MUSE のコンポーネント
【モデリング図表記】
1)わかり易いアイコン表記使用
データ:バスケット、ライブラリー
エージェント:オブジェクター、ウォッチャー、コレクター
実在物:建屋、設備、顧客、製造者、輸送業者など
2)ポストイット使用
貼り替え自由
3)全体像を表現
データ、エージェント、実在物を登場させ、業務の全体像を描く
■適用局面
・業務モデリング図(現状)、(将来像)
・システムモデリング図
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MUSE Concept
MUSE モデリング図 凡例
☆図の見方
xxxxxxxxx
xxxxxxxxxx
xxxxxxx
xxxxxxx は、役割を担うエージェントの機能を表し、必要な情報を
アクセスし、必要に応じて他のエージェントにサービスを要求する
☆エージェント一覧
:オブジェクター
サービス要求に基づき自律して
関係するエージェントを制御・調整
しサービスを実施する役割を持つ
:ウォッチャー
管理の対象となるエージェントの
属性・状態に対し、監視する役割
を持つ
:コレクター
管理の対象となるエージェントの
属性・状態の情報を収集する
役割を持つ
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:バスケット
雑多なトランザクションが中に
入っている
:ライブラリ
整理された情報がライブラリアン
によって管理、保存されている
:ドキュメント
請求書、契約書等の書類
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MUSE Concept
■ユーザ事例(業務モデリング図) <参考>
業務モデリング図(現在)
別紙参照
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MUSE Concept
MUSE のコンポーネント
【 鳥瞰とウォークスルー】 “モデリング図を鳥瞰する、ユーザと歩いてみる”
1) 業務の検証
業務の流れ、“業務機能”を検証
2)システムの検証
人とシステムの係わり、システム化する機能、範囲を検証
3)データの検証
データのライフサイクルに従い、機能との関連、必要とされる
アウトプットができるか、を検証
■適用局面
・業務モデリング、システムモデリング、データモデリング
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MUSE Concept
MUSE の特徴
1. コミュニケーションツールとしての役割
1)匿 名 性
他人の意図を代弁、大きい声に引きずられない
2)ゲーム性
「却下」、「採用」の裁量・・・楽しくディベート
3)少人数による集中討議
カード出し・・・状況把握
ラベル付け・・・問題領域と重要度
連関図・・・因果関係
短時間で大勢が判明
4)ユーザ意識、ニーズの顕在化
テーマ別、階層別、業務別ブレーンストーミング
・現状の問題点・課題、あるべき姿(将来像)、阻害要因、解決策
・業務の目的、コアコンピタンス、 具体指標 など
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MUSE Concept
MUSE の特徴
2. モデリング手法としての役割
1) 現状業務を的確に分析
読合せ
データ、エージェントの抽出
業務モデリング図(現状)の作成
“現状を鏡に映す”
“仮説立て”
2)全体像を可視化
鳥瞰とウォークスルーによる全体感の確認
→業務の重複、複雑さ、不便さ、大変を実感
ショック療法: →その場でポストイットを捨てる、分ける、変える
3)短期間、少人数で将来像を策定
データ、エージェントの抽出:帰納的
モデリング図による仮説表現:演繹的
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“仮説の検証”
“ユーザの思いを鏡に
映し、美しく変身”
“左脳と右脳で情報共有”
“短期間集中討議による
ブレークスルー ”
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MUSE Concept
MUSE の特徴
3. MUSE を用いると
可視化と、仮説、検証の繰返しにより、ユーザと合意の取れた
“明快なシステム化コンセプト”が見えてくる
1)将来像の提言
・業務モデリング図(将来像)
・業務改革、改善事項
・予想効果
2)システム化の提言
・目的、ねらいを明確化
→振れた時、迷った時の拠どころとなる
・システム化の “基軸”としてキャッチフレーズ化
・段階的実現方法、開発計画
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MUSE Concept
<参考> MUSEによるシステム構築事例(1)
1. 電線メーカー向けCIM
・“コストマネジメント可能なCIM”の実現
・ケーブル構造の展開と製造連鎖→顔の見える物作り
2. 電力会社向け配電自動化システム
・オブジェクト指向、分散NW技術採用による広域運用
・“実時間処理”の実現
3. 商社向け外為システム
・ホスト系システムのダウンサイジング
・営業、運輸、財務部門システムとの連携
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MUSE Concept
<参考> MUSEによるシステム構築事例(2)
4. 遊技業界向け貯玉管理システム
・制御機器分野へのClient/Server型LANシステムの導入
・生データの蓄積によるDWH向けDBを実現
5. Multi Media Data Bankシステム
・Web/DB連携によるMulti Media Dataのグローバル共有
・クライアント環境(Mac, PC)から商品パッケージ情報の
検索/表示(サムネイル、プレビュー)/取出し/更新
6. 電力会社向け配電設備・系統管理システムの
プロトタイプ構築
・GISシステム上での設備データ 一元管理及び未来系統
管理の実現
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MUSE Concept
<参考> MUSEによるシステム構築事例(3)
7.次世代地図DB構造・アクセス言語の研究開発
・オブジェクト指向によるデータ表現
・言語によるデータアクセス
地図知識の記述による知的データ操作、推論
8.事務機器販社向け製品情報管理システム
・XMLによる製品仕様記述、DOMによるドキュメント体系、
OODBによるオブジェクト管理
9.電力会社向け ITによる業務改革の支援
・現状分析、将来像、IT化のコンセプト策定
・設計事務所として、基本構想を踏まえたシステム構築推進
・技術系IT共通化コンセプト、ガイドラインの制定
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MUSE
Methodological Universe for Systems Environment
No Will, No Win !
ユーザの意志が強ければ強いほど
よいシステムが出来上がる
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