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2015年 秋号
CONTENTS
Interview スキンケアに配慮した排泄ケア
病院・施設訪問 社会福祉法人 信愛報恩会
介護老人福祉施設 信愛の園
Interview
おむつ交換の回数を
減らすことが
肌トラブルの予防につながります
北海道大学 名誉教授
医療法人社団廣仁会 褥瘡・創傷治癒研究所 所長
大浦武彦 先生
超高齢社会に際し、褥瘡の社会問題化を予見し、1998年に日本褥瘡学会を設立。褥瘡の予防か
ら治療まで、広範かつ多岐にわたる問題の研究を行う日本の褥瘡治療研究の第一人者。
また、日本在宅褥瘡創傷ケア推進協会理事長及び、日本下肢救済・足病学会理事長としても活動。
おむつ交換が肌トラブルを招く一因に
褥瘡の専門家としての私の持論は「創(きず)を見ればすべてが分かる」です。実際に、創の変化を丹念に調べて分かったことがあり
ます。それは、体位変換は体圧を分散させるという良い効果がある一方で褥瘡予防に不可欠とされてきた体位変換がかえって、褥瘡を
悪化させていたという事実です。体位変換に伴う動的外力(人の手を通じて加わる力)が、肌に悪影響を与えていたことに起因します。
そこで、創への影響をなるべく少なくする体位変換法を導入しましたが、それでも創は治りませんでした。さらに調べてみると、
おむつ交換による動的外力も肌トラブルの原因となっていたことが明らかになりました。
このことを突き止めて以来、私はおむつ交換の回数を少なくすることを推奨しています。今では「清潔性」と「さらさら感」が持
続し、長時間にわたる使用も可能な尿とりパッドも製品化されていますから、うまくケアに取り入れることが大切でしょう。
患者様・利用者様の
「良眠」
にも配慮を!
動的外力を考慮せずに、人の手による体位変換やおむつ交換を頻繁に行えば、肌トラブルだけではなく、患者様・利用者様の睡
眠の阻害も招きます。そこで、肌トラブルを招く動的外力の解決策として、自動体位変換付マットレスとポジショニングピローを使
用し、夜間に人の手を用いずとも、自然に体位変換ができるように配慮したところ、その患者様は「初めてぐっすり眠れました」と
お話しになりました。患者様や利用者様にとって、
「良眠」がいかに大事かということを思い知らされました。
おむつ交換においても、すこしでも清潔な状態を保とうと、夜間でも行うケースがありますが、逆に、肌トラブルはもちろんの
こと、良眠を妨げてしまう場合があることも、是非、念頭に置いていただければと思います。
洗浄・保湿・肌保護は念入りに
高齢者の皮膚は皮脂腺からの分泌量が減少し、乾燥しやすい傾向にあるほか、外部からの刺激も受けやすい状態にあります。お
むつ交換などに伴うちょっとした動的外力で、肌トラブルが起きてしまうのもここに理由があります。
そこで、肌環境を正常に保つためにも重要になるのが、洗浄・保湿・肌保護を念入りに行うこと。人肌程度のぬるま湯で、少な
くとも1日に1回は丁寧に洗い流すとともに、洗浄後は保湿クリームを塗布することも欠かせません。
ただし、洗浄に当たっては、ぬるま湯だけではすべての汚れが落とし切れないこともあるので注意が必要です。保湿や肌保護に
も効果がある、専用の洗浄液を使うのも有効な手立ての一つでしょう。
このおしり洗浄液をはじめ、高性能なおむつや尿とりパッド、自動的に体位変換できるマットレスなど、介護用品は絶えず進化し
ています。こうした製品をいかに日々のケアに生かすかという視点も、今後の介護においては必要なものになると思います。
病院 施設訪問
人間性を尊重した利用者本位の援助を行う、
高齢者総合介護サービス施設
社会福祉法人 信愛報恩会
介護老人福祉施設 信愛の園(東京都清瀬市)
療養室は182床、
入所は定員182名。
特別養護老人ホーム 信愛の園では、利用者様の良眠確保のため「一晩中安心さらさらパッド」を使用し、
明け方4時のおむつ交換を減らし、
同時にぬれたタオルの使用を止め、洗浄後、
乾いたペーパーで拭くケアに切り替える取り組みを実施しました。
これらの取り組みの効果について、アンケートに答えていただくと共に、スタッフの方々に詳しくお話をうかがいました。
スタッフ様へのアンケート結果
朝4時に起こされるのは? 相手の立場に立つことがケア見直しの
スタートでした
課長補佐 有田多美子さん
まずは
「利用者様の立場に立って考える」
こと
が、排泄ケア委員会の出発点でした。毎朝4時
に、
排せつ介助のために起こされたら、
どんな気
分になるかと。では、何を改善すればその時間を取り除けるか。
「こう
やってみよう」
「こうしたほうがいいんじゃないの」
と、
皆が具体的な意
見を出し合い、様々な商品を試すことで、今のケアの形が生まれまし
た。今後も、
一人ひとりに合ったケアをさらに進めて行きたいと考えて
います。
尿意・便意のなかった方が
トイレで排泄できるようになりました
梶原とく子さん
新しいパッドを夜9時につけて、朝9時に開
けてみて、お尻が冷たくなかったのでびっくり
しました。これなら絶対いけると思いましたね。
明け方のケアがなくなり、夜よく眠れるので、昼間活動的になった
方も増えています。リクライニング車いすで尿意・便意のなかった
方が、今は車いすで、尿意・便意あり、トイレで排泄できるように。
以前は、朝食後はすぐ部屋に戻っていたのですが、最近はリビング
で、皆でテレビを見るようになりました。
(回答者数20名)
夜間のおむつ交換の見直しを行い、創出された時間を
どのように活用されていますか?(複数回答可)
0
20
40
60
ナースコールの対応や見回りが
しっかりと行えるようになった
80
100
(%)
90
日勤の準備の充実や日勤業務の
前倒しを行うようになった
70
記録にあてる時間が増えた
70
利用者様の睡眠の観察を
しっかり行えるようになった
50
夜勤者同士での
コミュニケーション量が増えた
25
夜間のおむつ交換の見直しを行い、
(複数回答可)
利用者様の変化を教えてください。
0
20
40
60
80
100
100
よく眠れている感じがする
精神的に安定されたように
感じる
(%)
30
日中の活動量が増えた
15
笑顔が増えた
15
日中の会話が増えた 10
食欲が増加した 10
おしり洗浄液Neoのお気に入りの点を教えてください。
(複数回答可)
おむつ交換見直しとケアアドバイザーさんの
ひとことが
「考えるケア」
のきっかけに
内盛美奈子さん
交換を減らすことは、
「サボること」
のような気が
して、
実は抵抗がありました。
でも、
ユニ・チャームの
ケアアドバイザーさんの「商品が改良されている
のに、同じケアでいいのですか」
という言葉が胸にすとんと落ちて。空い
た時間で、
利用者様一人ひとりを観察しながら、
皆でより良いケアについ
て話し合うようになりました。
今回の取り組みが、
流れで行うケアから、
より
考えるケアへと変わるきっかけになったと思います。夜熟睡できるので、
利用者様が
「ご飯がおいしい」
とおっしゃるのも嬉しいですね。
0
20
40
60
65
香りが良い
排泄臭が減った
55
すすぎの必要がなく、
洗い流すだけなので便利
45
おしりがしっとりした感じがする
35
お肌の状態が良くなった
35
尿・便の汚れが落ちやすい
25
容器がコンパクトで
持ち運びしやすい
25
80
100
(%)
こんな効果が報告されています!
利用者様の変化
夜間のおむつ交換を
減らしたら
清潔ケアを
工夫したら
スタッフ様の変化
● 夜ぐっすり眠れることで、
利用者様に食欲が出てきた。
● 記録などの業務を夜に回すことで、
昼間の業務を効率化できた。
● スタッフに余裕があるので、
利用者様も気軽に話しかけるようになり、
笑顔が増えた。
● スタッフにゆとりが生まれ、
一つひとつのケアを丁寧に
行うようになった。
● 夜よく寝ているため、
昼間は活動的な利用者様が増えた。
● 以前は流れでやっていたケアから、
考えるケアへと変わった。
●
● におい削減のため、
おむつを個別の袋に入れて
廃棄を徹底。
おしり洗浄液 Neoでしっかり汚れを
落とした後、乾いたタオルで拭くケアに。
以前使用していたぬれタオルは
ホットキャビネットごと撤去。
➡利用者様のお肌がすべすべになった。
➡台湾からの見学者が、
においの少なさに驚いていた。
時間に追われなくなり
一回のケアを丁寧に行えるように
ナースコールに迅速に
対応できるように
食欲アップの変化は
利用者様が熟睡できたから
石原清子さん
松田裕樹さん
鈴木千果さん
朝起こしてもなかなか目覚めな
かった方が、自分で起きてくるよう
になりました。
スタッフには時間の余
裕ができたので、
個々のケアをより
丁寧に行えるように。
早朝の慌ただ
しさがなく、
落ち着いて利用者様の
様子が見られるようになりました。
おむつ交換削減で生まれるゆと
りは、
非常に大きいですね。以前は、
明け方にナースコールに対応しなが
らおむつ交換をしていましたが、今
は、夜には記録などすぐ手を離れ
る仕事を集中させているので、ナー
スコールにもすぐ対応できます。
朝、食堂にお連れすると、車いす
でそのまま眠ってしまう方が多かっ
たのですが、最近はしっかり目を開
けて、ご 飯もよく召し上がります。
スタッフがやり方を変えることで、
利用者様の負担も減る。
この1年で
良い方に変わってきたと思います。
夜ぐっすり眠れることで利用者様の笑顔が増え、
フロア全体に活気が生まれています
課長 増岡ちどりさん
グループ病院から2年前に異動になった時、
自立排泄ケアへの取り組みが課題と感じました。
まず利用者様の立場になり、
おむつ交換のために朝4時に起こされるのはどんな気分なのかを
排泄委員全員で考えました。
さらに、
ユニ・チャームのケアアドバイザーさんからの
「商品が新し
く変わったら、
ケアも変えるべき」
との問題提起でスタッフの心が動きました。
ケアアドバイザー
さんは、
現場の課題を気づかせてくれる存在です。
今回は、
明け方のおむつ交換を思い切って止めました。
ぐっすり熟睡していただけるため、利
用者様の昼間の活動が活発になり、笑顔も見られるようになりました。以前は、
「皆忙しそうで
声をかけづらい」
という利用者様の声がありましたが、スタッフにもゆとりができ、お声かけも
十分にできるため、会話も増えてきました。
そういった小さな変化が、
フロアに良い雰囲気をつ
くりだしています。
さらにパッドの使用枚数は月4000枚減り、
おむつ代を大幅に削減できました。
また、
洗浄後ぬれたタオルで陰部を拭くケアをしていましたが、
おしり洗浄液Neoでしっかり
汚れを落とした後、
乾いたペーパーで拭くケアに変更したところ、
利用者様のお肌がすべすべになりました。
今後は、
さらに自立排泄の取り組みを進め、
1日1回でもお手洗いで排泄できる方を増やしていきたいですね。
INFORMATION
~ライフリーのスキンケア製品~
*
世界初
!
ライフリー独自の特許技術
「なみなみシート®」
で3つの革新
特許技術
「さらさらドライシート」
尿の逆戻りを低減します。
一晩中安心
さらさらパッド
(スーパー/ウルトラ/エクストラ)
「引き込み吸収ライン」
革新
1
革新
2
体圧がかかった状態でも
尿を素早く吸収します。
「なみなみシート®」
特許技術
で
驚きのスピード吸収
「立体フィットギャザー
高さアップ!※」
不純物が混じった尿をくり返し吸収しても
目詰まりせず3倍スピード吸収※
極上の肌ざわり
革新
ベビー用紙おむつと同じ素材で肌との摩擦を20%低減※
3
ライフリー史上
肌につく尿を2分の1にカット※
*湿潤時にも崇高性を維持できる凹凸シートをトップシートに採用した大人用尿とりパッドとして ユニ・チャーム調べ 2015年2月時点 主要グローバルブランド製品において
※ 当社従来品比
「洗浄・保湿・肌保護」
の3つの効果でお肌を清潔に、
すべすべに保つ洗浄液
おしり洗浄液 Neo
POINT
1
最高級のドライ性
3倍濃縮
※1
のコンパクト化で
新登場!
※1 旧品比較
洗浄
皮脂を取りすぎず、
やさしく汚れを落とす「天然ひまわり油由来の石鹸」
を配合しています。
POINT
2
保湿
お肌に潤いを与え、便中酵素を分解する「オウバクエキス(キハダ樹皮エキス)」を配合しています。
POINT
3 肌保護
お肌をすこやかに保つ「すべすべコート成分(リピジュア®)」を2倍*配合。
リピジュア®=ポリクオタニウム-51 *300ml希釈時の濃度
リピジュア®の水分保持能力はヒアルロン酸の約2倍※2。
洗浄後も高い水分量を維持。 ※2 日油株式会社調べ
●天然由来の成分なので、すすぎの必要はありません。 ●さわやかな石鹸調の香りが広がります。
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ライフリー・サイト
〒 108-8575
尿もれケアナビ
東京都港区三田 3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館
ユニ・チャーム株式会社 営業本部 Pro Care営業企画部
TEL. 03-6722-1009
FAX. 03-6722-1010
http://www.unicharm.co.jp/healthcare/
http://www.nyoucare.jp/
排泄ケアナビ
http://www.carenavi.jp/
http://www.unicharm.co.jp/
2015年9月発行