黒 板 校長室前廊下の壁には何故か黒板が設置されていました。今はこの黒板は 私から生徒へ向けて発信できる貴重な場所となっています。 月曜の朝、登校して来る生徒たちが新たな週を迎えられるよう、前日の日 曜夕方に学校に来てはこの黒板と向き合い、チョークの色を考えながら書き 替えています。教室の黒板の半分程の大きさの左側は「今週の言葉の花束」 コーナーに、右側は今週の予定や行事などにまつわる情報や終了した活動に 対する感想や反省などの「コメント」コーナーです。 参考にするのは 覚 和歌子編(PHPエディターズ・グループ)「高校生で 出会っておきたい73の言葉」や美輪明宏著(PARCO出版)「花言葉」などです。 時に、読んだ本の中で見つけた格言的な言葉をメモしておいて書くこともあ ります。また、コメントコーナーに漢字や英語などのクイズを書き添えるこ ともあります。生徒たちはそれぞれ立ち止まり、静かに読んでくれますが、 クイズなどでは複数名が顔を寄せ合って、黒板の前でワイワイ答えを発表し 合っています。 今、黒板に代わってホワイトボードや電子黒板なるものも出現してきまし た。そういえば小学5、6年の頃だったでしょうか?「どうして緑色なのに 黒板って言うの?」と母に聞いた時「さあ・・」と答えてもらえず、さらに 私が「黒板消しって変だよね?黒板の字は消えるけど黒板は消えないよね?」 と言ったら「いちいちそんなこと気にしていたらどうにもならないでしょ! 目玉焼きだって恐ろしい料理名なんだから~」と言われ、???~ホントだ! と、黒板の話題が目玉焼きに変わったことを強烈に覚えています。 調べると「黒板」は英語blackboardの直訳であること、日本では明治時代 初期の寺子屋などで使われていた「塗板」が原点とされていること、日本で 黒板が製造された当初は簡素的に板に墨汁を塗り柿渋を上塗りしていたこと、 その後、漆器の製法を参考に生漆・対馬石粉及び油煙・松煙墨などが材料と して使われていたこと、黒から緑色になったのは材料の変化があったこと、 鉄板の登場で板面に磁石がくっつくようになったこと、今は焼付塗装やホー ローのものが主流になってきたことなど、名称から歴史や文化がひも解かれ、 面白さを感じることができました。ちなみに「白墨」が「チョーク」とわか る人も少なくなってきた時代ですが、何と日本的な名称かと思います。 思いを言葉を載せ、白墨で書き記す黒板に、「閉校まで一年!よろしくね!」 と話しかけた私です。 ※「黒板消し」は「ラーフル」とも言う。由来はオランダ語「 rafel」(ぼろ布)だとか・・ 【平成27年3月19日(木)】 校長 佐々木 淑 子
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