努力の上に花が咲く 佐渡市立八幡小学校

佐渡市立八幡小学校
平成 27年10月28日
№13
un
Tel 0259-57-2602
〒952-1311 新潟県佐渡市八幡 2002 番地
Fax 0259-57-2604 http://yahata-es.sado.ed.jp/
努力の上に花が咲く
校
長
渡部 栄二
「左手一本のシュート」という本があります。天才バスケ少年だった田中正幸さんが、
病気で右半身不随になり、それでも高校のインターハイで試合に出た話です。ドキュメン
タリーとしてテレビ放映され、今でもユーチューブで「日川高校バスケットボール部 田中
正幸 奇跡のシュート」で検索すると、見ることができます。
この話をもとに、5・6年生に道徳の授業をしてみました。映像を
いくつかに分け、その都度、次のように問いかけ、理由を聞きました。
・正幸さんの「強い高校でバスケの試合に出る」という夢はかなった
でしょうか。
・下半身不随になっても、夢はかなうのでしょうか。
・リハビリし、毎日練習した正幸さん。夢はかなったでしょうか。
・あなたがチームメイトだったら、監督の「正幸さんを試合に出した
い」という提案に賛成しますか。
・インターハイ予選は、1回でも負けたら、3年生は即引退です。提案に賛成しますか。
・30 点以上の差がないと、正幸さんは試合に出られません。夢はかなったでしょうか。
「夢はかなうのか」を繰り返し子どもたちに聞きました。左手だけで何万本もシュート
練習をした時。インターハイは強豪が多く、ベスト8も難しいと分かった時。試合前半は
16 点差までしかつかなかった時。…そして、正幸さんは試合に出、シュートを決めます。
それを一番喜んだのはチームメイトだったのを見て、私も胸が熱くなりました。
しかし、それ以上に胸が熱くなったのは、当校の5・6年生は一貫して「夢はかなう」
「試合に出すべきだ」と答えたことです。終末に書いた感想を紹介します。
努力をすること、あきらめないことが大切だと分かりました。最後まであきらめず、努
力の上に花が咲く、ということが分かりました。このことを生活でも生かし、あきらめな
いでがんばっていきたいです。たとえばなわとびで、つかれてもうだめだというところで、
自分の全力を出したいです。
努力すれば、夢はかなうと思いました。何か夢をかなえられなくなることがあっても、
かなえたいという気持ちがあれば、できると思いました。だからぼくは、努力することを
忘れないようにしたいです。「自分はできない」「無理」などの言葉を使わないようにした
いです。
見せてもらった映像のように、努力しなければ、できるかどうか分かりません。私はす
ぐに「絶対無理!」とか「できない!」と言ってあきらめてしまいます。でも、努力すれ
ば、できることはたくさんあります。できないことがあっても、すぐにあきらめないよう
にしたいです。そして「できない!」と言わないように努力したいです。
八幡小の子どもたちの姿が見えるではありませんか。次ページの全国学力・学習状況調
査の結果もそうです。このような「生きる力」を2学期も育てていきます。
9月1日の学校説明会で、前期学校評価の結果の他に本年度の全国学力・学習状況調査
の結果にも簡単に触れました。概要は、次のとおりです。
4教科正答率の全国平均との差
(1) 平成 24 年以降学力は向上し、本年度も過去最高
になった。
(2) 特に国語 A、算数 AB は全国平均より顕著に高い。
校内研修で授業改善に取り組み、日常の授業で「学
習課題」「学習のまとめ」を重視した成果である。
(3) 「文章で書く」問題のできが特によく、B 問題
の特徴である記述式の説明問題正答率が高い。思考
結果チャート
力・表現力が伸びていると考えられる。
(4) 結果チャートからは、以下の内容が読み取れる。
①4教科の学力と「言語活動・読解力」
「自尊感情」
が顕著に高い。
②教科等への関心も平均を大きく上回る。
③「学習習慣」が平均以下なのは、「予習・復習」
をしていないと答える子が多いためである。
右の「結果チャート」は、テストの点数だけでなく「質
問紙」と呼ばれるアンケートの結果も合わせて円で示し
たものです。点線が全国平均で、外側へはみ出しているほど望ましい状況です。
では、「質問紙」からはどんな八幡小の子の姿が見えるでしょう。一部紹介します。
質問番号
4
質
問
八幡小
ものごとを最後までやり遂げて,うれしかったことがありますか。 100
「当てはまる」の割合
佐渡市
新潟県
全国
76.1
75.6
72.9
9
将来の夢や目標を持っていますか。
「当てはまる」の割合
100
67.8
70.5
24
学校に行くのは楽しいと思いますか。「そう思う」の割合
80.0
57.6
55.3
75.3
71.6
48.5
44.7
59.9
56.8
66.7
66.6
77.0
73.3
35
人の役に立つ人間になりたいと思いますか。
「当てはまる」の割合 100
学校の授業などで,自分の考えを他の人に説明したり,文章に書 100
いたりすることは難しいと思いますか。
「そう思わない・どちらか
45
といえばそう思わない」の割合
国語の授業で学習したことは,将来,社会に出たときに役に立つ 100
52
と思いますか。
「当てはまる」の割合
算数の勉強は好きですか。
「当てはまる・どちらかといえば当ては 80.0 68.5
58
まる」の割合
今回の算数の問題について,言葉や数,式を使って,わけや求め 100
方などを書く問題がありましたが,どのように解答しましたか。
68
「最後まで書こうと努力した」の割合
質問は87項目もありました。その中のほんの一部ですが、次のような姿が見えます。
①
「自己有用感」をもち、学校で楽しく学んでいる。
②
地域の行事に参加し、人の役に立ちたいと考えている。
③
国語(学校での学習)は、将来役に立つと考えている。
④
算数(国語・理科を含め)が、好きだと感じている。
⑤
難しい問題でも最後まで取り組み、文章で自分の考えを書ける。
八幡小学校が目指してきた子どもの姿です。他の学年でもこのような姿を目指して指導していきます。
マラソン大会は終わりました
が、スポーツの秋はまだまだ
続きます。体育では、秋の体
力テスト。シャトルランでは
120 回を超える猛者もいます。
アスリートタイムでは、なわ
とびも始まりました。運動も
がんばっています。
合唱 の声が揃って きま
した。大きな口で、きれ
いな声です。文化祭の作
品作 りもがんばっ てい
ます。力作、ご覧いただ
けましたか?
1年生は、くり上がりのあるたし算。自分の考えをしっかり
発表できるようになりました。
4年生の国語は、戦争
教材。空襲警報や焼夷
弾に焼ける家屋を想
像し、登場人物の気持
ちを読み取っていま
す。
まつ組では、まず自分の力で解いています。分からない時は
「ヒントをください」と自分から働き掛けます。
10 月2日、後期の児童会が発足。新委員が張り切って仕事を
しています。右は、毎日国旗と校名旗を掲揚する総務委員会。
毎週月曜日はボランティアの皆様が、金曜日は田長先
生が、本の読み聞かせをしてくださいます。朝学習で
も読書。頭と心に、栄養がたまります。
~人とのかかわりを通して学ぶ~
5・6年担任:本間 みどり
5 年生「民泊体験」
1学期の総合学習では、
「民泊体験」をしま
した。民泊先である外海府地方について調べ
たり、お土産のフォトフレームやお礼のダン
スの準備を行ったりして、当日に臨みました。
民泊先では、洞窟探検やイカ飯作りなど普段
なかなか体験できない活動もすることがで
きました。中でも夜に行った「火の用心」や
実物の文弥人形を動かす体験は、伝統を大切
にする地域の方の気持ちと共に、深く子ども
たちの心に残りました。この活動を通して人とのかかわり方や家族のありがたさに気付く
ことができました。
6 学年「きらり輝く人をたずねて」
6年生の総合学習では、新潟で活躍する人
にお会いし、その人たちの生き方を学ぶこと
を課題とし、取り組みました。修学旅行では、
シェフ・パティシエ専門学校・アップルスポ
ーツカレッジ・新潟県民 FM 放送・マリンピ
ア日本海を訪問しました。この訪問を通して、
「仕事をするには好きだという気持ちが大切
だということ」
「笑顔は仕事をするときも大切
なこと」「あいさつが一番の基本」「素直に聞
くこと」
「嫌なことからの方が学びがあること」
など、多くのことを学ぶことができました。
2学期は5・6年生一緒に「朱鷺」につい
て学習しています。朱鷺について知っている
こと、よく分からないことを明確にし、目的
意識をもってトキの森公園に見学に行ってき
ました。そこで知ったたくさんの学びをこれ
から発信するためにまとめていきます。また、
朱鷺と私たちが仲よく暮らしていけるために
できることは何かについても考えていきます。
こうした活動を通して、ふるさと「佐渡」に
ついて深く理解し、かかわる機会としたいです。