CLT※1を用いた建築物が林野庁の補助事業に採択

平成27年8月11日
枠組壁工法(ツーバイフォー工法)とCLTの初の組み合わせ
CLT※1を用いた建築物が林野庁の補助事業に採択
~三井ホームコンポーネント事務所棟建築計画~
三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:市川俊英)は平成27年7月、CLT
を用いた林野庁の補助事業に、グループ会社の三井ホームコンポーネント株式会社(本社:
東京都中央区、社長:渡部一広)の事務所棟建築計画が採択されたことをお知らせします。
(林野庁の補助事業「CLT建築等新たな製品・技術を活用した建築物の実証事業」)
同事業はCLT(直交集成板)等の新たな木材需要の創出を通して木材利用を拡大し、地
域材の安定的・効率的な供給体制を構築することで、林業の成長産業化の実現を図ることを
目的としています。
建築予定の事務所棟は、枠組壁工法(ツーバイフォー工法)に国産材CLTを組み合わせ
た初の試みとなり、近年構造材・外装材・内装材など様々な用途での活用が注目されている
CLTの特徴である優れた断熱性・遮音性等を実証することにより、今後のCLTの幅広い
利用に向けての可能性を追求する取り組みです。今回、床・外壁・天井部分にCLTを利用
することで、床は断熱兼衝撃音対策として、外壁と天井は断熱兼仕上・下地用途としての活
用をするとともに、各性能の測定実証、施工合理化の可能性などの検証を行ってまいります。
来年度には国土交通省からCLTに対する基準強度ならびに設計法が定められることが予
定されており、当社グループは三井ホームコンポーネントを中心に今回の建築実証により、
幅広い用途でのCLTの活用に向け、枠組壁工法(ツーバイフォー工法)による大規模施設
系建築における活用を視野に研究を続けてまいります。
※1
CLT(Cross Laminated Timber)
ひき板層を各層で互いに直交するように積層接着したパネル及び、それを用いた構法を示す用語
バンクーバーのブリテッシュコロンビア大学
CLT(直交集成板)の断面
1
<CLTとは>
CLT(Cross Laminated Timber クロス・ラミネイティッド・
ティンバー)はひき板※2の層を各層で互いに直交するように積層接着※3したパネル及び、そ
れを用いた構法を示す用語で、1990年代にヨーロッパで開発され、8~10階建てのマ
ンションや、中・大規模の商業施設や公共施設、一般住宅までさまざまな建築物が建てられ
ています。コンクリートに代わる構造材として、中高層建築物への活用が期待されています。
※2
※3
ひき板:天然木を鋸でひいて製作する木の板のこと。1 センチ厚以上(10㎜~20㎜)のものが中心で、突板(0.
2㎜~0.6㎜)よりも厚めの木材です。集成材や積層材などにも使われ、反りやひび、狂いを防ぐことが
できます。
積層接着:幾層にも重ね接着剤で圧着したもの
CLT概念図
出自:日本CLT協会「CLTの紹介」
<部材の特性>
CLTは材料の品質精度が高く、均一な強度を確保できます。基本的にビスと金具による
接合となるため「施工性」が良く「断熱性」、「遮音性」、「耐火性」、「耐震性」に優れ
た部材であり、工場でプレカットされて現場に搬入することが可能なため、「工期短縮」だ
けでなく、熟練工が不要、現場での廃棄物が少ないなど、数多くのメリットがあります。
また、壁倍率20倍相当の「高強度」による耐震性の高さから、海外ではCLTを使った
中層(8~10階程度)ビルや共同住宅が建設されています。
<当該プロジェクト概要>
■建設地
■主要用途
■構造
埼玉県加須市新利根1-6-1
三井ホームコンポーネント(株)加須工場内事務所棟
木造(枠組壁工法)
■階数
■延床面積
■補助金額(予定)
■着工
■完成
■建築主・施工
■設計
地上2階
222.19㎡(67.21坪)
9,800千円(不課税)
2015年10月予定
2016年 2月予定
三井ホームコンポーネント株式会社
株式会社三井ホームデザイン研究所
2
CLTを外装材に使用し、木の素材感を生かした外観
<CLTを用いた海外での建築実例>
CLTは1990年代に開発された新しい木質材料であり、厚さや大きさなど様々な種類
が存在し、構造材、外壁材、内装材など様々な用途に用いられています。ヨーロッパでは、
すでに8~10階建のマンションや、中・大規模の商業施設や公共施設、一般住宅まで様々
な建築物が建てられるなど、近年では急速な伸びを見せています。
オーストリアでBMWが経営するホテル、構造と全室の内装にCLTを使用している
・
木造建築世界一の高さを誇るメルボルン
の10階建アパート
構造にCLTを使用している
ウィーンのショッピングリゾート
構造にCLTを使用している
3
「
」ロゴについて
三井不動産グループでは、グループのロゴである「
(アンド))」マークに
象徴される「共生・共存」、「多様な価値観の連繋」の理念のもと、グループ
ビジョンに「
(アンド・アース)」を掲げ、当社グループのまちづくり
が常に地球とともにあることを認識し、人と地球がともに豊かになる社会を
めざしています。
「 (アンド)」マークの理念とは、これまでの社会の中で対立的に考えられ、
とらえられてきた「都市と自然」「経済と文化」「働くことと学ぶこと」といっ
た概念を、「あれかこれか」という「or」の形ではなく、「あれもこれも」とい
う形で共生・共存させ、価値観の相克を乗り越えて新たな価値観を創出してい
くもので、平成 3 年 4 月に制定されました。
*この資料は、次の各記者クラブにお届けしております。
○ 国土交通記者会
○ 国土交通省建設専門紙記者会
本件に関するお問い合わせ先
三井ホーム株式会社 広報部 広報グループ
電話 03-3346-4649
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