Tohoku University Spring 2015 Study Abroad Program Australia

Tohoku University
Spring 2015
Study Abroad
Program
Australia
University of
New South Wales
Academic English
Index
・はじめに
…2
・研修の日程 …3
・参加メンバー …4
・レポート
…5
・アルバム
…48
はじめに
本プログラムはオーストラリアのシドニーにあるニューサウスウェールズ大学の語学学校で 4.5 週間
のアカデミックイングリッシュを学ぶプログラムである。 授業は他の国から来た留学生と共に行われ、
1クラスは15名ほどで構成されている。他国からの留学生は世界各国から語学学習を目的に訪れ、語
学学校卒業後はニューサウスウェールズ大学へ入学する者が多い。 アカデミックイングリッシュコー
スでは、文章構成や学問的な言葉使い、単語を意識したライティング、英語で行われる授業に対応した
リスニング、難解な文章をいかに速くかつ正確に読むことを重視したリーディング、そして自分の意見
を効果的に表現するプレゼンテーションのスキルを高めることを目的としている。また、授業では世界
各国から集まった学生と学習することで、英語圏の大学へ留学を考えている者にとっては自分の英語の
力を上げることだけでなく、授業の取り組み方や課題のこなし方を身に付けるチャンスにもなりうる。
また、第3週目までは毎週火曜日と木曜日は午後2時から4時まで会話を重視した東北大学生のみの特
別授業が行われる。さらに最後の2週間は、ニューサウスウェールズ大学で実際に開かれている授業を
聴講することができる。ネイティブスピーカーが行う授業を受ける機会は日本では少ないため、そうい
った授業を受けることは、今後長期留学を考えている学生にとって有益である。
本プログラムは一つのホームステイ先に日本人学生は一人配属され、また、このプログラムが行われ
る2月から3月は同じ語学学校に通う留学生の数が多い時期であるため、ホームステイ先にステイメイ
トがいることもある。さらに、現地学生との交流も可能である。NSA(Nippon Student Association)
企画のイベントなどを通し、友人を作り、各々で交流を行え、そこで、現地の学生の生活に触れること
ができる。そのため、普段の生活から日本語が使えず、英語しか話せない状況下におかれるため、生活
を通して自分の英語力が試されることになる。また、シドニーは世界で有数の多文化都市でありホスト
ファミリーが非オーストラリア人であることも少なくない。そうして、シドニーに住んでいながらも
様々な国の文化に触れることができるのも、このプログラムの特徴である。
研修日程
・派遣期間:2015 年 2 月 11 日(水)~2015 年 3 月 14 日(金)
・授業期間:2 月 12 日(金)~3 月 13 日(金)の 4.5 週間
・授業
1.Academic English 毎週(週 5 日)
1 限目:9:00-11:00
2 限目:11:30-13:30
初日にクラス分けテストが行われ、5 個のクラスに分かれた。それぞれのクラスで他国からの学生
や日本の他大学からの学生とともに学び、各クラス 15 人程度であった。 Writing, Reading,
Listening, Presentation の授業があり、内容は基本的に UNSW 長期留学予定者に向けたもので、
IELTS 試験や大学講義への準備が中心であった。それぞれのクラスでそのレベルにあったプログラ
ムが進められた。第 4 週から 5 週の月曜日にかけて Presentation, Writing, Final Exam の試験
が実施された。
2.Everyday English Class 第 1 週から 2 週(火・木) 14:30-16:30
実践的な会話力・コミュニケーション力を磨くための東北大生のためのコースであった。
3.講義聴講 第 4 週から 5 週
各自で聴講する講義を事前に選択し、Academic English 後に聴講した。月曜はトムソン先生の日
本語の授業に手伝いとして参加した。
参加メンバー
岩渕 巽
農学部
3年
岡田 廉
経済学部
2年
加藤 真之佑
経済学部
2年
川崎 渉
工学部
2年
澤田 森太郎
工学部
2年
神宮司 文菜
農学部
2年
塚原 和佳奈
工学部
2年
安部 栄光
文学部
1年
飯塚 有希
文学部
1年
大西 悠貴
工学部
1年
西野間 洋之
工学部
1年
深澤 宏輔
文学部
1年
眞幡 宜輝
工学部
1年
茂木 真珠乃
理学部
1年
横井 佑香
工学部
1年
Academic English を終えて
岩渕 巽
1. 自己の言語運用力
自己の言語運用力に関して、私が SAP を通して達成したことの一つは、英語を用いてのコミュニ
ケーション能力を向上させることができたことです。留学前半の方では相手が何を伝えようとして
いるのか、なかなか聞き取れないことが多く何度も聞き返してしまう始末でしたが、1~2週間ほ
ど経過すると断片的にではありますが、だんだんと聞きとれるようになってきました。私はホスト
ファミリー家に帰宅したあと後、よくホストマザーとその日のことについて会話していたのですが、
2月の後半ごろに「会話がスムーズにできるようになったね」と言われとてもうれしかったことを
覚えています。これは自分自身も感じていたことで、お店で品物を注文したり、クラスメイトとグ
ループワークするときなど留学したばかりのころより随分話が聞き取れるようになり、おかげで質
問に答えたり、自分の意見を述べることもできるようになってきました。後半では人に道をきくこ
とや、ものを尋ねることも積極的にできるようになりました。むしろ日本でするよりも抵抗なくで
きるようになったと思います。クラスメイトにも自分から積極的に話しかけられるようになり、と
ても仲良くなりました。また、クラスで行ったプレゼンテーションでは発音のおかしい部分が少々
あったものの、はっきりと大きな声で発表することができていてよかったと先生から評価していた
だきました。このプログラムを通して身に付いたものは、リスニングの力というのも少しはありま
すが、一番は英語を用いてのコミュニケーションに抵抗がなくなり、積極的に会話ができるように
なったことだと思います。
見えてきた課題については、まだ断片的にしか聞き取ることができないこと、そして自分の意思
をうまく英語にできないことです。以前よりも聞けるようにはなってきましたが、比較的長い文だ
と自分の頭が追い付かないことがよくありました。知っている単語でも聞き落してしまうことがよ
くあり、聞き返すことが多かったです。留学前の自分の目標として、
「ネイティブの人々が話す内容
を理解し、受け答えができるようになること。スムーズにはいかなくても、とりあえず会話ができ
るようになること。
」というのを挙げていたので、とりあえずは目標を達成できたのではないかと
思いますが、今回の留学を終えて、もっと聞き取れるようになりたいと思いました。また、
「相手の
話の内容を理解し、自分の伝えたい意見もあるのに、それをうまく英語にできない」ということも
多々ありました。頭の中で急いで単語を探したり、英文を組み立てようとしてうまくいかなかった
ことが多かったように思います。思考の過程の中でどうしても途中で日本語を挟んでしまい、それ
で遅くなってしまうのだと思います。また、今回のプログラムでは学問的な文章の作り方を授業で
勉強しました。文章の構成やルールなどは覚えたのですが、その通りに文章を書くことはとても難
しく、添削でもよく指導をされました。具体的には、人称代名詞や not の使用は極力さけること、
動詞は名詞化して be 動詞とセットにして用いることなどで、ルールがわかってはいるものの、そ
れに沿って文章を書くことがなかなかできませんでした。
この経験を踏まえて、今後は英語を用いてのコミュニケーション能力の向上を図るために「英語
を英語のままで運用できるようになる」ということを目標に英語の学習を進めたいと思います。自
分は来年4年生になり研究室での活動がメインになるのですが、教授から「希望するなら海外の学
会などに連れていき、発表もさせる」と伝えられているので、そうした活動に積極的に参加してい
きます。また週に一度研究室内で行われる英会話教室に参加するなど、とにかく英語に触れる機会
を増やし、その中で積極的に発言することを心掛けていこうと思います。また、4年生になると英
語で論文を読み、書く機会が必ずあるので、今回のプログラムで学んだ書き方を意識して論文を読
み進めることで様々な表現方法や言い回しを学び盗んでいき、論文作成の際に役立てていきたいと
思います。
2. 異文化適応
異文化適応に関して私が SAP を通して達成したことは、国や宗教によって文化の違いがあること
をはっきりと理解し、自身もそれに合わせられたことです。オーストラリアでの生活で具体的に日
本と違うと感じたことはいくつもありました。お店は夜早くに閉店すること、キャンパスや公園で
は多くの人が地べたで昼寝していること、お店は夜早くに閉店すること、様々な国の人が同じ場所
で生活していること、バスにアナウンスがないこと、等々あげたらきりがありません。そうしたな
かで私が感じたのは、日本に比べてとてものんびりとしていて、余裕があって、かつアバウトな気
風でした。私も現地の人に習って(?)ハイドパークで昼寝をしたりしました。日本に帰ってから
は、仕事にも遊びにも忙しいと感じることが多くなりました。日本の経済発展は時間や気持ち的な
余裕と引き換えに手に入れたものかもしれないと今では思います。どちらが良い悪いの話ではあり
ませんが、とにかく私はシドニーでの1か月をとても満喫することができました。なかでも興味深
かったのはミサです。私は一度ホストファミリーにミサへ連れて行ってもらいました。私の中での
ミサのイメージは、静かで厳かな雰囲気というものでしたが、実際は異なっていました。みな私服
で教会へ行き、軽食と談笑をしていると神父さんがギターを抱えて登場しました。キーボードやパ
ーカッションも交じって弾むようなリズムの歌が演奏され、みんな手拍子もつけてノリノリで歌っ
ていました。そのあとはバラードや陽気なリズムの曲がいくつか演奏され、続いて神父さんがギタ
ーから聖書に持ち替えて、読み合わせが始まりました。私の中のイメージとは全く変わっていたの
で大変驚きましたし、一緒にいた人たちに混ざって会話や歌を楽しみました。私は異文化について、
本当に何も知らないのだなと感じました。また、今回のプログラムで配属されたクラスにはいろい
ろな国の学生がいました。初めはどう接したらよいかわかりませんでしたが、一緒にスポーツ大会
に出たり、バーベキューを楽しむうちにとても仲良くなりました。最後のセレモニーでは別れがつ
らくて少し涙してしまったほどです。ニュースでは日中関係の問題など国家間での対立が騒がれて
いますが、少なくとも私のクラスにはそういうものはありませんでした。中国人、モンゴル人、オ
マーン人など色々な人と友達になり、私は国が違っても友好関係を築くことはできるのだと強く実
感しました。
この経験を踏まえて、私はもっといろいろな国に行き文化の違いを体験してみたいと思いました。
様々な文化や考え方に触れることで、その中にある日本がどういった位置にあるのかをよりよくみ
ることができると思ったからです。また留学前は考えたことがあまりなかったのですが、将来海外
で働くことも考えてみようと思いました。私が興味のある研究について、海外の研究機関でも取り
組んでいないかを今調べ始めているところです。
3. 行動力
行動力に関して私が SAP を通して達成したことの一つは、臆せず人に話しかけ、会話を持ちかけ
ることができるようになったことです。初めのうちはあまり自分から積極的に話すことは少なかっ
たのですが、現地で過ごすにつれて語力が足りなくても何とか伝わるものだと分かり、それからは
失敗を恐れずにどんどん自分から話しかけるようになりました。見知らぬ人に道を尋ねたり、お店
の人にお勧めの料理を聞くこともするようになりました。また見慣れない食事にも積極的にチャレ
ンジしたり(見慣れないフルーツやベジマイト、様々な国の料理など)現地の旅行会社を利用して
ポートスティーブンズのツアーを楽しんだりもしました。自分的には、この1か月はかなりアウト
ゴーイングだったと思います。ただ、
「もっと英語を聞けて話せていればもっと楽しめたのかもし
れないな。
」と思う機会も少なからずありました。なぜなら、例えばツアーガイドの人の英語が聞き
取れなかったり、自分の意見を言いたいのにうまく英語にできず伝えられないといったことがあっ
たからです。
今回の経験を踏まえて自分が一番成長したと思うことは、英語力の上達ではなくて、言語の壁に
窮することなく「なんでも挑戦してみよう。まあなんとでもなるだろう。
」という気持ちで積極的に
人や見慣れない文化などに関わるようになったこと、そして新しい発見を楽しめるようになったこ
とだと思います。実際この一か月は自分にとって最高に楽しくかけがえのないものになりましたし、
NSA の人や UNSW のクラスメイトたちとも、とても仲良くなることができました。今後は、1の言語
運用力のところでも述べたように英語を英語のまま運用できるようになること、そして、そうする
ことで異国の文化をさらに味わい楽しめるようになることを目標に学びを進めていくつもりです。
SAP UNSW が私にもたらしたもの
岡田 廉
1.
自己の言語運用力
自己の言語運用力に関して、私は今回のSAPでホームステイやUNSWなどを通して様々な
ことを達成することができた。オーストラリア・シドニーのUNSWへの31日間の短期留学が
私にもたらした経験は出国前の想像を遥かに上回るものだった。今回のSAPは私にとって昨年
春のUCSDプログラムに続いて二年連続の参加となったが、昨年度とはまた異なった達成感を
得て帰国することができた。また、来秋からの交換留学を目指している私にとって、今回のSA
Pは交換留学先で学ぶために必要な語学力を計り、さらに上達させる良い機会でもあった。以上
を踏まえて、自己の言語運用力に関して私が今回のプログラムで達成したことを以下に記す。
まず、今回のSAPでは宿泊が全てホームステイであり言語運用力を高めるにはとても良い環
境だった。私のホームステイ先にはオーストラリア人のホストマザーとそのボーイフレンドの 2
人が住んでおり、他には私を含めて数人の留学生たちがホームステイ生として共同生活をしてい
た。留学生たちの出身国はチェコ、ブラジル、韓国と様々であったが、コミュニケーションは全
て英語だったため大きな問題はなかった。しかし私がシドニーに到着して間もない頃はまだ生活
に余裕もなく彼らの話す英語にも慣れていなかったこともあり、あまり積極的に話すことができ
なかった。初めにホームステイ先にいたチェコ人とブラジル人の学生は私より一回り年上で、シ
ドニーに長く留学している人たちだったため、英語が流暢で家のこともよくわかっていた。彼ら
は親切に家のルールを教えてくれたが、夕方から夜にかけて学校に通っている学生たちだったた
め家で会うことが少なく、あまり多くのことを話すことなく 2 人とも先に家を出て行ってしまい
残念だった。しかしブラジル人の学生がサッカー好きであることがわかった最後の夜には、サッ
カーの話をたくさんすることができて楽しかった。彼の大好きなチームが私の地元に来た試合を
観たことを伝え、一緒にサッカーの動画を見るなどして話がはずんだ。年も離れておりなかなか
会話が続かないことが多かったため、改めて異言語コミュニケーションにおいてのサッカーなど
共通の話題の大切さを知る機会となった。しかし彼らと生活していた頃は総じて英語を流暢に話
す周囲の人々に囲まれて自分の語学力不足を痛感し、家では気分が塞ぎ込んでしまう時もあっ
た。ホストマザーは寛容な人であったが、同じ説明を繰り返すことを嫌う人であったため私たち
は一回で話を全て理解しなければならなかった。そのため私はホストマザーの話を聞き逃して大
きな失敗をしてはならない、と常に少し緊張した状態で生活していた。こうした状況が変わる転
機となったのは韓国から来た留学生との出会いだった。韓国から二年間の留学に来た彼は心優し
い青年だったが、肝心の英語はほとんど話せなかった。彼が来て間もない頃に他の学生が家を移
っていったため、彼に家のルールなどを教えられる学生は私だけとなった。英語の得意ではない
彼は私より5つ年上であったが、通う学校が同じだったこともあり、毎朝学校に連れていくなど
面倒を見るようにホストマザーから頼まれた。家のことについて教えてもらうばかりで、これま
で語学力に自信が持てなかった私にとってこれは大きな転機となった。ホストマザーが洗濯のル
ールを理解しない彼にイライラを募らせていくなど初めは苦労することが多々あったが、最終的
には間に入ってあげることでよく英語を話すようになった。このときに私は自分の言語力に自信
を持つことの重要性を学ぶことができた。周囲の人が英語を流暢に話すからといって自分の言語
力不足を恥じて積極的に話すようでは、なかなか上達もしない。きっかけは英語が苦手な韓国人
の存在であっても、自信を持つことで積極的に話すようになり速い上達が見込めると感じた。
UNSWで毎日受けた英語の授業では、テストによって英語の学力別に振り分けられたクラス
で中国・イラク・トルコなどから来た留学生たちと一緒に2人の先生から英語を学んだ。1日に
2時間の授業が2コマあり、グラマーやリーディング、プレゼンなど時間割に従って毎回異なる
テーマの授業を受けた。授業の内容は比較的易しく、先生から学べることは限られていたので授
業の質という点では少し残念だった。このことに関しては、UCSDでの授業はレベルも質もか
なり高いものであったと改めて思った。最終試験の成績では、これからすぐ正規の授業も受けら
れる十分に高い成績だと言ってもらえたが、自分ではまだまだ英語を学び足りてないと感じた。
試験時間内に書き終えることができず他の科目に比べて低い成績を取ったライティングでは、ク
ラス決めのテストでも書き終えることができずクラスも一番上にはならなかった。試験科目以外
では、やはりスピーキングが大きな課題であることを再確認した。日本人は筆記が得意だが話す
ことは苦手、ということをアメリカでもオーストラリアでも聞いた。実際に人と話す際には言い
たい内容を言葉にするのにどうしても時間がかかってしまう。また、自分が学んでいる経済学な
どについてのレクチャーをUNSWで聴講した際には、すべての講義を英語で受けることのむず
かしさを改めて感じた。英語が母語でない学生が多いことに配慮しているのか教授の話す英語は
聞き取りやすく聞き取ることに問題はあまり感じなかった。しかし、2時間もの講義をずっと英
語で聞き続けることは相当の集中力を必要とし、現在の私には負担が大きすぎると思ってしまっ
た。
以上の経験を踏まえ、学んだことを生かして、また私は現在足りないと感じた語学力を身に着
けて、1年間の交換留学に向かいたいと考えている。具体的には、異言語への積極性とライティ
ング、スピーキングなどを学んでいきたい。ライティングの向上のためにはもっと速く多くの文
章を書けるようになる必要があり、そのためには練習を重ねることが必要だと考えている。そし
てスピーキングや長時間のリスニングには何よりもたくさんの英語に触れることを重要視してい
きたい。また、異言語運用力はただそれだけで生かされるものではなく、語彙などの知識の蓄積
があってこそ役立つものだと思うので、それらを貪欲に吸収していく必要性も同様に感じてい
る。
2.
異文化適応
異文化適応に関して、私は様々な場面で異文化を感じ、適応力を身に着けることができたと考
えている。私はこれまで何度か短期留学をしており、ある程度は適応力があると考えていたが、
さらに経験を積むことができた。
ホームステイについては以前シドニー近郊に短期留学をしていたことがあり、その際に快適な
ホームステイを体験していたので多少楽観視していたところがあった。しかし金銭の支払いがな
く好意のみで引き受けてくれた前回とビジネスライクな今回のホームステイは大きく異なり、苦
労することが多々あった。まずホームステイの斡旋団体による学生が守るべきルールが書類に細
かく定められており、それらをすべて把握しなければならなかった。さらに私のホームステイ先
はこのルールに必ずしも則ってはおらず、10分以内のシャワーは5分、家族みんなでとるはず
の夕食などは全て別々にとるなど、戸惑うことが多かった。特に家族団欒で毎日話をしながら食
べるディナーの想像が、現実には作り置きのワンプレートを自分で温めなおして一人で食べると
いうギャップにはかなりショックだった。家の中があまり清潔とは言えず、キッチンなどで毎日
のように何匹ものゴキブリを見ることは精神的にも負担があり、家でもゆっくり休むことができ
なかった。騒音などで夜に睡眠がとれなかったことも重なり、滞在中に何度か体調を崩してしま
った。しかし環境に慣れてくると、ようやく他の学生が良いホームステイ先だと満足している理
由がわかるようになった。それは良くも悪くも自由なところだと私は思う。食事は作り置きなた
め夕食や帰宅時間の連絡を気にする必要がなく、ホストマザーに心配をかけなければ帰宅が遅く
なってもいい。今ではこのホームステイ先はいい経験だったと考えており、この点では昨春のU
CSDでの多国籍シェアアパートと合わせて、様々な住居環境に耐えうる適応力を手に入れたと
自負している。
英語の授業ではクラスを上げることを勧められたこともあったが、留まることを決めた。その
理由は英語のレベルは大差なかったことと、自分のクラスに比べて日本人の割合があまりに大き
かったためだった。日本人同士で英語を学ぶことに苦手意識のあった私はSAPのプログラムを
選択する際にもそれを考慮してきた。しかし多国籍のクラスでは異文化交流の楽しさもあれば困
難もある。私たちのクラスで特徴的だったのは生徒の自主性に任せたグループワークの多さと毎
週のプレゼンだった。他の学生たちと話す機会が多かったのはよかったが、プレゼンのグループ
メンバーなど若い中国人学生が多く、休み時間のクラスではいつも中国語が飛び交っていた。彼
らは自分の主張をなかなか曲げないので、プレゼンの準備などでは苦労することが多かった。し
かし次第に仲良くなっていくなかで、お互いを理解して意思疎通や連絡を頻繁にすることができ
た。
これらを踏まえて、異文化適応については交換留学に向け十分に準備できたと思うので、初め
ての長期留学でそれを試しつつさらに向上させていきたい。
3.
行動力
行動力に関しては前回のSAPで最も成長を実感した部分であり、今回もさらに達成すること
ができた点や学んだ点があった。UCSDでは宿泊が大学近くのシェアアパートだったため授業
以外の時間を市内の観光など自由に使うことができた。しかし今回は大学から離れたところでの
ホームステイだったため、時間にかなり制約があるだろうと予想していた。実際に初めはあまり
遠出をすることができなかった。その理由の1つに交通機関の利用という問題があった。シドニ
ーでは電車やバスを中心に公共交通機関が発展しておりとても便利だが、他の国と同じように日
本にはないような不便さを感じる場面も多々あった。バスはバス停名を読み上げるなどして場所
を教えてくれず、自分で降りる場所を把握した上でボタンを押して降りなければならなかった。
また、時間通りにバス停に来ないことが多く、渋滞時には所要時間の2倍もの時間がかかること
もあった。電車を利用する際には掲示も無しに駅が休日運休となることがあり、代行のバスを探
すことになった。私はこれまで中学・高校・大学とすべて自転車通学をしており、発車の時間を
気にしつつ電車とバスを乗り継ぐ毎朝1時間以上かかる通学は、私にとってかなりのストレスと
なった。初めのころはどこに行くにしても通学・通勤ラッシュの登下校や移動に疲れてしまい、
なかなか好きに行動できない日々が続いた。しかし慣れてくるとシドニーの複雑な交通網にも対
応でいるようになり、毎日ライトレールや電車、バスなど違う交通機関で帰るほどになった。私
はこのような交通機関への順応も短い観光ではできないSAPならではの経験だと考えている。
交通機関を乗りこなせるようになると、行動力を生かす機会も増えていくことになり視野も広が
っていく。
今回のSAPプログラムが良かったと思った理由の1つが現地の学生と交流する機会が多かっ
たことである。特に日本が好きな人の集まるNSAの学生たちとは楽しい時間を一緒に過ごすこ
とができた。彼らはみな親切で様々なイベントを計画して招待してくれた。そのどれもが楽し
く、ガイドブックには載ってない現地の学生目線のシドニーを紹介してもらうことができた。彼
らの優しさやおもてなしには驚かされることが多く、帰国の際には何人もの学生が早朝の空港に
見送りに来てくれた。何人もの素晴らしい現地の友達ができたことは今回得たものの中でも大き
く、SAPでの帰国に際して何度も悲しい別れをするとは思っていなかった。こうした貴重な経
験をさせてくれた彼らは日本語を学んでいて、日本語での会話によって彼らの勉強を少し助ける
ことができた。その際に私が強く感じたのは日本語の難しさだった。彼らの多くがすでに履修し
たUNSWの日本語の授業に参加した際にも、日本語を学ぶ上で覚える必要のある事柄の多さと
学生たちに求められる自習の量に驚かされた。しかし、NSAの学生の中には流暢に日本語を話
す学生もいた。彼らは日本のアニメを何度も見ることや、日本から来る留学生と積極的に交流す
ることを通して貪欲に日本語を学んでいた。その姿勢を見て、私は行動力という点で彼らを見習
わなければならないと強く感じた。交換留学をしたい、語学力を向上させたい、と考えながらも
これまでの自分は行動することが少なかったのではないか、と自らを省みる機会を彼らは与えて
くれたのだ。英語は日本語のように複雑ではないし、英語を話す留学生は日本に数多く来てい
る。言語を学習する環境や機会に関して自分は彼らより恵まれているが、努力では負けている。
このことを痛感した私は、しばらくその現実について考えずにはいられなくなった。
このことを踏まえて、留学生との交流に参加するなど英語を学ぶ機会を生かしつつ、これから
は積極的に行動していこうと考えている。今回のSAPで得た一番大きいものは、実はこの意識
への働きかけなのではないかとも思う。行動力や積極性を重要視していこうと決めた。もちろん
今回出会った大切な仲間たちとも連絡を取り合い、互いに助け合っていきたい。
UNSW で得た国際コミュニケーション能力及び実行力
加藤真之佑
1. 自己の言語運用能力
言語運用能力に関して、実を言うと私はあまり出国前から不安がなく、オーストラリアでも問
題なく、流暢に会話ができると思い込んでいた。それは私の大学入学後の国際交流体験によるも
のが大きい。この二年間、国際交流サークルにて留学生の迎え入れなど、実際に英語を用いて外
国人とコミュニケーションをとる第一線で活躍していたため、自分はできると思い込んでいたこ
とは否めない。しかし、英語が第一言語の国に一ヶ月以上の留学をすることは初めてであった。
改めて思い返してみて、この短期留学で自分が複雑な話題になるとついていけなくなってしまう
ことがわかり、悔しくなったのを思い出す。シドニーには日本語を勉強する学生が多くいて、日
本の文化に興味がある人が信じられないほどたくさんいた。彼らとの交流を通じ、初歩的なコミ
ュニケーションなら全く問題なく運用できるのだが、日本の歴史や、政治問題など、少し複雑に
なると言いたいことはあるのに英語の言葉にできずたじろいでしまうことが多くあったのを覚え
ている。こうしたことを通じて、悔しくなり、スピーキングの学習に精を出したのをいまでも思
い出す。私は SAP を通じて、総合的に語学力を底上げすることができたと自負している。この一
ヶ月間の中で、私は自発的に IELTS を二回受けた。そして、私が希望している交換留学先の大学
の規定点数以上の 6.5 という高スコアを出すことができた。真面目な英語学習の賜物である。ア
カデミック・イングリッシュという私たちが受講したプログラムの名前通り、私たちは単なる実
践英語という範疇に収まらず、学問的に高度な、格式高い英語を学ぶことができた。一般に日本
人は英語を少し読み、話すだけで「英語ができる」と言うが、私たちはそのさらに先、すなわち
アカデミックな文章を読み解き、話す能力を得ることができたのだ。さらに私は IELTS という実
践的なアカデミック・イングリッシュ試験が控えていたので、周囲の学生よりも目的意識、危機
意識を持ち英語の学習に取り組むことができた。その結果、私の英語運用能力は飛躍的に向上し
たことはいうまでもない。プログラム終盤に IELTS 試験を設置したことで、一ヶ月を通して遊び
に逃げず、主体的に濃密な英語学習をすることができ、その結果、アカデミック・イングリッシ
ュコースのファイナルテストにおいて同プログラム 100 人以上のうちトップクラスの成績を修め
られた。このプログラムを言語運用能力という点に関して最も有意義に使用したのは、私である
と自負している。
2. 異文化適応
異文化適応という面に関して、私はシドニーにて本当に多くの友人と知り合うことができ、幸
せだった。私のホームステイ先は、正直に言えばかなり悪いものであったと思う。不親切で、話
しづらく、トイレットペーパーですら自分で買わなくてはいけない家庭であったので、着いて数
日で少し落ち込んでしまったことを思い出す。しかし、私はホームステイ先にいた中国から来た
友人たちに救われた。私が着いたときにはすでにそこで三週間以上を過ごしていたマーティンと
いう UNSW の学生がいたが、ホームステイ先の質に苦しむ私にいろいろな面で本当に親切に接して
くれ、彼のおかげで私の留学初期はだんだんと楽しいものへと変わっていったことは確かであ
る。彼の親戚が主催する本格的な中華料理のレストランにも多く招待され、私の家族や趣味のほ
か、両国の歴史や文化についてなど、本当に多くのことを語り合った。彼の存在がなかったら、
私のシドニー滞在ははるかに陰鬱なものになっていたと思う。
二人目にやってきた中国人のルームメイトに、ピーターという名前の学生が来た。彼は当初反日
的な性格の学生で、私が日本人と知るや忌避とした反応を見せた。
「日本人とは、歴史的な確執が
あるから、話したくない。
」これは、私が彼と会ってすぐに言われたことである。そんなことがあ
り、私たちの関係は当初、最悪な状態から始まったのであるが、結果的に言えば、彼とも本当に
親密な関係を築くことができた。突然で驚いてしまったことがある。彼にシドニーを案内するな
どして、私は到着したばかりの彼を様々な面で助けた。すると、彼が私にいきなり、中国の紙
幣、100 元を手渡してきたのだ。私は意味がわからず、困惑したが、彼は「今の俺にはこれくらい
しか渡せるものがない。お前には本当に色々と助けてもらって感謝している。中国と日本は仲が
悪いが、それは単なる政府間の問題だけであることをシンは気付かせてくれた。こんなものしか
プレゼントできるものがないが、どうか受け取ってくれ。」と言った。そのとき、私は驚くととも
に、心が通じ合ったこと、彼の価値観をプラスの方向に変えることができたことに感激したこと
をいまでも思い出す。大学入学後二年間、様々な留学生と知り合い、彼らと仲良くさせてもらっ
た経験からすると、彼らの価値観、生活様式、考え方などというものは、日本人が思うほど隔た
りがないように思える。皆がわかるように、同じ国籍の人々—例えば私たちにとっての日本人で
も、気があう人、合わない人がいる。多くの外国人と出会ってきて、それは同じ割合で留学生に
あてはまり、人種や国籍により付き合いやすさが乖離するものでないと今では確信している。一
般に噂されるような文化的な違いに怯えることがなくなったという点で、私のこの一ヶ月間の滞
在は価値観を大きく変えるものになったと思う。
3. 行動力
行動力という面に関して、国際コミュニケーション力、いわば異文化の人々に対しても物怖じ
せず話しかけ、コミュニケーションをとるということに関しては、かなりの能力が身についたと
自負している。この SAP を利用する以前は、英語での言語運用能力は、基礎的なコミュニケーシ
ョンをとることができるとはいえ、多少複雑になれば言いよどんでしまう実力だった。しかしこ
のプログラムで英語の研修を受け、現地の友人との交流を英語で行うなど、一日中を英語に囲ま
れる生活をしたおかげで、私は英語力を飛躍的に向上させることができた。国際コミュニケーシ
ョンとは、単なる英語での基礎的コミュニケーションではなく、自国の文化や政治について説明
し、議論することができる、より高度な運用力のことで私は定義している。この短期研修で、少
なくとも基本的なアカデミック・ディベートができるほどのレベルには到達したと自負してい
る。その能力が身についたのは、ひとえに IELTS を見据えた対策に依るものが大きい。IELTS にお
いてはリーディング、リスニングのほか、ライティングやスピーキングまでもが含まれている。
英語を学習したことのある日本人にとって、リーディングやリスニングは馴染み深いものかもし
れないが、ライティングやスピーキングはどうであろうか。その二つには、私自身、多大な労力
を要した。IELTS に関して、ライティングにおいてはただ英語で文章を書くのみならず厳格な文
法、構成、アカデミックな単語の使用が求められ、スピーキングにおいては淀みなく話す流暢さ
に加えて発音の正確さまでが得点の必要条件になる。そういったスキルの専門教育を受けたこと
がなかった私にとって学習は非常に困難であった。運良く UNSW で受けた講義が IELTS の試験内容
もカバーするもので全てのセクションにおいて底上げがされ、さらに IELTS 専門講師のプライベ
ートレッスンも受講し、万全の状態でテストに臨むことができた。IELTS は 2 月 28 日と 3 月 12 日
と二回受験したのだが、両方の試験において overall 6.0 以上の結果を取得することができた。
このプログラムの終盤にそうした試験を設置することで、一ヶ月を通して緊張感を持ち、英語の
学習に励むことができたように思う。自由時間における現地の学生との交流においても、IELTS を
意識して有意義な英語コミュニケーションを運用を実行した。極端かもしれないが、IELTS を通じ
て、計画力、自己管理能力が身につき、一定の目的に向かう際の忍耐力、自制心、そして目的の
ための正しい手段を順次推敲していく行動力が身についたように感じる。こうした行動力は、今
回の IELTS スコア取得により決定したオランダのグローニンゲン大学への派遣交換留学で活きて
いくであろう。長期の交換留学においては、より自らの将来を見据えた計画力、行動力が必要に
なる。今回の SAP では、そういった自己管理能力の基礎を培うことができたと確信している。
オーストラリア UNSW 短期研修
川崎 渉
1. 言語運用能力
私は英語が苦手です。中学生のころからずっと一番苦手な教科だったのですが、今まで克服する
ことが出来ませんでした。克服したいという気持ちがあっても、学習が持続せず、大学に入ってか
らもほとんど勉強をしていませんでした。今回の SAP にもショック療法のような気持ちで応募し
たところもあります。なかなか勉強をしない自分に現実を突きつけてみようと考えました。留学前
はもちろん不安で堪りませんでした。英語が全く話せず聞き取りもほとんど出来ない状態だったか
らです。
初めはホストファミリーとうまくコミュニケーションをとれるか緊張していました。ホストマザ
ー一人の家庭でしたが、とても親切な方で英語力がつたない私に何回も丁寧に部屋のことや洗濯に
ついて説明をしてくれ、私が言いたいことを根気よく聞いてくれました。初めの会話は日本のどこ
出身か、日本はどんなところかなどと話したのを覚えています。それからも毎日、朝食の時間や夕
方、夕飯後と家にいるときはその日あったことや、授業の内容を話していました。特に朝食は必ず
一緒に食べ、一番のコミュニケーションの場でした。少し寝坊してしまったときなどに、ばたばた
してしまったこともありましたが、それもいい思い出です。ホストマザーと生活サイクルが似てい
たのは幸運でした。コミュニケーションの場が作りやすかったためです。私もホストマザーは朝型
の生活だったので、朝食をゆっくりと話しながらとることが出来ました。また、ホストマザーは敬
虔なクリスチャンでしたので、毎週日曜日に教会に行き、さらに週に2回バイブルスタディに行っ
ていました。そこでは、お祈りやスタディの前後で集まった人みんなでパーティのように一緒に食
事をとります。そこでも、英語で様々な人と交流が出来ました。初めはなかなか言っていることも
わからない状態だったのですが、少しずつ内容が分かるようになって来ました。それでも、現地の
方が私に向けて話すときはわかりやすい英語を使い、私が話すのをじっくりと聞いてくれます。そ
のときは、少しは会話が成り立ちます。しかし、現地の方々同士の会話はとても早く聞き取れませ
んでした。それでも、1か月経ち、最後にホストマザーに英語力が上がったねと言ってもらったと
きは本当に嬉しかったです。毎日、ホストマザーと会話をするのが楽しく、夕食や朝食の時間を毎
日楽しみにしていました。まだまだ、ほとんど話せませんが、英語を話すことを楽しいと感じるこ
とが出来ました。
UNSWIL のクラスでははじめ日本人一人でした。途中から他大の留学生と二人になりましたが、
ほとんどが外国人というクラスを体験できました。あまりレベルが高くなかったクラスのせいか、
ひとつひとつの内容に丁寧に説明があり、内容を理解することが出来ました。それでもはじめは先
生が何を言っているのか聞き取れなかったのですが、だんだんと言っていることも理解できるよう
になりました。また、ライティングの授業では今まで学んでこなかった、文章の構成について学ぶ
ことができました。ライティング技術のさわりの部分ですが、今回学べてよかったです。将来の論
文作成などで役立てたいと思います。
今回の留学で、英語を使うことが楽しいと気付きました。今までは、嫌いや苦手という思いが先
行し、英語学習の継続が出来ませんでした。楽しいと気付けたことで、また違うモチベーションを
見つけられました。今後は、英語を教科として考えるのではなく、英語を使うための勉強をしてい
ると考えるようにします。あんなにも嫌いだった英語を楽しいと感じられるようになったので、こ
の気持ちのまま学習を続け、次にホストマザーやシドニーの友人に会ったときにもっと成長した姿
を見せたいです。日本では外国で過ごすように英語に触れることは難しいですが、英語の CD を聴
いたり、工夫しながら英語学習を続けていきたいと思います。まず、足りない単語などの基礎力を
身に着けたいと考えています。
2. 異文化適応
シドニーでは何もかもが新鮮でした。ただの通学でさえも、椅子の向きが変わる電車や、バス停
のアナウンスがないバスなど日本とは異なるものに溢れていました。もちろん町の雰囲気を違いま
すし、歩いている人を見ても様々な服装のひとがいました。夏なのでもちろん T シャツと短パンの
かっこうの人もいれば、パーティに行くようなドレスを着ている人もいます。様々な人種が様々な
恰好で歩いているのが面白かったです。オーストラリアは移民の国ということで様々国の文化が混
ざったり、受け入れられていて、新鮮でした。中国系やタイ系、日本系などのアジア系の飲食店も
多く、様々な店が並んでいました。白人だけではアジア系のように見える人も多かったように思い
ます。NSA の人でも生まれはほかの国という人や両親は違う国出身という人もいました。私のホ
ストマザーもフィリピン出身です。見た目だけでは日本人かどうかアジア系の顔でも全くわかりま
せんでした。行く前は欧米の人が多いイメージがあったので、あまりのアジア系の多さに驚きまし
た。しかし、そのおかげで、海外にいますがどことなく安心感がありました。
ホストマザーと日曜日に教会に数回いきました。そこの食事会で日本の違うと感じたのは初対面
でのフレンドリーさです。そこにはオーストラリア人、フィリピン出身の方々やまたブラジルやス
ペイン、中国からの留学生もいました。いろんな人種が混ざって会話をしているのがとても新鮮で
した。そこの方々が留学生に慣れていたのもあるでしょうが、どの人も気軽に話しかけてくれまし
た。また、留学生同士でも気軽に会話をすることが出来ました。日本人だと遠慮をしあってしまう
場面も多かったと思いますが、そこではまた違う雰囲気を体験出来ました。
また、オーストラリアの人が親切だと感じた場面はほかにもあります。バスに乗っているときに
降りるバス停について聞くと親切に教えてくれました。聞いた人が先に降りてしまうときに、次の
駅が降りる駅だと教えてくれることもありました。
UNSWIL ではクラスのほとんどが外国人のクラスになりました。日本ではなかなか体験できな
かった、生徒が積極的に参加する授業を体験しました。授業中、発言が少ないというのが私の授業
のイメージだったのですが、全く違いました。先生が質問してないところでも生徒が積極的に発言
し、間違えていれば先生がその場で説明してくれます。もちろんわからないことを聞いても説明が
あり、生徒同士でも質問や説明をし合っていました。間違っても大丈夫という雰囲気があり、授業
がとても楽しく感じました。質問をしてみるとクラスメイトとも話す機会が増えました。UNSW の
講義でも積極的に発言している人が多く、日本との違いを感じました。東北大の教授が授業中に外
国の授業はなかなか進まないと言っていたのを思い出しました。生徒が質問をするため、その説明
で時間配分が予定通りいかないためです。今後、授業中に質問をしないまでも、積極的な心持で受
けるようにしたいです。そうすれば、授業内容にも興味が出てきて、授業がより楽しく感じられる
と思いました。
研修前は初めて1か月も海外に行き、ホームステイも初めてだったためとても不安でしたが、ホ
ストマザーや友人、親切なシドニーの人々のおかげで1か月間充実した日々を過ごすことが出来ま
した。1か月ホームステイをするとただの旅行とは違い、現地で生活をすることが出来ました。短
い旅行だと、ただ違いに圧倒されるばかりだったと思います。まだまだ、慣れ始めたばかりだった
ので、もっと長く生活してみたいという気持ちが強くなりました。
3. 行動力
シドニーでは様々な体験をすることが出来ました。英語で受ける授業、外国人ばかりの授業もそ
うですし、ホームステイなどたくさんのことを経験できました。また、オペラハウス、マンリーな
どシドニーのいろいろな場所に行けました。現地できた友人がとても親切でブルーマウンテンに行
くイベントなどを企画してくれて、連れて行ってくれました。たった1か月でしたが、充実してい
たと思います。シドニーでしたいことがたくさんあり、最後のほうでは長いと思っていた1か月も
短く感じてしまいました。とりあえず行ってみるという重要性を感じました。初めのころはまだ一
か月あると高をくくって、時間を無駄にしてしまっていたと思います。短い期間だったため、何も
しないことが一番もったいないなかったです。行きたいところにどんどん行くようにしました。そ
れでも、行ってみたいところがだんだん増えていくので、まわり切れませんでした。オーストラリ
アは広いので行けないところもありました。もう少し、シドニーにいたかったです。日本でも、時
間があるときにだらだら何もしないのではなく、充実した日々を送るために自分からしたいことに
向けて行動をおこすようにしたいです。
UNSWIL のクラスでは私たちのような短期研修の学生だけではなく、
語学学校の後に UNSW の
学部や大学院に行くという生徒もいました。中には一度出身国に戻り、お金を稼いでから来年また
UNSW に入学したいと話している学生もいました。その全員が英語を得意というわけでもないよ
うでした。英語をほとんど話せない状態でオーストラリアにきたそうです。シドニー大に通ってい
る中国からのある留学生は英語も勉強も難しいけれど、楽しいと言っていました。看護師に一度な
ったけれど、英語を勉強するためにオーストラリアに来たという人もいました。言葉を話せない国
に行き、大学で学んだり、新しいことを始めようとする姿勢をすごいと思いましたし、見習ってい
きたいです。出来ないからと諦めるのではなく、思い切って行動をするようにしたいです。
今までの受動的に物事を進めてしまうことを見直し、やりたいことを主体的に行い、後悔しない
大学生活にしたいです。無駄に時間を過ごすのではなく、今時間があるときに様々な経験をし、将
来に役立てたいと考えるようにまた、無駄な時間を使うことはもちろんですが、したいことをする
ために時間管理を行い、時間を作ることも必要だと思いました。生活の中で、今までおろそかにな
っていた部分も見直していきたいと思います。
オーストラリア
澤田
森太郎
1. 自己の英語運用力
自己の言語運用力に関して、私がsapを通して達成したことは会話能力の向上です。これまでの
日本での英語教育は、いわゆる書き言葉に比重が置かれており、オーストラリアでも当初はより
反射的な言葉の応酬に全くついて行くことができませんでした。授業においても、講師の方の英
語がある程度聞き取れるようになるまで一週間はかかり、同世代のオーストラリアの学生、果て
は小学生と話をすることさえままならなかったです。主な問題としては、単純な聞き取りの下手
くそさ、ボキャブラリー不足であったと思います。日本人と英語で話す場合は、教育課程が同じ
ためか使用するボキャブラリーや構文、言い回しが自分に馴染み深いため理解しやすかったので
すが、外国ではそのような勝手な常識はあまり通用しなかったです。また、聞き取りよりは幾分
ましだったと思いますが、話す上でも発音や構文の引き出しの少なさなど、問題は多かったで
す。特にRの発音が壊滅的なようで、architectureなどの一般的な単語が一度で聞き取ってもらえ
ないことがありました。聞き取りの問題としては、予備知識のあるトピック(専門領域、趣味)で話
せる友人を見つけること、移動時間中にラジオでのスポーツ実況を聞く、などで解決しようとし
ました。ボキャブラリーに関しては、その場で不明な点を友人に聞く、あとは持ち込んだ単語帳
を使って勉強していました。話し方についても、生活を続けていく中で自然と現地の言い回しを
取り入れていけたと思います。結果的に、会話能力は向上しました。ホストファミリーや友人、
講師の先生など日常的な話し相手との交流も良い指標になりましたが、特にそれを実感したのは
行き帰りの飛行機での映画です。行きも帰りもずっと映画ばかり見ていましたが、帰りの飛行機
の映画では、映像に助けられながら英語での会話を理解し、また主題や状況、描写に関する考察
を無意識に英語で行っているのに気づいたときは身震いするほど嬉しかったです。ですが当然、
聞き取りもボキャブラリーや発音の知識もまだまだ発展途上であるとは強く感じています。
この経験を踏まえて、日本では机上での知識の獲得と実践的な会話の習熟を偏りなく行い、最
終的にはTOEFL-ITPでの550点と、一年間の交換留学への参加を目指したいと思います。専門課程
の密度が濃くなりつつある中で、専門分野を同じくする留学生と話す、英語での文献を読むなど
の方法を意識して生活します。オーストラリアでのように、生活の中心に英語をおくことは難し
いですが、移動中など空いた時間をうまく使って行きたいです。
2. 異文化適応
異文化適応に関して、私が sap で達成したことは、一言で言うと忍耐に尽きるかと思います。郷
に入っては郷に従うということで、まずはオーストラリアの文化、価値観を感じようとしてきたの
ですが、オーストラリアが多民族国家、人種のるつぼであると思い知らされただけでした。基本的
に、急速に西洋の要素を取り入れつつある日本も十分多文化社会だと思っていましたが、日本では
他所様の文化を一旦咀嚼して和風に仕上げているのに対し、オーストラリアのそれは丸呑み、とい
った感じでした。現地の友人曰く、japan はどこまでいっても圧倒的に japanese だと。そんな様々
な背景を持つ現地の人たちとの関わりの中で、時間にルーズな点は相性が良かったですが、やたら
高い物価や不親切なバスなど、忍耐が必要とされる場面も多々ありました。結局のところ多文化社
会で生きていく上で必要なのは、自分の価値観に合わないものをある程度受け入れ、折り合いをつ
けることだと思います。ラーメン屋でズルズル音を立て、汁を飛ばしながら麺をすする私を苦々し
い顔で見ていた彼と同じように。
この経験を踏まえて、今後は、誰にでも多少小言を言われたくらいでは変わらない癖や価値観が
あること、それを踏まえた上で、必要ならば自己主張を通じて改善を相手に要求することを強く意
識したいと思います。また、外国で交流する上で、やはり英語の能力はまだまだ足りないとも感じ
ています。もちろん英語が喋れなくとも意思の疎通はできましたが、不便だし、もったいないとか
もっとかっこ良くやりたいという気持ちもありました。上述の通り、英語の勉強を続けて行きたい
です。
3. 行動力
私が行動力に関してsapで達成したのは、まず第一に早寝早起きの習慣です。オーストラリアで
は、酒場を除いた店が遅くとも20時頃には閉まるため、夜の街は非常に静かでした。結果的に、
多くの人が早寝早起きの習慣を持っているようでした。僕自身、普段の春休みは朝起きるのが遅
くなり生活のリズムが崩れていたのですが、不思議とオーストラリアでは23時には寝て7時前に起
きるような生活でした。考えるばかりでなかなか実行に移せない問題だったのですが、特にホー
ムステイ先の影響により継続できたのは良かったです。最初は本当にしんどかったですが。上記
の早起きの習慣のおかげか、ずいぶん精力的にオーストラリアでは活動していたように思います
が、特に自分の知らない彼らの文化や習慣に親しもうと意識していました。まずは食事で、主に
安価だからという理由でよく中華料理を食べていましたが、極力見慣れないものを注文していま
した。ショウガを多用している料理以外はどれもうまかったです。まずいと噂のフィッシュアン
ドチップスも油が良かったのか、かなりの量を食べていました。また、特筆すべきは酒で、ワイ
ンとビールは最高でした。現地の友達と酒で張り合うのは早々に諦めましたが、酒が入るとよほ
ど滑らかに英語が口から出てきたように思います。また、空いている時間は建物を見ながら散歩
したり、美術館やギャラリーによく行っていました。住宅にしてもアメリカにヨーロッパ、アジ
アと地区ごとに家の様式が全然違うのは楽しかったです。特に凄まじかったのは教会や図書館、
公園などの公共施設で、シドニー市民の懐具合や美意識が伺えました。オーストラリアの代表的
建築であるオペラハウスでは、怖いもの見たさで蝶々夫人を見に行きましたが、想像をはるかに
裏回る凄まじいものでした。そこそこ高価な娯楽ですが、金の大切さを学んだような気がしま
す。また、行動力とは真逆に当たりそうですが、疲れて海沿いの植物園で一日寝転んでいただけ
の日もありました。居心地は良かったです。また、同じような時間の使い方をしている現地の人
たちも多く、オーストラリアのゆるい時間に適応できたような気もしました。
これらの経験を生かして、今後とも自分の興味のある事柄についてはもちろんですが、自分の
興味の範囲を広げるような取り組みもして行きたいです。英語力だけでなく、常識や教養などの
不足を思い知らされることも多々ありました。また、英語がらみでは散々恥をかきましたが、海
外に出て行きたいという思いは変わらないので、地道に準備を続けて行きたいです。
一か月の留学から得たもの
神宮司 文菜
1. 自己の言語運用力
自己の言語運用力に関して、私が SAP を通して達成したことは、英語に対する抵抗がなくなっ
たことである。英語という科目は好きだが、やはり英語の文章を読んだり聞いたりすることには毎
回抵抗を感じていた。時間がかかる上に、疲れて途中で集中力が切れてしまうからだ。しかしオー
ストラリアへ行き、どこにいても常に英語が聞こえてくる環境に置かれた結果、英語に対して親近
感を抱くようになった。帰国して最初の一週間は、日本語ばかりで英語が聞こえない環境に戸惑い、
逆にホームシックになってしまったほどである。UNSW では、プログラムの「アカデミック・イン
グリッシュ」の通り、アカデミックなテーマを扱いながら、リーディング、リスニング、ライティ
ング、グラマー、そしてプレゼンテーション能力を学んだ。私のクラスは東北大生が一番集まった
クラスである上に、北海道大学、拓殖大学の生徒もいて、留学生は二人だけであった。グループデ
ィスカッションが多い海外の授業スタイルで、日本人同士が英語で会話をするということに初めは
抵抗を感じた。またフォーマルな形式でエッセイを書くことになかなか慣れず、添削されて返って
きたレポートは真っ赤だった。十分間のプレゼンテーションでは、トピックが学術的なものに限定
されており、英語で書かれた資料を探し出すのに何時間もかかった。しかしこれらの経験のおかげ
で、英語に真正面から向き合うことができ、苦痛を感じなくなった。また、日本の英語教育では学
ぶことができなかったことも体験することができ、英語のおもしろさを改めて感じた。その結果、
出かけて道に迷ったり、メニューがよく理解できなかったりしたときに、外国人に話しかけること
にためらいを感じずに、気軽に英語で尋ねることができるようになった。日本人同士のディスカッ
ションで英語を使うことにも慣れるようになった。しかしそれでも、クラス全体のディスカッショ
ンで発言することには慣れることができなかった。やはりまだ恥ずかしさが残っていたと思う。
この経験をふまえて、今後は人数が多いグループの中で発言することに慣れていきたいと思う。
現地でたくさんの友人を作ったが、彼らとは一対一もしくは二対一が多かった。そのため大人数の
中で自分が発言した経験はあまりなかったと思う。大学内にある留学生と交流できる環境下で、こ
れから積極的に発言していけるように努力していこうと思う。
2. 異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、固定観念や偏見を捨て、多角的な物
事の見方を学ぶことができたということである。オーストラリアは多文化国家であるため、オース
トラリア固有の文化というものは少なかった。外を歩けば英語以外の看板があちらこちらに存在し、
現地の学生に血筋を尋ねればほとんどの人が複数の国の名前を言う。信仰している宗教も人それぞ
れであり、異なるアクセントやなまりのある英語もそこら中から聞こえる。人々はみな自分たちの
文化を大切にしていると同時に、異なる国の文化も尊重している印象を受けた。日本にいると、ま
ず日本語以外の言語がすぐ耳に入ってくることはない。ほとんどの人が神道であり、価値観も大し
て変わらない。そのためオーストラリアでの異文化体験は私にとってとても貴重なものとなった。
オージー以外に、日本、中国、韓国、タイ、ベトナム、イタリア、インドネシア料理を楽しめたこ
とに加えて、二つの興味深いパレードを見物できたことが主な理由である。そのパレードとは、一
つは中国の旧暦で正月にあたる日を祝うチャイニーズ・ニュー・イヤーであり、もう一つはゲイと
レズビアンの祭典であるマルディグラである。どちらにおいても、文化や人種、価値観にとらわれ
ずみなで一緒になって祝っており、特に後者はそれが顕著で印象的だった。他にも、現地で様々な
人と話し、その人の考え方を聞くことで、自分では思いつかなかったであろう物の見方を知ること
ができた。
しかし同時に、自分がいかに狭まった考え方しかできない人間かをその都度思い知らされた。他
人との協調性を重視したり、他人からの視線を気にして体裁ばかりを取り繕ったり、常識的かつ一
般的な、いわゆる“安全な”道を選び、それ以外は踏み出しもしないうちに切り捨ててしまったり
する典型的な日本人。同じ世代の現地の学生と話すたびに、彼らが大人びて見えた。先ほど「多角
的な物事の見方を学ぶことができた」と言ったが、まだ「多角的に物事を見ることができるように
なった」とは言えないと感じた。マルディグラに関しても、やはり最初は自分の中で偏見を持って
しまったからである。
この経験をふまえて、今後は自分の中で勝手に選択肢を排除せず、視点を変えて物事を見る癖を
つけようと思った。そのためにも、同じ学部や同世代の人だけではなく、東北大に在籍する留学生
や社会人の方などと積極的にコミュニケーションをとり、少しでも多くの考え方を学びたいと思う。
具体的には、留学生と交流できる団体に所属したり、今所属している学友会の学連にいる社会人の
方とコンタクトを取ったりしようと思う。オーストラリアでの環境には敵わないが、日本にいても
できることはたくさんあると私は信じている。
3. 行動力
行動力に関して、私が SAP を通して達成できたことは、失敗を恐れずに話しかけられるように
なり、その結果多くの友人を作ることができたということである。これは留学前からの一番の課題
であった。というのも、私が高校一年生でイギリスへ二週間短期留学に行った際に、これができな
かったからである。当時英語には自信を持っており、日本人と関わらない環境を作りたいために、
一人きりで留学した。能力別でクラス編成され、みな母国語を英語としない学生であるにもかかわ
らず、私だけが上手く話すことができなかったためホームシックにかかり、それからは現地で出会
った日本人と一緒に残りの日々を過ごしてしまった。それを長い間後悔しており、大学生で留学す
るときには同じ失敗は絶対に繰り返さないと決めていた。そのため今回の留学では、積極的に英語
を使えるような環境を作るために、次の二つの行動をとるように心がけていた。一つ目は現地の友
人をたくさん作ることである。NSA が主催のイベントに積極的に参加して話しかけ、フェイスブ
ックで連絡先を交換した。帰宅後には彼らにお礼のメールを必ず送り、次に会う約束をしたりした。
その結果、UNSW 以外の学生とも仲良くなることができ、毎日異なる友人と食事をしたり、シド
ニーを案内してもらったり、交換留学生の友人の家に招待されて中華料理を作ってもらったりして
いたので、とても充実した日々を送ることができた。ホームステイ先で夕飯をとる回数が少なくな
ってしまい、ホストマザーには申し訳なかったが、彼女はとても寛容的な人で、私が帰宅直後に話
すその日一日の出来事を楽しそうに聞き、私の考え方や行動を尊重してくださった。そのため家で
夕飯をとる日は彼女に日本の文化を紹介した。バレンタインデーでは一緒に折り紙でハートを作り、
ひなまつりではちらし寿司やおはぎなどの日本料理をふるまった。彼女に浴衣の着付けをしたとき
はとても喜んでもらえた。私は本当に恵まれた環境にいたと思う。二つ目はバスの中で隣の人に話
しかけることである。バスの行き先を聞いたり、シドニーでのおすすめの場所などを尋ねたりした。
オーストラリアの人々はみな親切で、様々なことを教えてくださり、どちらかが下車するまで会話
がとまることはなかった。日本ではできない体験なので、バスに乗るたびに隣の人に話しかけるこ
とは楽しみの一つでもあった。
これらのおかげで、会話をする際に英単語がすらすら出てくるようになったのだが、発言してか
ら自分の英文法の間違いに気づくことが多くなった。例えば時制の間違いや三単現の“s”の付け
忘れである。これが見えてきた課題だが、私はこれを否定的なものとは捉えていない。むしろ肯定
的に受け止めている。失敗を恐れずに話しかけた結果見えてきたものであり、失敗を恐れて話しか
けていなければ気づくことすらできなかったからである。イギリスでの経験のおかげもあり、英会
話を習得する上での第一段階を突破することができたと思う。そのため、今後は文法にも気を付け
ながら会話をしていけるようになりたいと思う。とはいいつつも、帰国してから英会話能力が急速
に落ちてきているので、維持することが最重要であると考えている。シドニーの友人たちがいつで
も英語の練習相手になると言ってくれたので、彼らと定期的に連絡をとりつつ、英語の勉強を続け
ていきたいと思う。将来長期留学をする際に、英文法の間違いに気を付けるという第二段階に進む
つもりだ。
オーストラリアでの生活で得たもの
塚原
和佳奈
1.
自己の言語運用力
私は子供の頃にアメリカに在住していたことがあり、当時は現地校に通っていたため、日常的な
英会話を自然とすることができました。しかし、アメリカから帰国して10年が経ち、主に英語に
触れる機会が英語の授業のみとなってしまったため、発音やリスニング能力はそれほど落ちません
でしたが、スピーキングの能力が著しく落ちてしまったと感じていました。この先、長期の留学を
したいと考えており、その際、英語力が低下した状態で英語しかしゃべれない環境に置かれた時に
とても困ることが簡単に想像できました。なので、今回SAPに参加すすることで、新たに学ぶこ
とで英語能力それ自体を上げると同時に、英語を日常的に用いることで、以前のような自然に英語
が喋れていた感覚を取り戻したいと考えていました。
1か月間のUNSWで受けた授業とホームステイによって、私は英語しかしゃべれない環境に長
時間置かれました。そのことで、もちろん完璧までとはいきませんでしたが、多少英語が自然と口
から出てくるところまで感覚を取り返すことが出来たかなと感じています。ただ、先生やNASの
メンバーは私たちが聞き取れるように丁寧に話してくれたため、英語がちゃんと聞き取れただけの
ことであるのは事実でした。ホストファミリーがお互いと話すときは話すスピードはとても速く、
全然知らない単語や言い回し、よくわからない話題が多く、ちゃんと聞き取れなかったことも多か
ったです。また、自分の意見を求められるまでほとんど口を開けず、会話に参加することがあまり
できませんでした。1か月は短く、また、努力も足りなかったため、ネイティブな英語はまだまだ
聞き取れません、なので、日本でもこれから何かしらの英語に触れる機会をつくって次に長期留学
をするときに備えたいと考えています。
また、授業ではアカデミックな英語を学ぶことができました。日本で英語の授業をこれまで受け
てきましたが、このような内容が扱われたことは一度もなく、私にとって完全に新しい知識でした。
日本での国語の授業をそのまま英語にしたような感じで内容はとても難しく、1か月ではとても自
分のものにすることはできませんでした。そもそも、内容をちゃんと理解できていない部分もあり
ます。ですが、これらの知識は日本にいる時でも、論文や学術的な文章を書くときに非常に役に立
つと思われるので、これを学べたのは素晴らしい機会だったと思っています。
せっかくこの機会に英語力の向上が図れたので、ここで怠けて力を落とさないように、自分なり
に英語に触れる機会をつくって維持していきたいです。
2.
異文化適応
オーストラリアの文化は、世界各国の文化が混ざり合ったものであることは事前の下調べで理解
していました。しかし、実際にシドニーで生活してみると、予想以上に色々な文化が混じっていて
驚きました。特に驚いたのは寿司がファストフードとして販売されていたことかも知れません。日
本の系列のお店がたくさんあり、そこに入ってみると店員が日本人だったり、バスに乗っていたら、
たまたま現地に在住している日本人にあったり、スーパーに行ったら日本製品が数多く置いてあっ
たり…海外にいるのに“日本”がたくさんあって、新鮮で、日本のものがシドニーでは認められて
いることを知って、正直、嬉しかったです。
もう一つ驚いたのは、アジア系のオーストラリア人がとても多いことでした。街中を歩いていて
も、白人系の人と同じくらいアジア系の人がいた気がします。NSAのメンバーもアジア系の人が
多かったので、家族に一緒に撮った写真を見せた時、どれが日本人で、どれが現地学生かわからな
いとさえ言っていました。チャイナタウンはもちろん、ホームステイ先の最寄りの駅周辺にたくさ
ん漢字で書いてある看板を見かけました。
日本製品などの見慣れているものが多く、アジア系の人が多かった為私たち日本人があまり目立
つこともない。実際に英語圏に行ってこれほど過ごしやすい環境は他にあまりないのではと思いま
す。私のイメージかも知れませんが、やはり、アジア系の人は白人系の人に軽蔑されていることも
多いはずです。それに対して、オーストラリアはそもそもアジア系が多いので、軽蔑をする人があ
まりいないと感じました。もちろん、バスで話していると、白人じゃないだけで面と向かって悪口
を言われたこともありましたが(私たちがうるさかったのは事実なので文句は言えませんが。)、そ
れでも、変に目立って気後れするような事態には陥ることはありませんでした。
日本とオーストラリアで大きく違うと知った点は食生活でした。脂っこいものがとても多く、ポ
テトフライがついてくるメニューばかりでした。もうしばらくポテトフライは食べたくないです。
ホームステイ先ではほとんど野菜が出されなかったため、自分で買う昼ごはんに野菜を取ることに
結構こだわっていました。そして何より白米がおいしくない。日本に帰ってきて思ったのは、食べ
物に関しては、日本の圧勝であること。日本の食生活の水準は高く、だからこそ日本人は肥満の人
が少なく、健康的で、長寿なのだとも思いました。
文化、日本人に対する態度、食生活、オーストラリアではこうでしたが、他の国へ行ったら、ま
た別の体験が必ずできます。色々な体験をしたうえで、さらに異文化の理解を深めていけたらいい
なと思います。
3、行動力
初めていく場所では必ずグーグルマップを使う。私はそうやって日本で生活していました。だか
らこそ、一人で初めての場所に行くことができます。しかし、私はポケットWi-Fiを所持してお
らず、シドニーではその手段を使うことが出来ませんでした。シドニーの慣れない道でどう進めば
目的地に到達できるのかはおろか、どのバスに乗ればどこへ行けるかも調べられず、結果的にポケ
ットWi-Fiを持っている友達に常に引っ付いて行動していました。いつも一緒にどこかに行け
るのは楽しくて、私的にはとても幸せだったのですが、いつも任せっきりで申し訳ない気持ちもあ
りました。私はシドニーの街中を一人きりで歩いたことはほとんどなく、ここに行きたいと思って
自分で調べて行ってみることもほとんどできませんでした。
また、常に誰かと行動していたのは、単に道がわからないからではなくて、一人で何かする自信
が無かったからでもあります。一人で何かを判断をして行動するのではなくて、大体の場合、誰か
の同意を得てから行動をとっていました。これは日本でも大概の場合こうなのですが、せっかくシ
ドニーに居たのだから、もう少し自信をもって行動し、そこでしかできない事に果敢に挑戦するべ
きであったと今更ながら後悔しています。
私がこんな感じで人について歩いてばかりいた一方で、自分で何かを調べて、自分で行動できる
しっかりとした人たちも多かったので、SAP のメンバーからは、当然のことですが私は全くしっか
りしていない人のイメージがついてしまいました。その結果、もし SAP のメンバーで無人島に行
ったらというたとえ話をしていた時に、真っ先に死ぬのは私だと言われてしまいましたし、私自身
もそう思います。
オーストラリアでの経験で、私は自分が思っていた以上に頼りなく、誰かと一緒じゃないと生き
ていけない、全く自立のできていない人なのだと自覚することが出来ました。また、どれだけ
iPhone に頼った生活をしているのかもものすごく実感しました。
確かに大学に入学して以降、周りの人が自分より圧倒的にしっかりしていて、自分で判断して行
動するよりも、周りについていったほうが結果的によくなることが多く、自分で何かを決めて行動
することが少なくなっていたのは事実です。これを機に、自分でも進んで何かに足を突っ込んでみ
たり、誰かを引っ張って行くことに挑戦していきたいと思います。
最後に、シドニーでは常に人に頼りすぎでしたが、頼らせてもらった人達にはものすごく感謝し
ています。
SAP を通じて
安部 栄光
1. 自己の言語運用力
自己の言語運用力に関して、私が SAP を通して達成したことは、自分の知っている単語でいか
に説明できるかということに挑戦することができたということです。UNSW の授業は毎回英語で行
われていたため、何か自分の意見を述べたいときは当然ですが英語で表現しなければなりません。
しかし、幾度か自分の言いたいことを伝えても伝わらない時がありました。そのようなとき、いつ
も他の言い方はないかと模索し、必死に考えて相手になんとか伝わるように表現し、相手にやっと
のことで伝えたいことを伝えることができたという経験を幾度も先生との会話の中でまた友人と
の会話の中で起こりました。話している間は相手に伝わらないことが辛く、他の話題に逃げようと
思うことがありましたが、今振り返ってみてみると良い経験をしたと感じました。会話の中で特に
現地の方つまり英語のネイティヴスピーカーや流暢に話すレベルにある方と話しているときは、必
ずしも相手の言った表現が、またその会話の中の表現が全て理解できるとは限らないことがあるこ
ともありますから、このようなスキルは身につけていても良いスキルであると思います。
この経験をふまえて、今後は自分から積極的に外国の方、例えば東北大に来た留学生の方や日本
に観光で来たけど何か迷っているような人に話しかけていきたいと思います。しかし、このことは
言い換えますと語彙力不足ということも言えますので、しっかり知っている単語数を増やしていき
たいと思います。
他にも得たことがありました。それは留学先のニューサウスウェールズ大学でアカデミックな英
語の運用方法について学べたことです。その中でも特にプレゼンテーションスキルについてです。
授業を受ける前はプレゼンをする方法が曖昧にしか知りませんでしたし、見当もつきませんでした。
しかし、授業としてアデミックなプレゼンの方法について受けた結果、簡単にできるとは言いませ
んが、時間をかければアカデミックなプレゼンができるようになりました。これは、得たスキルで
一番大きなものだと思います。なぜならプレゼンをする機会はなかなか日本語でもないですから、
英語でできるようになったというのは非常に大きなことだと思います。他にもまた、1ヶ月もの間
英語の授業を受け続けるというのは初めての経験でした。これによって今では英語で授業を受ける
ことにこの研修に行く前ほどに抵抗は感じなくなったと思います。また、プログラムの内容はアカ
デミックイングリッシュということでアカデミックにリーディング、リスニング、ライティングを
学びましたが、それぞれ普段自分していた方法と違いがありました。とてもこれから英語学習を進
めていくのにおいて非常に有意義なものであったと思いました。
これらを踏まえ、今後はこのニューサウスウェールズ大学のプログラムで学んだことも生かしつ
つ、TOEFL や IELTS といった英語試験に向けた勉強や普段の自分の英語の学習を進めていきたいと
思います。
2. 異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、外国にいる際は外国のルールに従っ
て過ごすということです。このオーストラリアでは日本にいた時との相違点が幾つかありました。
一つ目はバスの乗車時に関してです。日本ではどこに着いたかその都度アナウンスがあり、どこに
いるか把握することは容易にできますが、オーストラリアではそれがないため毎回周囲の風景をし
っかり観察し、現在どこにいるかの判断をバスが停車する際にしなければならず大変苦労しました。
しかし、この解決方法として身につけたこともあります。それは周囲の人または隣席の人に話しか
けることによって目的地に到着することです。実際に話しかけて尋ねてみるとオーストラリアの方
は皆親切に丁寧に説明してくれました。そのためしっかりと目的地に到着できました。ちょっとし
た会話の中にも異国の文化を感じることができ良い経験ができたと思います。二つ目は、マナーに
関してです。オーストラリアでは公共交通機関内では、基本的に電話をすることも会話で盛り上が
ることも可能で、実際にそのことをしていても特に周囲に注意する人もいませんでした。この点に
関しましては大変困惑しました。日本ではこれとは正反対で、公共交通機関内での携帯の使用は極
力避けるべきマナーですし、通話などはもってのほかでしてはいけないことでしたので、これが頭
の中に当たり前なこととして入っていた自分にとっては大変驚愕なことでした。他にも例としてあ
げますが、日本では僕自身あまり見たことはありませんが、スーツケースなど大きな荷物があって
運ぶのに困っている人がいたらすぐに手伝って運ぶなど助け合いが自然とできる環境がオースト
ラリアでは形成されていました。これは日本ではあまり見られないことだと思います。少なくとも
自分にとっては珍しいことであったこともあってとても感動的で驚きました。最後の点としまして
は、人々の考え方もそうですが、人種が多種多様であったということでした。日本ではやはりまだ
外国の方を街中で見かけることは一般的なことではなくむしろ珍しいことだと思います。街中で外
国の方に会おうと思ってもなかなかすぐにできることではないと日本全体を平均してみてみると
言えることだと思います。しかし、オーストラリアでは本当にアジア系、白人、黒人、ラテン系と
いった様々な人が見事に混ざって過ごしているのをみました。日本でずっと過ごしてきた身としま
しては驚くことが多く、なかなか経験できないことでしたので、感動しました。
この経験をふまえて、今後は日本にとどまった範囲で行動するのではなく、海外も含めて行動し
ていくことができればいいなと思います。そのためにも自分の視野を日本だけにとどめて物事を捉
えるのではなく、海外にも視野を向けて物事を考えていけるようにしていきたいと思います。この
ことがきっと難しいことであるとは思いますが、これを目指してこれからの日々を過ごしていきた
いと思います。
3.
行動力
行動力に関して、私がこの SAP を通して達成したことは、日本にいた時よりも決めたことを実
際に行動して行うようになったということです。日本にいる間では何かの物事に対して、決断した
ことでも結局行っていないということが多々ありました。理由としては他に予定が入って忙しくな
ってしまったとか他の要素が介入したということがありました。しかし、オーストラリアでは思い
立ってやってみようと決断したことをその時に逃してしまうと1ヶ月という限られた時間しかな
い中で、再びそのチャンスが回ってくるとは限らないという経験をしました。この経験は非常に良
い経験だと思います。日本にいた時のことを振り返ってみますと、思い立ってすぐに行動すれば行
えたということが少なくない数ありました。
この経験をふまえて、自分の中で後悔しないためにも思い立ったことはなるべく行動していける
ようにしていきたいと思います。
他にも得たことがありました。それは、思ったことを包み隠さず話すということです。これはそ
れぞれの国の特徴だとは思うのですが、日本では自分の意見をはっきり言うことを嫌う文化である
と思います。オーストラリアは日本と異なり、自分の意見をはっきりという文化でした。どちらが
いいとははっきりとは言えませんが、オーストラリアのように言いたいことをはっきりいったほう
が議論は進むと思いました。
この経験をふまえて、自分の意見をはっきりと周囲にいっていきたいと思いました。
ぎゅっとつまった1か月~オーストラリア~
飯塚 有希
1. 自己の言語運用能力
私はオーストラリアでアカデミックイングリッシュを一か月間勉強してきた。アカデミックイ
ングリッシュの勉強は今まで学習してきた英語を正しく使うための勉強であったと思う。授業ス
タイルはグループディスカッションを主としていて、ほかの人の意見を聞くことができ、さらに
自分の意見を口に出すことで、トピックに関するアイディアをはっきりさせることができた。デ
ィスカッションを通して、みんなの意見を聞いてまとめる力が伸びたと思う。また、相手によっ
て話し方を変えるように心がけるようになった。リーディングは、スキミングの方法を教えても
らい、以前より効率的に英語の文章を読めるようになったと思う。また、授業で行ったリーディ
ングのペアワークが私のリーディングの理解力を深めてくれたと思う。それは、ペアで1パラグ
ラフずつ読み、お互いにそのパラグラフの内容で覚えたことを一つ出し合うというものだった。
読んで理解したことを記憶して頭に留めておくことが大事だということを学んだ。リスニングの
授業では、大事な箇所を注意して聞くことができる能力が身についたと思う。また、リスニング
でのコツはそのままプレゼンテーションを行う際の助けになった。ライティング力について、私
はライティングのアビリティが一番伸びたと思う。アカデミックイングリッシュの授業を受ける
まで、話し言葉をそのまま書き表せば英語のエッセイが書けると思っていた。しかし、アカデミ
ックに文章を書くためにはたくさんのルールがあり、それにのっとって英文を書くことによっ
て、よりわかりやすいエッセイを書けるようになるのだとわかった。また、15分間にもおよぶ
英語のプレゼンテーションを行ったことで、どの程度の準備と練習が必要なのか知ることができ
た。また、修了式でのスピーチとあわせて、このプレゼンテーションの経験が自分の英語に対す
る自信を持たせてくれたように思う。最後に、スピーキング力に関して、私はこの留学で一番伸
ばしたかった能力はスピーキング力だった。留学に行く前から留学生と英語でたくさん喋るよう
に心がけ、普通の速度で喋れるようになるように練習をしていたが、日本という環境でどうして
も英語を24時間使い続けることはできず、一晩たつと練習した英語のスピーキングのレベルが
元に戻ってしまった。だから、留学先で英語しか使えない状況で、スピーキングの絶対的な力を
底上げすることを目標にしていた。これはたくさんの人と喋ることによって達成できたと思う。
ホストファミリーや、クラスメイト、先生、新しくできた友達とのコミュニケーションは生活の
一部でありながら、学べることがたくさんあった。特に、現地の友達との会話で、若者の話し方
や単語の言いまわし、発音やイントネーションを勉強できた。必要があったらいつでも気軽に尋
ねることができたし、何より彼らともっとコミュニケーションをとりたいという気持ちが学習速
度を早めてくれたと思う。
英語力はこの一か月で確実に伸びたと思う。しかし、私の英語はまだ発展途上で、もっと向上
させることができると思う。リーディングに関して、コツは掴んだものの、読むスピードは依然
として遅く、知らない単語が多くて文章の内容がしっかりと把握できない時がある。今後、英語
で書かれた書物を積極的に読むようにし、知らない単語を単語帳に加えていき、その単語帳をよ
く見返す習慣をつけボキャブラリーを増やしていきたい。リスニングに関して、自分は初めて聞
く声の人が喋る英語を理解することが苦手だ。また、よく話す人でも何度も聞き間違いをしてし
まう。だから今後、状況にあったフレーズがすぐに頭に浮かぶようになるように、英語のドラマ
や映画をもっとたくさん見るようにしたい。また、それらを楽しみながら同時にボキャブラリー
を増やすことにも努めたい。ライティングに関して、私の書く英文はまだ子供っぽく、ボキャブ
ラリーが少ないため、アカデミックのように書くことはできても、アカデミックに書くことはま
だできないと思う。そのため、一つの言葉を覚えるときに様々な言い方ができるようにしたいと
思う。特に、簡単な単語でも、動詞の名詞形と使い方をしっかりと覚えていきたいと思う。アカ
デミックなエッセイを書く機会は少ないけれど、書く練習を続けなければ教わったコツを忘れて
しまうので、積極的に英語でエッセイを書くように心がけていきたいと思う。プレゼンテーショ
ンに関して、私はまだ人前で喋ろうと思うと、あがってしまい、普段と同じように喋れなくなっ
てしまう。プレゼンテーションでは、頭が真っ白になり、言いたいことが全く出てこなくなって
しまうこともある。このような緊張状態になった時にも冷静になって落ち着いて英語を喋れるよ
うになりたい。また、ある授業でディベートをした時に、グループ内では活発に発言することが
できたのに、いざ、みんなの前でそれを発表するときになった時に、喋り方がとてもゆっくりに
なってしまった。たぶん、人前で発言をするときに自分が間違ったことを言っているのではない
かと不安になり、自信がないために自分の言葉を慎重に確認しながら話すためであるからだと思
われる。英語をもっとたくさん使うことによって、自分の英語に自信がもてるようになりたい。
また、東北大学でも英語のディスカッションをする機会があるので、そういうものに積極的に参
加して、人前で英語で意見を述べることに慣れていきたいと思う。日常会話の英語に関して、私
は友達のおかげで、日本でも英語を使う機会がたくさんある。オーストラリアにいた頃のよう
に、貪欲に英語を欲し、学べることをすべて吸収しようという強い気持ちをもって英語学習にと
りくみたい。
この留学を終えて、もう一年間英語圏に留学したいという気持ちになった。将来、英語を使っ
た職業に就きたいと考えている。しかし、私の英語力はまだ足りないので、今回のプログラムの
ように英語を勉強するための留学をし、様々な経験をしながら英語力を伸ばしていけたらいいと
思う。次回の留学に向けて、できる限り準備を進めておくために、上記の課題をしっかりとこな
していきたいと思う。
2. 異文化適応力
私はこの留学を通して、オーストラリアとベトナムの二つの文化を体験することができた。オ
ーストラリアは日本と違い、多様な文化背景を持つ人々で構成されているのだと肌で感じること
ができた。また、オーストラリアの人たちは違った文化背景を持っているからこそ、たくさんの
文化を受容できて、誰にでも親切にできるのだと思った。また、現地の友だちのバックグラウン
ドの話を聞くと、彼らはたくさんの経験をしていて、自分の家族の文化とオーストラリアの文化
を彼らなりに理解し、表現しているのだと知ることができた。私は、彼らの文化に対する尊敬の
念をもって彼らと接することができ、また、自分の文化を顧みることができたと思う。また、ホ
ストファミリーがベトナム人の家族であったため、ベトナムの日常会話を聞くことができ、ま
た、ベトナムの家庭料理も食べることができた。一か月たつ頃には、ベトナム語を喋っている人
を認識できるようになった。
しかし、自分はまだ自国の文化をよく理解していないと思う。世界にはそれぞれの文化背景を
もったたくさんの人々がいるが、その人たちを理解しようとする前に、まず自分を表現できるよ
うになりたいと思った。私はニュースを全く見ないので、もっと自国の情報を取り入れていかな
ければならないと思う。また、ホームステイを終えて、自分がいかに自分勝手であるかがわかっ
た。ステイ先で出された料理が口に合わなかった時、無理に全部食べようとせず、そのまま残し
てしまうことがたくさんあった。それはとても失礼だし、せっかく作ってくれたのにとても申し
訳なかったと思う。また、家に帰ってくるのも遅い時があり、ステイ先の家族のことを考えない
行動ばかりしてしまったと思い後悔している。生活スタイルをすべてホストファミリーに合わせ
る必要はないが、少なくとも迷惑をかけない生活を送るべきだと思った。また、ホストファミリ
ーとあまり関わる機会がなく、相手のことをよく知る前に家を離れないといけなかったことは、
少し残念だった。次回、もしまたホームステイをする機会があったら、相手の文化をもっと知ろ
うとし、自分をその文化に組み込んでいく気持ちで家族と接することができたらいいと思う。ま
た、自分のことだけではなく、できる限り家事を手伝えるように、普段の生活からしっかりと家
事をこなしていきたい。また、次回は日本食をふるまえるように、日本食の色々なレシピを覚え
ておきたいと思った。
3. 行動力
私はオーストラリアの現地の友達や、日本にいる友達にたくさん助けてもらったために、この
留学を有意義なものにできたと思う。新しくできた友達にオーストラリアを紹介してもらい、た
くさんのところに訪れることができた。また、友達から情報を得ることができ、ずっとファンで
あったアーティストの Justice Crew に会うこともできた。行ったところもない場所で交通にも慣
れない状況ではあったが、思い切って行動してみて、本当に良かったと思う。とてもいい思い出
ができた。また、留学の最後の週に携帯を壊してしまい、連絡手段が全くなくなった状態であっ
たが、積極的に外に出ていき、友達との大切な時間を過ごすことができた。また、別のプログラ
ムでオーストラリアを訪れていた先輩にUNSWの友達を紹介することになった。そこで、UN
SWのNSA( Nippon students Association )というグループのあるメンバーに相談し、TSA
( Taiwanese Students Association )のあるイベントに参加させてもらえることになった。そこで
もたくさんの友達を作ることができ、さらに先輩にイベントを楽しんでもらい、満足してもらう
ことができた。また、私はあまり体を動かす遊びが好きではなかったが、レーザーシューティン
グというものにも挑戦してみた。やってみると、意外に楽しく、自分が実際にやってみないうち
からつまらなそうと決めつけてやらないことは、もったいないことだと思った。
留学中にもっと色々なところに行ってみたかったし、友達ともっと接したかったが、自分の体
力のなさから、家でおとなしく休まなければならない日が何日もあった。それはしょうがないこ
とではあるが、とてももったいなかったと思う。アクティブに活動するためにもっと健康な体を
作り、体力をつけたいと思った。また、新しくできた友達をこれからも大切にしたいと思った。
何人かの友達は朝早いフライトであったのにも関わらず、見送りに来てくれ、手紙まで用意して
くれ、日本に必ず遊びに来ると約束してくれた。私はオーストラリアでの彼らの親切を心に刻
み、この親切に対しいつか絶対にお返しをしたいと思った。また、日本にいる留学生に対して
も、彼らが私たちにしてくれたように、親切にしてあげたいと思った。これから、オーストラリ
アでの経験を活かして、もっと新しいものに挑戦していけたらいいと思う。また、自分は友に恵
まれ、たくさんの友達から助けをもらうことができるが、自分はそれに甘んじているのではない
かと思う。これから、1人で乗り越えなければならない困難も出てくると思う。他人に頼らなく
ても生きていけるような強い人間にならなければならないと思った。たくさんの経験を通して、
心身ともに鍛えていきたいと思う。
シドニーで得た経験
大西 悠貴
1. 言語力
私は昨年の夏にも別の SAP プログラムに参加し、今回は2回目の参加でした。今まで英語
を話す機会もなく、話してこなかった私にとって、前回の SAP は”英語をもっと頑張りたい”と再
び思うようになったきっかけ、エネルギー源でした。夏 SAP や 1 年後期の活動を経て、以前に比
べると私自身英語を話すことに対する抵抗は少なくなったと思いますし、多少なりとも話すこと
に慣れたと思います。しかし、この春シドニーに行って、自分の英語がまだまだ発展途上だとい
うことを実感し感じることが非常に多かったです。
私がこのプログラムを選んだ理由は 2 つあります。1つは、英語を多く使う環境に自分を
後留学して海外の大学で学ぶときに向けて、日常会話とはまた異なるアカデミックな部分で使う
英語も学びたかったこと、です。
今回のプログラムは日中の授業は他の国から来ている学生と一緒のクラス、ホームステイ
は1家庭1人ずつということでかなり英語を使う環境だったと思います。夏に参加したときとは
違ってクラスメイトには他国からの留学生が多かったので、授業では英語で議論してお互いに意
見を出し合い、休み時間も色んなことについて彼らとおしゃべりが絶えませんでした。授業もも
ちろん先生が英語で説明して下さるので、先生の言うことを理解し逃すまいと必死でした。ま
た、私のホストファミリーは私を家族の一員のようにして温かく迎えてくれました。家にいる間
はファミリーと出来るだけたくさん話したいと思い、その日1日の出来事をはじめとして様々な
ことを話したり、分からないことは質問してみたり、時々ゲームもしたりしました。ステイ先で
自分1人だったことで、考えていることを自分の力で何とかして伝えることがより要求されてい
たように感じます。このような英語を必然的に使う環境に1カ月もいれたことは今の自分にとっ
ていい経験になったと感じています。
この1カ月を過ごして私が感じたことは、英語を話すということに関する考え方の変化と
コミュニケーション力の強化の必要性でした。先ほど述べたように、前回の SAP 含めこれまでし
てきた活動によって、確かにだいぶ英語を話すということに私自身が慣れてきたと思います。で
もまだ、いざ英語を話すとなると身構えてしまったり、何を話そう、話題がない…と思って会話
が途中で止まってしまうことがよくありました。もちろん相手の英語の早さについていけず、あ
まり理解出来なくて会話が止まってしまったこともあったのでそこは今後の課題だと思います。
しかしそれよりも、シドニーで過ごす間に私の考え方が 180°変わった気がします。今までは英
語を話せるようになりたいから海外の人と話そう、英語を実際に話して練習するために何か話題
を考えなければと考えていました。いわば、英語が目的で話し相手の友人たちはそのための手段
でした。現地に到着してから数週間の間は、”とにかく積極的に話して英語話せるようになってや
る!”と思うばかりに、”英語話さなきゃ”と自分への義務のようになっていました。でも、新しく友
達を作って、相手やその他のことを会話する中で知ることが目的であり、英語は言語の異なる人
と話すための手段なのではないかと思いました。英語だからといってわざわざ話題作らないと...
と思うのではなく、日本語を話しているときと同じように、たわいもないことを話し、その中で
気になったことをさらに質問したりして会話を派生させればいい! そう思ってからは、ずいぶんと
話すことが楽しくなった気がします。それから、これは何だろうとか、気になったことは小さい
ことでもすぐに何でも聞いてみるようにしていました。考えてみるとこんなことは当たり前のこ
とにすぎませんが、私はこれを発見してなぜかスッキリしました。これからは英語力ももちろん
ですがコミュニケーション力の向上を図ることが私の課題だと考えています。
また、語学学校での授業では毎週英語での短いプレゼンをしました。事前研修や大学の授
業などで何度か英語のプレゼンはこなしてきましたが、今までは事前に話す内容と文章を全て書
き出し、一言一句覚えてそれを本番で話すことしかできませんでした。しかし、毎週のプレゼン
実践のお陰で、”話すキーワードのみを書き出してあらかじめ頭の中で構想を作り、本番はキーワ
ードを追いながら自分の言葉でその場で話す”というスタイルを身につけることが出来ました。こ
れは今後さらに必要になるスキルだと思うので、今回学んだことは忘れないようにしなければと
思いますし、引き続き大学でも英語でプレゼンをする機会を自分で探して行いたいと思います。
2. 異文化適応力
今回のプログラムでは、通学や移動は町の公共交通機関を用い、放課後や休日の過ごし方
を自ら計画し、観光地だけでなく中心地へも出るなど、ほぼ全て自分たちの力で行動しました。
また、先ほども書いたように滞在中はホストファミリーの家でお世話になりました。このように
自分たちで行動した部分が大きかったので、シドニーという町をそのまま知ることが出来まし
た。これは、1カ月という通常の旅行などよりも比較的長い期間を過ごせたからこそ出来たこと
だと思います。
オーストラリアの文化は日本文化とは全く異なっていました。ですから、到着した日から
毎日新しい発見がありましたし、それと同時に現地の文化で慣れるのに時間がかかったこともあ
りました。
慣れるのに苦労したことを聞かれたら、多くの人がまず交通機関と答えるのではないでし
ょうか。シドニーの電車やバスの中で駅や停留所のアナウンスがほとんどないことに私はとても
驚きました。登校初日、ホストファザーが一緒に学校まで行ってくれる予定でしたがハプニング
により急に行けなくなり、私は1人でバスと電車を乗り継いで行くことになりました。ファザー
に”君は英語を話せるから、分からなくなったら周りの人に聞けば大丈夫。”と言われましたが、内
心果たしてちゃんと学校までたどり着けるのか心配でした。ここがどこの駅なのか、駅に着くた
びにきょろきょろして確認しながらやっとのことで目的の駅で降りました。シドニーには数百の
バスの路線がありバス停を探すのにも一苦労でしたが、それよりもどこで降りればいいのかさっ
ぱり分からず、持っていた地図と教えられたバス停の名前らしきものを頼りに降りたところ、降
りるべき所の 5,6 個前のバス停で降りてしまいました。それからしばらくは街中でも Wi-fi を繋い
で地図で現在地確認をしながら行動せずにはいられませんでした。毎日過ごすなかでバスや電車
にはひたすらお世話になったので、次第に慣れ、乗換案内サイトやアプリ、地図を駆使して1カ
月の間に色んなところに出かけたなと思います。
シドニーで過ごす中で私が心掛けていたことが1つあります。それは”もう十分、というく
らいまで、分からないことがあったらひたすら質問しよう”ということです。これは、着いた初日
に UNSW で働いている日本人の方にホームステイ先に行く際に言われたことです。以前同じよう
に海外でホームステイしたときは、自分の語彙力と使える表現の少なさから思ったことや聞きた
いことがあっても全てを言わず聞かずに飲み込んでしまっていたことがよくありました。しか
し、自分の殻に閉じこもっているままではいけないし、なによりももったいないと思って、この
1カ月はひたすら話して聞くようにしていました。ファミリーだけでなく、現地で新しくできた
友達に対しても、です。そうしたところ、特にステイ先において、今まで聞いたことのないシド
ニーの文化や生活スタイルなど、新しいことをたくさん知ることが出来ました。
私が知って驚いたことの1つに、ホームスクールの制度があります。オーストラリアでは
大学に入るまでは primary school と high school の2つの過程があります。しかし、日本とは違
ってそれらが義務教育ではないらしく、中には子供を学校に行かせずに家で両親が先生となって
教育する家庭もあり、それも許されているということでした。実際、私のステイ先の家庭も、2
人の子供たちは primary school の間は家でお母さんに教えてもらい、high school になると学ぶこ
とのレベルが上がってくるため high school から学校に通い始めていました。また、ホストマザー
に聞いたところ、ホームスクールをしている家庭は学費の負担の大きさなどの経済的な問題から
というよりはむしろ他の、学校に行くことで起こりうる子供に対するあまりよくない影響を心配
している家庭が多いようでしたし、理由は家庭によって様々だとも言っていました。
これは、日本にはない文化だなと感じて興味深かったことの一例にすぎませんが、この他
にも面白いなと思ったことがたくさんありました。このように”知りたい!”という気持ちをまず持
って行動してみることで、自分からも積極的に話すし色んなことを知ることが出来ると感じまし
た。このことは何に対しても言えることだと思います。最近は、大学生活の中でも他の国からの
留学生と接する機会も多いので、これからもこの姿勢で行動していこうと思っています。
最後にもう1つ感じたシドニーの特徴は、現地の方々の温かさ、です。先ほども述べた登
校初日の日は、駅で出口が分からず迷子になった時に見知らぬ男性にいきなりバスの番号だけ伝
えて、”どこに行けばいいですか?”と聞いてしまったのに、出口の番号と場所を教えてくれた上に
途中までついてきてくださいました。その他にも誰かが困っている人にさっとすぐ手を差し伸べ
る姿も見ましたし、現地で知り合った友人たちは夏休み中も授業が始まってからも、それぞれ忙
しいだろうに私たちと出かけたりご飯を食べに行ったりたくさん一緒に遊んでくれました。ま
た、ホストファミリーをはじめ、近所の方々や学校の先生、友人たちもみんな”また必ずシドニー
に戻っておいでよ!”と言ってくれて本当に心が温かくなりました。電車やバスの中で私が突然隣の
人に話しかけても、嫌な顔もせずに一緒に話してくれたりと、本当にみなさん温かいなあと感じ
たと同時に、私と関わった人に同じように感じてもらえるように私もこれから周りの人と接しよ
うと思いました。彼らがいてくれたおかげで私の滞在がこんなにも素晴らしいものになったと思
うので、ホストファミリーをはじめとして今回出会ったすべての人に本当に感謝しています。
3. 行動力
先ほども述べたように滞在中、移動も含めほとんど全て自分たちで行動し、放課後や休日
の過ごし方を計画しながら1カ月を過ごしました。もちろんそれは友達と一緒だったけれど、見
知らぬ土地で1カ月を自分で過ごしたという面では、それだけでかなりの行動力がついたのでは
ないかと思います。
また、今回は現地において私たち企画でお好み焼きパーティーを開催しました。何か現地
の学生と一緒にイベントをやりたいね、という意見から始まり、どんなことをやるのが楽しめる
のかを考えるなどして企画を練っていきました。私自身はアイデアを出したわけではないです
が、一企画係として、主に材料の買い出しや当日のお好み焼き作りの担当を現地の学生の手も借
りて一緒に行い、携わりました。振り返ってみると、行く前から計画し現地の学生とも一緒に話
したり彼らにも手伝ってもらって、最終的にシドニーで実際に開催できたことは大きいのではな
いかなと思います。当日参加してくれたみんながとても楽しそうにしているのを見て、自分も楽
しかったしやってよかったと心から思いました。
今回のシドニーでは自分が行く前に想像していたよりもはるかに多くのことを感じたり学
んだと思います。それは単なる英語力だけでなく、オーストラリアの文化も見えてきたこれから
の自分の課題も、全てです。前回参加した SAP とはまた全然違う経験をし、ただ楽しかっただけ
でない、前回以上のことを得られたかもしれないなとも思います。この春シドニーに行くという
ことでまず1つ行動を起こせたと思うので、これからは今回感じたことを忘れることなく、今後
に生かしてさらに行動を起こそうと思います。
長期留学に向けて自信を持てた SAP シドニーUNSW
西野間 洋之
1. 自己の言語運用力
私は小さいころ 2 年間アトランタ・アメリカに住んでいて地元の幼稚園に通っていたため、幼稚
園レベルの英会話なら身についていた。日本に戻りそのスキルは衰えるが、やはり発音には自信
があるし、英会話の雰囲気はつかんでいるから得意である。しかし、その余裕が日本での英語の
勉強をおろそかにしていた。単語力は東北大生の中だと弱いし、長文や長い Listening は苦手で
あり、Writing はだらだら書くだけであった。今回の春 SAP・UNSW で Academic English を5週間
学べるということで、このプログラムを第 1 希望にして本当の英語力を上げようと心に決めた。
まずショックを受けたのが、いくら日本の中で英会話が得意でも、ネイティブスピーカー相手だ
と自由に話せない。相手はわかりやすい英語で話しているため聞き取れるのだが、英語テキスト
の綺麗なはっきりしたアメリカ英語に慣れてしまっているため、イギリス英語や留学生のなまり
のある英語を聞き取るのに苦労した。また、聞き取れても、文章でスラスラ答えることができな
い。結局、文法はめちゃくちゃで、思いついた単語をポンポン並べ、何とか意思を伝えることが
精一杯だった。それでも私は嬉しかった。間違うのが怖くてあまり話さない人が多いようだが、
私は自分の持っている英会話力 100%出し切って話すことが嬉しかった。それから、電車のアナウ
ンスや標識、ステイ先のファミリーや店員さんとの会話、Lecture Observation で UNSW 本学の授
業、現地の友達と観光やショッピングなど、日本では習わない本場の英語にたくさん触れること
ができて幸せだった。
UNSW Institute of Languages の授業では主に Reading, Listening, Writing, Presentation のス
キルを磨く授業があり、またそれぞれの授業の中で Discussion を何度もした。以下、この5つに
ついて書く。
1.1 Reading:研修前は 5 行以上の文章は読むのに時間かかるし、単語力もないからほとんど意
味が取れなくて苦手であった。しかし、このプログラムで skimming という「最初に見出し、小見
出し、各段落の最初の 1 文と、最後の最後の段落の最後の文章を読む。全体像をつかめたら、全
文を読むが、キーワードだけを拾っていき、詳細をつかむ」の方法で精読と速読が身についた。
たとえわからない単語があっても推測することもできるようになった。おかげで問題に答える時
間も十分できたし、正確に答えられるようになった。テキストを借りて授業を受けていたが、こ
のプログラムではテキストの半分までが進度であった。しかし、子供が1つ覚えるとどんどんや
るように、スキルを身に着けると長文を読むのが面白くなって、テキストにある全ての長文を読
んだ。最終試験では B-を頂いた。
(評価は私のクラスのレベルでは D が平均)英語力の中でも
Reading は1番伸びた分野である。
1.2 Listening:研修前はやはり小さいころアトランタにいたため、また Listening 問題の英語
ははっきりした綺麗な英語であるから、聞き取ることは得意であった。しかし、長いものだと集
中力が切れてしまい、TOEFL の2分くらいのものでも整理がつかなくなって、苦手であった。しか
し、Academic English の授業で 15 分くらいある Listening 問題も集中して聴けるようになり、キ
ーワードのメモの取り方もしっかり身につけた。最初の週のメモと、最終試験でのメモでは、情
報量が後者のほうが圧倒的に多い。Listening 放送は2回あるが、1回だけで十分問題に答えられ
るレベルまで上がった。最終試験の評価は最高ランクの A+。しかし、たまたま放送内容に運が良
かったというのがある。たとえば、私は高校のとき社会科目は地理選択で、さらに地理が得意だ
ったから地理の内容の Listening 問題で聞き取れない部分があっても、知識で補えるところがあ
り、また、聞きなれた単語でメモを取りやすく、高得点を取りやすかった。しかし、苦手だった
歴史の内容になると、聞きなれない単語で、メモも進まなかった。それは日本語なら聞き取った
通りにひらがなやカタカナでとりあえず書けるが、英語はとりあえずローマ字読みみたいに書く
が、スペルがわからないと戸惑ってしまっていた。これを踏まえ最終試験の対策として、授業の
教材やネットからいろんな分野の 15 分くらいの Listening 問題を探し、メモを取ることを必死で
練習した。結局、試験は地理の内容だったし、事前にインプットする機会も与えられたから高得
点を取れたが、必死で練習したことも大きく関係していると思う。Listening も同じようにどんど
ん上達していく自分が嬉しかった。
1.3 Writing:これは日本の授業ではほとんど習わないから、1番苦手であった。日本語でも作
文や文章を考えることが苦手であった。だから文章を作る発想力から乏しかった。このプログラ
ムでの最初のクラス分け試験でもだらだら書いているだけだった。しかし、Writing の授業や先生
の添削で Academic な文章の書き方が分かった。Introduction に自分が述べる具体例を書き、次の
Body で具体例、説明、どうなるのかを書き、最後にまとめる。これらを logical に書くのが大変
で、具体例の設定から”too specific”, ”too general” と私は指摘を何度も受けた。文法の
ミスも多く、また、
「文法は間違っていないが、Academic English や一般ではこんな言い方はしな
い」という指摘も頂いた。時間をかけて先生に提出したものは良い評価を頂けたが、最終試験で
は時間が短く、最終試験の Writing の結果は平均の D であった。他のところでいい成績だったか
ら悔しいが、でも Writing も構造や書き方、logical に Academic に書くコツが分かり、研修前に
比べ格段に成長した。
1.4 Presentation:自分が発表の場合、視聴者を引き付けるような PPT の作り方や発表の仕方に
は自信があった。しかし、英語での発表は慣れていないため、素晴らしい機会だった。発表する
ことを覚えるのは良かったが、発表後の質問時間で適切に答えるのが難しかった。相手の質問内
容をいったんまとめ、それから相手の求めているものを適切に答える。文章作成能力が弱い私に
はとてもハードルが高かった。ここは日本語のプレゼンでももっと練習が必要と感じた。他の人
の発表のときは、見ながら聞きながら整理し、質問があれば質問を考える。上手かった人のいい
ところを取り込むことができたから、これもいい勉強になった。
1.5 Discussion:授業の中で何回もあったし、西洋の授業ではとても大切な授業スタイルであ
る。日本の授業ではなかなかないから、素晴らしい機会だと思って積極的にしゃべった。クラス
には中国、日本、イラク、トルコの生徒がいて、それぞれのなまりの英語があるから、最初は聞
き取るのは大変だった。しかし、2 週間もすると慣れてきた。みんなはしっかりとした文章で話し
ているのに、私は broken English でなんとか自分の考えを伝えていた。でもみんな丁寧に聞いて
くれて嬉しかったし、私も文章で話さなければならない、と意識を上げた。だんだんと私も
Discussion らしく話せるようになり、他の人の意見をまとめたり、適切な答えをみんなで求めた
りすることができた。
これらの英語スキルの上達により、およそ1年後の長期留学に自信を持つことができた。予習復
習をしっかりして、常に「クラスの中で1番に答えるぞ」「とにかく授業でたくさん英語を話す
ぞ」という気持ちで授業を受けていた。それぞれのスキルもたった1か月で大きく伸びたし、完
全に英語漬けにしていたため、簡単な会話であったら日本語よりも英語が先に出てきてしまうく
らいになっていた。Lecture Observation では長期留学を見越して、自分の専門である工学系の数
学物理の授業に出席した。全くついていけないのではないか、という不安があったが、数式は世
界共通であるため、ついていけた。質問や発言なども積極的にし、教授とお話しすることもでき
た。これで長期留学に向けて自分の専門分野の授業でも自信を持てた。しかし、数学や物理によ
く出てくるような単語は分からないものが多く、多項式の分数の表現でさえも今回の Lecture
Observation で初めてなんと言えばいいのか分かった。数学や物理だけでなく、一般常識などのあ
る程度の知識を英語で言えるくらいのことも必要だと感じた。なによりも、本当に海外で生きて
いくためにはまだまだ英語力が足りないことを実感した。長期留学までの残り1年間、Academic
English やネイティブスピーカーに少しでも近づけられるように留学生と英語で触れ合う機会に積
極的に参加し、また、自分での英語の勉強はもちろん、海外のニュースやドラマ、動画投稿サイ
トでネイティブの英語に触れたり、現地で作った友達と手紙やチャットをしたりして、英語漬け
になる時間を作る。そうやって、私の大学入学時からの目標である「いったん日本語に考え直し
たり、訳を考えたりしない、英語のまま考える英語力、英会話力」を高めようと改めて強く感じ
た。
2.異文化適応
私は東北大の授業で留学生と一緒に受ける授業をたくさん履修していたため、異文化に触れる
機会はあった。しかし、外国で異文化に触れるのはやはり違う。シドニーの中は、基本は西洋の
文化だが、アジアのお店が多く、人口も移民が多く西洋の国に来ているとは思えないような多文
化であった。したがって自然と様々な文化に触れることができた。UNSW Institute of Languages
の授業でもたくさんの地域から英語を学びに来ているクラスメイトが多く、お互いの文化につい
て話すことが楽しかった。ここでは生活習慣、食事とコミュニケーションの 3 点について書く。
2.1 生活様式:時間の感覚が日本とは異なっていた。たとえば街中では朝は遅く、夜は早かっ
た。お店は 10 時に開店するところが多く、ほとんどのお店は 17 時に閉店する。したがって授業
が終わって帰宅する 17 時の街中はいつも大渋滞であった。また、これはステイ先に寄るが、私の
ところは 23 時には消灯だった。ステイ先が大家族のため、シャワーやトイレの使用は短時間でな
ければならなかった。私は3人家族育ちのため、大家族の中で生活するのは難しかった。それか
ら季節は夏で暑かったが扇風機やクーラーなどは使っていなかった。確かに電気屋を見ても扇風
機やエアコンは端にちょっと展示してあるくらいで、オーストラリアでは使わないのだろう。授
業でもシャープペンシルや鉛筆ではなく、ノートや提出物、試験もボールペンで書くことが決め
られていた。これらの自分の文化とは異なることで戸惑いはあったが、慣れてくると当たり前と
思って過ごすことができた。
2.2 食事:幅広いジャンルで食べた。ホームステイ先ではオーストラリアの一般的な食事や伝統
的な食事を食べることができた。スーパーマーケットではお菓子やジュースなどにチャレンジ
し、UNSW の周りにはファストフード、インドカレー、ベトナム、インドネシア、タイ、中華料
理、日本の Sushi Role(日本の寿司とは違い西洋風にアレンジ)などいろんな地域のレストランが
あり、日本では食べられないようなものを積極的に食べた。また、日本では宗教について考える
ことが薄いが、イスラム教の友達と一緒に食べるときはハラールに配慮したレストランを探して
食べた。私もステイ先でファミリーに焼うどんを作ってあげると、”Very good!”と喜んでもら
えて嬉しかった。
2.3 コミュニケーション:UNSW の人々、ステイ先のファミリー、街中の人々など、みなさんがと
にかくフレンドリーで日本よりもコミュニケーションがとりやすく、積極的に話しかけたり、話
を聴いたりした。クラスメイトと過ごすのは楽しく、それぞれの自文化の言動や行動が表れてい
て面白かった。特に中国からの友達は、友達になったらある程度の物の貸し借りやレストランで
支払ってあげる、ということに最初は焦ったが、文化として理解することができた。また、本場
の英語でのあいさつ文化に慣れた。たとえば、店員には必ず”Hello. How are you today?”と質
問されることに最初は戸惑ったが、
「いらっしゃいませ」とほぼ同じ意味ととらえるようになって
から、自然に返せるようになった。また、お客さんと店員は対等な関係であり、お店を出るとき
やバスから降りるときは”Thank you”と言うような文化が素敵だと思って、自分でも取り入れ
た。
これらの異文化を通して私は異文化適応力があると感じた。今まで私は変化が嫌いで新しい習慣
を取り入れるのも苦手で遅かった。過去の海外旅行では油っこい物が苦手で日本食レストランを
見つけては3割くらい日本食を食べていた。しかしこの SAP ではすぐに生活習慣やコミュニケー
ション、言動や行動を身に着け、楽しく過ごすことができ、食事も様々なジャンルの食事をおい
しく食べた。1年後の長期留学で英語力の次に心配だった異文化適応力だが、自信を持つことが
できた。長期留学先でもその地域や友達と合わせて楽しく過ごすことができると強く感じた。
3.行動力
私はこのプログラムで日本ではなかなかできないさまざまことを経験することができた。ここで
主に触れるのは授業その予習復習の時間と友達と過ごす食事やおしゃべり、観光の時間、それか
ら海外の文化の中で英語だけで生活すること。それらによって行動力の計画実行力と積極性(チャ
レンジ力)ついて成長できた。計画実行力と積極性の 2 つについて書く。
3.1 計画実行力:このプログラムでは平日は授業の予習や復習、午後は Lecture Observation で
忙しかった。それらの授業の課題や勉強の計画をしっかり立て、実行できた。これは日本にいる
時もできていたが、さらに上がっていた。クラスメイトの友達とご飯を食べる時もしっかりと予
定を組んでからでないとできなかった。今までそのような計画を自分から持ちかけることはなか
ったが、しっかりと予定を立て相手に提案し、楽しむことができた。また、観光の時間は土日だ
けしかなく、しっかりと予定を立て、たくさんの観光地をじっくり楽しむことができた。
3.2 積極性:1つは積極的に英語を話せるようになった。言語運用力で述べた Discussion でも
Lecture Observation での発言、授業以外でも友達や先生、ステイ先のファミリーとのおしゃべ
り、お店で店員さんとの会話も積極的に英会話をした。英会話だけでなく異文化にも積極的に触
れた。主に食事である。異文化適応のところでも述べたが幅広いジャンルで食文化を楽しんだ。
「日本では絶対にできないのだから、チャンスがあれば絶対に英会話をする、異文化に触れる」
という気持ちで積極的に話したり、話を聴いたり、異文化を楽しんだりした。また、自分のアイ
デンティティーを積極的に出した。日本で感じたことで、外国人や留学生の方がアイデンティテ
ィーの表現が大きい。私が好きなのは「ダンスが得意です」と言ってその場は必ず盛り上がる。
そして本人はダンスを披露するのである。私も好きなアーティストがいて真似してダンスをする
趣味がある。だから、私も同じようにダンスをクラスメイトに披露した。盛り上げてくれただけ
かもしれないが、盛り上がって嬉しかった。このように自分のことや考えを積極的に出すことが
できた。
行動力の成長によって、今後いろいろなことに挑戦でき、それを正しく対処することができる力
も伸びた。しかしまだまだ学生としての段階であり、立派な大人としての行動力としては不十分
である。このプログラムで磨くことができた行動力を忘れずに、できる範囲のことで、たとえば
ボランティアや授業中での発言でも、友達との会話でもいいから、必ず伸ばしていく。
UNSW 短期留学を終えて
深澤
宏輔
1. 言語運用能力
自己の言語運用能力に関して、私が SAP を通して達成したことは、2 つあります。
まず、1 つ目は会話能力、スピーキング能力です。SAP を通じて、ホストファミリーをはじめ、
現地大学の学生など、多くのネイティブと交流する機会を得られました。そこでは、否応なしに、
外国語(私のプログラムの場合、英語)に触れざる負えない状況があり、自然と会話能力を高める
ことが出来ました。同じ教室で授業を受けていた中国人の留学生と冗談を交えながら、英語で会話
できた時、自身のスピーキング能力の向上を感じ、心から本プログラムに参加してよかったと感じ
ました。加えて、現地の大学生との交流の場では、より日常的で形式ばらない英語フレーズに触れ
ることができ、新鮮でかつ面白味を感じました。これらどの状況においても、従来の強制的な勉強
をしているという実感はなく、単に興味関心の赴くまま、英語と戯れていました。
次に、2 つ目は言語の運用に欠かせない body language です。留学したての頃、まだ現地の英語
になれず、それでも何とか自分の気持ちを伝えようと必死でした。とにかく、相手に何かを伝えな
いと何も始まりません。自分でも不思議なのですが、私の場合、夢中になって何かを伝えようとし
ていた時、自然と身振り手振りが付随していました。加えて、表情も豊かになり、正確には豊かに
せざるを負えないという状況でしたが、コミュニケーションに使えるものは何でも使ってやろうと
いう思いから、body language を多用していました。現に何度もそれのお世話になりました。実際、
オージーの多くも body language を頻繁に活用しています。外国語を運用する上で、語彙、文法な
どと同じぐらい、body language が重要であることを身に染みて感じました。
最後に、自己の言語運用能力に関して、私が SAP を通じて得た課題は、ユーモアの重要性です。
日本語でもユーモアを交えた会話は難しいものです。しかし、ユーモアのない会話は堅苦しく、そ
の後の関係性の向上が見込めないことから、いかにユーモアが重要かということが分かります。留
学中、現地の学生の友達が、その場を和ませようとたくさんジョークを飛ばしてくれました。初め
の頃、それをジョークだと気づかず、真剣にその言葉の意味を考えていた時の私のことを考えると、
恥ずかしくてたまりません。しかし、いざ自分で英語のジョークを考えてみると、この作業自体が
意外にも面白く、会話のなかで使える場面が来るとうれしいので、留学中はそればかりしていまし
た。ジョークを探すために、Youtube をみたり、現地のテレビ番組を見たりと、それをきっかけに
して、アクティブな言語学習もできました。まだまだ、ユーモアセンスには課題があり、これから
より深めていきたいと思います。
2. 異文化適応能力
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、時間の概念に寛容になったことです。
私は、現在学友会に所属しており、部活の生活上つねに 5 分前行動が義務付けられています。した
がって、私の周りには時間にルーズな方は少なく、私自身、時間を守れない人に対しては、やや厳
しい態度をとってきました。しかし、留学時、現地の方が時間を正確に守った事例はほとんどあり
ませんでした。むしろ、私が 5 分前に行動すると怪訝な顔をされることすらありました。そのこと
に関する善悪に言及するつもりはありませんが、あまりに時間感覚が曖昧なので、時が経つにつれ
て、遅刻にも気にしないようになり、慣れた、つまり現地の時間の流れに対して寛容性が付いたと
自分の中では考えています。
さらに、私が派遣された研修地が乾燥した気候の国であったこともあり、水に対する価値観の違
いを通して、適応能力を養えたと感じております。私が滞在したホストファミリー宅では洗濯は 1
週間に 1 度のみしか行われず、それ以外の日に洗濯したい場合は、自身が体を洗いながら、一緒の
水で洗濯もするというものでした。ホストマザー曰く、他の家庭でも同じように節水を心がけてい
るようです。スーパーでも、水は 500ml$4(400 円)であることから、文化として水を大切にし
ていることが分かります。私は、その価値観に、当初はなじめず慣れるまで大変でした。しかし、
この苦しい経験を通して、異文化への適応性を養えたと考えると、事実適応できたことから、有意
義な研修であったと思います。
以上の経験を踏まえて、今後は、異文化に初めて触れる態度として、その文化に対する謙虚さと
尊敬の念を持つべきであると考えます。自国の価値観にとらわれ、はなから異文化を拒絶しがちに
なり、その文化のすべてに低頭し受容する素直な心が自分には足りていなかったと、反省しており
ます。しかし、この認識の改善は、今後の私の国際交流活動をより有意義なものにしていく上でき
わめて影響力の大きいものであると考えます。
3. 行動力
自己の行動力に関して、私は SAP を通して達成したことは、初対面の人に物怖じすることなく、
話しかけられるようになったことです。その能力の向上は、現地でたくさんの友達を作ることが出
来た実績に見て取れます。勿論、現地の方々の優しく陽気な生活に助けられたことは多分にありま
す。上記の通り、自身のユーモアセンスには依然少々問題がありますが、それでも、内気であった
以前の自分からすれば、大きな進歩であると考えます。
この能力をさらに伸ばすため、今後は自分の行動に確固たるロジックを持ちたいと考えます。私
が物怖じする原因の一つに、自身の行動の正当性に自信がないことが挙げられます。自信がない為、
決断が遅くなり、結果何もできずに終わってしまうと考えられます。私は、事前研修の中でも、自
身の行動力の向上を目標の一つに掲げておりました。留学中、オージー・その他留学生を含め、多
くの人を観察して思ったことは、おのおのが根拠を持って、発言行動しているということでした。
そのロジックが曖昧である場合もありましたが、彼らは自身の行動に自信を持っている、または持
っているように見せていました。根拠のない自信というものでしょうか、私には、彼らがとても知
的で大人に見え、自身の理想とする人間像を垣間見ることができたと思っています。論理的に行動
することはあくまで最終目標です。今回の留学でそれを達成することはできませんでしたが、自分
に自信を持つ重要性を学びました。今後は、少しずつ論理的思考になれると共に、それを補うよう
に自信をアピールする方法を発見していきたいと思います。
短期留学のすすめ
眞幡 宜輝
1. 自己の言語運用力
私はこの SAP を通して、自己の言語運用力という観点において、ボディランゲージにいたず
らに頼ることなくしっかりと自分の言葉で会話をすることができたと思います。私は、シドニー
に訪れる前、あまり英語の勉強はしていきませんでした。英語は私の中で一番苦手意識のある科
目です。しかし、今の自分の英語力がどれくらい通用するのかということを試してみたかったと
いう思いから、あえてそこまで英語の勉強に力を入れるということはしませんでした。その結果、
私は SAP の中で、自分は思っていた以上にボキャブラリーが足りていないということを痛感し
ました。例えば、英語の文章を読むとき、英語から日本語に訳せる英単語も、いざ話すときにな
ると出てこないという場面が多々ありました。つまり、真の意味で使える英単語の数が少なかっ
たのです。シドニーについて最初の一週間はボディランゲージにばかり頼ってしまうこともあり
ました。しかし、シドニーでの生活に慣れていくうちに、心に余裕ができたおかげか、自分の言
葉で伝えようという気持ちが私の中で強くなっていきました。正直に言ってしまえば、ボディラ
ンゲージの方がある程度は楽かもしれません。なかなか言葉が思い浮かばないときも沢山ありま
したが、出来る限り同じような意味を持つ単語を思い出したり、文の構造そのものを変えてみる
など、会話の中でいろいろ試行錯誤していきました。
そういった意味でも、私にとっての今後の課題というのは、よりボキャブラリーを増やし、真
の意味で使える英単語を増やすということです。そのためにも、まずは発音をもう一度しっかり
学び直そうと思っています。結局のところ、英会話が上達するにはまず相手の言っていることを
理解することが重要であると考えます。そして自分が返答する際、もちろん英語を発音するわけ
です。どちらも、発音がしっかりしていないと聞き取ることもできないし、自分の伝えたいこと
が伝わらないということになってしまいます。また、英会話で使えるボキャブラリーを増やすう
えで、当たり前のことですが、実際に会話しないとボキャブラリーは身につかないと思います。
実際に会話し実際に発音することで覚えていく、そのためにもまず最初はいたずらに英単語を覚
えるのではなく、発音を学び、読みながら覚えていく必要があると考えています。幸い、東北大
学には留学生と交流するための様々なサークルがあります。私は、4 月から英語を、英会話を学
ぶ機会を増やすために何かしらの英語関係のサークルに入りたいと思っています。私がこの SAP
に参加した理由の一つに、将来的には長期留学を考えていて、その前段階として短期留学をして
みようというものがありました。次回再び海外に行ったときに、今回以上に多くの海外の人とコ
ミュニケーションをとっていけるようにするためにも、せっかく今回の短期留学で体験できたこ
とを次のステップに活かしていきたいです。英会話だけではありません。長期留学を考えたとき
に、IELTS もしくは TOEFL-ITP、TOEFL-IBT のスコアが必要になってきます。私は、工学部
に在籍しているのでそういった意味でも、工学系が強い大学が多くあるアメリカへの長期留学を
希望しています。そのとき、今のスコアのままでは行ってみたい大学には程遠いスコアなので、
ライティング、リスニング、グラマーをもう一度コツコツと学び直していきたいと考えています。
2. 異文化適応
私が今回の SAP で一番重要視していたのが異文化経験という側面です。正直、一か月だけの
短期留学では、英会話の面においてそこまで大きな成長はできないだろうと思っていました。そ
のため、私は多くの異文化が混ざり合っている国であるアメリカとオーストラリアのどちらかへ
の短期留学を希望していました。そうしてオーストラリアのシドニーに短期留学をしたわけです
が、私自身異文化に適応できていたと思っています。シドニーに来て最初に、ニューサウスウェ
ールズ大学の周辺を散策したとき、私の想像とは大きく異なり、中国やインド、タイといったア
ジア系の料理屋が多くあり、とても驚きました。そのアジア系の料理屋が多く立ち並ぶ中に、日
本人が経営している料理屋も散見出来て親近感も湧いたわけですが、そういったところからオー
ストラリアは多くの移民が住んでいる国であるということを強く感じました。私たちはニューサ
ウスウェールズ大学の付属の語学学校に通っていたわけですが、午前中の授業が終わると友達と
一緒に近くの中華屋食堂、インドカレー屋など行くことも多くありました。もちろん、食事の面
でいえばほかにも多くのものを食べました。そのなかでも一番私が気に入ったのは、フィットア
ンドチップスです。フィッシュアンドチップスといえばイギリスが有名ですが、オーストラリア
も海に面しているということもあってとてもおいしかったです。わざわざインターネットでおい
しい店を探して、それを食べるためだけに遠出した日もありました。また一番印象に残った食べ
物はカンガルーの肉です。カンガルーの肉は食べる機会が二回あり、一回目はジャーキーで、二
回目は焼肉として食べました。私は、おそらくラム肉以上に独特な臭みがあるだろうと思ってい
たのですが、実際に食べてみると全く臭みがなく、後味が甘いおいしい肉でした。
私は、その国々の文化を知るうえで食事というものは、大変重要な役割を担っていると考えて
います。そういった意味でも、私はホストファミリーにすすめられた、今まで食べたことのなか
ったような食べ物も積極的に食べました。オーストラリアは前にも書いた通り、移民の国である
ため、オーストラリアだけにとどまらない、多くの食文化に触れられたと感じています。しかし、
やはり一か月だけでは学ぶことのできることも限られてきてしまいます。例えば、今回、あまり
アボリジニの文化を学ぶ機会を設けることができませんでした。アボリジニアルアートが多く飾
られているニューサウスウェールズ州立美術館にも行くことができず、またアボリジニの歴史を
学ぶことのできる施設にも行くことはありませんでした。私はまた必ずシドニーに訪れようと思
っているので、次回来たときは異文化に触れるという意味でも、アボリジニについて多くのこと
を学べたらいいと思っています。
3. 行動力
今回の SAP では、一か月という期間だったので暇さえあれば色々なところへ出かけるように心
がけました。最初の一週間は、オーストラリアの暑さにやられて、疲れが出てしまい部屋で休みが
ちだったのですが次第に慣れていくとともに、ビーチに行ったり観光名所に行ったりおいしいもの
を食べに行ったりしました。多くの場所に訪れましたが、その中でも一番感動したのはやはりオペ
ラハウスです。世界文化遺産ということで建物はもちろん素晴らしかったですが、私は何人かのほ
かの留学生と共に実際に建物の中でオペラを鑑賞してきました。オペラ自体はイタリア語だったの
で、壁の英語の字幕電光掲示板を見ながら鑑賞していましたが、途中からはもう言葉は分からなく
ても心に訴えかけてくるものを感じ、ずっとステージに目が釘づけでした。また、丁度やっていた
オペラが「蝶々夫人」という日本が舞台のオペラだったので、日本人としては、海外で日本が舞台
のオペラを見るという一種の新鮮さも感じました。また、私はシドニーの各所で開かれているマー
ケットにも多く訪れました。それぞれの場所ごとに、特徴があり、興味深い商品も沢山置いてあり
ました。普通に市販されているような商品もあれば、アーティストが作った一点ものの商品もあり、
どのマーケットも活気にあふれていて楽しかったです。また、マーケットは基本的に値札がついて
いないことが多く、店員さんと直接話をする機会も多かったです。なるべく多くの店に訪れて多く
の人と話すようにしましたが、やはりもっと英語がはなせたらよかったと思うことも多かったです。
少し珍しい施設にも訪れました。犯罪博物館というところなのですが、そこは週末の土曜日と日曜
日にしか開いていない博物館です。実際昔使われていた裁判所、警察署を改装して使われている場
所なので独特の雰囲気が漂う場所でした。
また、今回、私はニューサウスウェールズ大学の付属語学学校で勉強していたわけですが、実際
に大学の講義を聴講できる機会を頂きました。せっかくなので、国際関係と経済関係の Lecture
observation を受けさせていただきました。私自身は工学部に在籍しているので、自分の専攻分野
とはまったく異なる分野の授業でしたが、興味があったので挑戦するつもりで受けてみました。ま
ずすべての授業において言えることは、日本の授業と違って教員の方々が積極的に生徒とコンタク
トを取ろうとしていたように思います。東北大学で受けていた授業の大半は、教授が一方的に話し
たことを生徒がただ聞いてただノートを取って、という感じでした。しかし、ニューサウスウェー
ルズ大学における授業は生徒同士に議論させたり、直接生徒に質問したり、日本に比べてアクティ
ブな印象を受けました。これには、教育において生徒は教授と対等であるといったオーストラリア
の性質ももちろん関わっていると思います。時折ジョークを交えながらの授業は、生徒たちの興味
を引き付けるだけではなく、最後まで授業に集中できる、そういう授業でした。興味深いことは多々
ありましたが、総じて英語で行われる授業を受けてみて、レベルが思っていた以上に高いと感じま
した。私自身、英語があまり得意ではないということもありますが、ニューサウスウェールズ大学
の付属語学学校で受けていた授業以上に早いスピードで教授たちも話すので、聞き取ることも困難
でした。しかし、やはりニューサウスウェールズ大学の生の授業を受けてみて、より一層英語を勉
強しないといけないと強く感じることができました。これからの英語の勉強に対するモチベーショ
ンが上がりました。世界の学術論文の 98%が英語で書かれている、という事実があって、さらに私
自身が工学部ということもあり、今後英語を使う機会というのはどんどん増えていきます。今回の
Lecture observation では主に、聞くことが中心の授業だったわけですが、英語を話すことも書く
こともできるようにしていかなくては世界基準で物事を考えることもできないと思います。工学分
野において、一つの物事にとらわれず多面的な視点から考えることは必要不可欠なスキルです。そ
のためにも、英語という言語、ツールを学生のうちに修得し将来の研究に生かしていきたいと思う
ことができました。また、ニューサウスウェールズ大学の生徒たちは皆自ら積極的に発言する人が
多かったように感じました。ディスカッションをすることが日本の大学に比べて多いという点もあ
ると思いますが、そのような積極的に物事を学ぼうとする姿勢は、これからの授業で非常に大切な
ことなので、自分自身も今まで以上に積極的に発言していかなくてはと改めて考えさせられました。
今回は、私が発言した機会というのは日本語の授業で日本語を教えるぐらいのものでしたが、とて
も良い経験ができたと思っています。
もちろん人と人とのつながりという面でも行動力を発揮して過ごせたと思っています。私が今回
の SAP で得た一番大切なものは、
「つながり、絆」です。特にホストファミリーがとても親切な方々
で、この短期留学が素晴らしいものであったと感じられたのもホストファミリーのおかげであると
いっても過言ではありません。最初に会った時に、ホストマザーが私の英語力を向上させるために、
毎日、その日の出来事を食卓の場で皆に話すようにと言ってきました。それと同時に、別にゆっく
りでもいいからとにかく会話をするようにと私に英語を話す機会を与えてくれました。そのような
機会をいただいたので、どんどんホストファミリーと積極的に話すように心がけました。ドライブ
に連れて行ってくれたり、マーケットを教えてくれたり、おしゃれなバーに連れて行ってくれたり。
ホストファミリーと素晴らしい時間を多く共有できました。そして、同時にデンマークから留学生
として来ていた人が誕生日だった時には、日本から持っていっていたギターで曲を演奏することも
ありました。ホストファミリーだけではなく、クラスメート、NSA の人たちも皆親切でした。最初
授業を受けるとき、もう一人友達が一緒のクラスだったので少しは安心していましたが、それでも
周りの人は全員が日本人ではないわけで、とても緊張していたのを覚えています。しかし、皆積極
的に私に話しかけてくれたおかげで次第に緊張もほぐれていき、自分からもどんどん話しかけられ
るようになりました。また、最後の週にはクラスの中でペアを作り、一緒にプレゼンテーションを
作ってみんなの前で発表しました。その時も、ペアになった中国人の留学生といろいろメッセージ
をやり取りしたり、スライドを作ったり、積極的に協力してプレゼンテーションを作れたと思いま
す。また、ニューサウスウェールズ大学に存在する NSA という団体の人々が多くのイベントを開
催してくれて、そこに参加することで多くの現地の友達ができました。一か月という短い間だった
けれども、一緒にビーチに行ったり、たこ焼きを作ったり、バーベキューをしたり、楽しい時間を
過ごすことができました。自分の中では、積極的に色々と行動できたと思いますが、強いて言うな
らばもっと多くの人と話関わりをもてればよかったと思います。次回までに、もっとコミュニケー
ションスキルをあげて、軽いジョークを言ったりして会話を弾ませることができるようになりたい
と思いました。
SAPで学んだこと
茂木真珠乃
1.
自己の言語運用力
今回の研修で私は二つの言語について運用力を試されました。一つは英語、もう一つは第二外
国語として大学に入ってから学んだスペイン語です。
自分の英語運用力の低さは自覚していたつもりでしたが、今回のSAPではそれを再確認かつ
深く反省せざるを得ませんでした。シドニーへ発つ以前は、私の英語を介してのコミュニケーシ
ョンの改善点は発音と英語をしゃべることに対する躊躇であると考えていました。短期留学は今
回が初めてではありませんでしたから、これまでの反省を踏まえて、積極的に英語を使っていく
ことを目標にしていました。しかし、これが見当違いだったようです。現地で英語を使おうとし
て困ったことは次の 3 つです。第一に語彙力のなさ、第二に正しい文法が使えないこと、第三に
会話速度が遅いことです。語彙力がないことは、大学に入ってからの自分の英語学習の体制に問
題がありました。受験が終わったという解放感から大学に入ってからはまじめに英単語を暗記し
てきませんでした。その結果、おそらく中学生のころ学習した単語でさえうろ覚えで、現地では
使うことはもちろん、聞き取ることもできませんでした。英語は日本人にとって普段は使用しな
いもので、どんどん忘れてしまいます。今後は定期的に英単語の学習を継続していきたいと思い
ます。二つ目の正しい文法をつかえないことは、自分自身意外な発見でした。これまで、会話で
は文法よりもとりあえず話してみることが大切だと感じていたのですが、やっぱり文法が正しく
ないと伝わらない。授業中も文法が間違っていると恥ずかしいような気持ちになり、発現する勇
気を損なわせました。これは個人の性格にもよると思いますが、私のように心配性な方は文法を
きっちり学ぶことも精神安定剤として有効なのかもしれません。英語のコミュニケーションでは
日本人のようなきっちりした文法学習よりも、話す能力が大切だと世間的に言われているような
印象を受けます。しかし、少なくともネイティヴの人々はその文法で話しています。大学生以上
になると、それぞれの人格も学習スタイルも対人方法も確立されています。英語運用力の向上の
させ方もそれぞれ適性の形があるように感じます。それが、私の場合はとりあえず話すことより
も自信となるような知識をつけることにあるようです。三つ目の会話速度が今回の研修で一番困
ったことかもしれません。当然、現地の人々はとても親切なのでゆっくり話しても最後まで聞い
てくれます。しかし、友達になった人と会話をしようと思ったら、その中ではみんながある程度
同じ速度で会話をしなければ会話が弾まないとこを学びました。どうしても、ゆっくり話すと自
分ばかり話しているような状態になり、双方向な交友ができません。逆に、相手が流暢に話して
くれると、話していることがわかってもどこでコメントを挟むのかというタイミングがうまくつ
かめません。それも、同じ速度で話せれば解決するようです。これらの反省を生かし、今後一層
英語学習に力を入れたいと思っています。
また、今回の研修では幸運なことにスペイン語を使う機会もありました。クラスメートの一人
がメキシコからの留学生だったからです。しかし、私はこの機会を生かすことができませんでし
た。全くと言っていいほど、スペイン語の知識は身についていなかったのです。東北大学には多
くの留学生がいますが、スペイン語を話す機会はほとんどありません。今回は貴重な機会であっ
たのに逃してしまったことがとても残念です。
二つの言語の運用力について振り返ってみて、共通して言えることは知識の蓄積が大切であり
自分にかけていたということです。これらを自覚できただけでも今回の研修はとても有意義であ
ったと思います。今後は、また地道にそれぞれの基礎学習をしていきたいと思います。
2.
異文化適応
オーストラリアの文化に適応することはさほど難しくないことが今回の研修でわかりました。
それは、私の個人的な能力によるものではありません。オーストラリアの文化の性質そのものに
原因があります。オーストラリアは言わずと知れた多文化主義です。学校の近くの通りにもファ
ストフードはもちろんのこと、ベトナム料理、中華、タイ料理、日本食など多種多様な飲食店を
見つけることができます。そして、それらのお店にはその文化圏以外の出身のお客も多いので
す。つまり、オーストラリアでは様々な文化を寛容に受け入れる体制が出来上がっており、私た
ちのような留学生は現地の文化を受容するよりも多くの場合、こちら側の文化が受け入れてもら
えるのです。その点で、オーストラリアは留学に適した国であるといえるでしょう。
異文化適応についていくつかの文化に焦点を当てて振り返ります。
まず、私にとって一番関心の強かった食文化です。これもほとんど困ることはありませんでし
た。海外旅行の時に最も気にする必要があるのは水です。国によっては、水道水を飲むとお腹を
壊してしまう場合があります。日本は軟水ですが、硬水の国もあります。幸い、オーストラリア
は軟水で、水道水を飲んでも私はお腹を壊すことはありませんでした。ただし、味はあまりよく
ないように感じました。しかし、オーストラリアは食費がとにかく高い。ランチは10AUDで
食べられれば安いほう。現在のルートで考えると、約1000円です。サンドイッチも8AUD
が相場のようでした。特に飲料は高くて、500ml ぐらいのペットボトルで3AUD、動物園な
どの特別なところでは5AUDもします。これらについては、現地の人々も高いと思っているよ
うで、多くの人がペットボトルなどに家から水を入れて持ち歩いていました。私も、現地の人に
見習い、家から水を持っていきました。これは、食費の節約はもちろんのこと、無駄なごみを減
らすこともできて一石二鳥です。日本でもこれは取り入れるべき文化だと思います。飲料のこと
ばかり書きましたが、食事についても問題がなかったわけではありません。日本のようなバラン
スの良い食事というスタイルがないところには困りました。オーストラリアの食事は多種多様で
すが、いろいろなものを少しずつ食べるとう文化はありません。大きくてカロリーのあるものを
一つ食べる。主食とおかずと、という考えもありません。現地の生徒と遊びに行った時も、夕飯
にパンケーキを食べに行くといわれて驚きました。もし、オーストラリアに長期で滞在するので
あれば、肥満対策を積極的に考える必要がありそうです。
次に、生活スタイルについても振り返りたいと思います。滞在期間中、オースオラリアはサマ
ータイムでした。したがって、朝は暗い時刻に起床し、まだ明るい時間に夕食を食べることにな
ります。これに適応するのは大変でした。ついつい、夜更かしをして体調を崩しそうになりまし
た。といっても、夜、外で遊んでいたわけではありません。オーストラリアはショップの営業時
間が日本よりも短いです。日が長いのに、ショッピングモールは 5 時にはしまってしまいます。
最初はそれが不便に感じたのですが、次第に感じなくなりました。逆に、日本の商業施設の営業
時間が長すぎるのかもしれません。これは文化の違いです。外国人からすると、日本人は買い物
の好きな民族に見えるようです。実際、日本では私も含め多くの人が週末ショッピングを楽しん
でいます。しかし、オーストラリアの人は必要なものを買うためにショッピングに行くようなの
です。そして日本人よりもスポーツなど体を動かすことを楽しみます。季節柄、ビーチに行く
人々が多いように感じました。私のホストファミリーも例外ではありません。ホストマザーは毎
週土曜日にビーチをウォーキングします。ホストシスターも毎日運動をしてから大学へ通ってい
ました。それに比べ、日本人は全く運動をしない人がたくさんいます。この点は日本人がオース
トラリアの文化を見習うのがよいと思います。
最後に宗教についてです。私は無宗教ですが、クラスメイトにはムスリムも複数人いました。
クラスでBBQをするときはそのことに気を使う必要がありました。これも、彼らと話すことで
うまく行うことができました。
全体を通して、今回の研修では問題なく異文化に適応することができました。特に、オースト
ラリアはそれほど努力しなくても問題はありません。自分の異文化適応能力を計るには至りませ
んでした。
3.
行動力
今回の研修は学校以外の時間は自由でした。したがって、いかに有意義なものにするかは個人
の行動力にかかっています。そのことについては反省すべきところがたくさんあります。
まず、友人についてです。今回の研修に向けて私が最初に立てた目標は現地の友達を作ること
でした。これは達成できたと思います。ン本からも連絡の取れる友人を作ることができました。
英語を使う機会を増やすために設けたこの目標ですが、目標は達成できたものの、英語を話す機
会が増えたようには見えません。なぜなら、現地の生徒が日本語を話すからです。滞在期間中大
変お世話になったNSAの生徒は多くが日本語を話せます。現地でも日本語で会話をすることが
多かったと思います。むしろ、現地の人ではありませんが、クラスメイトのほうが英語を使って
会話できます。お互いつたない英語ですが、協力して会話をすることができました。
次に、イベントについてです。今回は、多くの現地人と交流する機会を作るために東北大学生
でイベントを行いました。イベントの内容はビーチでお好み焼きを作って食べるというもので
す。表面的には成功したように見えましたが、裏では多くの問題がありました。まず、知らない
土地でイベントを開催することは想像以上に困難でした。最終的に大部分をNSAの方に助けて
いただくことになりました。また、午前は学校があること足かせとなりました。もし、またこの
ような機会があるとしたら、日本で大部分の準備ができるようなイベントにしたいと思います。
しかし、このイベントで知り合うことになった人もたくさんいて、開催できてよかったと思って
います。尽力してくださった方々に感謝しております。
日本でも、何かやろうと思えば自分から行動することが不可欠です。しかし、海外ではそれは
国内以上に要求されます。今回の研修で以前より、自分の行動力が強化されたと思っています。
従て、この力が日本でも役に立つと思います。
UNSW での研修を終えて
横井 佑香
1. 自己の言語運用力
自己の言語運用力に関して、私が SAP を通して達成したことは、大きく分けて二つあった。一
つ目は大学の授業内で、主にスピーキング力とライティング力の向上である。そして、二つ目は現
地の友人やホストマザーとの交流で、スピーキング力とリスニング力の向上である。大学の授業内
では、普段の英語力ではなくアカデミックな英語について初めて学ぶことができたので非常に良い
経験となった。アカデミックな英語を使用するときには、英会話とは異なる多くの規則があり、こ
のようなことを学べる機会は希少であると感じた。特に、一人でアカデミックなプレゼンテーショ
ンをするという課題は私のスピーキング力、英語での自己表現力を非常に向上させる良い題材とな
った。最終プレゼンテーションでは、台本を暗記するのではなく、その場で自分の意見を英語で聴
衆に伝えることができた。この成功経験から私は強い自信を得ることができた。英語を運用する能
力がどの程度向上したのかを自分で判断することは難しいが、英語を運用する自信を身につけるこ
とはできたと強く感じる。また、もう一つ自信を得た分野はライティングである。ライティングは、
担当の先生が一人ひとり丁寧に添削してくれたのだが、最初に提出したレポートが返却された際、
予想以上に良い評価が返ってきた。これは、今まで一度も海外に出たことがなく、自分の英語がど
の程度通用するのかどうか不安であった自分にとって、強い自信になった。その後は、先生に指摘
された点を直しながら、よりアカデミックな英語でのレポートの書き方を習得することができた。
そして、さらに自分の言語運用力を向上させてくれたと感じるのは、多くの現地の友人である。彼
らの多くは日本語を勉強していたため、互いの日本語と英語力を訂正しあう、まさに「切磋琢磨」
する友人となった。彼らとの交流で感じたのは、他言語でのコミュニケーション力というのは、単
にスピーキング力やリスニング力などを勉強して向上させることではなく、互いに理解しようとす
る思いやりが欠かせないということだ。もちろん自分の言語力を向上させることも必須であった。
特に私の場合、リスニング力が不足していると感じた。
この経験をふまえて、今後は自信を持って積極的に英語を使用していくこと、そしてリスニング
力をさらに鍛えなくてはいけないと感じる。具体的にリスニング力を向上するためには、今後も現
地の友人の存在が重要だと考える。帰国後も互いの日本語力と英語力を向上するために連絡を取り
合っている。彼らの存在を大事にしなければいけないと感じる。また、再び留学に行きたいと考え
ているので、次は、一か月であれ、より長期の留学であれ、リスニング力に重点を置いて臨みたい
と思う。バスの中、テレビ番組、街の人々、全ての環境がリスニング力向上のための要素になるの
で、次回はリスニングをより一層意識して海外体験をしたいと考えている。
2. 異文化適応
異文化適応に関して、私が SAP を通して達成したことは、他国の文化や考え方に触れ、多くの
異なる考え方を知ったこと、そして、日本で生きてきた考え方だけでは海外の人々とうまくやって
いくことはできないと、身をもって知ったことである。まず、私はこのプログラムに参加する前に、
「必ず帰国後も連絡を取れるような大切な海外の友人を作ろう」と決めていた。結論、この目標は
達成できた。現地で様々な友人ができて、強く感じたことは、オーストラリアには「建前」の文化
がないということだった。19年間日本で育ってきた私には馴染み深い文化であるが、多くの現地
の友人は「建前」を使わず、何でも正直に話してくれた。そのコミュニケーションの取り方は日本
では味わえないもので、私にとってとても新鮮で刺激的で、なにより、気持ちの良いコミュニケー
ションの取り方だと感じた。現地の友人の一人は、日本人の、直接には感情を相手に伝えないとこ
ろが好きではないと、はっきりと言っていた。このような意見は日本で生活しているときでも、メ
ディアなどから聞いたことがあったが、実際にそのような考え方を好きじゃないと宣言し、自分の
考える生き方を貫く友人に出会った後では、そのメッセージの重みが違っていた。様々な考えを持
ち、それを表現しながら生きる同世代の友人に触れたことで、自分の日本人らしいところ、そうで
ないところを見直し、自分の生き方や考え方を見つめなおす良い機会になった。
また、もう一つステイ先で忘れられない経験をした。それは留学期間半ばのことだった。私が、
ステイ先に帰宅したとき、ホストマザーと彼女の友人がバルコニーで会話をしていた。楽しそうに
ではなく、なにか深刻そうに話していた。私は前述した通り、リスニングが苦手だったため、必死
に耳を傾けながらも一部しか聞き取ることしかできなかった。一部しか聞き取ることができなかっ
たが、一部から推測するに、マザーにとって自分が非常にストレスになっているというような話に
聞こえた。帰りが遅くなることもしばしばだったので心当たりもあった。しかし、マザーは普段と
ても親切な人だったので、私にとって非常にショックで、そのとき、日本に帰りたいとシドニーに
来て初めて思った。しかし、そのとき現地の友人の言っていたオーストラリア人の考え方を思い出
した。そして、
「普段から私にストレスを感じている人であれば、あんなに優しく私に接してくれる
だろうか。
」という違和感を覚えた。ここで相手の気持ちも確かめずに我慢するままでは、苦しいま
まだと思い、友人の帰宅後、思い切ってマザーに一部始終を話した。拙い英語で、しかし、必死に
自分の気持ち、考えていることをマザーに伝えた。ふたを開けると、全てが勘違いだった。彼女た
ちは、最近母親を亡くした共通の友人である女性について話していた。会話の中の“She”は私で
はなかった。それ以来、マザーとはさらに親密になった。シドニーに行く前の私であれば、きっと
あのとき黙って波風を立てずに過ごそうとしていただろう。シドニーで自分の考え方、生き方に小
さな変化がたしかに起きていると実感した。そして、
「郷に入っては郷に従え」という言葉が言って
いるような異文化適応が自分にもできたのではないかと思った。
この経験をふまえて、今後は自分の意見をより表現していこうと思った。その方が場合によって
は、より一層良い人間関係が築けるのではないかと思う。しかし、日本にいれば、周囲の人間の多
くは日本人である。彼らのコミュニケーションの取り方、そして、オーストラリア、日本、それぞ
れの良さがある。初めて自分の中に他の国の文化が入ってきた経験をした後、私が思うのは、より
様々な国を訪れて、より多くの考え方に触れたいということである。たったの二か国ではあまりに
少ないと感じた。そして、新たな文化が自分の中に入って来たときには、抵抗するのではなくその
考え方に一度身を置いてみるのも異文化適応の一つの手段なのではないかと考えた。
3.
行動力
行動力に関して、私が SAP を通して達成したことは、シドニー市内や大学構内において何か困
ったことがあったとき、英語ですぐに現地の人に尋ねて解決したことである。たとえば、バスの乗
り継ぎをバス停で待っている人やドライバーに尋ねたり、フェリーの行き先をフェリー乗り場で待
っている人に尋ねたり、バスやフェリー、電車に使える定期券の買い方とお金の入れ方を店の人に
尋ねたり、ステイ先への道がわからず街の人に尋ねたりすることができた。
また、放課後や週末に観光地やビーチに行くときは、積極的に現地の友人を誘うことで、英語で
話す機会を増やした。日本人だけで出かけるとどうしても日本語だけになってしまいがちであるの
で、現地の友人を誘って出かけることは、日常英会話の向上に非常に役立った。また、現地の人と
交流できる機会に誘われれば積極的に参加した。現地の友人をなるべく増やしたことで、今後の自
分の英語学習にとっても良い環境をつくることができた。
また、授業中は積極的に発言することができた。自分の意見が先生に取り入れられることは自信
につながった。そして、次の質問にも答えようと考えるようになることで、先生の話により耳を傾
け、それを言葉にしようとするので、リスニング力、スピーキング力の向上に役立った。このこと
は、最終プレゼンテーションに大いに活かせたと感じる。
この経験をふまえて、今後はオーストラリアではない国にも行ってみたいと感じる。他の国で、
オーストラリアの友人だけでなく、他の国の友人もつくることで、より様々な考え方に触れたいと
思う。また、この一か月の滞在中、シドニーの街の人々は親切で、慣れない土地で生活する人に対
して非常に協力的だと感じた。そのため、今度は他の国に行って、より自分の行動力を試す機会を
作りたいと考えた。他の国を訪れたときも、現地の人々と交流する機会に積極的に参加して、自分
の英語力を向上させると同時に、現地の生活や文化について知る機会を自分で見つけて積極的に参
加していきたいと思った。