ASTIM/壁フレーム・開発の経緯と特長 木造軸組み構造は、壁倍率に基づく許容応力度計算または JIS 規格等による材料特性を前提 とした 46 条2項ルートでの許容応力度計算により構造計算することが出来ます。 ASTIM/立体フレームは、S 造、RC 造を対象とする大臣認定(予定)プログラムである ASCAL の使用材料を木質に置き換えて 46 条2項ルート対応としており、必ずしも住宅の構 造計算に用いられる壁倍率を、その前提条件に沿った方法で取り入れていると言い切れない 面があります。 住宅の建築確認申請の際に壁倍率と筋交い軸剛性の混在指定は認めない、スキップフロア で柱にせん断応力が生ずる説明を求められたなど、建築確認がスムーズではない場合もある とのことで、壁フレームオプションを開発するに至りました。 壁フレームは、立体解析することは ASTIM/立体フレームと同じですが、壁倍率の扱いを、 より「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」(財)日本住宅・木材技術センター(通称グレイ本) に沿ったものにして、解析モデルの考え方について同センターの新工法認証を申請し、住宅 の構造計算にも積極的に ASTIM をご利用頂くことを目指しております。 壁フレームは、以下の点が立体フレームとは異なります。 ・耐力壁の取り付かない柱は、両端ピンのトラス材にモデル化する。 ・耐力壁の取り付く柱は壁エレメントの部品として評価して独立の解析要素としては 扱わない。(断面検定では取り付く壁エレメントの応力から部品応力を集計する。 ) ・せん断力を負担させたい柱を壁柱として配置できる。 以上から次の特長が導出されます。 壁長の長さに応じてせん断変形から曲げ変形へとシームレスな評価が可能であり、短い壁 を柱と合板で構成される複合柱と考えれば門型ラーメンが可能になります。 柱の 2 軸曲げは扱いませんが、柱の軸剛性が壁エレメントの曲げ剛性に反映されるので、 曲げ戻し( 変形と引き抜き力が抑えられる )における柱断面の有効性を確認出来ます。 その他、柱の断面検定に曲げの項が含まれないので紙面の節約効果もあります。 断面が壁長の逆数の比で 分割されて壁エレメント の部品になる。 トラス材に モデル化 Q4 Q3 Q2 Q1 M 壁柱配置 N-α 軸剛性による 引張ブレース指定 【 解析モデルの例 】 Β N+α (α=M/Β) N=ΣQ i 【 曲げ戻し効果の例 】
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